12/23〜12/31のSANFRECCE Diary


<07.12.31> 明日はいよいよ天皇杯決勝。サンフレッチェ広島は2000年1月1日以来の「元日決戦」となります。一方、対戦相手の鹿島アントラーズは、2002年〜2003年の第82回大会以来5年ぶりの決勝進出。今季のJリーグ王者として2冠目を狙います。
27A ○1-0 広島  【鹿】マルキーニョス
28H ○3-2 神戸  【鹿】興梠2、田代、【神】近藤祐、北本
NSFA ●0-1 G大阪 【G】遠藤
NSFH ○3-2 G大阪 【鹿】本山2、小笠原、【G】播戸、シジクレイ
29A ○3-1 磐田  【鹿】マルキーニョス、岩政、柳沢、【磐】田中
30H ○3-0 大分  【鹿】岩政、田代2
天4 ○2-0 水戸  【鹿】田代、小笠原
31A ○3-2 横浜FM 【鹿】野沢、マルキーニョス2、【横FM】大島、坂田
32H ○1-0 柏   【鹿】船山
33A ○1-0 浦和  【鹿】野沢
34H ○3-0 清水  【鹿】小笠原、本山、マルキーニョス
天5 ○2-1 甲府  【鹿】田代、柳沢、【甲】久野
天QF ○1-0 Honda FC【鹿】柳沢
天SF ○1-0 川崎F 【鹿】本山
 リーグ戦は第26節から9連勝し、浦和との勝ち点差10をひっくり返して逆転優勝。天皇杯も当然のことながら連勝中で、最後に敗れたナビスコ杯準決勝のアウェイゲームから通算で11連勝しています。ただ絶対的な強さを発揮しているかというとそうでもなく、甲府戦は後半終了間際に追いつかれ、Honda FC戦は相手に退場者が出たにも関わらず素早い出足に手を焼いて、いずれも延長に入ってからの柳沢のゴールで振り切っています。更に準決勝の川崎F戦も何度も決定的なシーンを作られながらもDFラインと曽ケ端の活躍で耐え凌ぎ、ワンチャンスを生かして逃げ切りました。ただそんな苦しい戦いを続けながらも、絶対に負けないメンタリティの強さは特筆ものだ、と言えます。まさに、元日の決勝に出てくるには最もふさわしいチームである、と言えるでしょう。
 一方のサンフレッチェは、磐田、FC東京、G大阪と言う強敵相手にいずれも2点差で勝ち上がってきました。そのポイントとなっているのは、全員守備と全員攻撃。ピッチ上の11人全員が労を惜しまず走り回ることによって、自分たちのサッカーを貫いてきました。ただリーグ戦終了後も厳しい試合を5試合戦ってきたため、全体的にかなり疲労が溜まっているのは確か。その上、柏木が累積警告で出場停止となります。と言うことでメンバーですが、準決勝で足を痛めたストヤノフはそれほど大きな怪我ではなさそうで、他の選手も特に怪我などの情報はありません。柏木の代役を予想される高萩と高柳は、どちらも練習で素晴らしいプレーを連発しているそうなので、基本的には準決勝と同じメンバーで、高萩と高柳のどちらを先に起用するかがポイントとなりそうです。
        下田

     槙野 ストヤノフ 盛田

     森崎和  森崎浩
駒野              服部
        高柳

     佐藤寿  平繁

SUB:木寺、吉弘、戸田、李、遊佐、高萩、田村
 今年の鹿島との対戦成績は1勝3敗。リーグ戦ではアウェイで1-5で完敗を喫し、ホームでもそれなりに良い戦いを見せながらも一瞬の隙を突かれて敗れています。しかし逆にナビスコ杯準々決勝1st legは、代表組を欠いていたにも関わらず素晴らしい内容での勝利で、戸田選手が「試合を見に来た人も、今日の試合を覚えておいてほしい」と語ったほどの試合でした。その時とは両チームの状況は天と地ほども違ってしまいましたが、しかし「やるべきこと」は変わらないはずです。失ったプライドを取り戻すため、賞金1億円のため、そしてサポーターも含めた全員で喜ぶため。明日の試合では悔いの残らないよう、全力を出し切って欲しいと思います。
<07.12.30> 昨日エコパで行われた天皇杯準決勝。サンフレッチェは佐藤寿、平繁、高柳のゴールで3-1でG大阪を振り切り、8年ぶりに決勝に進出しました。
 ペトロヴィッチ監督は「ウィニングチーム・ネバーチェンジ」の原則に従い、FC東京戦と同じ次のメンバーで臨みました。
        下田

