6/13〜6/19のSANFRECCE Diary


<10.6.19> サンフレッチェのメンバーは一昨日、キャンプ地のオーストリアに向けて広島を出発し、19時間の長旅を経てバート・ヴォルターズドルフに到着しました。携帯サイトによると、長時間移動には慣れているはずの佐藤寿ら代表経験者でさえ「正直、今回の移動がこれほど大変だとは思わなかった」とこぼすほどだった、とのこと。到着が夜の9時だったこともあって、まずは疲れを癒すことからキャンプがスタートすることになりそうです。
<10.6.18> 昨日の韓国とアルゼンチンの対戦は、イグアインのハットトリックなどでアルゼンチンが4-1で快勝しました。初戦でギリシアに勝って「史上最強」の呼び声も本物かと思われた韓国でしたが、しかしアルゼンチンの壁は高すぎたと言う印象です。相手を恐れることなく立ち向かったのは良かったのですが、しかしボールを奪いに行っても簡単にかわされ、逆にボールを持っても思うように動かすことができず。アルゼンチンはメッシの力が図抜けていたのは確かですが、しかし他の選手の個人技も高く選手の力の総和でとても敵わない、と言う感じでした。韓国は不運な失点にもめげず、前半終了間際には相手の隙を突いた得点で追いすがったものの「善戦」が限界。特に足が止まった後半に相手の攻撃を抑えるのは難しく、「アジアのトップ」と「世界のトップ」の力の違いを見せつけられたと言えるでしょう。ただ、B組のもう一つの試合でギリシアがナイジェリアに勝ったため、ナイジェリア戦は引き分け以上でグループリーグ突破できる可能性が出てきました。ラウンド16の相手となるA組にはアルゼンチンほどの強敵はいないので、うまく戦えば上位進出も可能なのではないでしょうか。
<10.6.17> 昨日は3試合が行われたW杯ですが、ハイライトはスペインとスイスの試合だったと言えるでしょう。ここ数年間で負けたのは1試合だけ、と言う「無敵艦隊」スペインは、前評判通りの素晴らしいサッカーを見せました。しかしスイスはゴール前をがっちりと固め、集中した守備で得点を許しません。そして後半7分、スイスのゴールキックをデルディヨクがゴール前に持ち込み、GKと絡んだ後のこぼれをフェルナンデスが押し込んで先制。その後のスペインの猛攻も凌ぎきって、スイスが優勝候補のスペインに土を付けました。
 この試合で、スペインはなぜ敗れたか。敢えて敗因を探すとすれば、ここぞというところでのシュートの精度と、先制された後の攻撃が単調になってしまったことだと思います。ただ、それで敗戦を責めるのは酷、と言うものでしょう。スペインのパス回しは間違いなく世界最高レベルのものでしたし、ここぞというところの突破や思い切ったシュートなどアイディアに満ちたシーンも満載で、いつ得点を取っても不思議ではない戦いぶりでした。これまでは期待されても内紛などで自壊することの多かったスペインでしたが、今回はたぶんそんな事はない。まるでバルセロナがそのままW杯に来たと言う錯覚を起こしそうなぐらい、成熟したチームだったように見えたにも関わらずこんな結果になったのは、もちろんスイスの集中した戦いが要因なのですが、しかしそれ以上に「神様の悪戯」だったとしか思えません。
 今年はヨーロッパチャンピオンズリーグでも、準決勝でバルセロナを破ったインテルが決勝でもバイエルンを下して優勝を飾りました。これに見られるように、ボールも人も動く美しいサッカーに対して、それを潰すことで結果のみを追求するような、そう言う流れが優勢になりつつあるような予感もあります。ただ、サッカーの歴史は常に「創り出す者」と「壊す者」のせめぎ合いだったわけで、結局のところそのバランスがわずかに優位に傾いたほうに勝利の女神が微笑むのだ、と思います。今大会は初めてのアフリカ大陸の大会と言うことで、これまでとは違った状況もいろいろと見られるように思いますが、最後はきっと「本当に強いチーム」が勝つはず。スペインにはぜひともこの敗戦でめげないで、より一層このサッカーを磨き抜いて頂点を目指して欲しいと思います。
