8/21〜8/27のSANFRECCE Diary


<05.8.27> 「ホットニュース」によると連戦と移動の疲労(台風の影響を考えて新幹線を使ったらしい)を考えて、昨日の前日練習は横浜で行ったとのこと。「移動のロスも無く、素晴らしい施設の中、いい準備ができた」(小野監督)のだそうです。また森崎和は川崎について「負けた試合はいずれも一緒の形...相手にスペースを与え、そこを個人技でやられた」として、高い集中力で「アグレッシブに戦う」と宣言しています。等々力競技場は2000年11月以来勝っていないと言う相性の悪いスタジアムの一つですが、今年は日本平、味の素スタジアムのジンクスを克服してきただけに、きっとやってくれるのではないでしょうか。特に昨年から川崎戦で6試合5得点とキラーぶりを発揮している佐藤寿や、古巣との対決に燃える茂原に期待したい、と思います。
 今日のキックオフは午後7時で、テレビの生中継はなく月曜日の午後5時からが初回の録画放送となっています。従ってスタジアムに行けない方は、tssの携帯サイトかネットの速報などで経過をチェックするしかなさそうです。
<05.8.27> 先週末発売の「紫熊倶楽部」9月号(Vol. 91)のメイン記事は、「夏の陣6連戦ドキュメント 激夏の終り、夢の始まり」です。もともと厳しい日程だった上にトラブル続出だったHOT6の戦いを、10ページにも及ぶロング記事で綴っています。
 またこの号には3つのロングインタビューが掲載されています。巻頭のカラーページから登場しているのは森崎浩司選手。五輪に出場した昨年の夏以降、身体が動かなくなり、ネガティブな精神状態になっていき、それが今年に入ってますますひどくなって、「自分の評価と監督の評価にギャップを感じ」ることが多くなり... そしてついに「サッカーなんて、やりたくない」と言う精神状態になってしまった今年の春。しかしそこから周囲の気遣いもあって徐々に治ってきた、と言うほぼ1年に及ぶ自分との戦い。鬱病とも言える状況からようやく戻ってきた彼の心の軌跡を追っています。
 後ろのカラーページで登場しているのは、茂原岳人選手。「最初は、移籍を断るつもりだった」にも関わらず監督が直接交渉に来たことによって決断し、強い気持ちで戦ったキャンプ、そして前半戦。「自分のせいで点を取られた」と言う横浜FM戦と次の大宮戦での思い。そして厳しさを味わった夏の連戦。目標を、と問われて即座に「絶対優勝です」と答える彼は、プレー以外の面でもチーム内で貴重な存在になっているに違いありません。
 そして3つめのインタビュー記事は、中尾真那選手。全くの無名選手からあれよあれよと言う間にJリーガーになり、U-20代表にも選ばれながら「怪我」と言う挫折を味わった彼が、激動の半年間を語っています。
 今月のコラムのうち、広島ホームテレビの望月ディレクターと私は駒野選手の代表デビューについて書いています。また石井百恵アナウンサーの「大好き!サンフレッチェ」でも、駒野を取り上げています。いまおかゆう子さんの「サンフレッチェを支える人々」は、ジュニアユースの島監督。金広督子さんの「ユースをよろしく」は、クラブユース選手権の観戦記。そして最終ページのサポーターの紹介記事では、呉市の山口さん夫妻が登場しています。
 サンフレッチェオフィシャルマガジン「紫熊倶楽部」は定価350円。ホームゲーム会場、V-POINTの他、広島県内の大手書店と新宿の「ひろしまゆめてらす」で販売中です。通信販売と定期購読のお問い合わせ、お申し込みは、紫熊倶楽部ホームページからどうぞ。
<05.8.26> 明日は等々力競技場でJリーグ第21節を川崎フロンターレと戦います。
 川崎Fは現在勝ち点27。勝ち点では横浜FM、C大阪と並んでいますが、得失点差で8位に上がって来ています。
13A ○2-1 磐田  【川】ジュニーニョ、フッキ、【磐】名波
14H △0-0 FC東京
15A ●0-2 鹿島  【鹿】OG、小笠原
16A ●0-1 大宮  【宮】トゥット
17H ○3-2 C大阪 【川】谷口、アウグスト、ジュニーニョ、【C】布部、苔口
18A ●0-1 千葉  【千】巻
19H ○2-1 大分  【川】マルクス、谷口、【分】西山
20A ○2-0 横浜FM 【川】マルクス、中村
 序盤戦は好調だった川崎Fでしたが、我那覇、マルクスのリタイアに続いて第15節には中村も怪我。その間は苦戦が続いて一時は14位まで順位を落としました。しかし関塚監督が2年かけて築き上げた組織力は健在で、苦しい場面でも大崩れせずに踏みとどまっています。そして中断を経てマルクス、中村が復帰。前節はその二人のゴールで、横浜FMを粉砕するなど昇り調子です。その上、7月以降に関東から出たのはたったの1回(それも静岡)と言う恵まれた日程で、先週に続いての関東遠征になるサンフに比べて有利です。J2での相性の良さだけでなくナビスコ杯でも連勝している広島相手と言うことで、必勝を期してくるのは間違いありません。
 対するサンフは、前節出場停止だった茂原が復帰します。大宮戦では疲れのためかチーム全体が重かったとのことなので、中盤に茂原以外にも選手の入れ替えがあるかもしれません。個人的には、ベテラン大木はそろそろ休ませた方が良いのではないかと思うので、次のような布陣でどうでしょうか?
       下田

