3/16〜4/1のSANFRECCE Diary


<06.4.1> 明日は新潟スタジアムビッグスワンでJ1リーグ第6節を戦います。
 鈴木新監督が就任した新潟は開幕戦こそ大敗しましたが、その後立て直して勝ち点6を取って11位に付けています。
1A ●0-6 川崎F 【川】我那覇3、中村、ジュニーニョ、マルクス
2H ○2-0 FC東京 【新】寺川、エジミウソン
3A ○2-1 大宮  【新】エジミウソン2、【宮】桜井
4H ●0-2 磐田  【磐】成岡、福西
5A ●1-3 C大阪 【新】エジミウソン、【C】古橋、ゼ・カルロス2
N1H △3-3 清水  【新】田中、エジミウソン2、【清】矢島、久保山、太田
 チームとしての完成度の面ではいまひとつ、と言う噂の新潟ですが、それでもここまでナビスコ杯を含めて2勝1分け2敗の成績を収めている原動力は、6試合で6得点を挙げているエース・エジミウソンの存在です。ただ、このエジミウソンは清水戦のロスタイムに同点弾を決めた際にDFと接触。右ひざ外側靭帯の損傷で全治3週間と診断され次節の出場は絶望的な状況です。またこれまでリーグ戦5試合に先発しているMF本間も左足関節捻挫で全治3週間。新潟は攻守の核を失って、明日の試合に臨むことになります。
 一方のサンフは千葉戦の後は関東にとどまり、毎日違うグラウンドで練習しながら新潟戦に備えています。昨日は代表戦を終えた佐藤寿と駒野が大分から合流し、キレのある動きを披露していたとのこと。また太もも裏の違和感で大事を取っていたウェズレイも練習に参加して、こちらも良い動きを見せていたそうです。ここ数試合はメンバーが揃わず苦戦していたサンフですが、明日はほぼベストメンバーで戦う事ができるのではないでしょうか。先発は期待も込めて次のように考えます。
       下田

駒野 ジニーニョ 吉弘   服部

     戸田  森崎和
李            ベット

    佐藤寿  森崎浩

SUB:木寺、小村、高柳、大木、ウェズレイ、上野
 ここまで2分け4敗と結果が出ていませんが、千葉戦では敗れたものの浮上のきっかけはつかんだのではないでしょうか。代表組に森崎兄弟、そしてウェズレイが復帰すれば、戦力的にはどのチームにも負けることはないはず。明日はアウェイではありますが、何としても初勝利を挙げて欲しい、と思います。
<06.3.31> 昨日日本代表は南米3位のエクアドル代表と国際親善試合を行ない、佐藤寿のゴールで1-0で快勝しました。日本代表のメンバーは、GK:川口、DF:坪井、宮本、中澤、MF:加地、福西、小野、三都主、小笠原、FW:久保(→佐藤寿77分)、玉田(→巻77分)。仕事の関係で後半30分からしか見れなかったのですが、日本は全体的に前からのプレスがきいてチャンスを何度も作ったそうです。その中で久保や玉田が決定的なシーンを作ったものの相手GKの好セーブにも阻まれ、後半32分を迎えました。ここでツートップに代えて投入されたのが巻と佐藤寿。2人は前線から激しくボールを追い回して相手DFにプレッシャーをかけ、流れを呼び込みます。そして後半40分。高い位置で奪ったボールを、小笠原が左のスペースにスルーパス。ここに走り込んだ三都主の低いクロスに、飛び込んだ佐藤寿が難しい体勢からボールに左足を合わせ、GKの鼻先を抜いてゴールに流し込みました。結局試合はそのまま終了し、佐藤寿はジーコ・ジャパン南米勢相手の初勝利をもたらしました。
 インド戦に続いてゴールを決めた佐藤寿は、Jリーグでの好調さをそのまま持ち込んだ、と言う感じでしょうか。ピッチに入るといきなり相手DFに襲いかかるなど、出場した15分を一瞬たりとも無駄にしないように走り回りました。そしてゴールの伏線になったのはその1分前のプレー。巻のポストプレーからボールをつなぎ、左からの三都主のアーリークロスがDFにクリアされましたが、その時に佐藤寿は大きなジェスチャーで「ニアにボールが欲しい」と要求していました。そしてその1分後のクロスは、まさに佐藤寿の欲しいところに来た、と言うもの。DFに背中をぶつけて相手との距離を取ると、オフサイドぎりぎりのタイミングでニアのスペースに飛び込んでフリーでボールに触る事ができました。シュート自体難易度の高いものだったと思いますが、それ以前に味方とのコミュニケーションや相手との駆け引きがあったからこそ生まれたゴールだった、と思います。彼の良さが存分に出たエクアドル戦だった、と思います。この日は先発した久保、玉田や同時に出た巻にはゴールがありませんでしたが、しかし3人とも動き自体は悪くなった様子。W杯出場を狙うFW同士の戦いは、今後ますます激しいものとなりそうです。
<06.3.30> 昨日のナビスコ杯予選リーグは、後半早々に同点に追いついたもののその後突き放され、1-2で敗れました。
 佐藤寿と駒野を日本代表で、またウェズレイを怪我で欠くサンフは、若手を抜擢して次のような布陣(たぶん)で戦いました。
       下田

