1/11〜1/17のSANFRECCE Diary


<09.1.17> 先週発売の「紫熊倶楽部」2月号(Vol. 132)を紹介します。巻頭のカラーページで取り上げられているのは青山選手。12/25に行われたインタビューの最後に結婚を「告白」したシーンから始まって、五輪代表の落選が決まった日の事や森崎兄弟との相性、出場停止や右サイドのプレー等、「充実していた」と言う昨年のシーズンを振っています。またJ1で戦うことになる今年に向けての抱負やフル代表への決意など、様々な思いを語っています。
 天皇杯柏戦のマッチレポートを挟んで、SIGMA DOCUMENTはユースの「魂を揺り動かした闘い」です。プリンスリーグで優勝を逃し、クラセンと高円宮杯ではグループリーグ敗退。なかなか結果を残せずに苦しんでいた昨年のユースの最後の闘いがJユースカップでした。奇跡的な勝利を収めたグループリーグの神戸戦、トーナメントの名古屋戦。そして最後の最後に振り切られてしまった東京Vまでの感動のドラマを綴っています。
 スタッフを描くSIGMA REPORTで登場するのは、法人担当部長の古本伸行さん。その後には、新連載としてユース、ジュニアユース、ジュニア、スクールを取り上げています。READER'S AREA、紫熊短信の後のカラーページは、「選手たちが選ぶベストマッチ、ベストゴール」と言うことで、昨年のポイントとなった12試合を取り上げています。この特集は「2008シーズン・イヤーDVD連動企画」となっていて、その一部の紹介になっているとのこと。DVDは1月末まで特別価格で先行予約を受け付けていますので、ぜひe-VPOINTでご予約下さい。
 サンフレッチェオフィシャルマガジン「紫熊倶楽部」は定価350円。広島県内大手書店やV-POINT、広島ゆめてらす、池袋のジュンク堂、e-VPOINT等でご購入下さい。
<09.1.15> 昨日から海外出張に来ているので、しばらくは更新が遅れたりできなかったりしますのでご了承下さい。
 サポーターズ・カンファレンスの4つ目の話題は「観客動員と試合運営」についてです。サンフレッチェの昨シーズンの観客動員数はホームの21試合で227,631人で、一昨年と同じ21試合(入れ替え戦を除く)と比較してトータルで10,686人(1試合平均509人)増えました。計画した人数には届かなかったもののJ2でも増えたと言うのは、天皇杯の準優勝やゼロックスの優勝、若手の成長等が要因で、「チームとしての魅力」が高まった結果だとしています。ただクラブとしてはまだまだ入場料収入が不十分なので、アクセスの改善等によりリピーターの確保に力を入れているとのこと。また告知がまだまだ不十分な点があるので、ここを改善して観客動員増を図っていくつもりだそうです。この観客動員増にクラブとして取り組むのはもちろんのこと、例えば「試合当日にはサンフレッチェのフラッグを家のベランダや車に飾る」などのサポーターの活動も奨励したい、とのこと。またカープとの連係なども含めて広島全体で盛り上げる方策を考えているとのことです。
 昨年、J2に落ちて相手チームの動員が減ったにも関わらず全体として増えたと言うのは、入れ替えのシステムができて以降どのクラブにもできなかったこと。チームの成績が良く魅力的なサッカーが出来ていた事もありますが、それ以上に営業努力の賜物だと言えるでしょう。一昨年の降格決定直後に本谷社長が就任してフロント改革から始めた成果が、ここに出ているのだろうと思います。今年はその勢いでJ1で戦えるわけで、昨年以上に観客が増えるのはたぶん間違いない、と思われます。ただ、J2に降格すると注目されることが多くなり観客動員も増える、と言うのは前回の降格と昇格のときにも見られた傾向。2002年は10,941人だったのが、2003年(J2)の9,000人を経て2004年には14,800人になったもののその後徐々に減ってしまったわけで、サンフレッチェにとっては継続的に増やして行くことがより重要な課題だと言えます。J1の観客動員数はここ数年増加傾向にあり、昨年の1試合平均の動員数は19,278人。一番少なかった大宮が10,714人で一昨年の広島(11,423人)以下だったのですが、それ以外のクラブは12,000人を越えています。観客動員数は地域性や歴史を反映するので一概に他のクラブとの比較はできないのですが、それにしてもサンフレッチェはJ1では相変わらず最少レベルであることを無視するわけにはいきません。今年はまずは前回の昇格年である2004年を越えるのは当然として、J1平均にどれだけ近づけるか、そしてその数を来年以降も維持して行くことが目標、ということになるのではないでしょうか。そのためにクラブが営業努力をするのは当然として、我々サポーターもできる限りの協力をする(例えばホームゲーム当日にはフラッグを掲げる、など。私も東広島に住んでいた頃はやってました)事が重要なのではないかと思います。