    小村 ジニーニョ
駒野            服部

       森崎和
   茂原       李
       ベット

    ガウボン 佐藤寿

SUB:上野、西河、森崎浩、桑田、前田
 サンフは再開後2連勝。スタートダッシュに成功し、順位も3位に上がりました。劇的なロスタイムの勝ち越しゴールを2試合続けて、チームの雰囲気も盛り上がっています。ただ、逆に言えばいつもぎりぎりの競り合いで勝っているということで、少しでも気持ちを切らせたら、結果が逆になっていた可能性もあります。連戦と遠征で苦しいところですが、お互いにカバーしあって良い結果を出して欲しい、と思います。
<05.8.25> 昨日ビッグアーチで行われた第20節大宮戦は、2試合連続のロスタイムでのゴールで3連勝。浦和と入れ替わりで3位に浮上しました。
 前節のレッドカードの影響で茂原が出場停止のサンフは、森崎浩が今季二度目の先発で(たぶん)次の布陣で戦いました。
       下田

    小村 ジニーニョ
駒野            服部

       森崎和
  森崎浩(→李63分)ベット(→前田81分)
       大木(→桑田67分)

    ガウボン 佐藤寿

SUB:上野、西河
 対する大宮は前節出場停止の奥野が復帰して、GK:荒谷、DF:奥野、冨田、平岡(→三上73分)、西村(→トニーニョ45分)、MF:ディビッドソン、トゥット、藤本、斉藤、久永(→横山79分)、FW:森田。大宮は「広島対策」として4-1-4-1を採用。その戦術は効果的だったそうですが、しかしその網をかいくぐってサンフレッチェが先制点を挙げたのは前半13分。ショートコーナーから逆サイドに行ったボールを服部が粘ってクロスを上げ、中央で高く飛んだガウボンが頭で大宮ゴールに叩き込みました。
 しかしこの日のサンフは鹿島戦での疲れが出たか、あるいは茂原不在の影響か中盤での運動量が少なく、またミスも多かったようで、一瞬の隙から22分に同点に追いつかれます。森田がポストプレーからディビッドソンからのリターンを受けて思い切ってシュート。これが良いコースに飛んで下田の手も届かず、森田に3か月ぶりのゴールを許しました。
 その後サンフが盛り返したものの大宮も後半の頭からトニーニョを投入。トゥットが服部の裏のスペースを突いて何度かチャンスを作ったそうです。サンフは相手ゴール前まではボールを運ぶもののなかなかシュートまで行けず、大宮の堅い守りを崩せず攻めあぐみます。そこで後半18分には李を、22分には桑田を投入。彼らの運動量によりチーム全体が活性化して、ようやく大宮を押し込みます。そして36分には切り札・前田を投入。その後ベットが、桑田がシュートを放ちますが枠に行きません。ロスタイムに入り前田が倒されてFKを得ると、ジニーニョも小村も上がって最後のチャンスに賭けます。李が蹴ったボールは鋭く弧を描いてゴール前へ。これに合わせたジニーニョが頭を後ろに振るとボールは見事にゴールネットに収まります。終了間際の最後のワンプレーでサンフは貴重な勝ち越しゴールを奪い、2試合連続のロスタイム弾で勝ち点3をゲットしました。
 「ゴールを決めたのは2年ぶりぐらい」と言うジニーニョは、J's GOALによると「ロスタイムになり、FKになった時、ベンチに『前に上がっていいか』と聞いた。監督が『行け』と言ったので、前に行った。不思議なんだけど、決める自信があった。根拠はない。でも、そういう気持ちになっていた」と語っています。スポーツでは時々このような「神懸かり」的なことがあるものですが、おそらくそれだけジニーニョが集中していたからでしょう。そしてそれは、チーム全体が「何がなんでも勝つ」気持ちで一体になっていたからで、だからこそこのような結果が得られたのだろうと思います。シーズンの中には流れの良い時、悪い時と言うのがあるものですが、今は間違いなく良い流れに入りつつある。この流れを逃さないようにしっかりとつかんで、上位チームに付いて行って欲しいと思います。
