12/16〜12/22のSANFRECCE Diary


<07.12.22> 明日は熊本のKKWINGで天皇杯準々決勝を戦います。
 対戦相手のFC東京のリーグ戦の順位は12位。期待されて復帰した原監督でしたが成績が上がらなかったと言うことで、今季限りでの退任が決まっています。第28節以降の成績は次の通り。
28H ○2-1 横浜FM 【東】平山、石川、【横FM】山瀬幸
29A ○1-0 名古屋 【東】ルーカス
30H ●0-7 川崎F 【川】鄭3、箕輪、マギヌン、寺田、ジュニーニョ
天4 ○1-2 TDK 【東】平山、今野、【T】松田
31H ●1-2 新潟  【東】石川、【新】エジミウソン2
32A △1-1 G大阪 【東】ルーカス、【G】マグノ・アウベス
33H ●1-2 大宮  【東】石川、【宮】藤本、レアンドロ
34A ○1-0 甲府  【東】ルーカス
天5 ○2-1 鳥栖  【東】梶山、平山、【鳥】衛藤
 主力に怪我人が出たこともあってシーズン中はなかなか勢いに乗れなかったFC東京でしたが、終盤になって梶山、馬場が復帰。今年成長した鈴木や栗澤らを含めて若手中心のチーム、と言う形ができてきています。不完全燃焼だったリーグ戦の分を取り戻そうと言うことで、天皇杯に賭ける気持ちが最も強いチームの一つ、と言って良いでしょう。明日はエースのルーカスが怪我のため出場できない可能性があるようですが、かえって若手選手が伸び伸びとプレーするのではないでしょうか。
 対するサンフレッチェですが、リーグ終盤の残留争い、そして厳しい戦いだった入替え戦を終えて、天皇杯5回戦では久々にこのチームらしいサッカーを見せて快勝しました。メンバーですが、出場停止や新たな怪我人の情報は無く、練習がどのように行われていたかも分かりません。と言うことで、一応磐田戦と同じになると考えておきます。
        下田