高柳 ジニーニョ 吉弘   服部

     戸田  柏木(→森崎和42分)
李(→青山79分)     ベット

     上野  森崎浩(→桑田78分)

SUB:木寺、小村、槙野、大木
 対する千葉のメンバーは、GK:櫛野、DF:水本、ストヤノフ、結城、MF:坂本、佐藤勇、水野(→工藤82分)、クルプニコビッチ(→中島61分)、山岸、羽生、FW:要田(→楽山67分)。立ち上がりは千葉の圧倒的攻勢にさらされて苦しい戦いを強いられたようで、2分には羽生にDFラインを破られ先制点を許しました。その後も12分の山岸や23分の水野など危ないシュートを打たれるなど、何度もピンチを招きます。しかし吉弘を中心に勇気を持ってDFラインを押し上げて、相手のペースが落ちるのを待ちます。そして徐々に体勢を整えると、37分にはカウンターから森崎浩が飛び出してシュートを打ちましたがこれは枠外。44分には戸田の素早いリスタートから高柳がクロスを入れ戸田が飛び込みます。前半は耐える時間が長かったものの何とか凌ぎ、途中から押し返すと言う展開で折り返しました。
 この頑張りは、後半早々に報われます。1分、ベットのスルーパスで飛び出した森崎浩が左足でゴールを決めて、同点に追いつきます。そしてその後は攻撃参加する人数も増えてチャンスが増えます。15分にはサイド攻撃から森崎浩や李、服部が相手ゴールを脅かし、30分にはカウンターから服部のクロスに森崎浩が飛び込みましたが、ヘディングシュートは枠外に外れます。34分にもカウンターから森崎和がフリーでシュートしましたが枠外。千葉も豊富な運動量から何度も決定機を作りましたが、下田を中心に集中力高く守ります。しかし36分、スローインからワンタッチでボールをつながれ、最後は佐藤勇に押し込まれてリードを許してしまいました。その後は打ち合いとなり、サンフもベットや青山のシュートなどがあったもののゴールは割れず、ナビスコ杯は黒星スタートとなりました。
 試合はゴールシーンも映像で見ていないので想像するしかないのですが、携帯サイトの情報によると前半はかなり圧倒されたようで、特に過緊張にとらわれた柏木が動けず中盤が機能しなかったようです。しかし柏木が森崎和と交代すると流れが変わり、彼のキープと展開力がリズムを取り戻すきっかけになったとのこと。また森崎浩の動きも良くなって、前からのチェイシングと上野を追い越す動きでチャンスを量産したそうです。しかし森崎浩がベンチに下がると千葉の猛攻を受けるようになり、最後は力尽きたかのように失点。最後まで戦う姿勢を見せたものの、ゲーム運びの稚拙さを見せた試合だった、とのことです。ただ「夢も希望も失った」(携帯サイトによる)G大阪戦を考えると、若手中心のメンバーで立て直しのきっかけとなる戦いができたことは好材料。特に立ち上がりの悪さを途中から押し返して接戦に持ち込んだことは、評価して良さそうです。また下田とジニーニョが復帰し、森崎兄弟に復活の気配が見えたことも好材料。少なくとも次につながるゲームだった、と言うのは間違いないようです。となると、大事なのは次。日曜日の新潟戦が、非常に重要になってきました。
<06.3.29> 中国新聞と「ホットニュース」によると、高柳が今季初先発。またルーキー柏木も初めて起用されるとのことです。更に槙野も初めてベンチ入りして、苦境打開を若い力に賭けることになります。これまで若手選手が抜擢されても思い切ったプレーが見られずいまひとつに終わることが多かったのですが、今日は結果を怖れずに思い切って戦って欲しい、と思います。
 今日の試合会場はフクダ電子アリーナで、午後7時キックオフ。テレビ中継はありませんので、tssの携帯サイト等でチェックしてください。
<06.3.28> 明日はフクダ電子アリーナで、ナビスコカップのグループリーグ初戦が行われます。
 今年もオシム監督が指揮を執るジェフ千葉は、主力選手の流出も無く、昨年のナビスコ以上のタイトルを取るべくチーム作りを進めてきました。しかし開幕戦で大宮に逆転負けを喫すると、甲府には2点リードを追いつかれ、福岡には常に先手を取られて2試合連続の引き分け。清水戦で片目が開いたものの、前節は鹿島に敗れています。ただ、その鹿島戦は1点に泣いたとは言え内容は非常に良かったとのこと。私は見ていないのですが、辛口で知られるオシム監督が「私の想像以上のいい試合」と語っているところを見ると、チーム全体の調子はかなり上がっている、と見て良いでしょう。
1A ●2-4 大宮
2H △2-2 甲府
3H △2-2 福岡
4A ○2-1 清水
5H ●0-1 鹿島
 日本代表合宿に参加している阿部と巻に加えて、前節怪我をしたハースが欠場の見込みですが、選手が欠けても若手を起用してその穴を埋めてしまうのがオシム監督の凄いところ。メンバーが変わっても、質の高いサッカーを見せるに違いありません。
 一方のサンフレッチェですが、G大阪戦では守備重視の布陣で臨んだものの、あまり機能せず完敗を喫してしまいました。明日のメンバーは全く読めないのですが、G大阪戦の試合後に監督が「いつもどおりの考え方で勝ちにいく。ただ、連戦ということもあり、疲労度を見ながらイキのいい選手をつかっていくことはある。また、代表で選手が抜けるので、そこは当然変わっていく」と語っているところを見ると、次のような布陣になる可能性が高そうです。
       下田

