6/18〜6/24のSANFRECCE Diary


<06.6.24> サンフレッチェは昨日、6/26〜7/2に予定されていたグアムキャンプを中止する、と発表しました。理由については今のところ不明で、その代わりに何をするかも「決まり次第追ってお知らせする」とのこと。監督は試合でチーム作りを進めたいようなので、そのへんに理由があるのかもしれません。
<06.6.23> 日本時間の今朝早く、W杯グループリーグ第3戦のブラジル戦が行われ、日本は先制したものの後半に突き放され1-4で敗戦。2次ラウンド進出はなりませんでした。
 2点差で勝たなければ勝ち抜きの可能性はない、と言うことで、ジーコ監督はメンバーの入れ替えを行ってGK:川口、DF:加地、坪井、中澤、三都主、MF:稲本、中田英、中村、小笠原(→中田浩56分)、FW:巻(→高原60分→大黒66分)、玉田、と言うメンバーでした。対するブラジルは主力数人を休ませて、GK:ジーダ(→セニ82分)、DF:ルッシオ、フアン、シシーニョ、ジウベルト、MF:カカー(→ゼ・ロベルト71分)、ロナウジーニョ(→リカルジーニョ71分)、ジウベルト・シルバ、ジュニーニョ・ペルナンブカーノ、FW:ロナウド、ロビーニョ。立ち上がりからボールを支配したのはブラジルでしたが、日本は素早いチェックと落ち着いた守備で対抗します。川口が相変わらず好セーブ連発で試合を引き締め、中田英と稲本が中盤を走り回ってリズムを作ります。そして前半34分、稲本が中盤で倒れ込みながら好パスを左サイドに送ると、三都主はドリブルで持ち込みながらDFラインの裏にパス。ここに抜け出した玉田が左足で強烈なシュートを叩き込んで、今大会初めてブラジルから得点を奪ったチームになりました。
 これで目の色が変わったのがブラジル。ここで負けるわけには行かないと気合いを入れ直したのか、それまでにも増して日本のゴールに向かってきます。日本は高い集中力ではね返し続けましたが、しかし前半ロスタイム、ロナウジーニョが左サイドでのキープからロビングでサイドチェンジ。ここでフリーになっていたシシーニョがヘディングで折り返すと、中央で待ち構えていたロナウドが頭で押し込み痛恨の失点を喫してしまいました。
 後半も立ち上がりからブラジルのペースで、ロビーニョが、ジュニーニョが、ロナウドがミドルレンジからシュートを放ってきます。そして後半8分、中盤でボールを持ったジュニーニョ・ペルナンブカーノが右足で強烈なシュート。それまで好セーブを連発していた川口も意表を突かれたのか一瞬反応が遅れ、ボールはその手の先をすり抜けてゴールネットに突き刺さりました。更に後半14分にはロナウジーニョのスルーパスがDFラインの裏へ。左サイドから走り込んだジウベルトがその勢いのままにシュートを放ち、ボールはファーサイドのネットに突き刺さります。何とか追いつきたい日本は高原を投入したものの数分で怪我のためリタイアしてしまい、リズムをつかむことができません。後半の後半は全体的に足が止まってブラジルのパス回しを見ているだけ。たまにボールを奪ってもパスミスでチャンスを逸してシュートに結びつけることもできません。そして後半36分にロナウドがワンツーで危険な地域に入り込んでシュート。これがゴール右に決まって、日本は止めを刺されました。
 この結果をどう評価するか、と言うと「力負け」と言う言葉しかないと思います。日本とブラジルとの実力差が1-4と言うスコアほどは離れていない、とは思いますが、しかし2点差勝ちを狙ってガチンコで行ったらこう言う結果になるのは当然のこと。むしろここぞと言うところでしっかり攻め切って先制点を奪って、ブラジルを「本気」にさせたと言うこと自体は悪くはない、と個人的には思います。ジーコ監督の元で個の力を生かすサッカーを試み、アジアを勝ち抜きコンフェデ杯などで結果を出してきたことの総決算がこの試合だった、と思えば意味はある。少なくとも世界に通じる部分と通じない部分をはっきりさせることができたのは確かだ、と思います。所属リーグがどこであろうが、いい選手は通用する。ある選手がたまたま調子の悪い試合があっても我慢すれば使えるし、逆に良い選手でも試合に出ていなければ成長が止まってしまう。当たり前と言えば当たり前なのですが、それがはっきりしたジーコ監督の4年間と、そしてこのW杯の3試合だったと言えるでしょう。
