1/1〜1/7のSANFRECCE Diary


<06.1.7> 今朝のサンスポによると、東京VのMF戸田和幸選手の広島移籍が決まったとのことです。小野監督とクラブは昨年末に「サンパイオのような日本人」の獲得に動いている事を明らかにしていましたが、中盤のクラッシャーとして、あるいは攻撃の起点としてプレーでき、また日本代表や海外での経験を持つ戸田ならまさにうってつけの人材、と言えるでしょう。完全移籍の複数年契約と言う条件で詳細を詰めている段階だとのことで、決まれば近日中に発表される、とのこと。茂原の返却で空いた中盤の「穴」に、それ以上の人材を補強できたと言えそうです。なお、記事によると東京Vからは浦和に移籍したワシントンと相馬、C大阪の米山に続いて山田卓也がC大阪、小林慶行が大宮に移籍することが決定的になったそうで、選手の流出が止まらない模様。J2とACLを平行して戦う事が本当に可能なのか、他人事ながら心配になってしまいます。
<06.1.7> 昨日サンフレッチェは、湘南ベルマーレのMF中里宏司選手をレンタルで獲得した、と発表しました。ベルマーレのジュニアユースからユースを経てトップチーム入りした中里は、ルーキーイヤーから出場機会をつかみ、主にボランチのポジションで6年間でリーグ戦99試合、カップ戦1試合、天皇杯11試合に出場しています。広島との絡みで言えば、印象に残っているのはJ2で対戦した2003年8月2日の第26節です。第3クールに入ってなかなか勝てなくなったサンフが、攻めながらも点が取れずにワンチャンスを決められて敗れたゲームでしたが、湘南の貴重なゴールを決めたのが中里。後から大きく蹴り出したボールを高田がリカルドと競り合いながら頭で落とし、これを拾った中里が下田をかわしてゴールに流し込んだ、と言う得点でした。また2002年にはU-21代表としてトゥーロン国際に参加し、2003年にもU-22代表としてカタール国際に出場。特にトゥーロンの時には小野監督に評価されていたらしく、主に右SBとして良いプレーを見せていたそうです。湘南では昨年は13試合、一昨年は16試合にしか出場していませんが、これは大きな怪我が続いていたため。湘南のホームページによると小野監督は以前から獲得したいと思っていたそうで、怪我さえ治ればボランチ、あるいは右SBとして質の高いプレーが期待できそうです。広島ではとりあえずは高柳らとのポジション争いとなりますが、右サイドは駒野が代表招集で不在になることが多くなるのでチャンスは与えられる、と思います。そこでどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみにしたいと思います。
<06.1.7> 昨日サンフレッチェは京都にレンタル中の大久保裕樹選手の完全移籍を発表しました。U-18, U-19, U-20代表の経験がある大久保は、2003年に市船橋高から広島入り。1年目は出場機会がありませんでしたが、2年目は1st stageの大分戦に途中出場してJリーグデビューを果たしました。しかしその後はベンチ入りはあったものの出場はなく、昨年は京都に移籍。こちらも序盤戦は起用されていたものの怪我もあって出場機会を失っていましたが、J1昇格を決めた後にレギュラーを与えられ12試合に出場しました。この「テスト」の結果から、京都の柱谷監督は今年J1で戦う上での貴重な戦力として考えて完全移籍のオファーを出したようです。広島側としては帰ってくることを前提としたレンタルでしたが、本人が移籍を望んだため認めざるをえなかった模様。仮に戻ってきてもDFラインにはジニーニョと小村がいて、西河、八田、吉弘とも争わなければならないわけで、京都のほうがポジションを取れる可能性が高いと考えたとしてもやむを得ない、と言えるのではないでしょうか。
<06.1.6> 昨日サンフレッチェは田村、高萩、森脇の3人の愛媛FCへのレンタル移籍を発表しました。
 2004年にユースから昇格した田村は、1st stage第6節の名古屋戦の後半から出場してプロデビュー。見事な同点ゴールを決めて連敗中だったチームを救う活躍を見せました。そしてその後7試合に出場するなどレギュラー確保までもう一歩か、に思えましたが、しかしその後は出場機会なしに終わります。そして昨年はシーズン途中からブラジルのESバイーアにレンタル移籍。そちらは契約の関係で試合への出場はなしで、結局2年間でリーグ戦8試合、カップ戦1試合の出場にとどまっています。高3の1年間に急成長してプロ入りを果たし結果も出したものの、その後ぱたっと成長が止まったように見える田村ですが、この2年間の回り道はきっと糧になるはず。愛媛では先に完全移籍した田中や友近、永冨とのポジション争いとなりますが、彼らに負けないよう頑張ってきて欲しいと思います。
