9/2〜9/8のSANFRECCE Diary


<07.9.8> 昨夜(日本時間の今日の早朝)行われた国際親善試合のオーストリア戦は、0-0からのPK戦で敗れ勝ち点1に終わりました。
 この日の日本代表のメンバーは、GK:川口、DF:駒野(→今野89分)、闘莉王、加地、中澤、MF:遠藤、中村俊、鈴木、稲本(→中村憲71分)、FW:田中達(→松井71分)、矢野(→巻75分)。立ち上がりはホームのオーストリアが前からプレッシャーをかけてきて危ないシーンもありましたが、それを凌ぐとずっと日本のペース。DFラインからの丁寧なビルドアップと中盤でプレスをかけてボールを奪っての攻撃など何度か良い形を作ります。そして遠藤のFKからの田中達のポスト直撃のシュートなど決定的なシーンを何度も作るものの決め切れず、オーストリアの堅い守備を崩せません。後半になって中村憲、松井などを投入してリズムを変えようとしたものの流れを変えるには至らずPK戦に突入し、4人目の今野、5人目の中澤が決めれずPK戦に屈しました。
 この試合を見て、オシム監督の代表は徐々に完成度が上がっている、と言う印象を受けました。闘莉王、中澤の高さと強さのあるCBは体格の良いオーストリアのFWに当たり負けもスピード負けもせず、ほとんど決定機を作らせませんでした。またドイスボランチを組んだ稲本と鈴木のペアは切り替えの速さが素晴らしく、何度も高い位置でボールをカットして相手の攻撃を寸断し、また味方の攻撃に繋げました。特にフランクフルトでレギュラーとしてプレーする稲本の出来は秀逸で、球際の強さとパス出しのセンスの良さは、代表のサッカーのレベルアップに貢献しました。蒸し暑さの極致にあったアジアカップの戦いでは中盤の運動量の低下から苦戦することも多かったのですが、昨日のような気候ならば「走るサッカー」を展開することが出来る、と言うことでしょう。オーストリアは欧州勢としてはさほどレベルが高くないとは言え、相手のホームゲーム。そこで日本代表が完全にボールを支配して内容的に圧倒したと言うことは、胸を張って良いことだと思います。
 一方で問題なのは、やはり点が取れなかったと言うことでしょう。アジアカップでエースとして活躍した高原不在の中でどのように攻めるか、が注目されたこの試合で、オシム監督が選んだのは矢野と田中達のツートップでした。矢野が前線でボールを収めて田中達が飛び出す、あるいは田中達がドリブルで引きつけて矢野が逆サイドに詰める、と言うイメージだったのだろうと思うのですが、しかしこの2人がコンビネーションを見せることはほとんど無かったように思います。特に彼ら2人に中盤の選手を絡めて3人目、4人目の動きから相手を崩すと言うシーンをあまり作れなかったことが、ボール支配の割にはシュートを打てなかった原因ではないかと思います。またこの日は両サイドが上がってもクロスを入れずに戻すシーンが多かったのですが、これはおそらく良いタイミングでゴール前に飛び込む動きが少なかったため。サイドの動きと中の動きがシンクロしていなかった事も、課題として残ったと言えるでしょう。田中達や松井のドリブル、あるいは闘莉王の攻め上がりなど「個」の力を生かした攻撃もあまり効果を発揮できなかった事を考えれば、日本代表が点を取るにはやはりコンビネーションを上げて行くしかありません。「走るサッカー」「ボールを繋ぐサッカー」ができるようになった日本代表が「点を取れるサッカー」ができるようになるためには、もうしばらく時間がかかるのかも知れません。
<07.9.8> プレスリリースによると、今日の正午からJR横川駅前で浦和戦の試合告知活動を行います。サポーターの参加も可となっていますので、レプリカなどの紫色のシャツをご持参下さい。
<07.9.7> オフィシャルホームページによると、明日の3時から吉田サッカー公園とヴィッセル神戸U21とトレーニングマッチを行います。相手はサテライトですが、おそらくこちらはトップの選手も含めて入れ替えながら試合をするものと思われます。携帯サイトによると下田が練習に戻ってきているとのことなので、最終ラインの守備をどのように構築するか、を考えての試合になるのではないでしょうか。