吉弘 ジニーニョ 小村   服部

     戸田 森崎和
李            ベット

     大木  上野

SUB:佐藤昭、盛田、西河、高柳、青山、桑田、森崎浩
 チームの立て直しが急務となっているところで佐藤寿と駒野が不在、と言うのも痛いところですが、逆にこれを良いチャンスとして利用して欲しいもの。サテライトはこのところ非常に良いサッカーを見せているらしいので、これまで出場機会の少なかった選手を起用して雰囲気を変えて見るのも良いのではないでしょうか。なかなか勝てずに監督も選手も悩みは大きいのではないかと思いますが、ここは逆に結果を気にせず、思い切ったプレーで流れを変えて欲しい、と思います。
<06.3.27> 昨日のDiaryは、最後に(つづく)と言う文字が入っていました。なぜか、と言うとそれは途中までしか書いていなかったから。メンバーを書き、試合展開を書き、さあ試合全体の感想を書こうというときになって個人的な事情で時間がなくなってしまった、というのが表向きの理由だったのですが、しかし実はそれだけではありませんでした。試合を観戦した後に残った虚しさ、哀しさが募るばかりで、どうしても書く事ができなかった、と言うのが本当の理由だったのだろうと思います。
 G大阪戦は、3バックで戦うと言う噂を聞いた時点から悪い予感がしていました。そしてその気持ちが確かなものになったのは、京都から7時間かけてビッグアーチに着いたときでした。森崎和はもちろんのこと、ウェズレイと森崎浩はベンチにもいない。ジニーニョは先発から外れ、ピッチ上に並んでいるのは本来の「レギュラー」ではない選手が半分。強力なG大阪相手にこれで本当に戦えるのだろうか。もしかすると守りを固めて引き分けを狙い、運良くカウンターから点が取れればラッキー、と言うやりかたをするのではなかろうか。これは良くてもすごくつまらない試合になり、最悪の場合は「虐殺」されることになるのではないだろうか。そんな悪い予感は、半ば現実となってしまったわけです。
 2日前にACLを戦ったガンバは、西野監督も語っているように本調子ではなかった、と思います。前半の途中までは攻めの鋭さに欠けていたし、サンフは高い集中力で相手の攻撃をはね返し、カウンターから何度かビッグチャンスを作っていました。結局失点は、と言えばセットプレーとこちらの凡ミスを突かれたものだけ。もう少しうまく戦っていれば、勝つチャンスはない、とは言えなかったとは思います。
 しかし結果そのものよりも私が一番がっかりしたのは、その内容でした。と言うか、むしろこの試合に臨むにあたっての「志の低さ」だったではないか、と思うのです。相手はほぼフルメンバーだったのに対して、こちらは半分が本来のレギュラーではない選手。両チームの本来の力の差や現在の調子を考えれば、まともに行ったらやられそうだ、というのは素人でも判断できます。ただ、それを指揮官が判断するかどうかは別問題。せっかく高い理想を掲げてチーム作りをしていたはずなのに、相手との力関係を考えてあっさりと投げ捨てていいのか。そしてそう言う戦術を取ったにも関わらず、守り切れずに失点してしまったのはどう言うことだ?などと思わざるをえませんでした。また、チームの核と頼んでいた森崎兄弟が不在で、若手も吉弘と西河だけ。他のほとんどが「外様」だったと言う事実にも、納得できないものがありました。「育成型クラブを目指す」(久保社長)チームが本当にこんなことでいいのだろうか。こんなので広島の未来は本当にあるのか、と暗澹たる気持ちになってしまったわけです。ガンバにチンチンにされ、あしらわれ、バカにされたままで試合終了のホイッスルを聞く。これ以上の屈辱はありません。だから試合終了当日はもちろん、翌日の昨日でさえも怒りのぶつけどころが分からなくて、悶々と過ごすしかありませんでした。特定の選手を使うな、とか、監督を代えろ、とか。そんなネガティブな事を書いてしまいそうになって、ぐっと気持ちを抑えるしかありませんでした。
