4/29〜5/5のSANFRECCE Diary


<07.5.5> 明日は中2日でJリーグ第10節が行われます。
 サンフレッチェの対戦相手大分トリニータは現在15位。ナビスコ杯では好調でC組首位をキープしていますが、リーグ戦はなかなか調子が上がらず苦しんでいます。
1H △1-1 新潟  【分】深谷、【新】矢野
2A ●1-2 磐田  【分】高橋、【磐】西、ファブリシオ
3H ○3-1 大宮  【分】三木、松橋章、高松、【宮】吉原
N1H ○1-0 横浜FC 【分】高松
N2A ○2-0 FC東京 【分】アウグスト2
4H △2-2 浦和  【分】高松、深谷、【浦】阿部2
N3H ●0-1 FC東京 【東】ルーカス
5A ●0-2 清水  【清】市川、チョ・ジェジン
N4A ○2-1 横浜FC 【分】高橋2、【横FC】薮田
6H △0-0 FC東京
7A ●0-5 横浜FM 【横FM】山瀬幸、坂田2、河合、山瀬功
8H ●0-4 G大阪 【G】山口、マグノ・アウベス2、播戸
9A ○2-1 名古屋 【分】アウグスト、松橋優、【名】ヨンセン
 特に第5節清水戦から第8節G大阪戦は最悪で、4試合合計で得点ゼロで失点は11。G大阪戦では立ち上がりの7分間で2失点を喫しての完敗で、シャムスカ監督が「集中力がない」と嘆く内容でした。しかし中3日で迎えた前節の名古屋戦は、試合前に「心に秘めたものを引き出すために必要な話し方をして、我々のゲームで常に基本となる魂、心の部分をしっかりと突いて話し、練習した」そうで、上位チームに対して見事な勝利を収めています。心理学を学んでいた、と言うシャムスカ監督ならではのチーム操縦法により、大分は「絶不調のチーム」から「強いチーム」となって蘇った、と考えるべきで、決して侮ってはならないと思います。
 対するサンフレッチェは、前節大宮戦は流れの悪さを何とか我慢して、終了間際の駒野のゴールで劇的な勝利を収めました。内容の良い試合に勝てなかったことで自信を失い、その後は内容まで悪くなる、と言う悪循環に入りかけていたような感じでしたが、しかしこの勝利によって何とか踏みとどまることができるのではないかと思われます。従って明日のゲームは勝利が欲しいのはもちろんのこと、内容も問われることになります。
 メンバーですが、大宮戦の55分に相手選手と接触して退場したダバツは、膝に腫れがあって動かせない状況だそうで明日の欠場は決定的。また62分で下がったウェズレイも、足の状態次第では先発回避、と言う可能性もありそうです。
        下田

    森崎和 戸田 盛田

        青山
駒野              服部

   柏木       森崎浩

     佐藤寿 ウェズレイ

SUB:木寺、槙野、高萩、高柳、李、桑田、平繁
 大宮戦ではパスミスが多く、また相手にボールを回されて疲弊して、自慢の運動量で相手を上回ることが出来なかったのが苦戦の原因だったのではないかと思います。大分も高い位置からプレッシャーをかけてくるチームなので、これに押されて慌ててミスを繰り返す、と言うことの無いように気をつけて欲しいもの。中2日の戦いとなりますが、コンディション的に厳しいのは相手も同じ。チーム一丸となって、この状況を乗り越えて欲しいと思います。
<07.5.4> 昨日ビッグアーチで行われた大宮戦は、後半ロスタイムの駒野の劇的なゴールで勝ち越しリーグ戦でのホーム初勝利を挙げました。
 前節出場停止だった青山が復帰し、足の怪我が心配されたウェズレイも先発してサンフはベストメンバーで戦いました。
        下田

    森崎和 戸田 ダバツ(→盛田55分)

        青山
駒野              服部

   柏木(→高柳62分)森崎浩

     佐藤寿 ウェズレイ(→平繁62分)

