7/24〜7/30のSANFRECCE Diary


<05.7.30> 昨日、今日はネットに接続できず更新ができませんでした。どうも済みません。
 さてこの2日間の最大にニュース、と言うと駒野の日本代表への追加招集でしょう。一昨日日本サッカー協会は、左足ふくらはぎを肉離れした三浦淳宏に代わって駒野を日本代表に招集した、と発表しました。駒野は昨年の12月に行われた新潟とのチャリティマッチに選ばれるなど、マスコミ辞令の上では「次は日本代表では」と言う話はあったと思います。実際今年の彼のパフォーマンスは、開幕戦からアシストを決めるなど他の日本人SBと遜色のないものでした。しかしW杯予選からコンフェデまで彼が代表に選ばれる気配は全くなく、この東アジア選手権でも選出は無し。浦和戦ではジーコ氏は広島の試合を見ていたものの疲れのため完調とは言い難くアピールは叶いませんでした。本人も諦めムードだったのか「正直、びっくりしています」と語っていますが、これはサンフレッチェに関わるすべての人の感想かもしれません。緊急招集だということで練習で合わせる時間はほとんどないこと、駒野自身すぐにチームに溶け込めるタイプで無いこと等を考えれば試合に出る可能性は多くないでしょうし、出たとしても活躍できないかも知れません。しかし、これは駒野にとっては重要な一歩です。仮に今回出場できなかったとしても、必ずまた次のチャンスが与えられるはず。今回の代表招集は「ボーナス」のようなものだと考えて、まずはチームに馴染んで来て欲しいと思います。
 なお「ホットニュース」によると「コマが代表に選ばれたのは、本当に嬉しかったし、刺激になった。彼が入ったことで、広島の試合を見ていてくれたんだ、という思いにもなれた」(佐藤寿人)とチーム全体の雰囲気も盛り上がっているとのこと。まずは駒野がここで殻を一つ破って、サンフレッチェ全体の成長のきっかけを作って欲しいと思います。
<05.7.28> 小野監督は昨日、吉田サッカー公園で会見しリーグの前半戦を総括しました。
 まず全体については「常にトップの背中が見える位置で戦いたいと考えていた」として、ここまで7勝7分け4敗で4位と言う成績を評価しました。特にHOT6を代表とする過密日程の中で苦しみながらも勝ち点を取って来ていることから、「ここまで良いレールに乗って戦えている」と語っています。
 リーグ最少失点(13点=1試合平均0.72点)の守備ですが、当初の目標は平均1.0以内だったそうなので余裕でクリアできていることになります。昨年は3バックで先に失点をしない戦い方だったわけですが、今年はむしろ「失点を恐れずに攻撃に出たことで2バックみたいな状況になる場面もある」ような、攻撃的な守備がモットー。にも関わらずしっかり守れている事は今年の躍進の一番の要因だと言って良いでしょう。下田、小村、ジニーニョを中心に、「チーム全体の守備意識が上がったことがこの結果に結びついた」と考えているとのことです。
 一方の攻撃面では「1試合2.0得点以上を目標に、1.8得点以上の数字まで持って行きたいと考えていた」と語っています。しかし、これまでの総得点は24。すなわち1試合平均で1.3点しか取れていないわけで、こちらは目標を大きく下回っています。ただ、しかしリーグ全体でも1試合平均1.8以上取っているチームはG大阪だけ。従って、目標自体がかなり高いところに置いているわけです。ここまでチームとしての攻撃の形は出来ているので、「もっと泥臭くゴールを狙って行くことが必要」としています。
 今後は「現在の位置に満足」せず、「クラブ全体で本気でタイトルを取るという意思を見せることが大事」だとしています。チーム内の競争を活性化させるとともに、1対1に強くなること、セットプレーの精度を高めることを目標に、後半戦に向けて戦うという決意を述べています。
 今シーズンここまで好成績を残しているのは、3年目にして小野監督の戦術が浸透していることが一番大きい、と思います。そしてシーズン前に積極的に補強に動いた成果が出ていること。これは新しい選手がレギュラーとして活躍していると言うだけにとどまらず、李や森崎浩ら主力選手が出遅れてもその穴を感じさせない層の厚さに繋がっています。更に、連戦になったときに選手を入れ替えながら戦えること、終盤の点が欲しいときに質の高い選手を投入できることも、これまでの結果に繋がっていると言えます。ただ、それでも勝ちきれない試合がいくつかあったのも事実で、名古屋戦、C大阪戦ではロスタイムに追いつかれ、G大阪戦では最後の最後に勝ち越されて勝ち点を失っています。仮にこれらのゲームを逃げきっていたら2位G大阪に勝ち点で並んでいたわけで、やはり優勝を争うためにはそのへんの勝負強さをもっともっと身につけなければならない、と言えるでしょう。短期決戦の連続だったこれまでとは違い、8月以降は3か月半で16試合の長丁場の戦いとなります。先発の11人、ベンチ入りを含めた16人だけでなく、チーム全体の力で戦い抜けるかどうかが、ポイントとなりそうです。