     槙野 ストヤノフ 盛田
       (→戸田71分)
        森崎和
駒野              服部
    柏木     森崎浩(→高柳84分)

     佐藤寿  平繁(→高萩58分)

SUB:木寺、吉弘、李、遊佐
 G大阪は天皇杯に入ってから続けている4-4-2の布陣で、GK:藤ヶ谷、DF:シジクレイ、山口、安田(→家長73分)、加地、MF:遠藤、二川、明神(→前田85分)、橋本(→寺田58分)、FW:播戸、バレー。キックオフはG大阪ボールでしたが、相手のロングボールを下田がキャッチすると森崎浩へフィードします。森崎浩は、一瞬のアイコンタクトから走り出した佐藤寿に向けてロングボールを蹴ります。DFラインのギャップを突いた佐藤寿は、飛び出したGKよりも一瞬早く左足でループシュート。サンフレッチェはわずか24秒で先制点をゲットすることができました。
 これで落ち着いたサンフは、しっかり引いて守ってカウンターを狙います。ガンバはほとんどの選手が広島陣内に入り込んで何とか崩そうとしますが、サンフのDFラインの高い集中と中盤の素早い寄せでチャンスを作らせません。ガンバの前半38分までのシュートは安田のミドルだけで、これもゴールを脅かすことはなく枠を外れます。逆にサンフは8分に平繁のスルーパスから服部がフリーでシュート。15分には駒野が持ち込んで左足で狙い、21分にもカウンターから平繁が決定的なパスを出します。そして38分、右サイドで安田と競り合った駒野が頭越しにボールを浮かして突破してボールを佐藤寿に渡します。一瞬溜めた佐藤寿は逆サイドでフリーになっていた平繁にループパス。平繁は胸トラップしたボールを後ろに倒れ込みながらボレーシュートして、逆サイドのゴールに叩き込みました。
 前半で2点をリードされたG大阪は、その直後に意地を見せます。DFとMFの間でボールを受けた二川がワンタッチでスルーパスを出すと、フリーでボールを受けたバレーが強烈なシュート。下田は反応したもののさすがに触ることができず、点差はあっという間に1点に戻ってしまいました。更にその後もガンバのペースが続き、43分にはバレーが再び強烈なシュートを放ちましたがサイドネット。ロスタイムには波状攻撃から明神が右サイドから侵入してきて遠藤がフリーでシュートしたものの、幸運なことにポストを舐めるように外れて行きます。前半はガンバにボールを支配されながらも失点を1に抑え、1点リードのままで折り返すことになりました。
 後半もボール支配はガンバ。しかしサンフは高い集中力ではね返し続けます。西野監督は後半13分には早くも切り札・寺田を投入して来ます。しかし逆にサンフはその直後、駒野のパスで佐藤寿が抜け出して決定的なシュートを放ちます。また19分には高萩の抜け出しからマイナスのボールを服部が叩いたものの枠外。22分には服部のクロスを駒野が至近距離でシュートしましたがふかしてしまい、その1分後にも駒野がドリブルからシュートしましたが、藤ヶ谷がわずかに触って追加点を奪えません。2人目として家長を入れて攻めの圧力を高めようとするガンバ。サンフも足を痛めたストヤノフに代えて戸田を入れて守りを固めます。家長や播戸のシュートは身体を張って止め、バレーや遠藤も自由にさせずチャンスを作らせません。そしてロスタイムも2分を過ぎようとした時間帯、森崎和のボールを受けた佐藤寿は、ボールキープに入るとみせかけて中にパスを送ります。柏木からボールが渡った瞬間高萩はGKと1対1になりましたが、トラップが乱れると無理にシュートは狙わずにGKを引きつけマイナスにパスを送ります。そして、そこに走り込んでいたのが高柳。右足から放たれたシュートは強烈な弾道となってゴールネットに突き刺さり、サンフレッチェの勝利を決定づけました。
 この試合に勝てた理由の第一は開始早々の先制点と良い時間帯での2点目だったと思いますが、しかしそれを導いたのはピッチ上の選手全員の素晴らしい動きでした。DFラインは低めに設定していたものの佐藤寿を先頭に前線からボールを追い回し、中盤が間延びするのを防ぎました。また両サイドはしっかりとプレッシャーをかけて自由にクロスを入れさせず、DFは高さを生かしてボールを弾き返し続けました。逆に攻撃に入った時は次々と後方から支援して、二次攻撃・三次攻撃に繋げました。攻めも守りも11人全員が心を一つにしてやったこと。勝ちたいという気持ちのトータルで相手チームを上回ったことが、この試合の勝因だったと言って良いでしょう。残留争いのプレッシャーを感じることなく伸び伸びとプレーできることにより、本来やりたかった「人もボールも動くサッカー」ができている。それが天皇杯の躍進に繋がっているのは間違いありません。決勝はJリーグチャンピオンと降格チームという対照的な両チームの対戦となりましたが、ここまで来れば立場は五分と五分。思い切ってぶつかれば、勝機は十分にあると言えるでしょう。
 これで、残るは1試合。サンフレッチェとしては2000年の元日以来の天皇杯決勝です。あの時はあれよあれよという間に勝ち進んだものの、ストイコビッチ率いる名古屋に完敗を喫してしまいました。またその前は95年と96年に連続して決勝進出しているものの、名古屋とV川崎にいずれも0-3で敗れました。これまでは決勝に行ったというだけで満足した感のあったサンフレッチェでしたが、今年はこれまでとは立ち位置が違います。苦しいことの多かった2007年シーズンを優勝で締めくくって、J2降格で失ったプライドを取り戻したいものです。