SUB:木寺、槙野、桑田、前田
 対する大宮は小林大が欠場で、GK:荒谷、DF:西村、レアンドロ、冨田、波戸、MF:小林慶、斉藤、片岡、FW:吉原(→橋本50分)、サーレス(→森田68分)、藤本、と言うメンバーでした。アウェイの大宮が守備を固め、広島が攻める展開になるか、と思えばそうでもなく、序盤からボールを支配したのは大宮。サンフは運動量が少なく、またパスミスも多くなかなかリズムをつかめません。それでも単発的にチャンスは作り、9分には右サイドで柏木が粘ってボールを中央に入れ、青山のボールを森崎浩がミドルで狙いましたが枠外。22分にも駒野のクロスを佐藤寿が頭で落し、ウェズレイがキープから左足でシュートしましたがこれも上に大きく外れます。大宮もサーレスを起点に攻めを構築しようとしましたが、パスミス、シュートミスが多く膠着します。しかし前半40分、左サイドでボールを持った藤本がファーサイドに向けて鋭いクロス。ダバツが頭でクリアしようとしたものの空振りし、その先に待ちかまえていた小林慶に余裕をもってシュートを許し先制点を奪われてしまいました。
 しかしその直後、広島は同点に追いつきます。相手ゴール前中央でボールを持った柏木が相手を引きつけて右サイドへ。ここに上がっていた駒野が深い位置からクロスを入れると、DFの後ろから飛び込んできた佐藤寿が頭で叩き込みました。
 磐田戦と似たような感じのぴりっとしない前半の45分だったので、後半からは目を覚ますかと思えばさにあらず。相変わらずまったりとした雰囲気が続き、大宮にボールを回され、橋本や小林慶の飛び出しに苦しみます。10分には足を痛めたダバツに代えて盛田を投入し、17分には動きが今一つだったウェズレイ、柏木を平繁、高柳に代えて、交代枠を使い切って勝負に出ます。24分にはその高柳からのロングパスで抜け出した佐藤寿が逆サイドに振り、服部がフリーでシュートしましたがGKにキャッチされます。また30分にも右サイドでボールをつなぎ、服部が決定的なシュートを放ちましたがこれもGK正面。終盤は引き分け狙いに切り替えた大宮を広島が必死で攻める、と言う構図でしたが、しかし大宮守備陣の分厚い守りは崩れずなかなかシュートまでも行けません。ロスタイムには大宮が攻め込み、CKのチャンスにDF2人を残して上がってきます。しかしサンフはこれをはね返すと、こぼれを拾った駒野がカウンターで一気に攻め上がります。ワイドに開いてDFを引きつける佐藤寿と平繁。駒野は中央にぽっかりと空いたスペースを突いて、相手をかわすと左足で強烈なシュートを放ちます。GK荒谷が横っ飛びで触ったためボールはポストを激しく叩きましたが跳ね返りが駒野に戻ってきて、慎重に右足でシュートします。このボールは今度はGKの逆に行ってゴールネットに突き刺さり、歓喜の勝ち越し弾となりました。そして、大宮が中央にボールをセットした時には既に時計は49分。キックオフ後間もなく長いホイッスルが吹かれ、紫色のスタンドは再び歓喜に包まれました。
 難しい試合になる、と言うペトロヴィッチ監督の予言通り、この試合は本当に苦しい試合となりました。決定的チャンスこそこちらの方が多かったものの、ボール支配は一貫して大宮。中盤でボールを回されてなかなか奪えない時間帯が長く、選手の消耗も激しかったのではないかと思われます。終盤になっても相手を運動量で圧倒することができなかったのは、そのへんに原因があったのではないでしょうか。また攻撃面では、パスを繋いで相手の守備の綻びを探すと言う本来のサッカーがあまりできていなかったことに尽きるでしょう。中盤でのパスミスが多く、ロングボールを蹴っても相手にはね返され、すぐに逆襲を受ける。となるとDFラインも押し上げることが出来ず、相手の中盤にスペースを与えてしまう。その悪循環からなかなか抜け出すことができなかった事が、苦戦の原因だったと思います。良いサッカーをしながら勝てない試合が続き、前節はミスから失点が続いたことが、微妙に選手達の気持ちに影を落し、チーム全体としての動きに乱れが生じてしまったではないでしょうか。
 しかしそんな中でも最終的に勝ちと言う結果を得ることができたのは、やはり勝ちたい、勝たなければならないと言う気持ちで相手を上回っていたからではないか、と思います。試合後のインタビューによるとサンフレッチェの選手たちは、駒野が「あきらめずに戦ったことが、勝利につながった」下田が「試合の最後の方になると、大宮は冷静さを失っていました...だから、チャンスはあると思いました」と語っているように、勝利を求める気持ちで一つになっていたのに対して、大宮は斉藤が「今日の試合は引き分けでもよかった。最後の失点は情けない」、藤本は「あの時のチームはイケイケムードだったし、チャンスもたくさんあったので、否定したくはない」と言うように、チーム全体としての意識が統一されていなかったのではないか、と思います。どうしても勝ちが欲しかった広島と、とにかく勝ち点が1つでも欲しい大宮。両チームの置かれている状況の違いがそのまま結果に反映した、と言うことだったのではないでしょうか。
 これでサンフレッチェは9試合を終えて3勝3分け3敗。順位こそ12位ながら、首位からとも最下位とも勝ち点差が8と、ちょうど中間の位置に付けています。これまで内容的に良い試合に勝てず、あまり良くない時に勝つと言う不思議な現象が続いていますが、しかしこれも成長の過程なのでしょう。相手によらず自分たちのサッカーをすること。そして勝利を目指してチーム一丸となって戦うこと。それが常にできるなら、今後大きくジャンプアップすることも可能だと思います。自分たちの力とチームメイトを信じて、5月攻勢に賭けて欲しい、と思います。

