1/8〜1/14のSANFRECCE Diary


<06.1.14> サンフレッチェは昨日、今シーズンのスタッフと選手の背番号を発表しました。それによると、小野監督と牧内、横内、生駒、望月、加藤の各コーチは留任しますが、影山コーチが退団して沢田コーチが就任することになりました。96年に現役を引退して指導者としてのキャリアをスタートさせた影山氏は、日本代表のスタッフ等を経て2001年に広島入り。小野監督の「ブレーン」として、相手チームの分析など戦術面を担当していました。その間、2003年には日本サッカー協会のA級ライセンスを取得。昨年はAFC公認プロフェショナルディプロマコーチライセンス(5月から12月までかかる長期間の講習を受けなければならなかったらしい)を取るなど、次のステップに向けての準備を進めていた模様で、どこかの監督か何かのオファーがあるのかもしれません。一方沢田氏は2年間務めたユースコーチからの「昇格」で、トップの指導は初めて経験することになります。
 一方の今季の背番号は、次のようになりました。
1 下田 崇  12(サポーター)23 青山敏弘  34
2□八田康介  13       24 前田俊介  35
3 小村徳男  14△戸田和幸  25 高柳一誠  36○河野直人
4 ジニーニョ 15△中里宏司  26◎橋内優也
5 駒野友一  16 李 漢宰  27◎柏木陽介
6 ベット   17 服部公太  28◎槙野智章
7 森崎浩司  18 吉弘充弘  29◎趙 佑鎮
8 森崎和幸  19 盛田剛平  30 入船和真
9△上野優作  20 大木 勉  31 佐藤昭大
10△ウェズレイ 21○木寺浩一  32 桑田慎一朗
11 佐藤寿人  22 西河翔吾  33 中尾真那

 ◎新人
 ○完全移籍
 △期限付移籍
 □復帰
 これまでは活躍した若手に若い番号を与えるのが通例でしたが、今回は背番号の変更はなし。空いた番号にそのまま加入選手をあてはめた形になっています。今年はユニフォームの変更はないと言う噂なので、そのへんも考慮に入れたのかも知れません。
<06.1.13> サンフレッチェは昨日、新潟のFW上野優作選手のレンタルでの獲得を発表しました。
 筑波大から96年に福岡入りした上野は、4年間で110試合出場17ゴールの実績を引っ下げて2000年に広島入りしました。そして2nd stage第4節の横浜FM戦では、後半41分にこぼれ球に反応して1点差に迫るゴールを決めました。しかし、広島でのゴールはこの一つだけ。リーグ戦は5試合101分、ナビスコ杯を入れても7試合の出場にとどまり、シーズンオフには京都に移籍してしまいました。その時に見た個人的な印象では「ポストプレーは上手いがゴールを奪うと言う点ではいまひとつ」と言うもの。久保不在時の「代役」として獲得したもののあまり期待には応えられなかった、と言う感じでした。
 しかしその後上野は京都と新潟で復活。01年は京都で42試合出場10得点でJ1昇格に貢献し、翌年も23試合出場2得点。03年からは新潟でやはりJ1昇格とその後のJ1定着に貢献しました。その間、5年間で出場した試合はJ1で87試合、J2で83試合の合計170試合。特に昨年は新潟では唯一、リーグ戦全試合に出場して2ゴールを決めています。183cmの高さを生かしたポストプレーで前線での起点となり、また高い位置からのチェイシングも積極的にこなす選手で、先発でも途中出場でも行けると言う使い勝手の良さもあります。前線でポストプレーが出来る人材が不足しているサンフにとっては、貴重な戦力になりうるのではないでしょうか。また、上野にとっても広島はキャリアの中で唯一成功できなかったクラブ。2000年と比較すると監督も選手も変わり、戦術も変わっているので、活躍する可能性は十分にあるのではないか、と思います。
 今年は新人4人(槙野、柏木、橋口、趙)と完全移籍で2人(木寺、河野)、レンタルで4人(ウェズレイ、戸田、中里、上野)を獲得し、八田が復帰して11人の新戦力が加わったサンフレッチェ。若手とベテランが多い印象ですが、「アテネ世代」が中心のチームに欠けている部分を補った、と言う意味で良い補強ができたと言えそうです。
<06.1.13> 川崎フロンターレは昨日、茂原を柏からレンタルで獲得した、と発表しました。昨年広島にレンタルで在籍した茂原は、開幕から16試合連続で先発するなど28試合に出場。中盤のダイナモとしてチームに貢献しました。特に右サイドでの駒野とのコンビは秀逸で、序盤戦は攻撃の起点として良く機能していました。ただパスが相手に引っ掛かってボールを失うことが多く、ポジション的に李や高柳とかぶる面もあって、サンフとしては完全移籍で獲得することにはしなかった模様。仮に今年も広島にいたとしても戸田の加入で出場機会が減る可能性が高いので、ここで他のクラブに移籍したのは本人にとっても良い選択だと言えるような気がします。