<09.1.14> サポーターズ・カンファレンスの3つ目の話題は「アクセスの改善」について。運営部長の高田氏が主に説明しています。
 まず最初に「アクセスの改善はクラブにとって永遠の課題」と位置づけ「観客動員数増加を図る上で最重要」なものとして取り組んでいる、と述べています。そしてまずは現状を説明。ビッグアーチに来場する観客の60%がマイカーを利用する一方で、アストラムラインが13%、横川駅からのシャトルバスが9%の利用にとどまっているとしています。従ってマイカー利用者を受け入れるためには駐車場の確保が最大の課題なのですが、しかしビッグアーチ周辺の遊休地を利用する、と言う現在のやり方は行き詰まりつつあるとのこと。周辺地域の開発が進む中で、駐車場として確保できる土地が減少する一方なのだそうです。逆に周辺人口の拡大に伴ってバスの便が増えてきていると言うこともあるので、観客を公共交通機関利用に誘導することがアクセス改善の最良の手段である、と考えているそうです。クラブとしては今後も駐車場の確保やシャトルバスの増便に力を入れる予定ですが、ただ土地所有者とバス会社との関係や経費の問題もあってなかなか思う通りには行かないとのこと。今後はスポンサーや自治体とも協力して、改善の方向を探ることになるそうです。
 私が東広島に住んでいた頃は、いつもマイカーで行っていました。高速道路に乗って五日市ICか西風新都ICで下りれば10分程度でビッグアーチに到着するので、試合終了後の渋滞さえ我慢すればアクセスは快適でした。特にキックオフの4時間前に行けばバックスタンド裏の駐車場に入ることが出来たのでいつも早めの到着を心がけていたのですが、しかし最近は近隣の駐車場が減ってマイカー利用が不便になった、と聞いています。横川駅からのシャトルバスは時間も短く料金も安いので、今であればJRで横川まで行ってシャトルバスに乗って行くのではないかと思います。駐車場確保には継続して取り組んで欲しいのですが、使える土地が減っている以上は努力にも限界があるのは明白。となると我々サポーター自身が、アクセスに対する考え方を変えなければならない時が来ているのではないか、と思います。
 しかしそれ以上に思うのは、ビッグアーチが公共施設である以上アクセスに対する責任は行政にもある、ということです。本来アストラムラインは広域公園が終点ではなく、商工センターまで延伸して両方向から広島市内と繋がる予定だったはず。資金面でどうにもならないのは理解できますが、しかしラインが中途半端に終わっている事でビッグアーチへのアクセスに多大な影響を及ぼしているのも確かです。行政が広域公園とそれをとりまく環境を整備する義務を十分に果たしていないことが、このアクセス問題の根本原因だということを、市政と県政の担当者にはちゃんと認識して欲しいのです。サンフレッチェは一つの企業体ではありますが、しかし単なる利益追求が目的ではなく広島市民、広島県民の共有の財産でもあるわけで、クラブにアクセス問題でこれ以上の負担を強いるのは間違っている、と言えるのではないでしょうか。
 では、どうすべきなのか。できることなら行政にアストラムラインの延伸や駐車場の確保を自らの責任として取り組んで欲しいところなのですが、しかしそれが無理だとしたらアクセスの良い別の場所を提供してもらうしかない、と思います。例えば、今話題になっている市民球場の跡地。あそこにサンフレッチェのホームスタジアムができるなら、アクセス問題に悩む必要はもうありません。その他にも五日市の埋め立て地など、アクセスが良い広い土地は広島市内にまだ残っているはずです。広島県も広島市も赤字で苦しんでいるのは確かですが、しかしお金が全くないわけではなく、ちゃんと毎年どこかで道路を作ったり建物を造ったりしているのです。これまでは行政は「市民球場の移転が優先」と言うスタンスを貫いてきましたが、それが終わったからには次はサッカー専用スタジアムに取り組んで欲しいもの。行政は原則的には納税者の望むように動くはずなので、広島市民・県民がその声を行政に届けることが、今最も重要なことなのではないでしょうか。
<09.1.13> 昨日国立競技場で行われた高校選手権の決勝で、広島皆実は鹿児島城西に競り勝ち初優勝を果たしました。