日刊スポーツスコア
中国新聞戦評
J's GOALゲームサマリー

<07.5.3> 「ホットニュース」によると一昨日の練習でウェズレイが足の怪我をしたそうで、昨日は大事を取って練習を休んだとのこと。ペトロヴィッチ監督は「明日の試合をどうするかは、メディカルスタッフと相談します。まあ、もしウェズレイがいないとすれば、18歳の龍一にチャンスを与えたいと思う」と語っているので、佐藤寿と平繁のツートップで戦う可能性もありそうです。
 今日の試合会場は広島ビッグアーチで、午後4時キックオフ。試合前イベントとしてU-10による「サンフレッチェカップ」が11時半から補助競技場で、4種による「フォリアチャレンジ」が2時からビッグアーチで行われます。また久々に「選手サイン会」が3時20分からメインスタンド側3Fコンコースで行われます。希望の方は1時半よりメイン側広場で先着500名様に抽選券を配付しますので、それをお受け取り下さい。「キックターゲット&キックスピード」のイベントは2時からメイン側の広場で、参加者先着1,000名様に「エンブレムマグネット」がプレゼントされます。「フェイスペイント」は1時からメイン側広場で、「バルーンアート」は2時からメイン側3Fコンコースで行われます。先着プレゼントは福山ばら祭提供の「折りばら」を1,000名様に。また「Mr.ピッチマグネット」が先着18,000名様にプレゼントされます。更にサンフレッチェクラブ会員限定のプレミアム選手カードは森崎浩司選手です。今日は「JリーグファミリーJoinデイズ GWは広島ビッグアーチに行こう!」と言うことになっていますので、ぜひ多くのサポーターでスタンドを埋めて欲しいものです。
 テレビ中継ですが、今日はスカパーch182で生放送が予定されています。私もブログで速報しますので、スタジアムに行けない&テレビを見れない方はそちらをどうぞ。
<07.5.2> 明日はゴールデンウィーク中唯一のホームゲームで、大宮アルディージャを迎えてJリーグ第9節を戦います。
 ナビスコ杯では好調の大宮ですが、リーグ戦ではここまでわずかに勝ち点4で、最下位と同勝ち点の17位に沈んでいます。
1A ●0-1 G大阪 【G】バレー
2H ●0-2 FC東京 【東】今野、福西
3A ●1-3 大分  【宮】吉原、【分】三木、松橋章、高松
N1A ○1-0 横浜FM 【宮】小林大
N2H ○2-1 柏   【宮】吉原、藤本、【柏】古賀
4H ●1-2 清水  【宮】森田、【清】枝村、フェルナンジーニョ
N3A △0-0 柏
5A △0-0 鹿島
N4H △1-1 横浜FM 【宮】小林慶、【横FM】斎藤
6H ○1-0 名古屋 【宮】サーレス
7A ●0-1 千葉  【千】工藤
8H ●1-2 甲府  【宮】藤本、【甲】須藤、林
 3年間チームを率いた三浦監督に代えてロバート・ファーベーク監督を招いてスタートした今年の大宮ですが、奥野、レアンドロ、小林大ら主力に怪我人が相次いだこともあってチームとしてのまとまりはまだまだ。システムにとらわれて連動した動きができていないため、なかなか攻撃の形が作れずリーグ最少得点にとどまっています。特にフィニッシャーとして期待していた新外国人エニウトンはこれまでノーゴールで、急きょ獲得したサーレスは出場2試合目で勝利に貢献するゴールを決めたもののその後は尻すぼみ。前節は終盤に攻め立てるシーンこそあったものの甲府の運動量に負けて、試合後にはサポーターからのブーイングを浴びています。明日はまずは守備を固めて、その中から勝機を見出すような戦いを仕掛けてくるのではないでしょうか。
 対するサンフレッチェですが、前節は早い時間帯で失点して思わぬ大敗を喫してしまいました。ただ自分たちのサッカーが出来ていなかったと言う訳ではなく、むしろちょっとしたミスが災いしたと言う感じ。ペトロヴィッチ監督も月曜日には就任以来初めてビデオを使った分析をして、カバーリングのポジションや連係など動き方の修正をしたそうです。前節出場停止だった青山も明日は戻ってくるので、新潟戦までの良い流れを取り戻すことが出来るのではないでしょうか。
        下田