日刊スポーツスコア
中国新聞戦評 中国新聞の記事1 中国新聞の記事2 中国新聞の記事3 中国新聞の記事4 中国新聞の記事5 中国新聞の記事6
J's GOALゲームサマリー

<07.12.29> 携帯サイトとホットニュースによると盛田が風邪のために昨日の練習を休んだそうで、ペトロヴィッチ監督は「大丈夫だと思うが、明日のコンディションを見てみたい」と語っています。また相手チームのG大阪については「もう5回目の対戦だし、どういうチームかも分かっている」とのこと。トップ下に柏木を置き、森崎兄弟をボランチに並べる布陣で中盤の戦いを制し、試合を勝利に導くつもりです。 なお去就が注目される駒野ですが、インタビューでは「2002年の時はベスト4まで行って、その勢いがあったから1年で昇格できた。今回はタイトルを取っていい形で来年に繋げられればいい」と語っています。ここまで来たらもちろん優勝を狙って欲しいのですが、そのためにはまずは今日の試合の勝利。激動の2007年の最後を締めくくるにふさわしい、良い試合を見せて欲しいと思います。
 今日の試合会場は静岡県の小笠山総合運動公園エコパスタジアムで午後1時5分キックオフ。NHK総合テレビとNHKラジオ第1で生放送があるほか、BS1では5時10分から録画放送も予定されています。
<07.12.29> 中国新聞によると、昨日前日練習のため移動した静岡県内で契約更改交渉を行い、森崎浩は300万円増の2,500万円、槙野は400万円増の1,000万円、高萩は60万円増の750万円で合意しました。この結果、まだ契約更改の情報がないのは駒野、柏木、青山、吉弘、李、高柳、戸田、ダバツの8人(私の記憶によれば)となっています。ただ、例えば戸田は「2年契約の途中だから」と語っており、改めて複数年契約を結ばないのであれば、特に交渉はしないのかも。駒野、柏木、吉弘以外の選手には他のクラブからのオファーの情報もないので、ほとんどの選手がチームに残ることになりそうな気がします。
<07.12.29> 天皇杯決勝に進出した場合の「応援バスツアー」の詳細が昨日発表されました。日程は12/31(月)の午後5時45分に広島西飛行場、6時15分に広島駅新幹線口に集合し、翌日午後2時からの決勝戦を観戦。試合終了後に国立競技場を出発し、1/2の朝広島に戻ってくる、と言うスケジュールです。天気予報によると大晦日は寒気が入ってくるそうで渋滞などの可能性もありますが、4時間半の余裕があれば何とかなる、と言うことなのだと思われます。料金ですが、自由席のチケット代を含んで大人15,000円、高校生14,000円、小中学生13,000円。サンフレッチェクラブ会員はそれぞれ2,000円引きとなっています。お申し込みの受付は今日から明日の午後5時までで、定員120名となっています。お申し込み、お問い合わせはデオデオ旅行社「サンフレッチェ広島天皇杯決勝戦応援バスツアー」係(082-240-3447)までどうぞ。
<07.12.29> プレスリリースによると、サンフレッチェユースのGK兼田亜季重選手の愛媛FC入りが発表されました。兼田はジュニアユース出身で、U-15〜U-18の各年代別代表の経験があります。184cmの長身を生かした存在感は抜群で、今年はユースの主将を務めました。またトップチームのトルコキャンプにも参加しましたが、しかし2年生の原とのポジション争いは厳しく、今年の出場機会には恵まれず、トップ昇格もなりませんでした。「GK王国広島」に育った不運といえば不運なのですが、しかしそれでも腐らずに練習に取り組み、またチームをまとめてきた経験はきっと今後に生きるはず。愛媛でしっかりと鍛えて、ポジションをつかんで欲しいと思います。
<07.12.28> 明日は天皇杯の準決勝をG大阪と戦います。
 リーグ戦の優勝を逃しただけでなく3位に沈んだG大阪でしたが、ナビスコ杯に続く2つ目のタイトルを目指して天皇杯では堅実な戦いを続けてきています。
28A ○2-1 柏   【G】播戸、遠藤、【柏】フランサ
29H ○5-0 甲府  【G】寺田、マグノ・アウベス、二川、寺田、前田
30A ●1-3 清水  【G】山口、【清】矢島、フェルナンジーニョ、チョ・ジェジン
天4 ○2-2(PK5-3)山形【G】播戸、二川、【山】豊田、石川
31H ○2-0 千葉  【G】バレー2
32A △1-1 FC東京 【G】マグノ・アウベス、【東】ルーカス
33H △1-1 神戸  【G】播戸、【神】茂木
34A △2-2 広島  【G】バレー、二川、【広】佐藤寿、槙野
天5 ○3-1 大分  【G】寺田2、播戸、【分】高松
天QF ○1-0 清水  【G】寺田
 準々決勝ではボールを支配しながらも清水の堅い守りを崩すことができず、また西澤らの決定的なシュートを藤ヶ谷のスーパーセーブ連発で防ぐと言う苦しい戦いになりました。しかしエースのバレーを途中で下げると言う賭けが当たり、交代で入った寺田のゴールで延長戦の末準決勝への切符を手にしています。今年広島との対戦成績はG大阪の2勝1分け1敗ですが、リーグ戦最終節で試合終了間際に勝ちを逃した悔しさは忘れていないはず。絶対に勝つと言う意気込みで、エコパに乗り込んでくるに違いありません。
 対するサンフレッチェですが、残留争いの重苦しさから開放されて天皇杯では伸び伸びとした戦いを続けています。磐田戦ではFKからの得点だけでしたが、FC東京戦では素晴らしいコンビネーションから2得点。またリーグ最多失点だった守備も安定していて、入替え戦2nd legから3試合連続無失点を続けています。明日はこの流れをそのままに、持てる力をぶつけることになります。
        下田

