6/11〜6/17のSANFRECCE Diary


<06.6.17> 先週発売の「紫熊倶楽部」7月号(Vol.101)は、W杯の大特集です。トップ記事はもちろん、編集長による駒野友一物語。広島ユース入りを決断した15歳の時から始まって、プロ入りしてなかなか出場できなかったこと、U-19代表での活躍、レギュラーを奪った2001年、J2での苦闘。そしてその後には、駒野選手にとって最大の試練が訪れます。前十字靭帯断裂の重傷を負って手術をした1週間後に、エコノミークラス症候群に襲われ生命の危機にさらされたのです。そしてその後もアテネ五輪のメンバー入りを目指した戦いがあり、鎖骨骨折があり、視野が狭くなる症状に襲われるなど次々と試練と戦うことになります。しかしその中で出会った映已子夫人とともに乗り越えて、ついに日本代表に選ばれたのが昨年の東アジア選手権。そしてこれら全てが今回のW杯メンバー入り、そしてオーストラリア戦での出場に繋がっているのです。
 続く記事は、13年前に最もワールドカップに近づいた「ドーハの悲劇」を経験した森保一氏の物語です。あの時の日本代表がどのようにW杯予選を戦ったのか、なぜW杯出場の一歩手前まで行けたのか、そして最後には行く事ができなかったのか。サンフレッチェ所属の選手として11人目の日本代表選手として初めてW杯に出場した駒野選手に続く、クラブの歴史を振り返ることのできる記事になっています。
 金広督子さんのコラム「ユースをよろしく」では、駒野選手の代表選出に沸くユースの中から野田選手に聞いた話など。石井百恵さんの「大好き!サンフレッチェ」は、駒野代表選出で盛り上がる地元マスコミの取材の裏側について。望月ディレクターの記事はW杯に向けての期待を、そして私は新潟まで遠征した時の顛末を書いています。更に「サンフレッチェを支える人々」ではユースの三矢寮の寮母さんが登場して、駒野選手の思い出を語っています。
 後のカラーページはマッチレポートで、5月に行われたナビスコカップの3試合。最終ページのサポーター紹介記事では、選手たちが良く訪れる「ピッツァカフェ・ロケット」の元谷夫妻が登場しています。「紫熊倶楽部」は定価350円。V-POINTの他、広島県内の大手書店と東京・新宿の「ひろしまゆめてらす」で発売中です。また遠隔地にお住まいの方は、通信販売か定期購読でどうぞ。
<06.6.17> 中国新聞によると、ペトロヴィッチ監督が指導して3日目の昨日も午前と午後の2部練習を行いました。午前中は3対3でのミニゲームを、午後は35分間の紅白戦などを行たそうで、トップとサテライトの色分けはせず、また戦術的な指示も与えずに選手を公平に見守っていたとのことです。ただ、基本的な部分についてはしっかりと浸透させようとしていたようで、例えばミニゲームでは3本目まではダイレクトパスだけでつなぐ制約を設け、またボールの無いところでの先を読んだ動きを求めていた、とのこと。「今は意識して走らせている」とのことで、目標とする流動的なサッカーのベースを作ろうとしているのだろう、と思われます。今日は広島経大と広島ユースを相手に初めての練習試合を行うそうで、ペトロヴィッチ監督がどのようなサッカーを目指しているのか、ある程度は見えてくるのではないでしょうか?
<06.6.16> 昨日からペトロヴィッチ新監督による指導がスタートし、「2日目にしては選手の動きがよかった」(ペトロヴィッチ監督・中国新聞による)と笑顔で語っていたそうです。昨日は午前10時半から午前の部を開始し、正午から午後4時まで休憩。選手には昼寝をさせたとのこと。午後の練習ではダイレクトパスによるパス回しやゲームなど選手もボールも動き回っていたそうで、休む間もないハードな練習だったようです。ペトロヴィッチ監督が師と仰ぐオシム監督は練習量が多いことで有名ですが、ペトロヴィッチ監督も同じようなコンセプトでチームを鍛えようとしているのではないでしょうか?
