2/19〜2/25のSANFRECCE Diary


<06.2.25> サンフレッチェは16日間にわたった宮崎キャンプを打ち上げました。最終日となった昨日は、プレスカンファレンスに出席するため上京した森崎和と代表のドイツ遠征に招集された下田、駒野を除く全選手が参加して、軽いランニングの後にミニゲーム大会を楽しみました。昨年の7位以上の結果を出すため敢えて難しい戦術を導入してじっくりとチーム作りを行った今年のキャンプ。「布陣や戦術を確認してから試合をする方針を変え、実戦をこなす中で出た課題を選手たちで修正しながら次の試合に臨んだ」(中国新聞)ことにより最初はなかなか結果が出ませんでしたが、選手たちが話し合いを重ねて最後を勝利で締めくくったことは、チームの成長、と言う意味で大きな成果があったと言えるのではないでしょうか。小野監督も「選手たちは(要求に)もがき苦しみながらも、よくトライしてくれた。合格点」を与えたとのこと。仮に開幕ダッシュに失敗したとしても、きっと自分たちで問題点を解決してくれるのではないでしょうか。
 昨日広島に戻った選手たちは今日の1時半から広島駅南口地下広場で予定されている「シーズン開幕イベント第2弾」に参加。1日休みを挟んで27日から練習を再開してシーズン開幕に備えることになります。
<06.2.24> 昨日サンフレッチェはキャンプ中の最後の練習試合を行ない、「プレシーズンの王者」札幌に対してトップが1-0、サテライトが2-2でした。非公開で行われたためメンバーなどは不明ですが、携帯サイトの情報などによると柏木を先発に起用した模様です。しかし本来の力は発揮できなかったようで、戸田への交代でチームが生き返ったのだそうです。先制点は前半44分で、森崎和の飛び出しからチャンスを作って森崎浩が決めました。中国新聞によると、序盤からウェズレイ、大木の2トップ、そしてMF陣が前からボールを奪いに行き、高い位置からの素早いカウンターと流動的な動きでチャンスを作ったとのこと。これまでシステムやポジショニングで悩んでいたのを振り切って、勝ちにこだわる泥臭いサッカーで「勝利」と言う結果を残したことは、このキャンプの締めくくりとしては良かったのではないでしょうか。なお、サテライト組の得点は後半6分に前田、38分に高柳。前半32分と後半10分に中山にゴールを決められリードされる展開ながら、何とか追いついたゲームだったようです。
<06.2.24> 日本サッカー協会は2/25から行われるドイツ遠征のメンバーを発表し、広島から下田、駒野両選手が選ばれました。今回選出されたのは次の24人。
【GK】川口(磐田)、下田(広島)、都築(浦和)
【DF】田中(磐田)、宮本、加地(G大阪)、三都主、坪井(浦和)、
    中澤(横浜FM)、中田浩(バーゼル)、駒野(広島)、茂庭(FC東京)
【MF】福西(磐田)、中田英(ボルトン)、中村(セルティック)、
    小笠原(鹿島)、稲本(ウェストブロミッチ)、小野(浦和)、
    遠藤(G大阪)、松井(ルマン)
【FW】久保(横浜FM)、柳沢(メッシーナ)、高原(ハンブルガーSV)、
    大黒(グルノーブル)
 インド戦までのメンバーから村井、本山、阿部、長谷部、巻、佐藤寿が外れ、欧州組の中田浩、中田英、中村、稲本、松井、柳沢、高原、大黒が選ばれました。ジーコ監督はここ3試合の若手の活躍を評価しつつも今回については「本大会までの数少ない国際Aマッチデーなので、数名を残して行くと言う選択をした」と語っています。佐藤寿としては、とにかくチームで頑張って次のチャンスを待つ、と言うことになるのではないでしょうか。
<06.2.23> 昨日のアジアカップ予選初戦のインド戦は、前半はなかなか攻め切れず1-0で折り返したものの後半怒涛の攻撃を見せて、6-0で快勝しました。