<06.1.12> 昨日サンフレッチェは、ベット、ジニーニョとの契約と八田のレンタルからの復帰を正式に発表しました。ベットとジニーニョはいずれも来年の1/1までの契約。ジニーニョはこれまでサンカエターノからのレンタルでしたが、今年は完全移籍での契約を結ぶことになりました。またベットも当初はヴァスコ・ダ・ガマからのレンタルだったはずですが、ここで契約の発表があったと言うことはパスも買い取ったと言うことなのかも知れません。
 一方八田は、レンタル先の鳥栖から1年ぶりの復帰となります。昨年の移籍会見では「自分の力で鳥栖をJ1に上げ、来年は是非広島とJ1でやりたいと考えています」とコメント。その言葉通り、鳥栖では開幕から第25節までほぼ全試合に出場し、草津戦と福岡戦ではゴールも決めるなど、一時は2位まで上がった鳥栖の躍進に貢献しました。しかし第26節以降はわずか5試合、227分間に起用されただけ。何があったのか知らないのですが、ほぼ「干された」と言う状態になってしまいました。広島では西河、吉弘、中尾、槙野ら若手に追い上げられながらジニーニョ、小村のレギュラー陣に挑むことになりますが、鳥栖での1年間で弱点を克服できていれば、もともと高い能力を持つだけにポジション獲得の可能性は十分ある、と思って良いでしょう。年齢的にも中堅と言って良い立場になった八田の、今年の「逆襲」に期待したい、と思います。
<06.1.11> サンフレッチェは昨日、趙佑鎮(チョ・ウジン)選手の獲得を発表しました。趙は87年生まれの18歳で、この春に韓国の浦項製鉄工業高校を卒業予定のMF。昨年は韓国高校選抜のメンバーとしてサニックス杯に参加しているほか、U-18韓国代表にも選ばれているそうです。オフィシャルサイトによると特徴は「スピード豊かな突破力が武器のアタッカー」だということなので、韓国から初めてJリーグ入りしてサンフレッチェで活躍した盧廷潤のようなタイプなのかもしれません。広島ではC契約からのスタートとなりますが、同じように高卒で来日した朴智星のように、大きく成長して欲しいと思います。
<06.1.11> 日本サッカー協会は昨日、1/22から行われるカタール国際ユースに出場するU-19代表を発表し、広島からはユースの槙野と皆実の森重が選ばれました。今回選ばれたのは次の20人。
【GK】林(流経大柏)、秋元(横浜FMユース)
【DF】福元(大分U-18)、柳川(神戸ユース)、槙野(広島ユース)、堤(浦和ユース)、
    安田理(G大阪ユース)、内田(清水東)、佐野(清水ユース)
【MF】梅崎(大分)、横谷(G大阪ユース)、森重(広島皆実)、柳澤(柏ユース)、
    田中(前橋育英)、青山(名古屋ユース)
【FW】河原(新潟)、青木(野洲)、森島(滝川二)、伊藤(中京大中京)、長沢(清水ユース)
 AFCユース予選のメンバーからは大島(柏ユース)、森野(市船橋)、柏木(広島ユース)、ハーフナー(横浜FMユース)、星原(G大阪ユース)が外れ、柳川、佐野、田中、青木、長沢が新たに招集されています。Jユース杯や高校選手権で成長した選手を起用して、層を厚くしようという狙いだと思われます。この年代では怪我の時以外はずっと招集されていた柏木が呼ばれていないのが残念ですが、そのぶんグアムキャンプにフルに参加できるメリットがあります。U-19代表が強くなるためには、1人でも多くの選手が所属クラブで出場機会をつかむこと。柏木には、サンフでの活躍を期待したい、と思います。
<06.1.10> サンフレッチェは昨日、河原正治選手が大分に完全移籍した、と発表しました。河原は奈良育英高出身で、U-18代表としてフロニンゲンユーストーナメントに出場。奈良育英高の監督は「高校時代の楢崎よりもポテンシャルは上」と語っていた、とも言われていました。しかしプロ入り後は鍛え方が足りなかったようで、紫熊倶楽部で「『ベローン』とした体型。普通の大学生と変わらなかった」と書かれたほど。下田、林はもちろんのこと当時高校生だった佐藤昭にも抜かれて、2年間の在籍中には出場はもちろんベンチ入りもないままに終わりました。そして昨年は鳥栖にレンタル移籍し、5試合にベンチ入り。しかしやはり出場の機会はなく、昨年末には広島からゼロ査定を受けていました。プロになるほどの選手は、誰でも高い能力を持っています。しかしそれを生かせるかどうかは、本人次第。意識を高く持ち、常に鍛えて成長し続けなければ競争に勝ち残っていくことはできません。河原がその後どのように成長したのかは知らないのですが、この大分移籍を最後のチャンスだと思って頑張って欲しい、と思います。