    森崎和 戸田 ダバツ

        青山
駒野              服部

   柏木       森崎浩

     佐藤寿 ウェズレイ

SUB:木寺、盛田、槙野、高柳、高萩、桑田、平繁
 なかなか波に乗れず13位まで順位を落としたサンフレッチェですが、明日から3節は大宮、大分、横浜FCと下位相手が続きます。ぜひともここで勝ち点を積み重ねて、上位進出の足がかりを作って欲しいものです。
<07.5.2> 日本サッカー協会は昨日ドイツに遠征するU-18代表を発表し、サンフレッチェユースからは横竹が選ばれました。
【GK】権田(FC東京)、石田(大分U-18)
【DF】薗田(川崎F)、椋原(FC東京U-18)、川端(静岡学園高)、
    山村(国見高)、渡部雄(市立船橋高)、林(大分U-18)
【MF】杉浦(川崎F)、渡部大(大宮ユース)、吉野(静岡学園高)、
    井上(大分U-18)、河井(藤枝東高)、廣瀬、青木(前橋育英高)
【FW】丸谷(境高)、宮澤(室蘭大谷高)、横竹(広島ユース)、
    畠山(四日市中央工)
 このU-18代表はTuriner in Suedbaden大会に出場し、5/12にU-18ドイツ代表、5/14にU-18ルーマニア代表と対戦します。
<07.5.1> 昨日プリンスリーグ中国のファーストラウンド第5節が行われ、サンフレッチェユースは2-1で広島皆実に勝ちセカンドラウンド進出を決めました。仔熊倶楽部によると先発はGK:原、DF:山根(→森保)、宮本、佐伯(→宮原)、佐藤、MF:岡本、篠原(→元田)、横竹、内田(→茶島)、FW:板倉(→大崎)、中野で、後半開始早々にセットプレーから先制点を許したそうです。しかし中野がもらったファウルから内田のFKが直接決まり同点。更に大崎の突破から横竹が頭で決め、その後は次々とフレッシュな選手を投入して逃げ切りました。
【第5節】
広島ユース 2-1 広島皆実
作陽    6-2 銀河学院
高川学園  6-0 岡山学芸館
広島観音  2-0 江の川