     槙野 ストヤノフ 盛田

        森崎和
駒野              服部
    柏木     森崎浩

     佐藤寿  平繁

SUB:木寺、吉弘、李、遊佐、高柳、高萩、田村
 かつては「天皇杯に強い」と言われていたサンフレッチェですが、決勝進出は99年を最後に7年間途絶えています。久々のファイナリスト、そして東洋工業時代の69年以来の天皇杯制覇へ。明日はそのためのステップとして、ぜひとも勝利して欲しいと思います。
<07.12.28> サンフレッチェは一昨日の臨時株主総会と取締役会で、久保社長を含む常勤取締役全員の退任とデオデオ取締役の本谷祐一氏の新社長就任を決めました。昨日行われた記者会見ではまず久保前社長がJ2降格の原因を「経営陣の甘さにありフロントの責任は重い」として、常勤取締役全員の退任と自分自身の社長退任、そしてデオデオと並ぶ大スポンサーであるマツダからは代表権のない取締役を派遣してもらう事を発表しました。またペトロヴィッチ監督については「若手選手の育成だけでなく選手からの信頼も厚い」ことから「J1に1年で戻ってくるためにも選手を掌握している監督が必要」である、と改めて監督留任の理由を説明しました。
 一方新社長となった本谷氏はデオデオ取締役の他、ザスパ草津取締役とJリーグ準加盟クラブアドバイザーも辞任してサンフレッチェに専念する事を発表。そして「1年でのJ1復帰」「監督、コーチ、サポーターとのコミュニケーション」「下部組織の育成強化」「フロントの見直し」を今後の方針として挙げました。このうち最初のJ1復帰に関しては「絶対条件である」と強調し、現有戦力の確保とプラスアルファの戦力でJ2を勝ち抜く、としています。そのためには監督とコミュニケーションを取るのはもちろんのこと、毎試合ゲームを見てサポーターの意見も吸い上げる、とのこと。そしてシーズン前に十分な準備をするだけでなく、第1クールの戦いを終えた後で「状況をしっかりと見据えて施策を打っていきたい」と宣言しています。またクラブの運営体制も「基本的には全てゼロベースで見直」して、大胆にメスを入れるとのこと。来年2月を目処に組織改革を行い、社員の意識も改革して行くそうです。特に働いているスタッフはパートに至るまで経営に参加する意識を持って欲しい、とのこと。クラブの理念や方向性を末端にまで浸透させることが、チーム改革のために必要なことだとしています。
 戦力的にはJ1上位で戦う力を持ちながら、J2降格という屈辱を味わうことになったサンフレッチェ。その原因は選手や監督ではなくチームを支える運営体制にあったと考えて、即座に大改革を敢行したことはこの際「膿」を出してしまう決意の現われ、と言えるでしょう。単にJ1復帰を目標にするだけでなく、2年後のJ1優勝までも目標に掲げてチーム作りを進めると言う方針、そしてそれを選手や監督だけでなくサポーターも含めてコミュニケーションを取りながら進めていくと言う方向性は、我々サポーターも求めていたこと。J2降格は悲しい結果ですが、しかしそれをきっかけにしてチーム改革が進むのであれば「災い転じて福となす」こともできるでしょう。本谷氏の社長就任は、そのための大きな一歩になるのではないでしょうか。
<07.12.27> 今週発売の「サッカーマガジン」に「2008年J補強を探る」と言う特集が掲載されていますが、そこでサンフレッチェの動向についても1ページの記事になっています。日本代表や五輪代表を抱えていながらのJ2降格と言うことで「草刈り場」になるのではないか、と注目を集めていたにも関わらず、ここまで動きが少ないのはなぜか、と言う点に着目しています。その理由として大きいのは、「期限付き移籍は認めない。完全移籍の場合は移籍金満額」と言うクラブの方針。