 その一方で、ジーコ監督のやり方の限界もまたはっきりしたと言えます。ボール扱いなどの基本技術は世界と比べて遜色は無いし、戦う気持ち、必ず勝つという心の強さは、少なくともアジアで勝ち抜く力になる。それはジーコ監督の日本代表が示したことです。しかしその上で世界で勝てるようになるには、日本人のストロングポイントをしっかりと出さなければだめです。他の国の高さや強さに対抗するためには、良く走り、しっかりボールを回すサッカーが出来る必要がある、と思います。一般的に代表チームは「オールスター」みたいなもので、クラブのようなコレクティブなサッカーはなかなかできないものですが、協調性のある日本人ならきっとできるはず。次の監督が誰になるにせよ何としてでもそう言うサッカーを目指してほしいし、その流れを各年代共通の目標にして欲しい。4年後、あるいは8年後の大会で「これが日本のサッカーだ」と言うことを示すことができて初めて、ジーコ監督の4年間は無駄ではなかった、と言えるのではないでしょうか。
<06.6.22> 昨日吉田サッカー公園で練習試合を2試合行い、広島修道大に3-0、吉備国際大に4-1で勝ちました。携帯サイトによると広島修道大戦のメンバーは、GK:下田(→河野45分)、DF:西河、吉弘、盛田、MF:李、戸田、入船、青山、前田、FW:佐藤寿、大木(→桑田57分)。得点は前半5分に入船、後半1分に青山、後半27分に前田でした。また吉備国際大戦のメンバーは、GK:木寺(→佐藤昭45分)、DF:八田、ジニーニョ、橋内、MF:趙、中里、服部、高柳、森崎浩、FW:ウェズレイ、上野で、得点は前半10分と後半2分に八田、前半37分に森崎浩、後半38分に上野でした。ペトロヴィッチ監督は「これまでの練習がどれだけ浸透しているか確認する」ことをこの試合の目的として挙げ、その結果に満足している、と語りました。そして目指すサッカーとしては「90分間ずっと攻めと守りの2方向に向けて全力で走らなければならない」「最終ラインの選手にも、どんどん攻撃に参加して行く事を要求している」と説明。浸透させるには時間がかかるものの、「勇気を持ってしっかりとやっていけば、いいチームになれる」と語っています。この試合内容には選手達も手ごたえを感じているようで、ペトロヴィッチ監督のサッカーは急速にチームに浸透している様子です。携帯サイトにはその他にも監督の森崎浩と入船に対する評価や八田、入船、盛田のインタビューが載っていますので、まだ見ていない方はぜひそちらをご覧ください。
<06.6.21> プレスリリースによると、オフィシャルショップV-POINTとオフィシャルネットショップe-VPOINTでは、今日から「ミハイロ・ペトロヴィッチ監督応援セール」を行います。対象となるのはTシャツ7種類とマフラー各種で、全て30%オフ。この中には3/5の開幕戦の試合会場で販売された「KAZU」バージョンと3/25のG大阪戦の「KOMANO」バージョンもあります。新監督とはあまり関係ないような気もしますが(^_^;)、これから夏に向けてTシャツもタオルも何枚あっても良いグッズです。この機会にまとめ買いしてはいかがでしょうか?期間は7/3までとなっていますが、多分在庫限りの商品ばかりだと思いますので欲しい方はお早めにどうぞ。
<06.6.20> 中国新聞によると、ペトロヴィッチ監督は午前・午後の2部制で体力強化に務めていますが、ワンタッチでのパス回しなど身体と頭を使うことを重視し、「ただ走るだけ」のメニューよりも実戦に即したプレーを重視している、とのことです。また練習試合も多く予定されていて、21日には12時から広島修道大と行うほか14時からも予定しているとのこと。また24日にも徳山大(12時)、福山大(14時)と続けて2試合行う予定です。更にグアムキャンプ中には28日と7/1にG大阪との練習試合を行ない、帰国後にもJ1の2クラブとの試合を予定している(関東遠征の噂もある)そうです。