 試合は序盤から皆実のペース。ボールを圧倒的に支配し、相手陣内でゲームを進めます。しかし先に得点を奪ったのは鹿児島城西。前半20分、大迫勇が4人に囲まれながらも強引にシュート。これがGKの手を弾いてネットを揺らし、大会記録となる10ゴール目を決めました。しかしその3分後、皆実が同点に追いつきます。左サイドを突破した浜田がファーサイドへクロス。これを佐々木が頭で折り返すと中央に走り込んだ金島が右足で蹴り込みました。更にその10分後には皆実の背番号10・谷本が左サイドから強引にシュート。これが見事にネットに突き刺さり、皆実の1点リードでハーフタイムを迎えました。
 前半は形が作れなかった鹿児島城西でしたが、後半に入って立て直してきます。そして後半17分、途中交代で入った平原が右サイドを突破してクロス。これを野村がワンタッチで決めて再び同点とします。ところがその4分後、今度は右サイド深い位置からのクロスを金島が頭で決めて皆実が勝ち越し。そしてその後は鹿児島城西の強引な攻撃を凌いで、広島県勢としては41年ぶりの優勝を決めました。
 準決勝までの5試合で27得点を挙げてきた「攻め」の鹿児島城西に対して、5試合で1失点と「守り」の広島皆実。持ち味の違う両チームでしたが、しかしどちらもマイボールを大事に繋いで行くパスサッカー、と言う意味では同じ指向性を持ったチームでした。ただ、大迫勇と言う絶対的なエースを持つ鹿児島城西と、強烈な「個」に頼らない広島皆実、と言う違いが、そのパスサッカーの徹底度と言う点に現れていたような気がします。相手が強引に突破を図ってきても、あるいは体力的に厳しい時間帯になっても集中を切らさず戦った皆実が勝ったのは、ある意味必然だったのかも知れません。
 かつては「サッカー御三家」の一つに数えられていた広島ですが、長らく「冬の時代」が続いていました。しかし99年に皆実が高校総体で優勝。その後ライバルとして成長した広島観音も全国大会で上位進出するなど、徐々に結果を残してきました。その裏には、サンフレッチェの下部組織の存在が大きな影響を与えたことは想像に難くありません。全国でも有数の力を持つユースが身近なライバルとして存在すること、またジュニアユース育ちの選手が高校に進むことで、広島の高校サッカーの全体的なレベルが上がったのは間違いない、と思います。皆実の高校選手権優勝は、ここまでの広島県の高校年代のサッカーの育成の成果である、と言って良いのではないでしょうか。
<09.1.12> 第4回サポーターズ・カンファレンスで2番目に壇上に上がったのは織田強化部長で、「選手強化と育成」と言うテーマで話しています。まず今季を昨年のメンバーだけで楽に勝てるとは思っていない、と述べています。ただだからと言って大幅な補強はなく、チームの経営規模や選手層を考えて2、3のポジションで補強する、とのこと。特に2人については即戦力クラスを取るとしています。むしろ重要なのは現有戦力の維持で、基本的には全選手と契約更改できるだろう、と語っています。そして質疑応答では「サイドの選手の育成」について「頭が痛い」と語っており、このポジションでの補強を示唆。「リベロとボランチ両方できる選手との交渉」も認めています。また期限付き移籍中の前田、西河両選手には契約更新のオファーを出しているとしています。更にユースについてですが、昨年の成績については岡本を昇格させたことに原因があった、と考えているとのこと。むしろ今後に向けてはG大阪や京都との競合が厳しくなってきたので、ジュニアユースの世代をどう育てるかを考えている、とのことです。
 以上の織田強化部長の話はその後のミキッチ、中島の獲得や西河の復帰と対応しており、また契約更改も順調。報道によると清水移籍が決まった太田(横浜FC)の獲得に動いていたそうですが、それ以外はほぼ予定通り進んでいると言って良いでしょう。前田については大分に完全移籍の方向、と言う報道が出ていますが、まだ正式に発表されていないと言うことはまだ迷っているということなのか、あるいはクラブ同士の交渉がまとまっていないのか。あとは鳥栖からレンタル中の中林の処遇ぐらいで、今季の戦力はほぼ確定した、と言って良いのではないでしょうか。
 と言うことで、今季所属する(と思われる)選手をポジションごとにあてはめて今季の戦力についてまとめてみます。
GK:下田、佐藤昭、原、中林
リベロ:ストヤノフ、中島
ストッパー:槙野、森脇、盛田、西河、橋内、篠原
守備的MF:森崎和、青山、高柳、岡本、遊佐、横竹、(中島、李)
右WB:ミキッチ、李、楽山、(森脇)
左WB:服部、内田、(楽山、森脇)
攻撃的MF:森崎浩、柏木、高萩、桑田、(高柳、李)