<05.8.24> 「ホットニュース」と中国新聞によると、足の怪我のため鹿島戦では大事を取った森崎浩は「足の痛みは大丈夫。痛み止めもよく効いている」とのことで、出場の可能性が高そうです。またW杯予選から北海道キャンプに途中合流するなどハードスケジュールで「両脚の筋肉がパンパンに張った。精神的な疲労もあった」と言う李もコンディションが戻って来ているようで、どちらを起用するかは監督の判断と言うことになります。いずれにしろ90分間フルにプレーすると言うよりも、大木、桑田も含めて途中交代を視野に入れてと言うことになるのではないでしょうか。堅守速攻が持ち味の大宮相手にリードを許すと厄介なので、先制点がポイントとなりそうです。
 今日の試合会場は広島ビッグアーチで、午後7時キックオフ。平日ですが夏休み最後のホームゲームということで、いろいろなイベントが予定されています。まずは「夏休みキッズスタジアム」として、「オタフクソース フットボールパーク」(2時半〜6時に補助競技場で。ミニゲームには選手も参加します)「EPSONフェイスペイントコンテスト」(3時〜7時にメイン側お祭り広場特設コーナー)、そして「"GOALL"の人文字を作ろう大作戦」が行われます。この「人文字」は東京V戦で好評だったバックスタンド企画の続編で、「ゴール」の意味と「みんなで行こう」の意味を込めたGOALLの文字を作ります。人文字用の白と紫のパネルには監督と選手のサインが入っていて、お土産として持って帰る事ができるとか。参加したい方はスタッフが誘導するとのことですので、5時の開門後にバックスタンド自由席の一角にお集まりください。
 その他、2時から第一球技場でU-12によるサンフレッチェカップ。また5時からは4種(小学生)による前座試合「フォリアチャレンジ」が行われます。6時からの選手サイン会はビッグアーチメインスタンド3Fコンコースで、5時から正面広場で100名様に整理券を配布します。また「選手とハイタッチ」も同じく5時から正面広場で100名様に整理券配布します。先着プレゼントは、「J1制覇祈願焼きそばソース」を小中学生以下先着2,000名様に、うちわを先着1,000名様に。サンフレッチェクラブ会員限定プレゼントの今回のフィギュアは木村達朗選手で、ハーフタイムのサイン入りユニフォームも木村選手です。
 今日のテレビ中継は生放送、同日録画ともにありません。(初回の録画放送は、8/27の11時からJ SPORTS 1〜スカパーch306にて。)スタジアムに行けない方は、tssの携帯サイトなどでチェックするしかなさそうです。
<05.8.23> 明日は夏休み最後のホームゲーム、ビッグアーチに大宮アルディージャを迎えます。
 今季J1に初昇格した大宮は、J2時代から売り物だった堅守を武器に安定した戦いを続けていました。そしてHOT6の期間中は移動の少なさにも恵まれ、勝ち点7を稼いで何とか中位に踏みとどまっています。
13A △1-1 名古屋 【宮】クリスティアン、【名】古賀
14H ●0-2 磐田  【磐】西、カレン
15A ○2-1 浦和  【宮】トニーニョ、桜井、【浦】闘莉王
16H ○1-0 川崎F 【宮】トゥット
17A ●0-2 千葉  【千】ストヤノフ、阿部
18H ●0-2 鹿島  【鹿】野沢2
19H △1-1 東京V 【宮】OG、【V】ワシントン
 ここまで頑張って来れた原動力は、トニーニョ、奥野を中心とした守備陣と西村、デビッドソンの中盤で構成する堅いブロックと、ここまで6得点を挙げていたクリスティアンだったと言って良いでしょう。しかし中断期間中にクリスティアンが突然サンパウロへの移籍を発表。またトニーニョと荒谷も怪我をして戦列を離れてしまいました。奥野を出場停止で欠いた前節は東京Vの自滅で何とか引き分けに持ち込んだものの、精緻なラインディフェンスが機能せず苦しい戦いを強いられました。その上そのゲームでは桜井までもが怪我で途中交代。大宮はここに来て、今季最大のピンチを迎えている、と言って良いのではないでしょうか。
 対するサンフは鹿島戦に勝利して、優勝争いに参加する権利を確保しました。1対1の強化と戦術の熟成に費やした北海道キャンプの成果が出た感じで、チームは良いムードに包まれています。アウェイから帰って中3日でホームゲームと言うのも、勢いを持続させると言う意味ではむしろ良いかも知れません。茂原が出場停止になりますが、ベンチ入りしたものの出場しなかった李も、鹿島戦で温存した森崎浩もいます。従ってメンバー、戦術ともに微調整しただけで、明日のゲームに臨むことができそうです。
       下田

