5/7〜5/13のSANFRECCE Diary


<06.5.13> 明日は広島スタジアムでナビスコ杯グループリーグ第4戦の新潟戦が行われます。
 リーグの序盤戦はいまひとつ調子が上がらなかった新潟ですが、10節にはG大阪に競り勝つなど着々と勝ち点を増やし、6位まで上がっています。またナビスコ杯も勝ち点4で、C組では2位の成績です。
1A ●0-6 川崎F 【川】我那覇3、中村、ジュニーニョ、マルクス
2H ○2-0 FC東京 【新】寺川、エジミウソン
3A ○2-1 大宮  【新】エジミウソン2、【宮】桜井
4H ●0-2 磐田  【磐】成岡、福西
5A ●1-3 C大阪 【新】エジミウソン、【C】古橋、ゼ・カルロス2
N1H △3-3 清水  【新】田中、エジミウソン2、【清】矢島、久保山、太田
6H △1-1 広島  【新】中原、【広】森崎浩
7A ○4-0 甲府  【新】矢野、鈴木慎、田中、河原
N2A ●2-3 千葉  【新】鈴木慎、岡山、【千】中島、羽生、巻
8H ○2-1 名古屋 【新】鈴木慎、海本慶、【名】本田
9A ●0-2 福岡  【福】グラウシオ、アレックス
N3A ○2-1 清水  【新】矢野、中原、【清】枝村
10H ○1-0 G大阪 【新】中原
11A △1-1 京都  【新】シルビーニョ、【京】パウリーニョ
12H ○4-2 清水  【新】三田、鈴木慎2、ファビーニョ、【清】兵働、チョ・ジェジン
 チームが若返ったこともあってか、強豪に勝ちながら下位チームに取りこぼすなど不安定な戦いぶりの新潟ですが、特徴的なのはその粘り強さではないでしょうか。G大阪戦では終盤の相手の猛攻をしっかりと受け止めて逃げ切り、京都戦ではリードされ数的不利になったにも関わらずワンチャンスを生かして引き分けに持ち込んでいます。新監督の戦術が浸透して上昇気流に乗っているチーム。それが今の新潟だと言えるでしょう。
 対するサンフレッチェですが、これまでのナビスコ杯の3試合は1分け2敗。勝ち点はわずか1にとどまっています。ただ、独走する首位の千葉との対戦は終了しているので、2次ラウンド進出の可能性は十分に残っています。リーグ戦ほど勝ち点に拘る必要はないのですが、しかしタイトルのチャンスがある限り狙い続けるのがプロ、と言うものでしょう。となると、これまで通りの望月監督のサッカーを貫くに違いありません。
 メンバーですが、日本代表に合流している佐藤寿と駒野も、今日のスコットランド戦を終えるといったんチームに戻る予定です。疲れ具合によるものの、もし今日の出場が無いようなら明日は出るのではないか、と予想します。
        下田