 ユースでは田村の1年後輩にあたる高萩は、U-16からU-19まで各年代の日本代表を経験し、高2だった2003年にはユース所属のままで4試合に出場してその秋にはプロ契約を果たしました。また2004年にも1st stage最終節と2nd stageの3試合に出場し、C大阪戦では初ゴールを決めて勝利に貢献しました。しかしその後はアジアユースのためにチームを離れる事が多くなりトップでの出場機会を失い、昨年は代表でもトップでも出場なし。見せ場と言えるのはフィオレンティーナ戦でのロングパスぐらいのもので、耐える1年となってしまいました。昨年愛媛でボランチを務めたのは新人・井上と京都からのレンタルだった石丸。まずは彼らからポジションを奪って、愛媛の中盤に君臨するぐらいの活躍を見せて欲しいものです。
 森脇は高萩と同じ学年で、ユース在籍中からしばしばサテライトに出場し、2004年のナビスコ杯C大阪戦では初めてのトップの試合でフル出場して勝利に貢献。U-18代表にも選ばれて、新潟国際ユースに出場しました。また昨年もナビスコ杯の1試合(第3節川崎F戦)にフル出場しています。若さに似合わないフィジカルの強さと速い弾道のクロスが持ち味の森脇ですが、弱点があるとすれば戦術理解の面でしょうか。愛媛の右サイドが誰なのか知らないのですが(たぶん昨年ルミノッソ狭山から入った関根か元柏の矢野)ポジション争いに勝って試合出場をつかんで欲しい、と思います。
 これまでサンフレッチェからレンタルで出て戻ってきた選手は多くないのですが、今回は明らかに「武者修行」の色彩が強いと思います。選手が成長するには試合に出場するのが一番なのは明らかなので、ぜひ3人とも愛媛でポジションをつかんで、そして来季には大きく成長して戻ってきて欲しい、と思います。
<06.1.6> 昨日の高校選手権準々決勝で遠野と対戦した広島観音は、前半24分にCKから得点して先手を取ったものの35分にFKから追いつかれ、後半は相手の速攻を抑えきれずに2失点。終了間際に追いすがったものの及ばず2-3で敗れました。中国新聞によると昨年末からDF陣に怪我人が続出して「傷だらけ」だったそうで、その影響が最後に出てしまったとのことです。ただ、週3回の練習や自分たちでメンバーや選手交代を決める等の自主性を重んじたチーム作りで、高円宮杯に続いてベスト8入りした結果は立派、の一言。広島の高校サッカーのレベルアップを印象づけた、と言う意味で価値のある準々決勝進出だったと言って良いのではないでしょうか。
 一方、同じく昨日準々決勝を鹿島学園と戦った多々良は、後半22分に奪ったリードを守り切って2-1で勝ち、初のベスト4進出、そして国立競技場行きを果たしました。
<06.1.5> 来年開催されるアジアカップの予選リーグの抽選が昨日行われ、3連覇を目指す日本はグループAに入りました。同じグループに入ったのは、サウジアラビア、イエメン、そしてインド。本大会に出場できるのは上位2チームなので日本の勝ち抜きは間違いないと思われますが、予選は2/22から始まって11/15まで続きます。その間に日本はW杯を戦い、新しい監督の元で新しいチーム作りをすることになるので、前半の2試合と後半の4試合をどのように戦うか、がポイントとなるのではないでしょうか。3/1の試合は9/1に延期が可能だとのことですが、相手はW杯出場国のサウジアラビアなので、日本サッカー協会は今のところ日程通りに行うつもりだとのこと。3/1はJリーグの開幕の直前となるためクラブとしては止めて欲しいところでしょうが、9/1になったらなったでそれも迷惑(たぶん9/2にJリーグの試合がある)なのでやむを得ないものと思われます。従って代表に選出されている駒野、佐藤寿は、開幕直前までチームに戻って来ないと考えておいたほうが良さそうです。
 なお他のグループですが、一番厳しい組み合わせと言えそうなのがグループD。AFCに移籍したばかりのオーストラリアが、バーレーン、クウェート、レバノンの中東3国と対戦することになります。またイラン、韓国、シリアが並ぶグループB、ヨルダン、オマーン、UAEが入ったグループCもなかなか厳しい組み合わせ。今回のアジアカップはインドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムの4カ国開催となるため予選突破ができるのは12ヶ国に限られるため、予選は本大会以上に激しいものになるのではないでしょうか。