 その気持ちが試合後2日経って収まったか、と言うと微妙なところで、降格圏に沈んだチームが危機的状況にあるのと同じように、私の感情もまだまだ噴火口の直下にあります。しかしだからと言ってここで先に「爆発」してしまっては、クラブをサポートすることにはならない、と思うのです。もっと選手とスタッフを信じて、心のそこからサポートすべきなのでは無いか、と思うのです。
 G大阪戦は内容的には寂しいものでしたが、しかし選手にやる気が無かったかと言うとそんなことは絶対に無い、と思います。むしろチーム全体がうまく回らない中で、どの選手もできる限りのことをして奮闘していたと思います。粘って粘ってゴールを決めて、スタンド全体に歓喜の渦を巻き起こしてくれた佐藤寿。90分間走り回り、前線で身体を張ってボールをキープし、強引にシュートに行ったりもしていた上野。サポートの少ない中で右サイドを何度も単独で突破してみせた駒野。だだっ広く空いた中盤を何とか埋めようと走り回っていた戸田。後半途中からDFラインのリーダーとなり勇気を持って押し上げていた吉弘。途中出場で出た李、桑田、高柳は最初から全力で走り回っていたし、ベテラン選手たちも苦しいゲームを何とかしよう、と戦っていました。選手の質は悪くないし、戦う気持ちもある。それがうまく行かなかったのは、ピッチ上の11人の向くベクトルが微妙にずれていたからなのではないか、と思うのです。チームとして見ている方向が微妙に違うから、同じ絵を描くことができなかったのではないでしょうか。
 チームをまとめるのは、監督の責任です。だから今の低迷の責任は小野監督にある、と言うのは確かです。ただ、だからと言って小野監督が作り上げてきたこれまでの3年間を否定できるものでもない、と思います。J2に降格したチームを1年で引き上げ、優勝争いを夢見ることの出来るチームを作って来たのが彼であることは否定できない事実です。ではなぜこうなってしまったのか。その原因の一つは、おそらく「タイトルを取る」と言う公約そのものにあったのではないか、と思うのです。今年の開幕からのホームでの3試合は、昨年の上位チームが相手です。昨年この3チームと6回戦って勝てたのはわずかに1試合。となると、まともに行ったら今年も同じ結果になる、3つ戦って一つも勝てない可能性は、もともとそう低くはなかったわけです。しかし「タイトルを取る」と言う公約を果たすためには、ここが大きなポイントでもあります。ここで勝ち点を一つも取れないままに終わってしまえば、昨年を越えることはできない。メンバーが揃わない中でどうすれば良いか、と考えた結果が、G大阪戦の戦い方だったのだろう、と思います。理想主義者・小野剛のリアリズム。だからこそ、この試合では理想を捨てて結果だけを追い求めに行ったのではないか、と思います。