【順位表】
        勝点 勝 分 負 得失点差
1 広島ユース  15 5 0 0   +26
2 作陽     12 4 0 1   +6
3 広島皆実   9 3 0 2   +8
4 広島観音   9 3 0 2   +1
5 高川学園   9 3 0 2    0
6 岡山学芸館  6 2 0 3    -8
7 銀河学院   3 1 0 4   -9
8 江の川    0 0 0 6   -24
 ファーストラウンドは残り2節となり5位の高川学園までが勝ち点を15まで伸ばす可能性がありますが、広島観音と高川学園は直接対決を残しています。従ってこの両チームが同時に勝ち点15まで伸ばす可能性はなくなったため、サンフレッチェユースの4位以上が確定しました。
<07.4.30> 一昨日行われたプリンスリーグ中国のファーストラウンド第4節で、サンフレッチェユースは4-0で広島観音を下しました。広島三矢組によると前半はあまりいい出来ではなかったそうですが、1年生の大崎が2ゴールを決めて優位に立ちます。そして後半は途中出場の宮原、板倉が追加点を奪って突き放しました。4連勝のユースはこれで勝ち点12。これを広島皆実と作陽が勝ち点9で、広島観音、岡山学芸館、高川学園が勝ち点6で追っています。
【第4節】
広島ユース 4-0 広島観音
広島皆実  2-0 岡山学芸館
高川学園  5-2 銀河学院
作陽    2-1 江の川

【順位表】
        勝点 勝 分 負 得失点差
1 広島ユース  12 4 0 0   +25
2 広島皆実   9 3 0 1   +9
3 作陽     9 3 0 1   +2
4 広島観音   6 2 0 2   -1
5 岡山学芸館  6 2 0 3    -2
6 高川学園   6 2 0 2   -6
7 銀河学院   3 1 0 3   -5
8 江の川    0 0 0 5   -22
 因みに第5節は今日の予定で、サンフレッチェユースは11時から広島広域公園補助競技場で広島皆実と対戦します。
<07.4.29> 昨日ヤマハスタジアムでジュビロ磐田と第8節を戦ったサンフレッチェは、今季最多の4失点を喫して追撃も及ばず敗れました。
 青山を出場停止で欠くサンフは、森崎浩をボランチに下げ高柳をトップ下に入れて次の布陣で戦いました。
        下田

    森崎和 戸田 ダバツ

        森崎浩
駒野              服部

   柏木        高柳(→桑田76分)