<06.1.4> 高校選手権の3回戦が昨日行われ、広島観音と多々良がベスト8進出を決めました。作陽との「中国対決」となった観音は、「今季2勝1分けの作陽に対し『計画通りの試合が出来なくても、負ける気はしなかった』と言う自信」(中国新聞)をもとに戦ったそうです。そして後半5分にイレギュラーしたボールを奪った鍋原がドリブル突破からシュート。そのこぼれを古川が決めて先制点を奪います。しかし終盤は作陽のペースで、後半37分にCKから西脇に頭で決められて2試合連続でPK戦にもつれ込みました。そしてPK戦は両者1人ずつ外して6人目となり、観音が決めたのに対して作陽のボールはバーを叩き、観音の準々決勝進出が決まりました。準々決勝の相手は那覇西、東福岡、立正大淞南を下して勝ち上がってきた遠野。明日の午後2時10分から駒場スタジアムです。
 一方の多々良はインターハイ王者の青森山田に対して、後半24分に勝ち越される苦しい展開。しかしロスタイムが表示された直後にハウバートが決めて同点に追いつくと、その1分後に小畠がこぼれ球を押し込み劇的な逆転勝利を挙げました。多々良の次の相手は鵬翔と浦和東を下してきた鹿島学園。市原臨海競技場で明日の午後12時10分キックオフです。
<06.1.3> 昨日の高校選手権2回戦で星稜と対戦した広島観音は、0-0からのPK戦を制して3回戦に進出しました。観音は直前に怪我人が続出してチーム状態が良くなかったそうですが、「前半を0-0で折り返し点が取れなければPK戦に持ち込む」(中国新聞より)と言うシナリオ通りの展開。前回ベスト4の星稜に押し込まれながらも集中力を切らさず守りを固めて、スコアレスで80分の戦いを終えました。そしてPK戦では練習の成果を発揮して5人がきっちりと決め、逆に星稜の2番手として蹴ったU-18代表の作田のシュートをGKが止めて勝利しました。観音の3回戦の相手は成立学園と山形中央を下して勝ち上がってきた作陽。44大会ぶりの中国勢対決は、駒沢陸上競技場で今日の12時10分キックオフです。
 なお、今大会は全体的に中国勢の健闘が目立っています。山口県代表の多々良学園は優勝候補の一角だった流通経済大柏に2-1で競り勝ち、今日はインターハイ王者の青森山田との対戦です。また島根県代表の立正大淞南も真岡を3-1で倒して3回戦へ。那覇西、東福岡を下して勝ち上がってきた遠野と戦います。そしてこの立正大淞南と遠野の勝者が、観音×作陽の勝者と準々決勝を戦うことになります。
<06.1.2> 高校選手権に広島県代表として参加する広島観音は、今日の2回戦で石川県代表の星稜と対戦します。会場は駒沢陸上競技場で、午後2時10分キックオフ。広島県内では広島テレビで生放送があるはずです。
<06.1.1> 明けましておめでとうございます。今年もサンフレッチェ広島とSANFRECCE Diaryをよろしくお願いします。
 新しいシーズンに向けての小野監督の抱負が中国新聞に載っています。その中で小野監督はまず4年目の契約を結んだ理由として「球団からの高い評価」と「多くの選手からの希望」を挙げています。小野監督になってから練習のメニューが抱負になって充実していると言う話を良く聞くのですが、それだけでなく練習で良かった選手を起用すると言う一貫した姿勢や試合内容、そして何と言っても年を追うごとに結果を出していると言うことが評価されているものと思われます。「自分にとって3年間は過去のものとして、新しいステップを踏み出す気持ちでシーズンに臨む」としていますが、小野監督の良さは頑固なまでの継続性だと思います。これまで作り上げてきたサンフレッチェのサッカーの質を高めるとともに、主力選手が欠けても他のチームと対等に戦える力強さを備える事ができれば「ぜひとも栄冠をつかみたい」との目標達成は可能なのではないでしょうか。
 今季に向けての補強のポイントとしてはFWとボランチをフロントに要請しているとのこと。FWは「前線で確実に起点になれるタイプ」を挙げていて、ウェズレイの加入を評価しています。ただ、この言葉を見る限りではウェズレイで終わりというわけではないようにも見えるので、他にも日本人の補強があるのか、あるいはウェズレイの半年契約の後を考えているのかも知れません。ボランチについては「中盤で言い形で相手を囲い込む」と言う守備のコンセプトを実現するために、「つぶしのきく1対1に強い」選手の獲得に動いているとのこと。昨年活躍した茂原との契約を更新しなかったと言うことから考えても、他のクラブでレギュラー級の選手を取ろうとしているに違いありません。
 最後に小野監督は今季の目標として「『優勝』という目標はより現実的になってきた。ぶれることなく、そこに向かっていきたい」語っています。はっきりと優勝を狙うと言ったわけではありませんが、今季は昨年の目標よりも更に高いところを目指す、と言う宣言だと言って良いでしょう。サンフレッチェとしてはトムソン監督と並ぶ長期政権となる、小野監督の4年目の戦いに期待したいと思います。
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