5/27〜6/2のSANFRECCE Diary


<07.6.2> 昨日日本代表はキリンカップ初戦をモンテネグロ代表と対戦し、中澤、高原のゴールで2-0で勝ちました。この日のメンバーは、GK:楢崎、DF:駒野、中澤、坪井、阿部、MF:鈴木(→橋本89分)、遠藤(→今野79分)、山岸(→佐藤寿63分)、中村憲(→藤本89分)、FW:矢野(→巻81分)、高原(→水野69分)。試合は全体的に日本のペースで、パスのつなぎやスペースへの走り込み、ルーズボールへの反応などで相手を上回りました。先制点は前半23分で、ショートコーナーからのクロスをファーサイドで中澤が競り勝って頭で押し込みました。また2点目は前半38分で、中村憲のスルーパスで右サイドを突破した駒野がピンポイントクロス。これを後ろから飛び込んだ高原が合わせて見事なゴールを決めました。後半はモンテネグロに押し込まれPKを与えたシーンもありましたが何とか凌ぎ、最後は次々と選手を投入して試す余裕を見せてそのまま逃げ切りました。
 この試合の駒野ですが、やはり本来のポジションの右SBが良かったのか(実際に駒野は「やりやすかった」とコメントしている)素晴らしいプレーを披露しました。高原へのクロスも素晴らしかったのですが、それ以外にも何度も右からチャンスメイク。それも普通にクロスを入れるだけでなく様々な球質のボールを入れ、また時には内側にドリブルで切れ込んだりして多彩なプレーで相手を混乱に陥れました。今季ずっと好調を持続している駒野ですが、その力が国際試合でも通用することを十分に示したプレーぶりだったと言えるでしょう。一方の佐藤寿ですが、最初は左MFとして、途中からFWとしてのプレーでした。ボールの引き出し方やクロスへの飛び込みなど何度か良い動きを見せたものの、得点シーンに繋がりそうな場面はなく、やや残念な結果に終わりました。オシム監督就任以降継続して代表に選ばれている駒野、佐藤寿の2人ですが、どちらもメンバーに定着する中でポリバレント性を試されているところなのではないか、と思われます。そういう意味では、それぞれで成果のあった試合だったと言えるのではないでしょうか。
<07.6.1> トゥーロン国際に参加しているU-20日本代表は昨日U-21ドイツ代表と対戦し、森島の2ゴールで逆転勝ちしました。この日の先発メンバーは、GK:林、DF:内田、槙野、福元、安田、MF:青山、柏木、梅崎、田中、FW:森島、河原。立ち上がりは梅崎の決定的なシュートなど日本がチャンスを作りましたが、徐々に相手にペースを奪われると前半22分に右サイドを崩され、逆サイドからボレーで叩き込まれて先制点を許しました。そして前半はその後もボールを支配され、何度もピンチを迎えます。しかし林の好セーブとDF陣の頑張りで、何とか1点のビハインドで折り返しました。
 後半は日本の前線からのプレスが効くようになって、対等からやや日本ペース、と言う状況まで押し戻します。そして後半18分、相手のバイタルエリアで田中からボールを受けた柏木が右のスペースへスルーパス。ここに走り込んだ内田のクロスを森島が頭で押し込んで同点に追いつきました。更にその直後、今度は柏木がドリブルで突っかけて森島に優しいパス。森島は今度は左足で蹴り込み、日本はあっという間に逆転してしまいました。その後は、前からボールを追い回してカウンターからチャンスを作る日本と、パワープレーで同点を狙うドイツと言う展開。最後は攻め込まれたものの全員が身体を張って守り切り、U-20日本代表は1点差のままで逃げ切り初戦を勝利で飾りました。
 この試合の柏木ですが、前半は守備に忙殺されていたようであまり画面に出てきませんでした。しかし後半は頻繁に高い位置に顔を出すようになり攻撃の中心として活躍。2得点に絡んだほか、何度も前線に飛び出してチャンスを作っていました。また槙野は右サイドから左サイドまであらゆるところに顔を出して相手を抑え、またセットプレーでは前に上がってシュートを狙うなどこちらもなかなかの活躍を見せていました。