<05.7.27> 土曜日にサンフレッチェと親善試合を行うフィオレンティーナが昨日の朝、関西空港に到着しました。そして到着後ホテルに向かい、身体を休めた後に長居陸上競技場で練習を行ったとのことです。7月上旬から合宿でチーム作りを進めてきたフィオレンティーナは、8/7にイタリア杯一次リーグを控えているそうで、その直前のジャパンツアーは貴重な実戦練習の機会。サンフレッチェで言えば、練習と試合を連日組んでいた宮崎キャンプのような位置づけになるものと思われます。従って良いコンディションでベストパフォーマンスを見せる、というわけにはいかないでしょうが、逆に狙いがはっきりしているだけに、それなりに「本気」の試合を見せてくれるかも知れません。(少なくとも、金儲けのために世界一周するどこぞのクラブ(^_^;)のようなことにはならないはず。)
 ところで22日の練習中に左膝を痛めた中田は「状態は良くなっているけど完全ではない。試合でどれだけ出来るか分からない」と慎重な姿勢で昨日も別メニューだったそうですが、予定としては今日の練習から合流するとのこと。プランデッリ監督も「中田は出場するのか」との問いに「もちろんだ」と答えています。もともとこの「ジャパンツアー」は中田の出場が契約に入っている、と言う噂なので可能な限り出場するものと思われますが、彼の今後を考えればあまり無理しない方がいいんじゃないかな、と言う気もするのですが。
<05.7.26> クラブユース選手権U-18が、今週末から始まります。三連覇を目指すサンフレッチェユースはB組で、浦和、愛媛、千葉と同居で最も厳しいグループ、と言えるかも。対戦順は7/30にジェフ千葉、7/31に愛媛FC、8/2に浦和レッズ。各組1位と2位の中で上位2チームのみが決勝トーナメントに進出できると言うレギュレーションなので、できれば勝ち点7は取りたいところ。まずは初戦で引き分け以上の結果を残す必要がありそうです。
<05.7.25> フィオレンティーナは23日、ジャパンツアー2005に参加するメンバーを発表しました。
【GK】セーハス、フレイ、マンフレディーニ
【DF】バチス、ダイネッリ、ガンベリーニ、パンカロ、パスクァル、
    サヴィーニ、ウィファルシ、ヴィアリ
【MF】ブロッキ、ドナデル、フィオーレ、ギグー、エルゲラ、
    ヨルゲンセン、中田
【FW】ボジノフ、ファンティーニ、パッツィーニ、リガノ、
    トニ、ブリーザス
 最近のセリエAには疎いのでこのメンバーを見てもあまりピンと来ないのですが(^_^;)、若きブルガリア代表ストライカーのボジノフ、チェコ代表のウィファルシ、イタリア代表のフィオーレ、パンカロ、トニ、デンマーク代表のヨルゲンセン、元フランス代表のフレイなどなど、名の通った選手も多くなかなか楽しみなメンバーです。プランデッリ新監督の元で7/12からフォルガリア(イタリア北部の街らしい)で合宿を始めたフィオレンティーナは、アマチュアチームとの練習試合を通してメンバーと戦術を固めているところ。オフィシャルサイトによると今回の日本ツアーは「コンディションは良いものではない...最高のプレーを表現することも難しいだろう」(プランデッリ監督)とのことですが、新シーズンに向けての実戦練習、と言う位置づけで戦うようです。なお注目の中田英寿選手ですが、移籍の噂もあったもののとりあえずは残留が決まったようで、合宿にも1週間遅れで参加しています。パルマ在籍時には折り合いが悪かったと言う監督が中田をどのポジションで使おうとしているのか、このジャパンツアーで明らかになりそうです。
 ところでフィオレンティーナジャパンツアーのサポーターズBlogによると、「特別企画」として紫色のグッズを身につけて会場に行くと、試合前の集合写真やピッチ入場、ベンチ入り等のチャンスが与えられるとのこと。サンフレッチェのサポーターなら紫はデフォルトなので、ひょっとするとフィオのサポーターに間違えられて?この企画に参加できるかもしれません。
<05.7.25> サンフレッチェは8月の中断期間中に、昨年同様に北海道キャンプを行います。期間は8/6〜8/12で、場所は余市郡赤井川村のヤマハリゾート・キロロ・森の広場。参加メンバーは小野監督の他、スタッフ・選手全員となっています。8/20のリーグ再開に向けて、体力強化と戦術確認が中心になるものと思われます。
<05.7.25> サンフレッチェは23日、東アジア選手権に出場する北朝鮮代表チームに李漢宰選手が選ばれた、と発表しました。李は「今までで一番良い状態、そして充実した状況で代表に選ばれることに手応えみたいなものも感じている」と語っていますが、確かにW杯予選では膝の怪我のため100%の力を発揮するには至らなかっただけに、今回はまた違った気持ちで戦えるのではないでしょうか。
<05.7.24> 昨日ビッグアーチで行われた第18節東京V戦は3-0で快勝し、厳しかった「激夏」の6連戦を締めくくりました。
 ジニーニョと茂原が復帰したサンフは、現状のベストメンバーで臨みました。
       下田