<07.9.6> プレスリリースによると、9/15(土) に予定されている浦和戦の前売り販売は順調で、SS、SA、SBゾーンの各指定席は完売して当日券の発売はなしになったのだそうです。年間指定席ユーティリティプラン引換券については席を用意してあるそうですが、準備可能な席の枚数には限りがあるとのこと。残席が無くなれば他の席に回されることもあるそうですので、年間指定席の方も早めに行った方が良さそうです。また当日は3万人近い入場者を見込んでいるそうで、会場周辺、特に駐車場は非常に混雑することが予想されますので、なるべく公共交通機関を使ってご来場下さい。
<07.9.5> 今日のスポニチによると、ドバイで合宿中のU-22代表に参加している柏木、青山敏の両選手は風邪が治り切っていないそうで、反町監督は「せきをゴホゴホしているようなやつは試合に出せない。そんなやつとは心中できない」とサウジアラビア戦の構想から外す考えを明らかにしたそうです。この記事によると風邪を引いたのは「自己管理が出来ていない」からなのだそうですが、しかしこの酷暑の中で体力の限界まで戦ってきた選手に対して自己管理ができていない、とはひどい話なのではないでしょうか。広島はこの1ヶ月に浦和、柏、横浜、横浜と4度も関東遠征しながら試合をしてきたわけで、他のクラブの選手よりも体力的な消耗が激しいのは当然のことでしょう。特に柏木はU-20W杯から戻ってすぐに浦和戦に出場し、続いてU-22代表合宿に参加。そしてJリーグの合間に行われたベトナム戦にも先発で出ているわけで、夏の間に休みをとれたのは出場停止だった大分戦しかありませんでした。そのため先週は疲れが限界まで達していて、練習も途中で切り上げざるを得なかったほど。風邪を引いたのも体力がなくなって免疫力が低下したからであろうことは間違いなく、可能であれば今回の遠征を辞退してもおかしくないほどだったのではないかと思います。J's GOALによると反町監督は「風邪のようだが、今日練習を見て(状態は)悪くはない。明日は部分合流ではなく全体に合流できると思う」と語っているのでそれほど悪いわけではないのかも知れませんが、それにしても「三くだり半を突きつけた」(スポニチ)ほどなのであれば、無理に練習させないで休みを取らせて欲しいし、できる事なら広島に返して欲しいものです。
<07.9.4> 昨日吉田サッカー公園でサテライトリーグの鳥栖戦が行われ、サンフレッチェが2-1で勝ちました。この日のメンバーは、GK:河野、DF:吉弘、高萩、盛田、MF:趙(→岡本78分)、李、高柳(→中尾57分)、桑田、入船、FW:田村(→横竹71分)、平繁。対する鳥栖は、GK:太田(→中林45分)、DF:長谷川、田中、加藤、栗山、MF:小井手、副島、石田、野崎(→井上25分→畑島84分)、FW:谷口(→佐藤75分)、山城(→古賀61分)。得点経過ですが、13分に入船のゴールで広島が先制したものの後半41分にOGで追いつかれました。しかし43分に李のゴールで勝ち越して広島が勝ちました。
<07.9.4> 一昨日Jユースカップの初戦をホームで戦ったサンフレッチェユースは、終了間際のPKで追いつかれ1-1で神戸と引き分けました。この日のユースのメンバーは、GK:兼田、DF:宮原、佐藤、宮本、小西、MF:内田、岡本、横竹、FW:不老、板倉、中野。前半のうちにセットプレーから宮本が決めて広島が先制しましたが、その後暑さから決め切れずに終盤勝負に持ち込まれたようです。そしてロスタイムに宮本が与えたPKを兼田がいったんは止めたものの、蹴り直しとなって2度目に決められたとのことです。今回の大会は4チーム中の上位2チームが勝ち上がると言う普通のレギュレーション(のはず)なのでこの敗戦が致命的な事になるわけではありませんが、ここまで比較的順調にチーム作りを進めてきたユースにとっては痛い引き分け、と言えるかも。少なくとも今週末から始まる高円宮杯(9/9の13:20から横浜Fマリノスユース@ひたちなか)に向けて、気持ちも引き締まったのではないでしょうか。