FW:佐藤寿、久保、平繁、清水、ユキッチ、丸谷
 まずGKですが、昨年1年を棒に振った下田が復活できるかどうかにかかっている、と言って良いでしょう。下田がダメでも成長著しい佐藤昭がいるので当面は大丈夫だと思われますが、やはり怪我や出場停止の時にどうするか、が大問題。J1では昨年以上にGKに負担がかかるのは間違いないだけに、場合によっては緊急補強が必要になる可能性もありそうです。
 次に昨年は怪我人の続出でメンバー構成に苦労したDFラインですが、中島と西河の補強でずいぶん層が厚くなった、と言う印象です。特にストッパーは2つのポジションに経験のある選手4人が挑む、と言う形で、橋内、篠原の成長次第では最激戦区になるかも知れません。
 守備的MFと攻撃的MFは相変わらずサンフレッチェで最も層の厚いポジションですが、問題は森崎兄弟のいずれかが抜けたとき。サンフレッチェのサッカーの「肝」とも言えるポジションなだけに、各選手にはいっそうのレベルアップを求めたいものです。
 両WBはミキッチがどれだけやれるかと言うことと、服部のコンディション次第だと言えるでしょう。ミキッチは評判通りの実力ならば、サンフレッチェの攻撃面での重要なオプションとなるはず。国内で見れるのはトルコキャンプから帰ってきてから、と言うことになりますが、非常に楽しみな選手です。一方の服部はこれまで通りフル出場できるなら問題はないのですが、さすがに31歳ともなればそうそう無理ばかりはしていられない、と思われます。両サイドもミキッチ、服部に何かがあったときにどうするか、がポイントとなりそうです。
 FWはワントップで行くかツートップになるかによりますが、佐藤寿が軸になるのは間違いないところ。あとは久保がどれだけコンディションを維持するかと言うことと若手の成長、そしてユキッチがフィットするのを待つことになります。ここも佐藤寿に何かあったときにどうするか、が問題です。
 今年「昇格組」として戦うサンフレッチェですが、しかしレギュラー級のほとんどの選手はJ1での豊富な経験を持っています。最初はスピードに戸惑うことがあるかも知れませんが、すぐに慣れるだろうと思います。ただ、やはり不安はチーム全体としての層の厚さ。特にGK、両サイド、FWは主力に怪我人が出た場合に大問題となることが予想されます。昨年は怪我人の穴を若手が埋めて戦うことができましたが、J1でも同じようにできるかどうか。今年もまたペトロヴィッチ監督は、勝ちを追求しながらチームと選手を成長させる、と言う難しいミッションに挑まなければなりません。その前提として重要なことは、キャンプでしっかりと準備すること。まずは昨年のような怪我人続出のキャンプにならないことを願わずにはいられません。
<09.1.11> 昨日埼玉スタジアム2002で行われた高校選手権準決勝第2試合。広島皆実が鹿島学園を1-0で下して、広島県勢としては40年ぶりに決勝に進出しました。皆実は前半、風上だったこともあって圧倒的にボールを支配。相手にシュートを1本も打たせない一方で、こちらはシュート12本を打って相手ゴールを脅かしましたが、しかし相手GKの好守もあって前半はスコアレスで折り返しました。後半になると風上に立った鹿島学園も前に出てきましたが、しかし素早い集散でペースを譲りません。そして後半12分、中盤でのパス交換から右のスペースに進出していた右SBの村田が中央へクロス。これをエース金島が落ち着いて押し込み、待望の先制点を挙げました。そしてその後も流れを渡すことなくゲームを進め、最後の鹿島学園のパワープレーもはね返してそのまま逃げ切りました。
 この試合は得点差は1点ながら、内容的には皆実の「完勝」とも言える内容だったと思います。皆実の選手はとにかく攻守の切り替えが速く、ボールホルダーに次々とプレッシャーをかけて相手の攻撃を寸断しました。逆にマイボールになったときにはしっかりとボールをつなぐサッカーを展開。非常に良く鍛えられた、レベルの高い組織サッカーだったと思います。決勝の相手の鹿児島城西はこれまで9点を奪った大迫勇を擁していて、チーム総得点も27と大会記録を更新しています。準決勝では4試合連続無失点と堅守を誇っていた前橋育英に対し、一時は1-3でリードされながらも一気に4点を奪って勝っています。「最強の矛」鹿児島城西が勝つか「最強の盾」広島皆実が勝つか。秀でた個人の力を持つ鹿児島城西か組織力の広島皆実か。注目の決勝は明日の14:05から、国立霞ケ丘競技場です。
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