<10.6.17> 昨日、サンフレッチェは大学生との練習試合を2試合行いました。まず吉備国際大とのメンバーは、GK:西川(→中林46分)、DF:森脇、ストヤノフ、槙野、MF:山岸、中島、横竹、服部、山崎、高萩、FW:佐藤寿で、結果は15-3(前半6-2、後半9-1)。携帯サイトによるとペトロヴィッチ監督が「良くなっていた」と笑顔で語るほどで、運動量もコンビネーションも素晴らしかったそうです。得点は前半12分に高萩のクロスを佐藤寿、19分に山岸のクロスを山崎、21分にストヤノフのスルーパスで飛び出した山崎がループで、25分には攻め上がったストヤノフが決め、31分に寿人からのマイナスのパスを山岸、42分にカウンターから佐藤寿がゲットしました。後半は20分にストヤノフのドリブルを起点に山岸、23分に抜け出した山崎がGKを引きつけて横パスを高萩、24分に服部のクロスを山崎、28分に中島のスルーパスを佐藤寿、29分に右サイドから山崎、31分に佐藤寿のパスを山崎、34分に服部のクロスを山崎、42分に中島のクロスを佐藤寿、45分に山岸のクロスを佐藤寿でした。
 続く日本経済大との対戦のメンバーは、GK:下田(→原46分)、DF:横竹(→砂川46分)、岡本、宗近、MF:ミキッチ(→井波63分)、丸谷、桑田、清水、大崎、高柳、FW:李で、結果は4-2(前半3-1、後半1-1)。こちらは後半にがっくり運動量が落ちて何度もカウンターを浴びてしまったそうです。得点は前半8分に丸谷の飛び出しから李、13分にミキッチのクロスを起点に高柳、40分にミキッチのクロスを李がトラップしてゴールを決め、後半37分に大崎が左サイドから切れ込んで李とのワンツーからゲットしました。
<10.6.16> W杯南アフリカ大会第5日の昨日はグループステージの3試合が行われ、スロバキア×ニュージーランドは1-1、ポルトガル×コートジボアールは0-0でいずれもドロー。ブラジル×北朝鮮は2-1でブラジルが勝ちました。
 まずスロバキアとニュージーランドの試合ですが、ニュージーランドの健闘が目立った試合でした。ニュージーランド代表は欧州のトップリーグで活躍する選手はDFのネルセンのみで、セミプロの選手もいるチームで大会前の前評判は最も低い、と言って良いもの。実際、昨年行われたコンフェデレーションカップでは3戦全敗に終わっているので、今大会も同じ結果になるのではないかと言う予想が一般的でした。それに対してスロバキアは、チェコなどと同居したグループだったにも関わらず予選を首位で通過した実力国で、実際に先制点を奪ったときはこれで終わりかと思ったものです。しかし、ニュージーランドの終盤のパワープレーが功を奏し、ロスタイムのゴールで同点。フィジカルの強さを生かした粘り強い守備と、最後まで諦めない気持ちがこの結果を導いた、と言えるのでは無いでしょうか。
 粘り強さ、と言う意味では、優勝候補筆頭のブラジルに食らいついた北朝鮮も同様でした。どんなにボールを回されピンチになっても食らいつき、失点を2にとどめました。そして後半ロスタイムの、チョン・テセのポストプレーからのチ・ユンナムのゴール。北朝鮮としては44年ぶりとなるW杯における得点は、いろいろな意味で貴重なものだったと言えます。ニュージーランドは勝点1を取っただけ、北朝鮮の勝点はゼロとその結果自体はさほどびっくりするほどの事ではないかも知れないのですが、しかしFIFAランキングで下位にいて「アウトサイダー」的な見方をされていたこの両国の健闘によって、今後のW杯はますます面白くなっていく、と言えるのではないでしょうか。
<10.6.15> 昨日行われたW杯南アフリカ大会の日本のグループリーグ第1戦は、本田のゴールでカメルーンを下し幸先良いスタートを切りました。