<07.5.31> サンフレッチェは昨日オフィシャルホームページで、4/22に行われた第1回サポーターズ・カンファレンスの議事録を公開しました。これによると当日はまず「サンフレッチェ広島の取り組み」と言うことで下村専務が、サンフレッチェの目指すものや現状、今シーズンの経営方針、そして現在取り組んでいることを紹介しました。続いて織田強化部長が説明に立ち、チーム編成のポリシーと今シーズンのチーム編成、あるいは中長期のヴィジョンについて語りました。そして最後に事前にクラブに寄せられた質問とそれに対する回答を紹介。その上で更なる質問の有無を出席者から受けての質疑応答を行いました。サポーターの出席は46人だったそうですが、予定の終了時間を2時間弱もオーバーしたことからも分かるように、非常に熱い会合だったようです。
 内容は多岐にわたるためここで全ては紹介できないのでぜひホームページを見て頂きたいのですが、全体としてサンフレッチェはクラブとしての方針をしっかりと立て、「日本一のクラブ」を目指して着実に進もうとしている、と言う印象を受けました。「日本一」の内容としてはチーム順位、観客動員、情報公開と露出、日本代表輩出、下部組織、経営、地域活動の7項目あって、これらでリーグトップ、あるいはリーグのトップ5に入ると言うことで、すぐに実現するのは無理でも毎年の目標を立てて着実に進んで行こうとしている、とのこと。かつてステージ優勝を果たしながらその後のJ2降格や観客動員の大幅な増減などのクラブとしての経験を生かして、高い目標を掲げて進むことが重要であるとしています。そしてその方策としては「補強に頼ったチーム編成から育成型のチーム編成へ」原点回帰し、入場者増とスポンサー営業の両面を追求することによって総合的に取り組もうとしているとのこと。サッカー専用スタジアムの実現やビッグアーチのアクセスなど様々な問題がありますが、それらを認識した上で何とか無理のない範囲で実現し、クラブ全体としての価値を高めようとしている姿勢が見て取れます。「大人のためのサッカー教室」や「ルール講習会」などこのコンファレンスで議論された事柄を早速実施するなど、この「カンファレンス」の成果をフィードバックしていることからも分かるように、色々な課題を積極的に公開し、サポーターと共に解決して行こうと言う姿勢があるならば、サンフレッチェの未来は明るいのではないでしょうか。
<07.5.30> サンフレッチェは昨日、前田俊介選手の大分への期限付き移籍を発表しました。
 奈良県の高田FCから広島ユース入りした前田は2年生からレギュラーとなり、最強を誇ったサンフレッチェユースの中心選手として活躍しました。そして高校3年生だった2004年から公式戦で起用されるようになり、2nd stage第13節の磐田戦ではプロ初ゴールが決勝ゴール。翌年のプロ1年目も東京V戦と新潟戦の先制ゴールや大宮戦と鹿島戦の終了間際の決勝ゴールなど、貴重なゴールばかりでサポーターに強烈な印象を与えました。またU-16から毎年のように年代別代表に選ばれ、05年のワールドユースのオーストラリア戦では終了間際のゴールでチームを敗戦から救うなど、その勝負強さはピカイチでした。昨年、ペトロヴィッチ監督就任以降もその才能に対する期待は高く、第18節以降は毎試合ベンチ入りし千葉戦では初先発で先制ゴールを決めるなど今年の飛躍が期待されていました。しかしチームのために走る、と言う点で監督の要求を満たすことが出来なかったようで、今季はこれまで公式戦の出場はなし。後輩の平繁にも抜かれ、厳しい立場に追い込まれていました。