 壊れかけたチームにとって一番怖いのは何か。それは主力選手が怪我をすることでもないし、監督が怪しげな采配をすることでもありません。監督と選手、あるいは選手同士が信頼感を失ってしまうこと。選手と首脳陣がそれぞれ勝手なことを考えるようになって、チームがバラバラになってしまうことこそが怖いのです。みかん箱の中に腐ったみかんがあれば、その腐敗が箱全体に広がってしまう。そうなってしまったら、もう取り返しのつかないことになってしまいます。仮にサポーターが特定の選手の肩を持ったり、あるいは選手の側に立って監督批判を繰り返すようになったら、それはもうサポートではありません。むしろチームの団結を乱し、崩壊させる方向にしか働かないものなのだ、と思います。
 結局のところチームのこと、選手個々のことを一番良く知っているのは小野監督です。また選手にとって一番良く分かっているのは、小野監督のサッカーです。仮にここで監督を代えたとしても、それが浸透するまで時間がかかるのは明白です。だからG大阪戦終了後にスタンドのサポーターがコールしていたように「小野辞めろ」が実現して、他の監督が就任してうまく行くとは限らない。むしろそれが故に更にチームがバラバラになってしまことも多いわけで、そこはクラブの判断に任せるしかないのです。となると我々サポーターがすべきことは、とにかく信じること。チームのために戦う選手たちを信じ、チームを良くしようと悩んでいる監督を信じ、彼らを支えるスタッフを信じる。そこから我々の「サポート」が始まるのだ、と思うのです。
 その上で敢えて言いたいのですが、小野監督にはもともと目指していたものに立ち帰って欲しい、と思います。「タイトル」のためにはこれ以上は負けられない、と言う焦りはあるでしょう。しかしそれはとりあえずは封印して、チーム全体で戦う流動的なサッカーに戻して欲しい、と思います。そしてその上で選手たちの心のケアに気を配って、選手の潜在能力を引き出してやってほしいもの。選手の能力を信じて、正面から戦いを挑んで欲しいと思います。
 一方の選手には、とにかくチームのために頑張って欲しい、と改めて強調したいと思います。チームの崩壊は、いつでも個人を全体の上に置くことから始まります。監督の判断に疑問を持ち、戦術が悪いとか選手選考が悪いとか言い出したら、それはチーム破壊の大きな一歩なのです。言いたいことはあるでしょう。特にトップチームの調子が悪く勝てなくなると、どうしても「俺を使わないからだ」になってしまうものです。しかしそこをぐっとこらえて、もう一度チームのためを思って欲しい。自分が出場できないのは自分に何かが足りないのだと考えて、謙虚に練習に臨んで欲しい、と思います。
 浦和と横浜FMが突っ走る気配が出てきて、早くも優勝争いに参加するチームが絞られるような印象を持つ今年のJ1ですが、しかし戦いはこれから。昨年の鹿島のように落ちるチームは必ず出てくるし、逆にC大阪のように一気に上位に進出してくるチームもあるはずです。他を見回せば、うまく行っていないチームも多い様子。ここで諦めることなく戦いを再構築できれば、きっと結果も出るはずです。私もとりあえずは怒りを封印して、選手と監督を信じてサポートしたいと思います。
<06.3.26> 昨日ビッグアーチで行われたJ1リーグ第5節G大阪戦は、佐藤寿のゴールで一矢を報いたにとどまり1-3で敗れました。
 下田が出場停止の上にウェズレイが筋肉の違和感のため出場を回避。ジニーニョもコンディションの関係で控えに回り、森崎兄弟を含めて開幕戦のメンバーから5人が欠けると言う非常事態となって、今季初めて3バックを採用して戦いました。
       木寺