    小村 ジニーニョ
駒野            服部

       森崎和
   李      ベット
       大木

    ガウボン 佐藤寿

SUB:上野、西河、森崎浩、桑田、前田
 前節は鹿島、G大阪が敗れた一方で浦和がポンテの活躍で逆転勝ち。磐田は横浜FMに完勝し、千葉は柏との「我慢比べ」を制してそれぞれ勝ち点3を取っています。久々の一シーズン制のJリーグ。鹿島の独走にまずはG大阪が迫り、その後を浦和、広島、磐田、千葉が追いかける、と言う展開になってきました。このリーグ全体の流れに遅れないために、サンフはまずは大宮から勝ち点3を取らなければなりません。
<05.8.22> 静岡で行われていたSBSカップの最終日にU-18アルゼンチン代表と戦ったU-18日本代表は、柏木のゴールで先制したものの逆転で敗れ、惜しくも優勝を逃しました。
 この日のU-18日本代表のメンバーは、GK:秋元、DF:内田、堤、福元、槙野、MF:梅崎、青山、柏木、柳澤、FW:ハーフナー、河原。怪我で静岡ユース戦を欠場した柏木はこの日は元気に先発出場し、前半4分にミドルシュートを叩き込んで先制点を挙げました。(「GKが見えていて空いているところがあったので打っちゃえ、という感じ。アウトにかけてドライブ気味に落とすような感じで打った。うまいこと入ってよかった」と語っています。)しかしアルゼンチンは正確な技術と速いプレッシャーで逆襲すると、前半18分にセットプレーから追いつきます。後半立ち上がりには日本がPKのチャンスを得ましたが柳澤が失敗。逆にアルゼンチンは後半29分に日本の守備の乱れを突いて、勝ち越しに成功し、そのまま逃げきりました。
 この大会、槙野は3試合、柏木は2試合に先発出場し、どちらも1ゴールずつ決めるなど活躍しています。特に柏木はセネガル代表監督から「印象に残った選手」として名前が挙がり、吉田監督も「収穫は柏木を含め攻撃的な選手が以前より進歩していること」と語るなど良い働きをしていた様子です。9月の仙台カップを経てアジアユース一次予選に臨むU-18代表。「本番」でのレギュラー確保に向けて、2人が一歩リードしたことは間違いなさそうです。
<05.8.21> 昨日の第19節鹿島戦は後半ロスタイムの前田のゴールで勝ち、リーグ再開初戦を飾りました。
 全治3週間だったはずの服部は結局なにごともなかったように(包帯を巻いてはいましたが)復帰し、サンフは現状のベストメンバーで大事な戦いに臨みました。
       下田

    小村 ジニーニョ
駒野            服部

       森崎和
  茂原(退場82分)ベット
       大木(→桑田76分)

    ガウボン 佐藤寿(→西河89分)
    (→前田76分)