 この日の日本のメンバーは、GK:川口、DF:加地、宮本(→茂庭72分)、中澤、三都主、MF:小笠原、福西、小野(→遠藤72分)、長谷部、FW:久保、巻(→佐藤寿76分)。サブには下田、田中、村井、駒野、本山、阿部が入っていました。FIFAランキング118位のインドに対して日本は15位。その数字通りにボール支配では圧倒しますが、しかし序盤は運動量が少なく引いて守る相手の守備を崩す事ができません。6分の久保のシュートは枠外。9分の久保、11分の巻のヘディングシュートはいずれもGKにキャッチされ、25分と27分の久保のシュートもゴールを割れません。全体的に閉塞感が漂う中での32分、ペナルティエリアで巻が頭に当てたボールをインドのDFがバックパスを試みますが、これが攻め上がっていた小野の前へ。小野はダイレクトでゴールに流し込み、日本は待望の先制点を挙げる事ができました。インドは一度危ういFKを放ちましたがチャンスらしいチャンスはその1度だけ。日本が圧倒的優位ながらリードを奪うことはできず、前半を折り返しました。
 後半は小野が、小笠原が、長谷部が中央から突破を図り、加地と三都主が両サイドを攻めて追加点を狙います。そして後半13分、加地がドリブルでDFをかわすと小野へ。小野の丁寧なパスに走り込んだ長谷部がシュートを放つと、これが巻の腹に当たってゴールに飛び込みました。続いて23分には右からの三都主のCKを福西が頭で合わせて3点目。更に後半31分に佐藤寿がピッチに入ると前線が活性化して、日本のゴールラッシュを生みます。34分には久保と佐藤寿のワンツーから久保がループシュートを決めて4点目。38分には右からの加地のグラウンダーのパスを佐藤寿が上手に受けてニアサイドを打ち抜いて待望の代表初ゴールを決め、最後は後半ロスタイムに小笠原のパスから久保が左足でゴールを決めて、この試合を締めました。
 代表3試合目にして初ゴールを決めた佐藤寿でしたが、試合の趨勢が決まった後だとは言えその価値が下がることはない、と思います。このゴールは加地からのボールに対して上手に身体を入れてシュート体勢を作り、ノートラップでニアサイドを破ると言う彼らしいスキルフルなもので、この日の6つのゴールの中では最も難しい形だったと思います。また久保へのアシストとなったワンツーもワンタッチで浮いたボールを久保に合わせたというもので、彼の技術の高さを見せました。リードしていたとは言え閉塞感が漂っていた日本代表を活性化した動きを含めて、代表として戦うだけの価値のある選手であることを、自ら示したゲームだった、と言えるのではないでしょうか。FWは欧州組がたくさん居るためこれで当確、とは言えないのが辛いところですが、少なくとも将来再び招集される権利を得た、とは言えると思います。
<06.2.22> 昨日は徳島と練習試合を行ない、またもや引き分けに終わりました。
 この日のサンフレッチェは戸田が腹痛のため欠場して、GK:木寺、DF:吉弘、小村(→中里77分)、ジニーニョ、服部、MF:森崎浩(→柏木66分)、李(→桑田66分)、森崎和、ベット、FW:上野(→大木74分)、ウェズレイ。対する徳島は、GK:島津、DF:金位漫(→天羽45分)、谷池(→辻本45分)、井手口(→大森45分)、冨士(→尾上45分)、MF:秋葉(→大場45分)、挽地(→筒井45分)、玉乃(→石田45分)、片岡(→金尚佑45分→大島75分)、小山(→伊藤45分)、FW:羽地(→小林45分)、と言うメンバーでした。携帯サイトによると、サンフは中盤をベット、森崎和、李、森崎浩がフラットに並ぶ布陣でスタートし、途中でダイヤモンドに変えたりしながら戦ったとのこと。2分に吉弘のクロスを上野が頭でシュートしたのを手始めに、前半は何度もサイドから崩してチャンスを作ったようです。しかし数々あった決定機を決めることができず、前半は0-0で折り返しました。後半も立ち上がりの吉弘のクロスなど何度もチャンスを作り、9分にはウェズレイのドリブルを止めようとしてGKがファウルして退場になりましたが、小野監督の意向によりそのまま11人対11人でゲームを進めます。得点が動いたのは後半の24分で、木寺が前に出たタイミングを見計らって金尚佑がループシュート。これがあっさりと決まってしまって、リードを許しました。負けたくない広島はこの後も攻勢を続け、35分には波状攻撃から桑田がどフリーになりましたが、またもやシュートミス。チャンスを作りながらもなかなか点を取れない展開が続きます。しかし34分、大木のドリブルからのスルーパスで抜け出した柏木が素晴らしいミドルシュートを叩き込み、ようやく同点に追いつきました。中国新聞によると失点は凡ミスから。攻撃面ではやろうとしていたことはできていて、後はシュートを決めるだけと言う感じだったそうです。キャンプ中の練習試合は明日の札幌戦だけとなりましたが、何とかそこで勝って、良いイメージを持ってキャンプを終えて欲しいものです。