 「人もボールも動くサッカー」は本来は小野監督も同じところを目指していたはずで、練習試合を多く組んで実戦で鍛える、と言うやり方もずっとやって来ていました。ただ、やはり3年以上同じことを続けていたことでチームに閉塞感が生まれたと言う側面はあったはずで、それが成績不振を生み、チーム崩壊と監督辞任に繋がってしまったのだろう、と思われます。ペトロヴィッチ監督のやり方が特に新しいわけではない、とは思うのですが、しかし同じ言葉でも違う人の口から違う言い方で出てくれば選手の受け取り方も違ってくるはず。サッカーの方向性を変えることなく更に上を目指すと言う意味で、サンフレッチェは絶好の人材を連れてきたのかも知れません。
<06.6.19> 昨日行われたW杯のクロアチア戦は、守備陣は頑張ったものの決定機を生かすことができずスコアレスドロー。グループリーグ勝ち抜きの可能性は残ったものの、真に崖っぷちと言える状況に追い込まれました。
 ジーコ監督は前の試合の悪い流れを変えるために4バックを採用して、GK:川口、DF:宮本、三都主、加地、中澤、MF:中田英、小笠原、中村、福西(稲本46分)、FW:高原(大黒85分)、柳沢(→玉田61分)。対するクロアチアは、GK:プレティコサ、DF:シムニッチ、Rコバチ、シミッチ、MF:トゥドール(→オリッチ70分)、スルナ(→ボシュニャク87分)、バビッチ、Nコバチ、クラニチャル(→モドリッチ78分)、FW:プルショ、クラスニッチ。前の試合に続いて30℃を越える気温を考えてか両チームとも抑えた立ち上がりで、特にクロアチアは前線から追いかけずゴール前に守備のブロックを作ります。パスをつないで相手ゴール前まで行きミドルシュートで得点を狙う日本。低く構えてカウンターから崩そうとするクロアチア。この戦いが大きく動きそうになったのは前半21分のことでした。クロアチアのロングボールで抜け出そうとしたプルショと宮本が絡んでペナルティエリア内で倒れると、主審は迷わずPKを指示。宮本にも警告が出されて、日本は最大のピンチを迎えました。しかしスルナの蹴る方向を完璧に読みきった川口が左手1本で弾き出し、日本は何とか持ちこたえることができました。
 その後はお互いにチャンスを作るものの決めきれない展開が続きます。28分にはクラニチャルのミドルシュートがバーを直撃すると、31分には小笠原が強烈なミドルを打ちましたがGK正面。36分にも中田英がミドルシュートを放ちましたがGKに弾かれます。40分には日本のミスからクロアチアがボールを奪いクラスニッチがシュートしましたが川口がセーブ。43分にもCKのボールをプルショに頭で狙われましたがシュートミスに助けられます。前半はお互いに消耗を避けた感じの攻防で、スコアレスで折り返しました。
 後半の立ち上がり、最初のビッグチャンスをつかんだのは日本でした。後半6分、高原とのワンツーで抜け出した加地がペナルティエリア内からゴールの前を横切るラストパス。ここに走り込んだ柳沢にどんぴしゃで合わせましたが、痛恨のシュートミスでチャンスを逃します。後半11分には中田英がミドルを放ちましたがGK正面。20分には中村とのワンツーで玉田が抜け出しましたが、シュートではなくクロスを選択してDFにクリアされます。後半30分にも稲本がミドルを放ちましたが枠外。逆にクロアチアはカウンターから何度もチャンスを作りますが、DFが粘り強く対応していい形でシュートを打たせることを許しません。終盤には疲れから足が止まり、組み立て段階でのミスから逆襲を食らうシーンが続出しましたが、しかしクロアチアのシュートミスに助けられます。後半終了間際には三都主が突破して鋭いクロスを入れましたが、誰も飛び込まずにDFがクリア。最後はCKからの中澤の折り返しを大黒が狙ったものの打ちきれず、ついにゴールをこじ開けることのできないままに試合終了のホイッスルを聞くことになりました。