    吉弘  小村  盛田
駒野              服部
     ベット  戸田

       ウェズレイ

     上野   佐藤寿

SUB:木寺、八田、高柳、李、森崎浩、橋内、桑田
 リーグ戦での対戦では終了間際に上野がもらったPKで何とか引き分けましたが、若手中心の溌剌としたサッカーに押されて負けても不思議ではない内容でした。その時とは監督が代わり、選手が変わり、戦い方も変わったサンフレッチェ。今度はこちらがホームの利を生かして、元気なサッカーを見せて欲しいと思います。
<06.5.12> 中国新聞によると、3/31の練習中に左膝を痛めて戦列を離れていた大木が今週から練習に合流。昨日は久々に紅白戦に出場して、まずまずのプレーを見せていたそうです。まだ左足には痛みが残っているらしくナビスコ杯期間中の復帰は微妙ですが、その後の新監督就任以降のチーム作りに最初から参加できるのは大きなメリットとなるはずです。
 一方、体調を崩して4月上旬の川崎F戦以来戦列を離れている森崎和ですが、5/2のプレスリリースによると「オーバートレーニング症候群」と診断され、復帰の目途は立っていないとのことです。森崎和とオーバートレーニング症候群と言えば、J2で戦った2003年を思い出します。初めてのJ2での戦いと五輪を目指すU-22代表の戦いを掛け持ちする中で、春先にコンディションを落として1試合だけ休んだことがありました。紫熊倶楽部の2003年8月号によると、「オーバートレーニング症候群の、初期段階であったことはおそらく間違いないのだろう」ということですが、しかしこの時はまだ症状が軽く、3日間だけ練習を休んでチームに戻って来ています。ただ、この病気は個人差だけでなく状況の差によって回復の具合が大きく異なってくるもの。実際99年の市川は回復まで1ヶ月を要しましたし、00年の森島は3ヶ月かかっています。従って今回の森崎和が復帰までどれだけかかるかは、全くわからない模様。チーム、サポーターとしては一刻も早く戻ってきて欲しいところですが、当面は気長に待つしかなさそうです。
<06.5.11> 昨日吉田サッカー公園で広島修道大とトレーニングマッチを行ない、4-1で勝ちました。メンバーは不明。サンフレッチェの得点は、1分に橋内、4分に桑田、71分に柏木、78分に高柳でした。
<06.5.10> 昨日長居でキリンカップの初戦が行われ、日本代表はブルガリアに2-1で敗れました。
 この日の日本代表のメンバーは、GK:川口、DF:宮本、中澤、田中(→小笠原61分)、MF:加地、村井(→三都主44分)、福西(→小野61分)、遠藤、阿部(→長谷部83分)、FW:玉田、巻(→佐藤寿77分)。私は都合で最後の15分しか見ていなかったのですが、開始早々と終了間際の失点シーンを除けばまずまずの出来だった模様。ジーコ監督は「悪い展開ではなかった。全体的にまとまってできていた」と評価していたそうです。日本の得点は後半31分で、加地からのクロスが左サイドまで流れたところを三都主がシュート。これが逸れたところにいた巻が押し込みました。私が見た限りでは「W杯当確組」と「ボーダーライン組」の気持ちの差が大きかったような印象で、阿部や長谷部、巻、佐藤寿らが何とか結果を出そうと必死でプレーしていたのに対して、他の選手は良く言えば落ち着いて(悪く言えば流して)プレーしているように見えました。ジーコ監督自身も「最終的な23人への影響はない。だいたい頭の中でできている」と明言。それが全体的にちぐはぐな感じがした原因なのではないでしょうか?