<07.9.3> 日本サッカー協会は昨日欧州遠征に参加する日本代表を追加発表し、広島から佐藤寿が選ばれました。これで全メンバーは次の24人。
【GK】川口(磐田)、楢崎(名古屋)、川島(川崎F)
【DF】中澤(横浜FM)、坪井、闘莉王(浦和)、加地(G大阪)、
    駒野(広島)
【MF】中村俊(セルティック)、橋本、遠藤(G大阪)、今野(FC東京)、
    稲本(フランクフルト)、羽生、山岸(千葉)、松井(ルマン)、
    中村憲(川崎F)、鈴木、阿部(浦和)、山瀬功(横浜FM)
【FW】巻(千葉)、佐藤寿(広島)、田中達(浦和)、矢野(新潟)
 カメルーン戦のメンバーから外れたのは大久保嘉(神戸)、高松(大分)、前田(磐田)。またアジアカップのメンバーからは水野、太田、高原が外れました。
 ところでアジアカップとカメルーン戦に引き続いて選出された駒野、佐藤寿の2人ですが、代表とJリーグ(佐藤寿はオールスターも)を行ったり来たりでほとんど休み無しで来ていたので、今回は選ばれない方が良かったのではないか、と思うサンフレッチェのファン・サポーターも多いのではないか、と思います。確かに疲れのためプレーの量と精度が落ちているのはあると思いますし、身体のキレが悪くなれば怪我もしやすくなるので、どこかで休んだ方が良いのは確かでしょう。しかしそれでも私は、彼らが代表に行くことを支持します。その理由は、彼らはまだまだ成長する選手だと思うからです。
 代表はその国で一番上手な選手を集めて戦うところで、良い選手を集めて組み合わせれば勝てる、と思われがちですが、しかしそれは違うと言うことはジーコ監督の時代に散々思い知らされました。特にマラドーナもロナウジーニョもいない日本代表が他の国に勝つためには、全選手がチームの動きを理解して、お互いがお互いを生かすようなサッカーをしなければならない。そして単に「自分のサッカーをする」だけではなく、相手の出方によって臨機応変に対応できなければなりません。すなわちピッチ上の11人だけでなくベンチのメンバーも含めた全選手が有機的に機能することが、日本代表の生命線だと言って良いでしょう。オシム監督が作ろうとしている日本代表は、まさにそんなチームなのだと思います。
 その中で佐藤寿、駒野の両選手も、代表の中で果たすべき役割が与えられています。それはもちろん、彼らの特徴を生かした役割であることは間違いないのですが、しかしクラブとは微妙に違うのも確かです。実際駒野は左SBでプレーすることがほとんどですし、佐藤寿も点を取る役割だけでなく、サイドアタッカーとしてクロスを上げる練習をしたりしています。そして彼らはそれを不満とも思わずに、一生懸命に取り組んでいるからこそオシム監督は招集するのだと思います。
 代表でクラブと違うサッカー(とは言え、基本はほとんど一緒のサッカー)を学ぶこと。これは彼らのプレーの幅を広げると言う意味では大きなチャンスです。例えば佐藤寿ですが、横浜FM戦ではワントップの起用に応えて中澤、松田の2人を相手にしてボールをキープし、また彼らをサイドに引っ張り出して中央のスペースを空ける、と言うプレーを見せました。そして彼の左からのクロスがアシストになり、MFが得点を挙げています。私が覚えている限り、彼がワントップで機能したのは初めてのこと。これが本当に代表の効果なのかどうかは分かりませんが、しかし彼がクラブと代表を行き来しながら成長しているのは確かなのではないでしょうか。
 今回の欧州遠征で、日本代表はオーストリアとスイスの代表と2試合を戦う予定になっています。どちらの国も欧州でトップクラスとは言えませんが、しかし技術のしっかりした選手を揃えていて、規律のあるコレクティブなサッカーをするチームだと思います。そう言う意味では日本代表にとって、学ぶところの多い試合になるはずです。今回オシム監督は全選手に出場機会を与える、と言う噂ですし、ぜひ駒野、佐藤寿の2人には良い経験を積んできて欲しい、と思います。