主力の大半が2年契約を結んでいることもあって、獲得のためのハードルが高いことがオファーを出しにくい理由だそうです。例えば駒野を獲得しようとすれば3億円以上の資金が必要ですが、せっかく獲得しても海外移籍してしまっては採算が取れない可能性が高く、横浜FMはそれを理由に断念したとのこと。いち早く残留を宣言していた佐藤寿のところにも非公式の打診はあったそうですが、資金的なハードルが高く正式オファーには至らなかった模様です。柏木も迷ってはいるものの残留の条件として挙げていた監督の続投により残留の可能性が高くなっているそうで、記事は「来季のJ2戦の広島のメンバー表に、今季の主力全員の名前が載っているかも知れない」と言う言葉で結んでいます。
 なおサッカーマガジンのこの号にはセザール・サンパイオのインタビュー記事も掲載されているのですが、内容の半分以上が広島の話となっています。前回のJ2での戦いで最大の貢献者、と言える彼の言葉は必読です。
<07.12.26> 中国新聞の記事によると、昨日契約更改交渉をした6選手のうち森崎和幸選手は3,300万円、木寺選手は1,200万円のそれぞれ現状維持で合意しました。J2降格決定直後のインタビューで「僕の中では、監督のせいだとは思っていません。もし仮に、そこの部分が変わるようであれば、僕も考えないといけない」と語っていた森崎和ですが、その後の監督留任やフロント刷新、そして天皇杯の戦いなどの流れに納得した様子で、「広島に育ててもらった。J2降格の責任を感じている。1年でJ1に復帰し、サポーターの信頼を取り戻したい」と語っていたそうです。また昨日交渉したその他の選手のうち森崎浩、青山、そして愛媛にレンタル中の森脇は「広島でプレーすることを前提に年俸などの話を進めている」とのことですが、吉弘は札幌か広島かで迷っている、とのこと。決断まではもう少し時間を要するのではないでしょうか。
 一方、駒野選手には昨日磐田から正式に獲得のオファーが届きました。神戸に続いて2チーム目となりますが、サンフレッチェとしてははこれまで通り「移籍金満額・完全移籍」の方針を貫きながら慰留に全力を尽くす、とのことです。
<07.12.25> プレスリリースによると、12/29に行われる天皇杯準決勝G大阪戦の入場券のV-POINTでの販売が始まっています。V-POINTで扱っているのはSS指定席(5,000円)、S指定席(4,000円)、自由席一般(2,000円)の3種類で、ゾーン指定のSA席(3,000円)と自由席高校生(1,500円)、小中学生(1,000円)の扱いはありません。これらのチケットはローソンチケット、CNプレイガイド、イープラスでも販売しています(チケットぴあはメインテナンスのため1/1まで休止中)ので、便利なところでどうぞ。
 また同じくプレスリリースによると、準決勝応援バスツアーの募集が昨日から始まっています。日程は前日(12/28)の午後9時45分に広島西飛行場、10時15分に広島駅新幹線口に集合。試合観戦後に広島に戻り、夜の11時半に広島駅、12時に広島西飛行場に戻ってくる、と言う0泊2日のツアーです。料金は自由席チケット込みで大人14,000円、高校生13,500円、小中学生13,000円。(サンフレッチェクラブ会員はそれぞれ2,000円引き。)募集は先着で80名となっています。お申し込み、お問い合わせはデオデオ旅行社「サンフレッチェ広島天皇杯準決勝応援バスツアー」係(082-240-3447)までどうぞ。(なお、昨日の段階で既に満員に達した、と言う噂もあります。)
<07.12.24> 昨日熊本で行われた天皇杯準々決勝は柏木、駒野のゴールで2-0でFC東京を下し、5年ぶりにベスト4進出を決めました。
 風邪で体調の悪い戸田はベンチにも入りませんでしたが、足首を痛めていた柏木は元気に先発して次の布陣で臨みました。
        下田