 現在15位に低迷する大分は、ここまで1試合平均1.0と得点力不足に苦しんでいます。チームには日本代表に呼ばれたこともある高松、松橋章がいますが、どちらも怪我の影響もあって今季は2ゴールずつにとどまっています。前田に期待されているのはゴール、それもチームを救う重要な場面でのゴールでしょう。ぜひシャムスカ監督の元で違うサッカーを学んで、そして大分で良い結果を残して欲しい。そして大きく成長して、また広島に戻ってきて欲しい、と思います。
<07.5.29> サンフレッチェと日本サッカー協会は、U-22代表候補に選ばれていた高柳の合宿不参加を発表しました。原因は体調不良だとのこと。2年前に肝炎でワールドユースを直前に辞退した彼にとっては「またか」と言う気持ちなのではないでしょうか。ただ、チームで頑張ればこれからもチャンスはあるはず。これで気持ちを落とさずに、次を狙って欲しいと思います。
<07.5.29> 昨日サンフレッチェは、上野優作選手のJFL栃木SCへの完全移籍を発表しました。上野は昨年新潟からレンタルで広島入り。昨年オフには栃木SCからのオファーもあったものの、J1でのプレーを選んで広島に完全移籍していました。しかし今年はルーキー平繁の台頭もあってなかなかベンチ入りも出来ない状況が続き、その一方でJ2昇格のためには後が無くなった栃木SCの思惑と一致して6月からの移籍が決まったそうです。2度にわたった広島在籍中の公式戦のゴールは2000年の1ゴール、と結果は残せなかった上野でしたが、練習での頑張りは誰もが認めるところで若手の良いお手本になっていた、とのこと。その献身的なプレースタイルは、どこに行ってもチームに貢献できると思います。これからは故郷のチームのために、大いに貢献して欲しいと思います。
<07.5.28> 昨日アウェイでサテライトの大分戦が行われ、サンフレッチェが2-0で勝ちました。広島のメンバーは、GK:木寺(→河野45分)、DF:中尾、高萩、橋内、MF:李、遊佐、入船、高柳(→内田Y74分)、桑田(→岡本Y89分)、FW:趙、中野Y(→横竹Y45分)。対する大分は、GK:河原(→清水)、DF:池田、梶原、林Y、MF:プラチニ(→龍Y)、佐野Y(→平松Y)、井上Y、岸田Y、小手川Y、FW:松橋優(→安藤Y)、山瀬Y(→坂本Y)。(Yの印はユース所属選手。)得点は32分に趙、61分に横竹でした。
<07.5.28> 日本サッカー協会は昨日キリンカップの日本代表を発表し、広島からは駒野と佐藤寿が選ばれました。
【GK】川口(磐田)、楢崎(名古屋)、川島(川崎F)
【DF】中澤(横浜FM)、中田(バーゼル)、坪井(浦和)、駒野(広島)、
    水本(千葉)、青山(清水)
【MF】中村俊(セルティック) 、橋本、遠藤、家長(G大阪)、
    羽生、山岸、水野(千葉)、鈴木、阿部(浦和)、今野(FC東京)、
    中村憲(川崎F)、藤本(清水)、本田(名古屋)
【FW】高原(フランクフルト)、播戸(G大阪)、巻(千葉) 、
    佐藤(広島)、矢野(新潟)
 オシム監督によると今回の選考基準は「試合ごとに調子が良かったり、悪かったりした選手ではなく、ある程度の長い期間良いプレーをしている選手」だとのことで、アジアカップに向けて安定したチームを作ることを目的としているような気がします。広島から選出の2人はどちらも今年はずっと好調を維持しているので選ばれるのは当然、と言うところ。むしろチーム全体を引っ張る立場で、頑張って欲しいと思います。
<07.5.27> 昨日ビッグアーチで行われた第13節清水戦は、後半に先制点を許したものの逆転で勝ち、公式戦3連勝となりました。
 ウェズレイを出場停止で欠くサンフは、代役として平繁を抜擢して次の布陣で戦いました。
        下田