     槙野 ストヤノフ 盛田

        森崎和
駒野              服部
    柏木     森崎浩

     佐藤寿  平繁

SUB:木寺、吉弘、遊佐、高柳、高萩、李、戸田
 天皇杯でどれだけ勝ってもJ2降格と言う現実に変わりはないのですが、しかしここで勝ち進むことで失ってしまったプライドを取り戻し、「ペトロヴィッチ監督のサッカー」に自信を持って来年の戦いに臨むことが出来るでしょう。明日の試合はもちろん29日の準決勝にも勝って、久々の「元日の国立」にサポーターを連れて行って欲しい、と思います。
<07.12.22> 中国新聞によると昨日佐藤寿人選手が契約更改交渉を行い、今年から150万円増の4,200万円で合意しました。佐藤選手には名古屋など複数のJ1クラブからオファーが来ていたそうですが、交渉の席には着かなかったとのこと。降格決定直後にサポーターに「1年でJ1に戻ってくる」と宣言したことや、「気にかけていた他の選手の動向も見極められた」ことが残留の決め手になった、とのことです。ただ契約は新たに2年契約を結んだのではなく単年とした、とのこと。中国新聞によると「年俸を下げないようにするのではなく、しっかり結果を出す」と言う決意の現われだそうですが、しかしこれは来年移籍することになっても規定の上限までの移籍金しか取れない、と言うことになります。クラブにとっても佐藤選手本人にとっても、この契約は「1年でJ1復帰」に向けて後戻りの出来ない決意の現われ、と言えそうです。
 一方柏からオファーが届いている柏木陽介選手は16日に交渉を済ませていたそうで、報知新聞によると「いい話し合いができました」と語っているとのこと。決断は既に済んでいるようで、天皇杯終了後に発表するとのことです。
<07.12.21> 中国新聞によると、昨日契約更改交渉を行った選手のうち、下田は年俸4,200万円、服部は3,800万円、遊佐は420万円の現状維持で合意しました。その一方で高柳は「今後、サッカー選手としてどうあるべきか、整理できていない。残留、移籍を考える以前の問題」として、去就について明言を避けたそうです。また京都が獲得に乗り出している、との報道があった槙野は代理人が45分間交渉したとのこと。こちらは複数年契約を提示したことについてチームとしての意図を説明したそうで、移籍云々について話しあったのではないようです。
 ところで同じく中国新聞によると、柏木には神戸と柏、駒野には神戸、吉弘には札幌から正式オファーが来ているとのこと。これらのクラブはいずれも「移籍金満額での完全移籍」の条件を提示して獲得に乗り出しており、駒野は神戸と、吉弘は札幌との交渉を行っているそうです。柏木は神戸からのオファーに対して「話は聞きません」と断ったそうですが、いずれにせよ「今は天皇杯に集中したい。終わってから決める」と語っているとのこと。天皇杯の結果次第では、多くの選手の契約は年を越えることになりそうです。
<07.12.21> 毎年恒例となっている?サンフレッチェのオフィシャルカレンダーのプレゼントを、今年も行います。某オフィシャルスポンサーの方から提供されたカレンダーは、壁掛けタイプ×5、卓上タイプ×3で、希望者多数の場合は抽選となります。プレゼントを希望される方はメールのタイトルを「08カレンダープレゼント応募」として、お名前、郵便番号、住所、電話番号、希望のカレンダーのタイプを明記の上、webmaster@sanfreccediary.netまでお送り下さい。締め切りは12/24(月)必着です。(なおお一人で何通も送って来られても当選確率が上がる事はありません。念のため。)
<07.12.20> サンフレッチェは昨日、デオデオ取締役の本谷祐一氏の社長就任と常勤取締役全員の退任を発表しました。
 本谷氏は78年からダイイチ(デオデオの前身)に勤める久保現社長の「側近中の側近」(中国新聞)。98年から01年まではサンフレッチェの事業本部長として経営改善に力を振るい、6期ぶりの黒字転換に導きました。また05年からは崩壊寸前だったザスパ草津の経営再建にあたり、その後デオデオの持ち株会社エディオンの「店舗開発担当」として関東地区における陣頭指揮を執っていました。中国新聞によるとゴルフ場の経営再建もしたことがあるそうで、「立て直し屋」との異名もあるとのこと。家電業界の厳しい戦いを繰り広げるデオデオとしては手放したくない人材のはずですが、それよりもサンフレッチェの立て直しが必要、と判断したものと思われます。今回の人事では久保氏が代表権のない会長に退くほか、下村専務、高田常務、真鍋広報部長、織田強化部長、平川企画総務部長がいずれも退任。そのままクラブを離れる人以外は、「平社員」としてやり直すことになります。剛腕、と噂される本谷氏の強烈なリーダーシップのもとで、二度と今年のような事のない強固なクラブを作る。今回の人事は、久保氏の並々ならぬ決意を示したもの、と言えそうです。