 ところで最後の15分だけのプレーだった佐藤寿ですが、相変わらず何度もDFラインの裏を狙って激しく動き回っていました。何度かチャンスはあったのですが、その最大のものは後半40分のもの。小笠原のロビングのパスをDFラインの裏で受けたものの、トラップがやや大きくなりGKにキャッチされてしまいました。後からのボールに前を向いて走りながらダイレクトで受けたプレー自体は素晴らしかったものの、そこで直接ループシュートを打てなかったのが残念なところ。スポーツナビによると寿人本人も「キーパーの頭越しに、ゴールを決められていたら格好よかったね、と(小笠原)満男さんと試合後に話をした」と語っていたそうで、ヒーローになり損ねた、と言う感じでした。これまで全て途中出場ながら、短い時間で着実に結果を出している寿人。次のスコットランド戦では、ぜひ長い時間使って欲しいものです。
<06.5.9> 今朝の中国新聞に織田強化部長のインタビューが掲載されていたそうです。それによると低迷の原因として「小野監督の新戦術が浸透しないまま開幕を迎えてしまった。選手が迷い混乱し、最終的には動けなくなった」と語っています。また「個人名は挙げたくないが」と前置きした上で、「何人かは期待したレベルの動きをしてくれなかった。特に開幕直後はボールをお見合いしての失点など、信じられないプレーがあった」と、監督と選手双方の責任を指摘しています。望月監督については「内容よりもとにかく結果を求めた...重苦しい雰囲気を打破し、失点しない戦いを貫いてくれたことが大きい」と評価。残るナビスコ杯の3試合でも「決勝トーナメント進出に向け頑張ってもらう」とした上で、新監督着任後にはGKコーチに復帰させる、と明言しました。そして後任の人事については「もう一度、人もボールも動く躍動感のあるサッカーを築きたい。それを実現できる指導者を獲得したい」と語っています。また戦力補強については新監督次第としながらも、現有戦力で乗りきる意向を示しています。噂によるといろいろと監督のオファーはあるようで、その中で候補を絞って交渉を進めているところではないか、と思われます。このW杯のための中断は、チーム再建の最後のチャンス。これを逃さないためには、監督選びに失敗するわけにはいきません。
<06.5.8> サンフレッチェは5/3より新しいグッズを発売開始しました。一つはユニフォームに似たデザインの「プロコンシャツ」。お好きな選手の背番号と名前を入れる事ができて、価格はS〜LLサイズが3,200円、子供サイズの110と130が2,800円(サンフレッチェクラブ会員はそれぞれ1割引)。レプリカユニフォームは背番号・胸番号を入れると14,280円しますので、それより1万円以上安く買えることになります。レプリカは高くて手が出なかったと言う方だけでなく、好きな選手の数だけ欲しい、と言う方にもお勧めです。なお、胸のマークが「DeODEO」でなく「SANFRECCE」になっている「コンフィットシャツ」も1枚3,675円で発売中ですが、佐藤寿人選手の11番はSサイズ以外は売り切れている様子。更にデザインの違う「プレーヤーズTシャツ」(3,045円)の11番は全サイズ売りきれとなっているようです。
 もう一つの新グッズは、福岡戦から発売になった「ジャンボうちわ」です。全長41cm、幅30cmの大型版で、デザインは「寿人バージョン」(寿人)、「GK/DFバージョン(下田、駒野、服部)、「MFバージョン」(森崎浩、森崎和、戸田)、「FWバージョン」(寿人、ウェズレイ)の4種類あります。価格は500円で、サンフレッチェクラブ会員は1割引。これらの商品はホームゲーム会場とV-POINTの他、オフィシャルネットショップe-VPOINTで発売中です。
<06.5.7> 雨の降るビッグアーチで行われた昨日のJ1リーグ戦第12節福岡戦は、終了間際の駒野のゴールで逃げ切りホームゲームでの今季初勝利を挙げました。
 ウェズレイを出場停止で欠いて、望月監督は森崎浩を入れて3ボランチ気味の布陣で戦いました。
        下田