 なお、2試合目に行われたサテライトの練習試合は、6-2で勝ちました。広島のメンバーは、GK:佐藤昭、DF:中尾(→西河45分)、八田、盛田、入船、MF:趙、青山(→横竹45分)、橋内、柏木(→槙野45分)、FW:桑田(→高柳45分)、前田(→中野62分)。得点は10分と25分に前田、後半2分に盛田、6分に西河、39分に趙、43分に高柳。失点はいずれも前半で、こちらも凡ミスからのものだったとのことです。
<06.2.21> 宮崎キャンプ12日目の昨日は、強い雨が降る中で前日の川崎F戦で噴出した課題を修正するための練習を行いました。その中で注目されたのが、今年の広島の戦術でキーとなるMFの4人が集まって話し合いを持ったこと。最初に戸田と森崎和が始めた話し合いに森崎浩が自然に参加し、更に通訳を呼んでベットも加わって、真摯な議論がなされていたのだそうです。昨年はDFラインの前に森崎和、トップ下に大木が入るダイヤモンド型の中盤で戦ったサンフでしたが、今年の戦術として小野監督が選んだのが、フラットな中盤。守備の時にはDFラインの前をボランチ2人が固め、残る2人がサイドの守備と攻撃を支援する。そして攻撃にかかったときにはMFの1人がトップ下の位置に入ってクサビのボールの返しを受け、他のMFがどんどん前を追い越して行くと言う意図の布陣です。プレミアリーグで主流の戦い方で、チームがレベルアップするためにはぜひともマスターしておきたいと言うことで、このキャンプを通じてずっと取り組んできていますが、練習試合では結果が出ずに苦しんでいます。ここでこの課題に取り組み続けるのか、それとも止めてしまうのか。これを解決しようという動きが選手の中から出てきたことは、チームの成長のための重要な一歩を踏み出した、と言うことなのかも知れません。今日はトップが徳島と、サテライトが鵬翔高との練習試合を行いますが、そこでどのような解決を見せるのか、注目です。
<06.2.20> 昨日は川崎フロンターレとの練習試合を行ない、レギュラー組同士が対戦した最初の45分2本は0-4で敗れました。
 広島のメンバーは、GK:木寺、DF:吉弘、ジニーニョ(→中里69分)、小村、服部、MF:戸田、森崎和、森崎浩(→李78分)、ベット(→大木45分)、FW:上野(→青山86分)、ウェズレイ。対する川崎Fは、GK:相澤(→吉原65分)、DF:箕輪、寺田(→米山61分)、伊藤、MF:マルコン(→森25分)、長橋(→西山61分)、中村(→茂原45分)、谷口(→鬼木84分)、マルクス(→今野76分)、FW:ジュニーニョ、我那覇(→黒津45分)。チームとしての約束ごとが確立している川崎Fに対してサンフはミスが多く、パスを繋いでも前に運べず、ボールを奪われて大慌て、と言うパターンが多かったそうです。特に我那覇の飛び出しを抑えるのに苦労していたようで、DFラインが下がって中盤が空き、これを埋めるためにトップが下がってきていざというときにゴール前に人がいない、と言う悪循環。それでも粘っていたものの、43分にマルクスのクロスのこぼれを中村に叩き込まれて1点のリードを許して折り返しました。後半、大木が入ったことにより中盤から前が活性化したサンフでしたが、15分に木寺がキャッチミスで失点。19分にもジュニーニョのクロスを黒津に頭で決められて3点目を失います。更に23分にもカウンターからマルクスに決められて4点差。こうなるとチームとしては何をやってよいか分からない、と言う状態になってしまったようで、反撃の機会もないままに完敗を喫してしまいました。このキャンプでサンフレッチェが目指しているのは中盤から前のポジションを決めずに動き回るような流動的なサッカー、なのだそうですが、それがまだ完成していないからこの結果に繋がったとのこと。これから5日間でどこまで煮詰めることが出来るかが焦点になりそうです。