<06.6.15> 昨日、ミハイロ・ペトロヴィッチ新監督が来日して記者会見を行うとともに、早速トレーニングにも合流したそうです。日本に来る事自体初めてのペトロヴィッチ監督ですが、Jリーグにはもともと興味があった、とのこと。初めて交渉のテーブルについた6/2にも妻を同席させるなど、最初から就任に前向きだったそうです。「師匠」であるオシム監督との関係から日本のサッカーに興味があったそうで、理想とする「自陣から素早く前線にボールを運ぶ流動的な戦術」が「テンポの速いサッカーをする」Jリーグに通用するかどうか楽しみだ、とのこと。中国新聞によると「SKシュトルム・グラーツなどで何度も降格の危機を乗り越えた実績がある」とのことなので、まずは残留争いを抜け出して、そして更に上を目指すようなチーム作りをして欲しい、と思います。
<06.6.15> 一昨日日本サッカー協会は、6/19からタイとオーストラリアに遠征するU-19日本代表を発表し、広島からは槙野と柏木が選ばれました。今回選ばれたのは次の22名。
【GK】林(流経大)、武田(清水)
【DF】福元(大分)、柳川(神戸)、槙野(広島)、堤(浦和)、
    中川(早稲田大)、内田篤(鹿島)、大島(柏U-18)
【MF】梅崎(大分)、横谷(G大阪)、山本(清水)、田中(新潟)、
    柏木(広島)、青山(名古屋)、小澤(FC東京)、長谷川(横浜FMユース)
【FW】河原(新潟)、青木(千葉)、ハーフナー(横浜FM)、森本(東京V)、
    伊藤(中京大中京高)

※なお、柳川がチーム事情により辞退し、追加招集は無し。
 先月のインド遠征のメンバーから秋元、山下、佐野、森重、柳澤、安田、森島康、長沢が外れ、中川と小澤が新たに選出されています。
<06.6.14> オーバートレーニング症候群のためチームを離れていた森崎和幸選手ですが、一昨日から2か月ぶりにチーム練習に復帰しました。彼自身のホームページによるとまだフィジカルトレーニングを中心としたメニューで、医者やトレーナーからは焦らないように、と言われているとのこと。従って試合に出るようになるまではまだまだ時間がかかりそうですが、しかし完治まで半年以上かかる事もあると言うことを考えれば大きな前進だ、と言って良いでしょう。新監督の元で新たなスタートとなるサンフレッチェですが、どのような戦術でやるにしろ森崎和は重要な役割を果たすことになるはず。そのうち必ずやってくる「大事なとき」に向けて、じっくりと調整して欲しい、と思います。
<06.6.13> 昨日日本代表はW杯の初戦をオーストラリアと戦い1-3で痛い逆転負けを喫してしまいました。昨日の日本のメンバーは、GK:川口、DF:坪井(→茂庭55分→大黒89分)、宮本、中澤、MF:駒野、福西、中田英、三都主、中村、FW:高原、柳沢(→小野78分)。対するオーストラリアは、GK:シュウォーツァー、DF:ニール、ムーア(→ケネディ60分)、チッパーフィールド、MF:クリナ、エマートン、グレッラ、ウィルクシャー(→アロイジ74分)、ブレシアーノ(→ケイヒル52分)、FW:ヴィドゥカ、キューウェル。立ち上がりからヴィドゥカを狙ってどんどんロングボールを蹴ってくるオーストラリアに対して、日本は集中した守備とパス回しで対抗。チャンスの多さではオーストラリアが優勢だったものの、時折見せる鋭いカウンターで互角に戦います。そして前半26分、高い位置まで上がった駒野のパスを受けた中村が、ツートップ目がけてハイボールを入れます。そしてそのボールは、一瞬目測を誤りDFと重なったシュウォーツァーを嘲笑うようにそのままゴールイン。日本はW杯初出場の中村の正確なキックにより貴重な先制点をゲットしました。
 その後もボール支配とチャンスの数ではオーストラリアが勝っていたものの、日本の守備は堅く得点を許しません。特に川口が大当たりで、前半13分のブレシアーノのシュートを始めとして何度も決定機を逃れます。ただ、日本も福西や柳沢、高原が決定的なシュートを決めることができず1点のリードのままに後半に突入しました。
 この日30℃を越えた気温に、先に足が止まったように見えたのはオーストラリア。ボールは繋ぐものの単調な攻撃に終始します。そこでヒディンク監督はお得意の作戦を敢行して、前線に元気な選手をどんどん投入してきます。日本は坪井がアクシデントで下がったこともあり防戦一方となり、またカウンターのチャンスにもシュートで終わることができず試合を決める事ができません。ここでジーコ監督はボールを落ち着かせるために小野を投入しましたが、しかしこの交代が効果をあらわす事は無く、逆に後半39分、左サイドからのロングスローのこぼれ球をケイヒルに叩き込まれてついに同点に追いつかれてしまいました。