    吉弘  小村  盛田
駒野              服部
        戸田

   ベット      森崎浩(→高柳71分)
   (→八田89分)
     上野   佐藤寿

SUB:木寺、李、中里、橋内、桑田
 対する福岡は、GK:神山、DF:中村(→宮本62分)、金古、千代反田、アレックス、MF:宮崎、布部、吉村(→川島75分)、古賀、FW:田中(→薮田45分)、グラウシオ。強い雨が降り続き滑りやすいピッチ状態もあって、お互いにミスの多い展開が続きます。立ち上がりにセットプレーからチャンスを作ったのに続き、6分にはベットがミドルシュート。7分にも森崎浩と服部のコンビネーションで左サイドを崩し、その後のCKのチャンスからベットが狙いましたが枠外に外れます。逆に10分には右サイドを崩され中央から吉村が走り込んでフリーでシュートしましたが下田がスーパーセーブで凌ぎます。サンフレッチェは佐藤寿が厳しいマークを受けてなかなか良い形に持ち込めなかったものの、森崎浩とベットが激しく上下してボールを追い回し、積極的にミドルシュートを狙います。42分には駒野のアーリークロスを上野が落とし、森崎浩がダイレクトで狙ったものの惜しくもGK正面。45分には森崎浩の曲がり落ちるFKのボールに一斉になだれ込みましたが、シュートまで行けません。前半はお互いになかなか崩せなかったものの、若干広島有利の展開で折り返しました。
 後半もメンバーを代えずに臨んだサンフに対して、福岡の松田監督は「前半から機能していなかった」と言う田中に代えて薮田を投入します。それでも立ち上がりは広島ペースで、3分にはセットプレーの連続から福岡ゴールを脅かし、9分にも盛田にフリーでのシュートチャンスがありましたが空振りしてしまいます。その後も何度か攻め上がったものの攻め切れず、徐々に運動量が落ちて福岡の逆襲を受けます。14分には吉村のボレーシュート。19分にもクロスのこぼれを古賀にシュートされ、21分にも波状攻撃を受けましたが下田とDFが必死で踏ん張ります。26分には古賀?のFKが吉弘の頭に当たってコースが変わりましたが、このボールは枠外に外れて事なきを得ます。35分にも古賀のFKがゴールを襲いましたが、下田がワンハンドで触ってバーに逃れます。更に39分には福岡の右からのクロスに川島がボレーで合わせましたが、これも下田がセーブ。押し寄せる福岡の攻撃を必死で耐える展開が続きます。そんな中の後半40分、中盤から上がった高柳がドリブルで2人をかわしてペナルティエリアへの侵入を図りますが、宮本に倒されてFKのチャンスを得ます。円陣を作って作戦を練る選手たち。長い打ち合わせが終わって、ポイントにベットと駒野が立ちます。蹴る気満々に見えたベットでしたが、しかしそれは演技でボールの上を走り抜けるとその後から駒野が右足を振り抜きます。強烈なストレートボールは寿人が作った壁のわずかな隙間を抜け、GKの脇をもすり抜けてゴールネットに突き刺さり、待望の先制点を奪うことに成功しました。そしてその後同点を狙って来た福岡の攻めは選手全員が身体を張って守り切り、サンフレッチェは開幕から2か月目にしてようやくホーム初勝利を挙げる事ができました。
 この試合のポイントの一つは、おそらく試合前にあったものと思われます。前節の戦いぶりを見た福岡は「スタッフが広島戦を分析して対策を立てて」「外から攻めて1タッチ、2タッチで中に切り込んでスルーパス」(布部〜J's GOALによる)と言う形を狙ってきました。またサイドに引きつけて中央からミドルで狙う、と言う形も多用してきました。しかしそれに対して望月監督は大宮戦のようにトップ下は置かず、森崎浩とベットが左右をケアする3ボランチ気味の布陣を採用。サイドから良いボールを入れさせないような戦い方を選択しました。後半は運動量が落ちたところを突かれて危うい場面が増えたものの、DFラインの裏を使われるシーンはほとんどありませんでした。攻めの形があまりない、と言う点は相変わらずでしたが、少なくとも90分を通して失点しないと言う点でのミッションは貫徹できました。それをチーム全員の力でやり切ることができたことが、2試合連続無失点、そして2試合連続の勝ち点3に繋がったのだろうと思います。
 開幕から2ヶ月、なかなか勝てない時期が続き、監督の辞任もありました。その後を継いだ望月監督のもとで戦術の大きな変更があり、サポーターも選手も悩みが深かった、と思います。しかし選手たちはとりあえずその疑問を封じ、心を一つにして戦ったのだろう、と思います。苦しい中でも気持ちを切らすことなく、団結して戦ったからこそこの結果につながったのは間違いない、と思います。そしてとにかくゴール前にブロックを作り、集中力を切らさなければある程度は守れるし、また「個の力」を使えばある程度の点が取れる、と言うことも分かったのは収穫でした。決して格好の良いサッカーではありませんが、しかし局面に応じて勝利に徹する事が必要なのはどの国のどのリーグでも同じこと。この4試合の経験は、勝ち点7で15位に上がった、と言う事以上のものをチームにもたらした、と言えるかも知れません。ここを出発点とした、新監督の元での新たな戦いに期待したい、と思います。
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