     槙野 ストヤノフ 盛田
    (→吉弘75分)
        森崎和(→高萩78分)
駒野              服部
    柏木     森崎浩

     佐藤寿  平繁(→高柳58分)

SUB:木寺、李、遊佐、田村
 対するFC東京のメンバーは、GK:塩田、DF:茂庭、藤山、金沢(→ルーカス63分)、徳永、MF:今野、鈴木、石川、梶山、栗澤(→浅利50分)、FW:川口(→平山50分)。FC東京は序盤から高い位置からボールを奪いに来て広島のDFラインにプレッシャーをかけます。しかしサンフは落ち着いたボール回しでこれをかわし、じっくりとボールをキープしてチャンスを狙います。そして前半13分、森崎和のクサビのパスを起点に素晴らしい攻撃を仕掛けます。柏木からボールを受けた森崎浩は逆サイドの佐藤寿へ。佐藤寿がボールを流し込んだスペースに走り込んでいたのが、パスを出した後に止まらず動いた柏木。フリーで叩いたシュートは当たり損ないだったそうですが、それが幸いしたかループ気味にゴールネットに収まります。緩から急、そして3人目、4人目の動き。これぞペトロヴィッチサッカーのお手本、とも言うべきプレーで東京の守備陣を完全に崩して、サンフは見事な形で先制点を奪いました。
 一瞬の隙を突かれて失点した東京でしたが、しかし右の徳永と石川、左の鈴木と栗澤のスピードと運動量を生かして逆襲を開始します。29分には右サイドからのクロスを逆サイドで待ちかまえていた鈴木がフリーでシュートしましたがバー。32分にも右からのクロスを川口が叩きましたがシュートはわずかに枠を外れます。このままでは追いつかれるのも時間の問題か、と思われましたが、しかしサンフは守備を修正すると反撃に出ます。35分の佐藤寿のシュートはGKにキャッチされたものの37分、下田からのボールを服部が競り合って頭でスペースに流します。そしてここに走り込んでいたのが柏木。相手DFを引きつけると逆サイドに走り込んでいた駒野にパス。完全にフリーになっていた駒野は「ニアも空いていたがファーならば止められても誰かが詰めることができる」と余裕を持ちながらシュートして、2点目をゲットしました。
 前半は完全に広島ペースだったと言うことで、原監督は後半5分に早くも交代のカードを2枚切ってきます。続いて18分には風邪のため大事を取っていたルーカスを投入し、4トップとも言うべき陣形で総攻撃をかけてきます。これに対してサンフはストヤノフが、盛田が、槙野が集中力を切らさず身体を寄せて、シュートを枠に飛ばさせません。この奮闘のため足の筋肉が悲鳴を上げた槙野は倒れたまま起き上がることができなくなり、吉弘が代わってゴール前での競り合いに参加します。更に股関節を傷めていた森崎和に代えて高萩を投入。高柳がDFラインの前に位置してこぼれ球を狙います。東京の猛攻は40分過ぎまで続きましたが、しかしさすがに攻め疲れしたのか徐々にプレッシャーが弱まってカウンターのチャンスも増えます。37分には柏木のカットから駒野が上がり、高萩に繋いだもののシュートは出来ず。