 日本代表のメンバーは、GK:川島、DF:駒野、闘莉王、中澤、長友、MF:阿部、遠藤、松井(→岡崎69分)、長谷部(→稲本88分)、本田、FW:大久保(→矢野82分)。対するカメルーンは、GK:ハミドゥ、DF:アスエコト、ヌクル、バソング、エムビア、MF:マクン(→ジェレミ75分)、エノ、マティップ(→エマナ63分)、FW:エトオ、シュポモーティング(→イドリス75分)、ウェボ、と言うメンバーでした。登録上は大久保のワントップながら、実際には本田をセンターに置いた「ゼロトップ」。全員が高い守備意識を持って「絶対に先制点は許さない」と言う姿勢で臨みましたが、それはカメルーンも同じ。前半はどちらも慎重な戦いぶりで、なかなかシュートまで行けない時間帯が続きます。また公式球「ジャブラニ」と高地との組み合わせのためかボールが飛びすぎる感じで、ロングボールも味方に合わないシーンが続きます。そんな中の前半39分、右サイドへの展開のボールを受けた松井が相手をかわして中央にクロスを送ります。中央で競り合いながら潰れる大久保。ファーサイドまで届いたボールを受けた本田が冷静にコースを狙って押し込んで、日本が先制点を奪いました。
 後半は同点を狙って前に出てくるカメルーン。4分にはエトオが右から3人を抜いて突破し、シュボモーティングがシュートしたものの枠外。その後も強引な攻めを見せるものの、日本の守備陣は崩れません。日本はなかなかチャンスを作ることができませんでしたが、後半37分に岡崎がこぼれを狙ったもののシュートはポストを叩きます。その直後にはエンビアのミドルはバーが弾き、こぼれを狙ったエマナのシュートはDFに当たって川島が抑えます。ロスタイムにはウェボのシュートを川島が横っ飛びで防ぎ、日本はW杯での「アウェイ初勝利」を挙げました。
 W杯前の親善試合で4連敗となかなか調子が上がらなかった日本。ボールを繋ぐサッカーがなかなかできず苦しんでいましたが、カメルーン戦はある意味での「割り切り」が勝利を呼んだ、と言えるでしょう。攻撃面では相手DFラインの裏を狙うパスが主体で、またさほど人数をかけることなく早めにシュートを狙っていました。そして特筆すべきは守備の集中力。相手が中盤までボールを持ち込むと2人、3人とボールホルダーにプレスをかけて、自由なパス出しを許しませんでした。またDFラインは連動して突破を許さず、エトオもサイドで孤立するしかありませんでした。昨年までのアジアの戦い、そしてヨーロッパ遠征ではポゼッション主体のサッカーでしたが、それを守備を重視した戦術に切り替え、そしてチーム全体を一つの方向に向かせた岡田監督のチームマネージメントの勝利、と言えるのではないでしょうか?
 グループリーグのもう一つの試合はオランダが2-0でデンマークを下しましたが、2点ともデンマークにとっては不運なもの。オランダの実力が上だったのは間違いないものの、デンマークも強いチームであることを示した試合だったと思います。カメルーンに勝ったのは素晴らしいことでしたが、しかしまだW杯は始まったばかり。日本代表の今後の戦いに期待したいと思います。
<10.6.14> 昨日、クラブユース選手権の中国地区大会が行われ、サンフレッチェユースは鳥取ユースを5-1で下して全国大会の出場権を獲得しました。40分ハーフで行われたこの試合は、GK:桜井(→大野41分)、DF:越智、宗近、脇本(→川森66分)、MF:早瀬、野口、甲元、浅香(→平田69分)、岡本(→柳川73分)、砂川、FW:井波(→野津田69分)、と言うメンバーでした。携帯サイトによると、前半は「どこかに隙があった」(宗近主将)かプレスをまともに受けて、何度もカウンターからピンチを迎えたそうです。そして36分に甲元のシュートがネットを揺さぶったものの直前のハンドを取られてノーゴール。逆に前半ロスタイムにCKから先制点を許して前半を終えました。しかしハーフタイムの檄が効いたのか、あるいは選手たちが気持ちを入れ替えたのかいきなり後半1分にスルーパスで抜け出した甲元が同点ゴール。その2分後には砂川のCKを再び甲元が叩き込んで、わずか3分間で試合をひっくり返しました。更にその後も攻撃の手を緩めず、9分には井波のスルーパスで完全にフリーになった砂川がGKをよく見てゲット。その後さすがにペースは落ちたものの、後半28分には砂川が強烈なミドルを突き刺して4点目を取ります。そして34分、途中から入った柳川のパスを受けた平田のシュートのこぼれを野津田が押し込み、駄目を押しました。