<07.9.2> 昨日三ツ沢で行われた第24節横浜FC戦は、ボールを支配される時間が長く苦しい試合となりましたが、ウェズレイの2ゴールで何とか勝つことができました。
 出場停止が明けたウェズレイが先発に復帰。また今季初めて戸田をストッパーに起用して、ペトロヴィッチ監督は次の布陣を選択しました。
        木寺

   森崎和 ストヤノフ 戸田

        青山
駒野              服部
    柏木     森崎浩(→桑田37分→槙野59分)
    (→高柳80分)
     佐藤寿 ウェズレイ

SUB:河野、盛田、李、平繁
 対する横浜FCは、GK:菅野、DF:山田、和田、室井、中島、MF:オ・ボムソク、山口(→玉乃85分)、マルコス・パウロ、内田(→滝澤60分)、FW:チョ・ヨンチョル(→薮田78分)、三浦、と言うメンバーでした。ここまで10試合勝ちがなく、J1残留のためにはどうしても勝ちが欲しい横浜FC。対するサンフレッチェも下位チームの足音が迫っていて、「逆の目が出れば(負ければ)下を見て戦わねばならない」(ペトロヴィッチ監督)と必勝の気持ちを持って戦いに臨みます。そして最初にビッグチャンスを作ったのは広島。1分に佐藤寿のスルーパスを受けた駒野が深い位置からクロスを入れ、中央で胸トラップしたウェズレイがボレーシュートを狙いましたが枠外に外れます。11分には駒野からのパスを受けたウェズレイがシュートまで持ち込みましたがGKの正面。13分にも青山のパスを受けた服部が強烈なミドルシュートを放ちましたがわずかに左に外れます。更に15分にはCKのボールを戸田が頭で逸らしたものの枠外。広島はチャンスを作るものの、なかなかゴールを割ることが出来ません。そして早くも20分過ぎには足が止まって横浜のペースになります。23分にはチョの右からのクロスが流れてゴールマウスに吸い込まれそうになりますが、木寺が左手1本で弾き出します。その1分後にはCKのボールをフリーで合わせられましたがバーがはね返し、26分には三浦のドリブルシュートがポストを舐めるように外れて行きます。その後も後ろでボールを回しながら攻めのチャンスをうかがう横浜。サンフはボールの取りどころがはっきりせず、ペナルティエリア近くではね返す時間帯が続きます。36分のウェズレイのシュートとロスタイムのFKに可能性を感じたものの、全体的に押され気味の展開で前半を折り返すことになりました。
 後半早々に、ペースをつかんだのは広島。1分のストヤノフのロングパスから駒野が走ったシーンや2分の柏木がスルーパスを狙ったシーン、そして4分の柏木からウェズレイへのパスや8分の右サイドからの波状攻撃など、スペースを有効に使って相手を崩そうとします。そして9分、高い位置に上がってきたストヤノフが右サイドに展開のパス。これを受けた駒野が深い位置から鋭いクロスを入れると、ここに飛び込んだウェズレイが頭で押し込み、サンフが待望の先制点を奪いました。
 これでサンフがややペースを落したの対して、横浜はギアを一段アップさせて攻め込んできます。10分には右から左から波状攻撃を仕掛けて来られたものの何とかクリア。13分には和田、16分にはマルコス・パウロがシュートを狙います。ここでペトロヴィッチ監督は桑田を諦め槙野を投入。戸田をボランチに上げて、相手の攻めをはね返そうとします。サンフはロングパスから、あるいはカウンターからチャンスを作りますが、15分の佐藤寿のシュートは枠外に外れ、17分の駒野の攻め上がりではウェズレイがオフサイドを取られます。前節の汚名返上に燃える木寺の奮闘もあり何とか凌いでいたサンフでしたが、しかし後半24分、滝澤のクロスが三浦の頭にドンピシャで当たり、試合は振り出しに戻りました。
 ここから先は、両チームとも気力の戦い。26分には駒野が強烈なシュートを放ちましたが枠外に外れ、ウェズレイのFKはなかなか枠に飛びません。横浜はボール支配を高めて両サイドからクロスを入れ、またCKから何度も広島ゴール前に攻め込みます。そんな中での34分、森崎和のロングパスが流れ、相手DFが身体を入れてタッチを割るか、に見えました。しかしそこに疾風のように走り込んだのが佐藤寿。相手をかわしてボールを奪うと、中央に切れ込んで低いクロスを入れます。そしてここに飛び込んだウェズレイが相手DFと競り合いながら押し込み、サンフは再びリードを奪うことが出来ました。