 ところで、久保現社長について。降格が決まった直後にサポーターに向かって「おまえら、わかっとらん」と発言して物議を醸しましたが、私はこれについて問題だとは思っていません。なぜなら久保氏はクラブ経営の最高責任者と言う立場ではありますが、しかしその本当の姿は「誰よりも熱いサポーター」だと思うからです。実際、久保氏がサポーター席で一緒に応援している姿は何度も見ていますし、自宅の土地に若手の寮を建設するなど、会社の資金の投入だけでなくサンフレッチェのために自腹を切ってもいるわけです。サポーター、とは仕事やつきあいなどがあっても何とか時間を都合し、自腹で交通費やチケット代を払ってスタジアムに駆けつけて応援する人だと定義すれば、久保氏はどの「サポーター」よりもサンフレッチェの事を思っている。本業の厳しい中で毎日身を削るような思いをしながら、そして周囲からは(たぶん)「そんな道楽は止めて会社に専念して下さい」と言われながらサンフレッチェのために働いているのは、何よりクラブが、そして選手が可愛いからだと思います。にも関わらず、信頼して任せていたスタッフは役に立たなかった。久保氏は謝罪する立場でなかったら、逆にサポーターと一緒になって「何をやってんだおまえら」と叫びたい気持ちだったのではないでしょうか。今回の人事はその久保氏の考えの具体的な策の一つであり、今後本谷氏の元で厳しい改革が進んで行くはず。私はサンフレッチェの改革がどのように行われるか楽しみではあるのですが、しかしその一方で我々サポーターが耐えなければならないこと、反対の声が上がるような事もある、と覚悟を固める必要があるように思います。
<07.12.19> 先週末発売の「紫熊倶楽部」の表紙は槙野選手で「あの時、僕のシュートが入らなかったのは、もっと強くなるために、もう一度這い上がってこい、ってことなんだな、と思いました」と言う言葉とともに載っています。
 最初の記事は吉田安孝さんのロングインタビュー。なぜJ2降格に至ってしまったのか。その理由について、今後について、監督のこと、選手のことなど、サンフレッチェの今年、そして来年に向けて様々に語っています。
 これに続くのはマッチレポートで、リーグ終盤の清水戦、神戸戦、川崎F戦、G大阪戦、そして京都との2試合。緊急コラムとして「サンフレッチェ番」を務めた中国新聞の佐藤記者、日刊スポーツの佐藤記者、サッカーライターの島田徹氏、エルゴラッソの寺田弘幸氏がそれぞれの立場から降格の原因を探っています。
 金広督子さんの「ユースをよろしく」は、ユースから昇格する3選手について。tssの石井百恵アナウンサーの「大好き!サンフレッチェ」では、「サタスポ」終了とJ2降格についての思いを綴っています。広島ホームテレビの望月氏は「チームとサポーターが一丸となって闘えるチーム作りを」と言うタイトルで、そして私は「信じた結果が...」と言うタイトルで、それぞれサンフレッチェについての考えを書いています。
 「紫熊短信」と「READER'S AREA」を挟んで、うしろの特集記事は「サンフレッチェ広島、今年もっとも長い1週間」と題して、入替え戦を戦った1週間を振り返っています。
 サンフレッチェオフィシャルマガジン「紫熊倶楽部」は、定価350円。V-POINT、広島県内大手書店、新宿の「広島ゆめてらす」、池袋の「ジュンク堂」で販売中です。その他の地域にお住まいの方は、通信販売か定期購読で。お申し込み、お問い合わせは紫熊倶楽部ホームページからどうぞ。
<07.12.18> 昨日行われた「2007Jリーグアォーズ」で、佐藤寿人選手が「フェアプレー個人賞」に選ばれました。この賞は「J1リーグ戦において警告・退場処分を受けていない選手の中から、マッチコミッショナー報告書の評価を参考にし、選考委員会にて決定する」というもの。96年から表彰が始まり、サンフレッチェでは2004年に下田選手が受賞しています。また佐藤寿人選手が表彰されたのは、2005年のベストイレブン選出以来のこと。昨年の「優秀選手賞」を加えれば、3年連続で表彰されたことになります。
<07.12.17> 昨日万博で行われたJユースサハラカップの準々決勝でサンフレッチェユースはG大阪ユースに敗れ、連覇の夢が消えました。この日のメンバーは、GK:原、DF:山根、篠原、佐藤、小西、MF:大崎、内田、岡本、FW:不老、中野、横竹。立ち上がりは広島のペースで、9分の中野の決定的なシュートなどでG大阪ゴールを脅かし、13分に内田のロングスローを中野が頭で押し込み先制します。そしてその後も中野や横竹のシュートなどチャンスを作りましたが、前半32分安田にループシュートを決められ1-1で前半を折り返しました。
 後半も広島のペースで、3分には横竹がペナルティエリア内で倒されてPKを得たものの自ら蹴ったボールはGKに止められ勝ち越しのチャンスを逃します。そしてその後選手交代により流れが変わり、後半28分に途中から入った神門に右サイドを破られ田中に押し込まれて勝ち越しを許してしまいました。
 サンフレッチェユースは31分に小西のクロスを不老が決めて同点に追いついたものの、その後は疲れからペースダウンしてG大阪の攻勢を受け、38分に神門にまたもや右サイドを破られそのままシュートが決まり勝ち越しを許します。最後はペナルティエリア近くでもらったFKを内田が狙ったもののGKの正面を突き、そのまま試合終了のホイッスルを聞くことになりました。