 この後は両チームとも疲れた身体に鞭打っての気力の戦い。後半42分には駒野のサイドからの突破からビッグチャンスを作りましたが、福西のゴールは枠を外れます。そして後半44分、ゴール正面でボールをつながれ最後はケイヒル。更に同点を狙って行った後半ロスタイムには薄くなった守備をアロイジに突かれて3失点目を喫して万事窮しました。
 この試合は、少ないチャンスを生かして最少得点差で逃げ切る、と言う戦略がW杯の舞台では通用しなかった、と言うことを意味する結果だったと思います。オーストラリアが前線に人を増やしてロングボールを放り込んで来ることは分かっていたことで、その圧力に90分間耐えるのは困難だった、ということでしょう。こちらのチャンスに追加点を奪えなかった事とともに、日本のストロングポイントを生かすことのできなかった戦略ミスが敗戦を招いたように思えてなりません。この敗戦でグループリーグ突破のためにはクロアチア戦の勝利は必須で、ブラジルからも何とか勝ち点を奪うことが必要になってしまいました。ジーコジャパンは、いきなり崖っぷちに追い込まれた、と言わざるをえません。
 ところで先発フル出場した駒野ですが、彼自身の出来は良かった、と思います。前半から守備面での貢献は大きかったし、またタイミングを見た攻め上がりも何度も見せていました。後半にはミドルシュートを狙うシーンやドリブルでペナルティエリアに侵入して足を引っ掛けられる(これはどう見てもPK)シーンなど、何度も見せ場を作りました。持ち味の正確なクロスが味方に合わなかったのは残念ですが、巨漢GK、DFが立ち並ぶところに普通にクロスを入れてもはね返されるのは当然なので、ぎりぎりを狙って結果的にシュートに結びつかないのは仕方の無いところ。だいたいクロスについては受け手の問題もあるわけで、合わなかったから駒野の責任だ、とは言えないでしょう。また後半の失点シーンでは近くにいてクリアしきれませんでしたが、それ以前にそこに駒野しかいなかった、と言う言うことが問題だったわけです。何より終盤になって完全に足が止まっていた日本代表の中にあって、最後まで相手ゴール前から自陣まで走っていたのは駒野ぐらいのもの。ほとんど何もしていなかったに等しかった逆サイドの選手に比較すれば、駒野のプレーは十分にチームに貢献していたと言えるでしょう。クロアチア戦で出れるかどうかは加地の回復次第だとは思いますが、出場できれば次こそは勝利の歓喜を味わって欲しい、と思います。
<06.6.12> 日本代表は昨日はカイザースラウテルンに移動して前日練習を行ない、オーストラリア戦の会場の芝の感触を確かめました。ジーコ監督の会見によると「明日は加地だけがプレーしない。大分回復はしているので、第2戦のクロアチア戦までには準備が整うと思う」とのことで、今日のオーストラリア戦では駒野を起用することを示唆しました。今回のW杯はこれまで8試合行われていますが、「番狂わせ」と言えるのはポーランドに勝ったエクアドルぐらい。その他の試合はほぼ「格上」が勝つ結果となっています。日本がオーストラリアより格上だ、とは言えませんが、しかしFIFAランキングや最近のW杯の実績ではこちらが上。力を十分に発揮して、良いスタートを切って欲しいものです。
<06.6.11> W杯に出場する駒野選手をみんなで応援しよう、と言うことで、広島でのパブリックビューイングが2か所で予定されています。まず日本時間で明日の夜10時からのオーストラリア戦は、ダイヤモンドシティソレイユ4Fのシネコン「広島バルト11」。スカパーの映像を映画館の大画面で見ながら応援する事ができます。入場券は2,500円で、ポップコーンSサイズとソフトドリンクLサイズが付くとのこと。また上映前にはアルコールの販売もあるそうです。チケットは劇場窓口で販売中です。一方6/18(日)の夜10時に予定されているクロアチア戦は、この「広島バルト11」の他に基町の「広島グリーンアリーナ」でも行われます。こちらはサンフレッチェのスタジアムDJの石橋竜史さんが司会で、全席自由席で前売り1,000円、当日1,200円。こちらのチケットはローソンチケット(Lコード61671)、電子チケットぴあ(Pコード807-828)の他にデオデオ本店、中国新聞読者広報センターで販売中です。
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