40分にはストヤノフのパスを受けた高萩がヘディングでループシュートを狙ったものの、うまく当たらずGKにキャッチされます。41分には高萩のスルーパスで森崎浩が抜け出したもののオフサイド。ロスタイムには服部が、柏木が決定的なシュートを放ちましたが枠をとらえる事が出来ません。逆に45分には石川をフリーにしてしまいペナルティエリアの中から強烈なシュートを打たれましたが、しかし力み過ぎたのかボールは上に大きく外れます。両チームとも死力を尽くして攻め、そして守りましたが、後半はスコアが動かないままにタイムアップ。南国の空にサンフレッチェのサポーターと選手の歓喜の声がこだましました。
 試合後にペトロヴィッチ監督は「素晴らしい勝利だった。勝つべくして勝った内容。我慢できたし、試合もコントロールしていた」と語っていましたが、少なくとも前半はその通りだったと思います。相手が高い位置からプレスをかけてきても決して焦らずボールをつなぎ、ここぞと言うところで3人目、4人目の連動した動きで相手を崩して2点のリードを奪いました。東京の梶山は試合後に「前半はみんな足が止まっていたし、悪い形で失点してしまった。後半みたいなサッカーを、最初からしていたら」と自分たちのやり方に問題があったと振り返っていますが、むしろ広島のやり方がうまくはまった、と言うことでしょう。磐田戦に続いて理想的なサッカーができた前半だった、と思います。
 一方後半ですが、守備の集中力は素晴らしかったと言えます。東京は平山、ルーカスと前線に高さのある選手を次々と投入してボールを放り込んできましたが、3バックは一瞬たりとも集中を切らさず身体を寄せ、ボールをクリアし続けました。またバイタルエリアにボールを運ばれても中盤の選手と協力してシュートコースを消して、フリーでシュートを打たせませんでした。後半のシュートは広島の4本に対して東京は10本と倍以上でしたが、しかし下田が横っ飛びで抑えるシーンはなくボールのほとんどが枠外かGK正面。磐田戦に続いて2試合連続無失点だったのは決してフロックではない、と言えるでしょう。今季リーグ最多失点と言う屈辱的な結果を残したサンフレッチェの守備陣でしたが、ここに来てようやく安定感が出てきたのは収穫です。
 ただその一方で、前半のようにマイボールを大事にする戦いが後半も出来なかったのは反省点だ、と言えます。今季何度も見てきたように、攻め続けられれば一瞬の隙ができることは有りうるし、シュートがDFに当たってGKの動きの逆に飛ぶこともあります。試合後に選手達は異口同音に「カウンターから3点目を奪えれば止めを刺せた」と言っていますが、むしろ前半のようにパスをつないでボールをゴールから遠ざけ、また相手を走らせて疲れを誘うような戦い方をする事が必要だ、と思います。次の相手はリーグ屈指の攻撃力を誇るG大阪。勝利のためには相手に合わせて守り抜くような戦いではなく、自分たちのサッカーを続ける時間をどれだけ長くするか、が「国立行き」のための最も重要なポイントなのではないでしょうか。