<06.1.9> 昨年限りでサンフレッチェを退団したガウボンですが、ブラジル・サントスがオフィシャルホームページで彼との契約を発表した、とのことです。ガウボンは、187cmの高さを生かしたヘディングと足もとのテクニックのある点取り屋としてブラジルのパラナクラブから昨年広島入り。練習試合では続けざまにゴールを決めるなど、能力の高さを見せつけました。そしてリーグ戦でも高さと前を向いたときの強さ、そしてシュートの上手さを見せてシーズン9得点と、まずまずの成績を残しました。更に6/4のナビスコ杯G大阪戦で骨折しながら7/2の柏戦に出場するなど怪我への強さも見せました。が、残念だったのは意外にハイボールに強くなく、ポストプレーもいまひとつだったこと。また真面目な性格がかえって災いして、一度落ち込むとなかなか上がって来れない、と言う面もあったようです。チーム事情もあって再契約はならずブラジルに戻ることになってしまいましたが、まだ22歳と若くこれから伸びる選手です。かつてヴェルディに在籍しながら一度も出場がかなわず解雇され、後にセリエAとブンデスリーガで得点王になったアモローゾのように、この経験を糧にして成長して欲しい、と思います。
<06.1.9> 昨日の報道(日刊スポーツ読売新聞J's GOAL)によると、選手の引退後の生活設計を支援するJリーグキャリアサポートセンターが行っているインターンシップ(職場体験学習)で、盛田選手がラーメン屋修業を体験したそうです。2泊3日の熊本旅行でラーメン8杯を食べたと言うほどのラーメン好きの盛田は「引退後のビジョンの一つ」としてラーメン屋を考えてるとのこと。元力士が経営する東京の「谷やんラーメン」で、2日間にわたって皿洗いからたれ作り、ラーメン作りまで教えてもらったそうです。これまでインターンシップはテレビ局やサッカースクール等の「Jリーガー」と言う肩書きが役に立つところが多かったようで、盛田のように実際に調理場に入って本格的に修業したのは初めてだ、とのこと。盛田が引退して店を開いたら、ぜひ食べに行ってみたいものです。
<06.1.8> 昨日サンフレッチェは、元日本代表のMF戸田和幸選手を期限付き移籍で獲得した、と発表しました。東京都出身でジュニアユース時代から年代別代表に選ばれていた戸田は、桐蔭学園から96年に清水入り。その年にU-19代表としてアジアユースに出場し、翌年のワールドユースマレーシア大会では宮本恒晴や中村俊輔らとともに戦って、ベスト8入りを果たしました。その後もアジア大会やシドニー五輪の予選に出場。01年からはフル代表にも選ばれて、コンフェデレーションズカップやワールドカップに出場しています。そして03年にはイングランド・プレミアリーグのトットナム・ホットスパーに移籍。オランダのADOデンハーグでのプレーを経て、04年にJリーグに復帰しました。身長は178cmでサッカー選手としては高い方ではないものの、フィジカルの強さと判断力で相手を抑え込む力は一級品。戦術理解能力が高くボランチだけでなく最終ラインやサイドもできるユーティリティー性を備えており、リーダーシップを取れる選手でもあります。更にボールをキープして味方の陣形が整うのを待つことも、パス出しから攻撃を構築する力も持っていて、バランサーとしての高い能力も持っています。警告や出場停止が多いのが気になるところではありますが、冷静さを失ってカードをもらう、と言う感じではなくむしろピンチに身体を張ることができる選手である、と言うことでしょう。サンパイオとは若干違うタイプの選手だとは思いますが、サンフレッチェに欠けているところを補う、と言う意味ではむしろ彼以上だと言えるかも。かつて「問題児」と言われながら、来てみたら貴重な存在となった山口敏弘のような活躍に期待したい、と思います。
 今朝の中国新聞によると、サンフレッチェはこのオフに守備の強いボランチの補強を計画。戸田の他に河村、明神らをリストアップして交渉を進めてきたそうです。そして昨年末に織田強化部長と小野監督が上京して直接会い、戸田本人から広島加入に向けての高いモティベーションを確認して正式オファーを出した、とのこと。携帯サイトによると一昨年広島と対戦した後に、清水のチームメイトに「広島の森崎和といつか一緒にプレーしてみたい」と語っていたそうで、彼にとっても待望のオファーだったのかもしれません。期限付き移籍、と言う形ではありますが、チームにとっても戸田にとっても良い移籍になるのではないか、と思います。
 なお噂によるとサンフレッチェはもう1人レンタルで獲得すべく交渉中で、更にC契約の外国人選手を取る可能性もあるようですが、いずれにしろ主力級の補強はこれでほぼ終わり、と考えて良さそう。新戦力がチームにフィットし、若手が成長すれば「優勝」と言う言葉も夢でなくなりそうです。
SANFRECCE Diaryトップページに戻る