 一方、サテライト同士の対戦となった45分1本のトレーニングマッチは、広島が平繁のゴールで1-0で勝ちました。広島のメンバーは、GK:佐藤昭、DF:中里(→中尾44分)、槙野、西河、高柳、MF:青山(→橋内38分)、李、桑田、柏木、FW:前田、平繁。川崎Fは、GK:吉原、DF:佐原、米山、井川、MF:茂原、鬼木、原田、西山、今野、FW:鄭、黒津。経験豊富な選手を揃えた川崎Fに対して広島の若手選手が圧倒したそうで、「驚きを与えてくれた」(小野監督)とのこと。特に平繁の動きが素晴らしかったようです。更に右SBで起用された吉弘も良かったらしく、完敗の中で一筋の光明が見えた、と言って良さそうです。
<06.2.19> 昨日日本代表はフィンランド代表と親善試合を行ない、2-0で勝ちました。
 アメリカ戦で機能しなかった3-6-1を諦め、ジーコ監督はツートップを採用。また田中、三都主、遠藤に代えて坪井、村井、巻を起用して、GK:川口、DF:宮本、坪井、中澤、MF:小笠原、福西、小野、加地(→駒野76分)、村井(→三都主72分)、FW:久保(→本山85分)、巻(→佐藤72分)、と言うメンバーでした。日本は序盤からボールを支配。小野のパス回しが冴えて両サイドから崩す形を作り、何度もクロスを入れてゴール前に迫ります。また守備は3バックが安定して相手の攻撃をはね返し、前半はスコアレスだったもののほぼ一方的な展開で折り返しました。
 後半も立ち上がりから日本ペース。そして3分、右サイドからのスローインのボールを小笠原が動きながら受けると、そのまま縦に突破してグラウンダーのクロス。走り込んだ久保が押し込んで、待望の先制点を挙げました。続いて後半12分、自陣でボールを受けた小笠原がハーフラインの手前から思い切ってロングシュート。このボールがGKの頭を越えてゴールネットに飛び込むと言うスーパーゴールで、日本は2点目を奪いました。
 その後はやや落ち着いたものの日本ペースは続きます。そして後半27分、巻に代わって佐藤寿が登場。更に31分には加地に代わって駒野が入ります。佐藤寿は前線からフィンランドのDFラインに激しくプレッシャーをかけ、駒野も落ち着いてプレーします。そして後半34分、駒野の低いクロスはDFに当たりましたが、佐藤寿はこれに鋭く反応してダイレクトでシュート。このGKがわずかに触ったためシュートはポストに当たってしまいました。その後も佐藤寿はゴールを狙いましたがフィンランドの攻勢もあってなかなか前線にボールが届かず、そのまま2-0のまま終わりました。
 この試合はフィンランドの迫力の無さが目立ったものの、全体的に日本の良さが良く出ていました。特に引いて守る高さのある相手をどう崩すか、と言う点でまずまずの結果が得られた、と言って良いでしょう。ボランチに下がった小野のワンタッチパスと小笠原の組み立ては両サイドの良さを引き出していましたし、久保と巻のツートップも前線で身体を張り、またゴール前に飛び出す動きも良かったと思います。アメリカ戦では先発組の動きの悪さが目立ちましたが、この試合は全体的に良く動けていた、と思います。W杯に向けての強化の一環としては、良い結果が得られたと言って良いと思います。
 また途中出場の佐藤寿と駒野はゴールこそ無かったものの良く機能していて、オプションとして役に立つ、と言うところは見せる事ができました。特に駒野は好調さを見せつけていた加地、村井に劣らないクォリティを見せてくれていました。ただ、佐藤寿にとってはやはり「ゴール」と言う結果が出なかったのは残念。FWはヨーロッパで待っている?選手が沢山いるだけに、生き残りが至難のわざであることに違いはないでしょう。とにかく次のインド戦でゴールを決めること。そしてジーコ監督の信頼を得ることができれば、またチャンスが与えられるのではないでしょうか。
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