日刊スポーツスコア
中国新聞戦評
J's GOALゲームサマリー

<07.12.23> 中国新聞とホットニュースによると、今週は火曜日に練習を再開した後「ハードそのもの」(ホットニュース)なトレーニングをこなしてきたとのこと。ペトロヴィッチ監督によると「選手の今の状態については、ポジティブな驚きを持っている。いい状態というよりは、とてもいい状態である」と言うほどで、今日の試合に対するモティベーションも高くなっている様子です。足首を捻った柏木の出場が微妙だとのことですが、その代わりに攻撃的MFの位置に入った高萩が素晴らしいプレーを連発してそうで、一昨日練習を休んだストヤノフも昨日は元気に練習に参加していたそうなので、今日は良い試合が見れそうです。
 今日の試合会場は熊本県民総合運動公園陸上競技場(KKWING)で、午後3時キックオフ。テレビはNHK BS1で生放送が予定されています。
<07.12.23> 日本サッカー協会は一昨日来年1月の日本代表候補キャンプのメンバーを発表し、広島からは駒野が選ばれました。
【GK】川口(磐田)、楢崎(名古屋)、川島(川崎F)、西川(大分)
【DF】中澤(横浜FM)、坪井(浦和)、加地、安田(G大阪)、
    駒野(広島)、岩政、内田(鹿島)、徳永(FC東京)、水本(千葉)、
    青山(清水)
【MF】橋本、遠藤(G大阪)、羽生、山岸、水野(千葉)、中村(川崎F)、
    鈴木、阿部、長谷部(浦和)、山瀬功(横浜FM)、今野(FC東京)、
    本田(名古屋)
【FW】播戸(G大阪)、巻(千葉)、前田(磐田)、大久保嘉(神戸)、
    田代(鹿島)、矢野(新潟)
 今回選ばれたのは32人で、先週行われた代表合宿のメンバーから闘莉王が外れただけ、となっています。先週の合宿は実質1日だけの「顔見せ」に終わりましたが、今回は1/15〜23と9日間に及びます。従って岡田新監督の元で初めてじっくりとチーム作りが行われることになる、と思われます。
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