     佐藤寿 ウェズレイ

SUB:木寺、盛田、槙野、高萩、前田、平繁
 対する磐田のメンバーは、GK:川口、DF:犬塚、菊地、大井、上田、MF:マルキーニョス・パラナ、ファブリシオ、太田、成岡(→林87分)、FW:中山(→加賀63分)、カレン(→村井82分)。この試合は立ち上がりから磐田のペースで、4分に上田の左サイドからのクロスをファーでカレンに頭で合わせられあっさり先制点を許します。そしてその後も主導権を握り続けたのは磐田。中盤で自在にパス回しをしてサンフレッチェ守備陣を押し込むと、右から、左からクロスを入れてきます。またセカンドボールをことごとく拾われ、波状攻撃を仕掛けてきます。27分には犬塚のクロスに中山が頭で合わせましたが枠外。35分にも犬塚のシュートがDFに当たってコースが変わり、危うくポストを叩いて難を逃れます。そして38分、磐田の右からのCKに大井が頭で合わせられあっさり2点目を許してしまいました。
 この直後、キックオフの笛とともにウェズレイがロングシュートを放ち磐田のゴールに入りましたが、喜んでいた磐田の選手が戻っていなかったと言うことで?取り消されます。サンフレッチェは21分の佐藤寿のシュートや35分の服部のシュート等見せ場は作ったものの全体にぴりっとしない出来で、相手にいいようにやられた感じの前半の45分間でした。
 点を取るしか無くなったサンフは、後半の立ち上がりからエンジン全開で相手に襲いかかります。1分には左サイドに相手を引きつけると右へのサイドチェンジから駒野のクロス。これを佐藤寿が頭で流し込み、1点差に迫ります。4分には右から、左から波状攻撃を仕掛け、6分には柏木がスルーパスでペナルティエリアの中に抜け出し、15分にはウェズレイ、佐藤寿が惜しいシュートを放ちましたが川口に抑えられます。18分にはウェズレイが左サイドの深い位置からクロスを入れ、ここに飛び込んだ佐藤寿がDFに押されて倒れましたがノーホイッスル。21分と22分には高柳がミドルシュートを打ちましたが決め切れません。そして23分、カウンターから犬塚のクロスをカレンに頭で押し込まれ、リードは再び2点となってしまいました。
 苦しい展開となったサンフでしたが、しかしこれで気持ちを落とすことなく攻め続けます。30分には駒野が、森崎和が、佐藤寿がクロス。32分と34分には駒野、服部がクロスを入れますが中に合いません。しかし36分、ペナルティエリアに飛び込んだ佐藤寿に犬塚が足を引っかけ、これでもらったPKをウェズレイがきっちりと決めて再び1点差に迫りました。
 その後は引いて守ってカウンターに賭ける磐田と、必死で攻める広島と言う図式。サンフは何とか同点に追いつこうとしましたが、磐田の守備は崩れません。逆に41分、左サイドの深い位置でボールをキープした太田が中を良く見てクロスを入れ、中央で待ちかまえていた成岡がヘッドで決めてまたもや2点差に広がります。そしてその後もサンフがチャンスを作ったものの決めることが出来ず終了のホイッスル。打ち合いの乱戦の結果、勝利の女神はホームチームに微笑みました。
 後半は何度もチャンスを作り、互角以上の展開に持ち込んだサンフレッチェでしたが、しかしポイントは前半にあった、と言えるでしょう。柏木、高柳が相手のキープレーヤーを潰すことが出来ず、中盤の底に入った森崎浩も押し上げることができず、そして両サイドが下がってしまって磐田に思い通りにゲームを作られてしまいました。後半は前からプレッシャーをかけて高い位置でボールを奪い、速い攻めから何度もチャンスを作れていたわけで、前半からそのような戦いができなかったのが敗因だったと言って良いでしょう。また何度もチャンスを作りながら、結局ツートップが1点ずつしか取れなかったと言う点も、苦戦の原因となりました。前からプレッシャーをかけて主導権を取る、と言う今年の戦い方がまだチームの中に浸透していないからかも知れませんが、しかしそれにしてもいつも最初は受けて立ってしまう、と言う問題点は解決しなければならない、と思います。
 しかし昨日の敗因は、失点シーンにあるのは間違いありません。どの失点もパターンは同じで、ペナルティエリアの中に人数はいたにも関わらずクロスに対してフリーにしてしまい、簡単にヘディングシュートを許しています。リスクをかけて打ち合いに持ち込んだ後半はまだ止むを得ない、と思いますが、前半の2失点はどちらもペナルティエリア内でどフリーでシュートを許しており、集中力が欠如していたと言わざるを得ません。戸田が試合後のインタビューで語っているように「一人ひとりが結果に対して責任を果たす」ことができていなかったことが、この敗戦の原因だったと言えるでしょう。これまで良いサッカーをしながらもなかなか結果が出なかったサンフですが、この状況はまさに今後に向けての分岐点。良い方に転がれば勢いに乗れる可能性もありますが、逆の目が出れば自信を失って落ちて行く、と言うこともありえます。方向性は間違っていない、と言うことに確信を持って、顕在化している課題を修正して、そして次こそ絶対に勝って欲しい。それだけが現状を打開する唯一の方法なのですから。

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中国新聞戦評
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