 これまで中国地区にはユースを持つJクラブが無かったためサンフレッチェユースは自動的にクラセンの出場権を獲得していましたが、今年から鳥取が参加したのに続いて、来年度発足する予定の岡山ユースもいずれは参加してくるのではないか、と思われます。鳥取も設立されてまだ3年目と言うことで実力的にはまだまだこれからかも知れませんが、しかし今後は中国地区内での切磋琢磨ができるような存在になって行くのではないでしょうか。
<10.6.13> 昨日のW杯は3試合が行われ、韓国は2-0でギリシアを、アルゼンチンは1-0でナイジェリアを下し、イングランド×アメリカは1-1のドローに終わりました。
 私は韓国×ギリシアを見たのですが、韓国は立ち上がりこそ押し込まれるシーンがあったものの、セットプレーから先制するとその後は落ち着いてゲームをコントロール。朴智星が相手のミスから2点目を奪いその後のギリシアの攻勢もはね返して、見事に初戦をものにしました。今回の韓国代表はベテランと若手が融合して「史上最強」の呼び声が高いのですが、その前評判にふさわしい勝利だったといえます。ただ、アルゼンチンとナイジェリアの試合を見た限りではやはりこちらの実力が1枚も2枚も上。ギリシアに勝ったことでこの2チームに対する挑戦権を得た、とは言えるものの、グループリーグ勝ち抜きの目標達成のための戦いはこれからが本番、と言えそうです。
<10.6.13> 昨日、サンフレッチェは徳島セカンド、九州共立大と練習試合を行いました。
 先に行われた徳島セカンド戦のメンバーは、GK:西川(→中林46分)、DF:森脇、ストヤノフ、槙野、MF:山岸、森崎浩、中島、服部、山崎、高萩、FW:佐藤寿。携帯サイトによると疲れが溜まっていたためか全体的に動きが重かったそうで、32分にショートコーナーから槙野がオーバーヘッドで叩き込んだものの、それ以外にはほとんど決定的なシーンを作れず1-0で前半を折り返しすと、後半2分には右サイドからミドルを叩き込まれて同点に追いつかれてしまいました。後半9分に佐藤寿がPKを決めましたが、その後カウンターから何度もピンチを迎え、左からのクロスとミドルで逆転を喫してしまったのだそうです。しかしその後は吹っ切れたように後ろからどんどん攻め上がり、後半38分には森崎浩のロングパスで抜け出した佐藤寿がループで決めて同点。1分後には山崎のドリブルから高萩が決めて突き放し、何とか5-3でJ1の面目を保ちました。ただ、勝ったとは言え「課題を残した。特に悪いボールの失い方が多かったし、修正しないといけない」と森脇も槙野も厳しい表情だったとのこと。暑さと疲れのある中でもいかに広島らしいサッカーを続けるか、が課題として残ったと言えそうです。
 続く九州共立大戦は、GK:下田(→原46分)、DF:砂川(→井波56分)、岡本、宗近、MF:ミキッチ(→浅香46分)、丸谷、桑田、石川、高柳、清水、FW:李、と言うメンバーでした。こちらは立ち上がりは高いモティベーションで挑んだものの、決定機を決めきれずにいるとがっくりとペースダウンしたとのこと。前半14分に石川のクロスを李が押し込んで先制点を奪ったものの、広島らしいサッカーを見せた、とは言えなかったそうです。そして後半早々に同点に追いつかれ、その後も不安定な戦いが続いたとのこと。後半17分に高柳のスルーパスから、終了間際に石川のクロスからいずれも李が決めて3-1で勝ったものの、「手放しで喜べる内容ではなかった」とのことです。
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