    西河 小村 吉弘
    (→桑田65分)
駒野     戸田     服部

   大木     ベット(→高柳81分)
   (→李65分)
    佐藤寿  上野

SUB:佐藤昭、ジニーニョ、盛田、前田
 対するG大阪は、GK:藤ヶ谷、DF:加地、シジクレイ、宮本、山口、MF:橋本(→寺田77分)、明神、遠藤、家長(→二川45分)、FW:フェルナンジーニョ(→前田77分)、マグノ・アウベス。G大阪の強烈な攻撃力を警戒して守り重視で臨んだサンフは、立ち上がりからG大阪の攻勢を受けます。6分には遠藤のパスからフェルナンジーニョのシュートを許しましたが枠外。8分には家長のパスに遠藤が走り込みますが西河がカバーし、11分にはフェルナンジーニョのパスを受けたマグノ・アウベスがループシュートで狙いましたが、吉弘がぎりぎりでクリアします。14分にはCKからマグノ・アウベスの決定的なシュート。17分にはフェルナンジーニョが右サイドを破ってシュートを放ちましたが、サイドネットで助かります。必死で守りを固めるサンフは時折カウンターからチャンスを作り、20分にはベットがドリブルからシュート。22分にも西河のパスで上野が飛び出しましたがシュートまで行けません。更に26分には上野のクロスに佐藤寿がニアで合わせましたが惜しくも枠外。28分にも上野のシュートからこぼれを大木が狙いましたがオフサイドを取られます。序盤の猛攻から一休みしていたガンバでしたが、29分にはフェルナンジーニョが西河を翻弄してシュートし、こぼれを展開されて右サイドから遠藤が決定的なシュートを打ちましたが外れます。サンフは41分、駒野が右サイドを破ってシュートまで持ち込みましたが、こぼれを拾えずチャンスを逃します。G大阪が攻撃を仕掛けるものの何とか凌ぎ、狙い通り0-0で前半を折り返せるか、と思えた前半44分、ゴール正面25m付近で大木がファウルをしてG大阪にFKを与えます。ボールをセットした遠藤が蹴ったボールは壁を越えてゴール左上隅に突き刺さり、木寺は一歩も動かず見送るしかありませんでした。
 後半から左サイドに二川を入れたガンバは、早速ここから攻め込んで来ます。そして5分、フェルナンジーニョのドリブルを倒して与えたFKは壁が弾きますが、続くCKのボールをファーでマグノ・アウベスに押し込まれて2点目を許してしまいました。更に3点目を狙ってボールを回し、攻め込んで来るガンバ。13分にはマグノ・アウベス、15分には遠藤がシュートで脅かします。そして16分、右サイドでの大木のバックパスが小村に届かず、これをマグノ・アウベスにさらわれてそのままゴール。致命的な3点目を許してしまいました。
 これを見て小野監督は機能しなかった3バックを捨てて4バックに変更し、撃ち合いに出ます。25分には桑田のパスから駒野が右サイドを駆け上がり、34分には桑田のパスで上野が走ります。そして38分、李のロングパスで抜け出した佐藤寿のシュートはいったんなDFに当たりましたが、諦めずに粘って押し込んでようやくサンフレッチェのサポーターにも歓喜の時が訪れました。40分にはマグノ・アウベスのシュートがバーを叩きましたが、その直後には佐藤寿が惜しいシュートを打つなど最後まで諦めない姿勢を見せます。しかしその後はどちらもゴールネットを揺らすことなく終了のホイッスル。サンフレッチェのサポーターからは強烈なブーイングと「小野辞めろ」のコールが鳴り響きました。
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