 その後は何とか追いつこうとする横浜に対し、守りを固めてカウンターを狙う広島、と言う構図。40分にはウェズレイのクロスに佐藤寿が飛び込みましたがわずかに届かず、41分には青山がミドルで狙います。横浜は人数をかけて攻め込んでくるものの、ストヤノフが、槙野が、森崎和が身体を張ってシュートを打たせません。ロスタイムにもCKが、クロスがゴール前に放り込まれたものの木寺がはね返し、苦しい戦いは1点のリードを保ったままで終えることができました。
 前節ホームで完敗を喫したこと、連戦の疲れが極限まで来ていたこと。そして相手は最下位に低迷していたこと。そう言う難しい状況の中でペトロヴィッチ監督の選択は、最も信頼する11人をピッチに送り出すことでした。そしてその策は、だいたいのところは成功していたと思います。更に疲れから足が止まり、得点が入ることで流れが変わりそうになると、それに対する対応も素早いものでした。その典型だったのが、後半14分の交代のシーン。途中から投入した桑田の動きが悪いと見るや惜し気も無く槙野を投入し、戸田をボランチに上げて守りを固めました。また勝ち越した直後にはすかさず柏木に代えて高柳を入れ、中盤の運動量を増やして横浜の逆襲に備えました。前節は疑問の残る采配で勝ちを逃した、と言う感じでしたが、昨日は流れを見た的確な采配で勝利を引き寄せた、と言って良いのではないでしょうか。
 しかし勝利の一番の要因は、90分間を通して選手の集中力が切れなかったことだと思います。前節ミスから失点に絡んだ木寺やストヤノフ、森崎和ら守備陣は、ボールを支配されても、あるいは中盤の選手がペナルティエリアの中に上がってきていても落ち着いて対応し、シュートを味方よりも少ない11本に抑えました。失点シーンだけは一瞬の隙を作ってしまいましたが、それ以外はボールを支配された割には決定的なピンチは少なかったと思います。集中力、と言う意味では攻撃面でも同様です。中国新聞によると佐藤寿は横浜FCについて「つなぐサッカーに慣れていない。プレスをかけた時にミスが多い」と分析していて、2点目につながるチェイシングは相手のミスを予測してのものだったそうです。疲れが溜まっているため90分間走るのは難しいと言うことで、ラインを下げて戦わなければならないと言うチーム状況。しかしその中でも一瞬の隙を突いてゴールを奪うことが出来たと言うことは、攻撃陣の集中力の賜物だと言えるでしょう。
 試合後にペトロヴィッチ監督は高木監督について語った中で「私自身も、今日負けていたらクビになっていたおそれもあります」と言っていますが、これはある程度は本音も含まれていたのではないかと思います。昨年6月に就任してどん底にあったチームを立て直し、更に上を目指してチーム作りを進めてきた今シーズン。守備重視の戦術から攻撃中心に転換してある程度は成功し、また若手選手も育ちつつあるものの、綻びもまた目立ち始めていました。特に代表招集や過密日程の影響がじわじわとチームを侵食して狙いとするサッカーができなくなり、内容も結果も悪い状態に落ち込みつつありました。ここでもし負けてしまえば残留争いに巻き込まれ、上を目指すようなサッカーを諦めなければならなくなったはず。つまりペトロヴィッチ監督にとってこの試合は、チーム作りの上では正念場、とも言える戦いだったのだろうと思います。ここまでの勝ち点29と言うのはJ1残留の安全圏だとは言えませんが、しかし残り10試合で2、3勝と考えればそう難しいミッションではないでしょう。次節は2週間後となるのでその間にしっかりと休養し、また戦術を練り直して次の戦いに臨むことができる。そのためには非常に重要な勝利だった、と言って良いのではないでしょうか。

日刊スポーツスコア
中国新聞戦評
J's GOALゲームサマリー

SANFRECCE Diaryトップページに戻る