J's GOALレポート
<07.12.16> 昨日ビッグアーチで行われた天皇杯5回戦は森崎浩の2ゴールで磐田を破り、5年ぶりにベスト8に進出しました。
 ペトロヴィッチ監督はウェズレイが帰国したためFWには平繁を起用し、その他のメンバーは入替戦2nd legと同じでこの試合に臨みました。
        下田

     槙野 ストヤノフ 盛田

        森崎和(→高柳76分)
駒野              服部
    柏木     森崎浩(→高萩65分)

     佐藤寿  平繁(→李80分)

SUB:木寺、吉弘、遊佐、戸田
 対する磐田も外国人選手を欠いて、GK:川口、DF:鈴木、田中、茶野(→加賀HT)、MF:太田、犬塚、上田(→中山76分)、成岡(→山本53分)、西、FW:林、前田。立ち上がりはボールを繋がれて押し込まれることも多かったものの、前線と中盤が相手ボールを追い回して徐々にペースを握り返します。6分には森崎浩のスルーパスから佐藤寿が飛び出し、9分にはCKを盛田がフリーで合わせましたが枠外。17分には平繁が素晴らしいボールキープから佐藤寿とのワンツーで抜け出そうとして引っかけられてFKのチャンスを得ます。ペナルティアークのすぐ外から蹴った森崎浩のボールは鋭く曲がり落ち、川口は一歩も動けずボールがネットに突き刺さるのを見送るしかありませんでした。
 1点を失って前に出てきた磐田は、その後しばらくは攻勢に出てきます。23分には素早い攻めから太田がペナルティエリア内でフリーになりましたがストヤノフがカバーし、27分には田中がフリーでヘディングシュートしたものの下田の正面。37分にも上田の左足のFKが危ないところに飛びましたが、枠を捉えず外れて行きます。逆に38分、平繁のドリブルから決定的なパスを出したものの、柏木のシュートは川口の正面を突きます。前半の後半はボールを回されるシーンが多かったものの守備の集中が途切れることがなく、1点リードを守ってハーフタイムを迎えました。
 茶野を加賀に代えて攻勢を強めようとする磐田。しかし最初のチャンスは広島で、服部のパスで抜け出した佐藤寿がシュートを放ちましたがわずかにオフサイドを取られます。3分には右サイドの高い位置でボールを動かし、佐藤寿が成岡に蹴られてFKのチャンスを得ます。ペナルティエリアの右の角のところと言うことで難しい位置からでしたが、森崎浩の左足から放たれたボールはうなりを上げてゴールネットに突き刺さり、サンフは良い時間帯で追加点を奪うことが出来ました。
 これで気持ちがほぐれたか、サンフはますます攻勢に出ます。素晴らしい出足で相手ボールを奪い、ショートパスをつないで狭い地域を打開し、また素早いサイドチェンジでスペースを作って相手に的を絞らせません。34分には平繁が失ったボールを繋がれて中山にシュートを打たれましたがバー直撃。結局磐田の後半のシュートはこの1本だけで、あとはほとんどの時間帯を広島が支配します。40分には鋭いパス交換から左サイドを崩し、服部のクロスに柏木が頭で飛び込みましたが川口の正面。ロスタイムには高萩が強引に持ち込んでシュートしますが、これも川口にキャッチされます。結局流れの中から得点を奪うことは出来なかったものの運動量と集中力で磐田を上回り、素晴らしい内容で今季最後のホームゲームを飾りました。
 J2降格が決まってから1週間。その間に社長退任と監督留任、選手との契約交渉、移籍のオファー、と大きく揺れ動いたサンフレッチェにとって、この試合の位置づけは難しいものだった、と思います。来季に向けてのスタートだ、としつつもこのメンバーで戦えるかどうかは分からないし、仮に優勝しても「降格」と言う現実が覆るわけでもない。サポーターに対する責任。クラブに対する思い。チームメイトに対する感情。そして監督との関係。選手一人ひとりの考え方の微妙な違いが、チームをバラバラにしてしまった可能性もありました。しかしピッチ上で見せたのは、むしろ選手全員が一体になって戦う姿でした。佐藤寿が物凄い運動量で動き回り、平繁もそれに引っ張られるように走り、中盤はそれに引っ張られるように相手のDFラインにプレッシャーをかけ続ける。それに呼応してDFラインはしっかりと押し上げてバイタルエリアのスペースを消して、相手の攻撃を寸断する。途中から投入された若手選手たちは先発メンバー以上に走り回り、疲れによって間延びするのを防ぐ。運動量と球際の強さと集中力。これをピッチ上の全員が90分間保ち続けたこと。それが、この試合で「サンフレッチェのサッカー」を表現できて、そして勝つことができた一番の要因なのではないか、と思います。
 ペトロヴィッチ監督は試合終了直前に「様々な感情がこみ上げてきた」ため思わずベンチから出てしまったそうですが、その気持ちはサンフレッチェに関わる全ての人の思いと同じものだったのかも知れません。なぜこのような素晴らしいサッカーをするチームがJ2に落ちなければならないのか。またなぜこのようなサッカーをリーグ戦で見せる事が出来なかったのか。その原因をしっかりと考え、悪かったところを修正することが絶対に必要です。単にJ1に復帰するだけでなく、二度とこのような事のないようにする。そのための戦いは、既に始まっているのです。これからは、内容がどうこうよりもとにかく勝つことに集中して欲しい。だから、天皇杯の目標は優勝です。今年失ってきたものを少しでも取り戻すため、残り3試合を戦い抜いて欲しいと思います。

中国新聞戦評
J's GOAL試合レポート ペトロヴィッチ監督コメント 内山監督コメント 各選手コメント 

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