SUB:上野、李
 対する鹿島は小笠原はやはり欠場で、GK:曽ヶ端、DF:内田、岩政(退場16分)、大岩(退場89分)、新井場、MF:リカルジーニョ(→名良橋61分)、本山(→深井71分)、フェルナンド、青木、FW:野沢(→アレックス・ミネイロ61分)、鈴木、と言うメンバーでした。優勝争いのためには負けられない広島と、ここは確実に叩いておきたい鹿島との対戦ということで、立ち上がりから緊迫したゲームとなります。ボールを支配してパスをつないで攻める鹿島。相手ボールを奪うと素早く前線に運びたい広島。お互いに持ち味を発揮した競り合いが、大きく動いたのは前半16分でした。ガウボンのフィードボールで一気にDFラインの裏に抜け出した佐藤寿に、置いて行かれそうになった岩政が後ろからタックル。これが決定機阻止と判定されて、岩政は一発退場となりました。
 数的優位に立ったサンフは18分にはFKのこぼれに森崎和が突っ込み、20分には茂原のクロスに佐藤寿。25分にはガウボンがシュートを狙いましたが大きく外れ、33分にも佐藤寿のスルーパスで抜け出したガウボンが左からシュートしましたが曽ヶ端が伸ばした足に当たってゴールできません。数的不利になった鹿島は相変わらずボールを回しながらサンフのDFラインを崩そうとしますが、ジニーニョと小村が冷静に対応してシュートを許しません。一進一退の戦いが続いただった前半もロスタイム、サンフはツートップに大木と森崎和も上がって人数をかけて攻め込みます。そしてこぼれを拾ったガウボンが右から左足でシュート。そのボールはやや緩く転がりましたが、そこに素早く飛び込んだ佐藤寿が身体ごと押し込んでゴール!寿人の2試合連続ゴールで、サンフは1点リードで前半を折り返すことが出来ました。
 前半はやや慎重さが目立ったサンフでしたが、後半は立ち上がりから積極的に攻めます。0分にはガウボンがシュートしましたが枠外。2分には駒野がゴール前まで上がって強烈なシュートを放ちましたが、曽ヶ端に弾かれます。3分にはガウボン、9分にはベットのスルーパスから佐藤寿がシュートしましたがこれも曽ヶ端がナイスセーブ。11分にも森崎和が左足で強烈なシュートを打ちましたが、またもや曽ヶ端の正面を突きます。サンフの圧倒的攻勢に、トニーニョ・セレーゾ監督はたまらず名良橋とアレックス・ミネイロを投入します。それが功を奏したか、あるいはサンフに攻め疲れが出たのか中盤から後ろのフォローが遅くなり、なかなかチャンスが作れなくなります。押している時に点が取れず、流れを失った後は危ないと思っていたらその心配が現実になったのが後半25分でした。鹿島の左からのCKを蹴ったのはフェルナンド。中央でジニーニョがクリアしましたがこのボールがすぐ後ろの小村の胸に当たってゴール方向に流れます。鋭く反応したアレックス・ミネイロのシュートには下田も及ばず、不運なゴールで同点に追いつかれてしまいました。
 その直後に本山に代えて深井を投入し、かさにかかって攻める鹿島。サンフは疲れが出たのか押し上げができず、セカンドボールを拾う事ができません。31分には小野監督もついに桑田と前田を投入。前田は前線でボールをキープしてチャンスを作ります。38分には新井場を倒した茂原が2枚目のイエローをもらって退場。逆に44分には大岩が小村を後ろから蹴って一発退場になります。終盤はどちらに転んでもおかしくない展開となりましたが、その戦いに決着をつけたのが広島のワンダーボーイ、19歳の前田でした。後半ロスタイム。センターサークルからやや前で服部からのボールを受けた前田は、ドリブルで前の1人をかわすと繊細なタッチでボールを左前に置いてそのままシュート。優美な曲線を描いたボールは飛びつく曽ヶ端の手の先を大きく回り込んでゴールネットに飛び込み、試合を決定付けました。
 レッドカード2枚で最後は9人になってしまった鹿島。茂原の2枚を含む6枚のイエローカードをもらった広島。カードの数ほど荒れたゲームだったと言うわけではなく、むしろ両チームのこの試合に賭ける意地がぶつかりあった試合だった、と言うことだったと思います。試合を通して19本のシュートを放ち、特に最後の15分間に8本を打った鹿島は、さすがに首位を走るチームでした。小笠原の欠場と早い時間帯の岩政の退場があったにも関わらず後半途中までの失点を1に抑え、同点に追いついてからの怒涛の反撃は恐怖を感じました。それに対してサンフの放ったシュートは22本。そのうち枠内シュートは16本で、何としても勝つんだと言うチーム全体の気持ちが見えました。終盤は疲れが出て押し込まれましたが、そこを何とか耐えて最後に勝ちまで持って行ったのは、このチームの成長を表していると言えるでしょう。この結果は、苦しいHOT6を乗り越え、北海道キャンプで鍛えた成果だと言って良いでしょう。押している時間帯に追加点が取れず苦しい戦いになってしまったことなど反省点はあるものの、そこは今後に生かせばよいことです。e-vpointのメールによると佐藤寿は「鹿島に勝ったからって浮かれすぎだよ。僕らの目標は優勝なんだから。まだ、首位との勝ち点差が縮まっただけだし、首位に勝っただけで満足するのは、目標が低すぎだよ」と語っていたそうですが、その意気や良し。この勢いを持続して、上位を追撃して欲しいものです。
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