 腰の引けた戦いで大逆転負けを食らったオーストラリア戦に比べると、この試合の日本はそこそこ持ち味は出せていた、と思います。両サイドの突破から何度か相手の守備組織を崩して、決定的な場面を作れてはいました。しかし、そこで決めなければ勝てないのもまた当然のこと。FWが前線にボールを収め、またここぞと言うところでシュートを決めると言う仕事ができなかったことが、勝ち点3を奪えなかった原因だと言わざるをえないでしょう。川口を中心とした守備陣が奮闘し、また中盤もそこそこ機能していただけに、勝ちきれなかったのは残念でした。これで2試合を終えて勝ち点はわずかに1で、「魔法の4人」を擁するブラジルに2点差以上で勝つしか生き残る道は無くなりました。この絶体絶命のピンチをどのように乗り越えていくのか。ジーコジャパンが得意としてきた「奇跡」を起こしてくれる事に期待したい、と思います。
<06.6.18> 昨日、ペトロヴィッチ監督就任後初の練習試合が広島経大、サンフレッチェユースを相手に行われ、3-1、3-0で勝って幸先のよいスタートを切りました。
 まだトップ、サテライトの区分けはされていないものの、若手中心のメンバーを組んだのが広経大戦の方。GK:木寺(→佐藤昭45分)、DF:盛田、槙野、西河、MF:入船、柏木、高柳、趙(→青山45分)、桑田(→中里45分)、FW:橋内(→趙45分)、上野、と言うメンバーでした。一方のユース戦は実績のある選手を並べて、GK:下田、DF:吉弘、ジニーニョ、八田、MF:服部、戸田、森崎浩、李(→前田45分)、ベット(→大木45分)、FW:佐藤寿、ウェズレイ、と言うものでした。
 携帯サイトによるとキーワードは「パス&ゴー」。2部練習が続く中で選手たちも疲れが溜まっていたそうですが、ペトロヴィッチ監督が求める「とにかく走り抜く」ことを貫いて、収穫の多い練習試合だったとのことです。試合ですが、広島経大戦は相手のシュートがDFに当たってゴールしてしまう、と言う不運から始まったものの、その後はサンフレッチェのペース。後半23分に柏木がゴールを決めると、34分には上野が左クロスをゲット。そして後半終了間際には右サイドを駆け上がった中里が強烈なミドルシュートを叩き込んだ、とのことです。
 続いて主力組が登場したユース戦は、ずっとサンフレッチェのペースで森崎浩や佐藤寿、ウェズレイが何度も決定機を作ったそうです。そして36分に森崎浩のスルーパスで抜け出した佐藤寿が決めると43分にはウェズレイが個人技でゲット。後半のトップ下に大木、右サイドに前田を置く布陣は、前田が機能しなかったものの大木が素晴らしい動きからクロスに合わせて3点目を奪いました。また前半はトップ下でいまひとつ動きが悪かった森崎浩もボランチに入って良さを見せていたとのことです。
 疲れもあったか全体的に監督の求めることができていた、と言う訳ではないようですが、それでも何とかやり切ろう、と言う選手たちの気持ちは見えていた様子。ペトロヴィッチ監督も「わずか3日の練習で意図したことが全てやれるようになれば、練習などする必要はない。まだまだこれからだよ」と語り、来週からはもっと走るメニューを課すことを予告していたそうです。
<06.6.18> プレスリリースによると、今年の夏季トレーニングキャンプは春に行ったのと同じ「レオパレスリゾートグアム」で行うことになりました。日程は6/26〜7/2で、参加するのはU-19代表に招集された槙野、柏木、W杯出場中の駒野の3人以外の全ての選手、スタッフ。現地では2試合の練習試合を予定しているそうで、おそらく戦術面の熟成を図ることになるのではないでしょうか。
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