    小村 ジニーニョ
駒野            服部

       森崎和
  茂原(→西河87分)李漢宰
       ベット(→大木66分)

    ガウボン 佐藤寿
    (→森崎浩72分)

SUB:上野、前田
 アルディレス監督が交替した東京Vは、上村と林を外してGK:高木、DF:戸川、米山、李康珍(→玉乃70分)、MF:山田、戸田、相馬、小林大、小林慶(→平野45分→森本78分)、FW:ワシントン、平本。ヴェルディはボールのキープ率を上げてどんどんシュートを打ってきたようですが、しかし少ない手数から有効な攻撃を構築したのはサンフの方。前半8分、カウンターから駒野のサイドチェンジのパスを佐藤寿が胸で李へ。李のスルーパスを佐藤寿がヒールで流し、走り込んだガウボンが潰れながら佐藤寿に戻しました。このサンフの速い攻撃に李康珍は対応できず、思わず出した足に当たったボールはGKの脇を抜いてゴールネットへ。サンフは素晴らしい攻撃から先制点を奪いました。続いて22分、右からのCKを李が蹴ると、ベットがフリーでヘディングシュート。このボールはGK高木に弾かれましたが、こぼれ球を佐藤寿が押し込んで2点目を奪います。更に30分には駒野のアーリークロスを受けた佐藤寿が上手な身体の使い方でDFラインの裏に抜け、GKの鼻先でボールを浮かせてフリーになってそのままシュートを決めます。前半の東京Vのシュートは13本だったのに対してサンフは8本。どちらかと言うと東京Vのペースだったようですが広島は数少ないチャンスを確実に決めて、3-0で前半を折り返しました。
 後半、石崎監督は左サイドの修正を図って平野を投入します。しかし最初に決定機をつかんだのはサンフ。ガウボンからボールを受けたベットがドリブルで中央を突進してDFを引きつけ、パスを受けた佐藤寿がフリーでシュートしましたが、ボールがイレギュラーしたのかヒットせず枠外に外れます。逆に7分と10分には小林大(ワシントン?)がシュート。17分には相馬からのアーリークロスに平本が頭で合わせましたが、枠外に外れて助かります。サンフは流れを変えるべく大木に続いて森崎浩を投入。後半28分には森崎浩を起点に波状攻撃を仕掛け、最後は駒野の素晴らしいクロスに佐藤寿が合わせましたが決めきれません。更に38分には茂原のスルーパスで抜け出した大木がフリーでシュートしましたがGKの足に当ててしまいます。後半も東京Vボールの時間が長くシュートも多く打たれたものの、決定的なチャンスはむしろ広島。3点リードを詰められることも無く余裕で逃げきって、5/1の新潟戦以来久々のホームでの勝利を収めました。
 記録を見るとこの試合のボール支配率は東京Vの60%で広島は40%。シュート数も広島が14本だったのに対して東京Vは26本と、内容的に圧倒されていたように見えます。しかし試合を見た人の話ではむしろ試合全体を支配していたのは広島で、東京Vはボールを持たされ、打たされていたようです。実際、下田は「小林大やワシントンのシュートも『そこしかない』というコースにDFが切ってくれていたので、それほど怖くはなかった」と語っていて、本当に危なかったのは相馬のアーリークロスから平本が合わせたシーンだけだったとのこと。逆にサンフは3点以外にも佐藤寿や大木など決定機を何度も作っていて、もっと点が入っていても不思議ではない内容だったそうです。東京Vが暫定監督の元で立て直しできなかったのと対照的に、サンフが上位らしい堅実な戦い方で勝利を収めた、と言って良いのではないでしょうか。
 これでサンフは7月のHOT6を2勝2分け2敗の勝ち点8で終えました。終盤攻めながら勝ち越し点を奪えなかった柏戦、終了間際に追いつかれたG大阪戦など、もっと勝ち点を取れたのにと言う思いはあります。実際この結果によって中断前の2位から5位(暫定)まで順位を下げてしまい、首位との勝ち点差も9から11に広がったわけで、「優勝争い」と言う意味では苦しい状況になってしまったのは間違いありません。ただ、暑さと湿気と連戦、長距離移動、そしてデコボコのピッチと言う三重苦、四重苦の中で何とか勝ち点を拾って上位に踏みとどまったことは評価しすべきでしょう。苦しい中でも試合を壊さず戦い抜けたことは、チーム力が上がっているとともに精神的な逞しさも付きつつある事を示している、と言って良いのではないでしょうか。リーグはこれからまた1ヶ月弱の中断に入り、その後は切れ目なく16試合を戦うことになりますが、それまでに更にチーム全体の力をレベルアップして、本当の意味で優勝争いに絡んでいって欲しい、と思います。
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