    森崎和 戸田 盛田

        青山
駒野              服部

   柏木(→高柳81分) 森崎浩

     佐藤寿  平繁(→槙野83分)
     (→李89分)

SUB:木寺、橋内、槙野、高萩、桑田
 対する清水は、GK:西部、DF:市川、青山(→杉山88分) 、高木和、児玉(→高木純84分)、MF:枝村、伊東、藤本、FW:岡崎(→西澤61分) 、フェルナンジーニョ、チョ・ジェジン、と言うメンバーでした。この試合、前半はボールを保持して攻めを構築しようとする清水に対して、広島はがっちり守ってカウンターと言う感じだったそうです。7分には枝村がミドルシュートを放って広島ゴールを脅かすなど何度か攻め込んできますが、広島の守備陣は破綻を見せずに守ります。。逆に攻撃は、22分の服部の低いクロスはわずかに佐藤寿に合わず。また25分には駒野のクロスを佐藤寿が後ろに流し柏木が決定的なシュートを打ちましたがGKのスーパーセーブに防がれます。清水は31分、右サイドの突破からチョ・ジェジンがフリーでシュートしたものの枠外に外れます。また42分にはフェルナンジーニョがペナルティエリア内まで持ち込んでシュートを狙いましたが、必死で戻ってきた青山がブロックして事無きを得ます。結局前半はお互いにチャンスを作りながらも決定的なシーンで決めきれないと言う展開で、スコアレスで折り返しました。
 後半、お互いにミスからなかなかチャンスにまで至らない状況を、先に打開したのは清水でした。後半20分、チョ・ジェジンのボールを途中出場の西澤が広島ゴールエリア内で必死でボールをキープし、こぼれ球に走り込んだチョ・ジェジンに強烈なシュートを叩き込まれてしまいました。
 これでサンフレッチェの選手の気持ちが落ちるか、と思えばさにあらずで、この日の広島は違いました。その変わりようは、ペトロヴィッチ監督をして「今日のような選手のアクションに驚いています」と言わせるぐらい。高い位置からのプレスがかかるようになり、やや引きぎみになった清水を一方的に決めます。そして29分、左サイドでボールを持った森崎浩が中央へパス。これをキープした平繁が後ろに優しく出すと、ここに走り込んだ戸田が豪快に決めて同点に追いつきました。更にその4分後、左サイドの高い位置からの服部のボールを受けた柏木が、上から曲がり落ちるシュートを放ってついに逆転。その後は守備的選手を次々と投入して逃げ切りを図り、また下田の好セーブ連発もあってサンフレッチェが1点差で逃げきりました。
 この試合は例によって見ていないのですが、試合展開、特に前半はボールをポゼッションされてなかなか苦しいものがあったようです。選手が替わってもサッカーは変わらない、と言うのが理想ではありますが、しかし前線に得点ランクトップのブラジル人がいるのと、成長途上のルーキーがいるのとでは違ってしまうのは当然のこと。相手にボールを持たせて、奪ったら速く攻撃して得点する、と言うプランは間違いではないと思います。
 しかしプラン通りでは無かったのは、先に失点してしまったことでした。そこは5月は負け無しだった清水。選手交代の4分後にその西澤の頑張りから先制点を奪ったと言うのは、相手を讃えるしか無いでしょう。しかしそれ以上に讃えるべきなのは、サンフレッチェの選手たちの反発力です。長谷川監督が言うように清水に「少し気持ちに緩みが出た...守りに入ってしまった」と言う側面はあるかも知れませんが、しかしそれも広島の選手が強い気持ちを持ったからこそ付け込むことが出来たのは間違いない、と思われます。1点目は盛田のサイドチェンジを駒野が受け、彼のクロスをはね返されたものの今度は森崎浩、服部が左からボールをつなぎ、平繁のキープで時間を作って戸田が決めています。更に2点目もまた、柏木にボールが行く前に青山が、戸田が、服部が、佐藤寿が絡んでいます。つまりFWからDFまで、右サイドも左サイドも攻撃に絡み、まさに全員の力でもぎ取った2点だったわけです。これまでとかく「ツートップ頼り」と揶揄されていたサンフレッチェですが、それだけでは無いことを示した2点だったと言えるでしょう。
 この結果、第13節を終えての勝ち点は21。首位G大阪とはまだ7点の差がありますが、しかし2位とは3差と上位が見える位置に上がってきています。代表の関係と第14節が8月開催になるため3週間空きますが、その間にこの流れを失わないよう、しっかりと休養を取った上でレベルアップして欲しい、と思います。

日刊スポーツスコア
中国新聞戦評
J's GOALゲームサマリー

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