6/20〜6/26のSANFRECCE Diary


<10.6.26> 昨日、W杯のグループリーグの最終戦4試合が行われ、ベスト16が出揃いました。私は早起きしてスペイン×チリを見たのですが、後半立ち上がりにチリが1点を返したところまではスペクタクルな展開だったものの、その後は両チームとも勝ち抜きを優先して安全策を取ったため緊迫感のない試合になってしまいました。逆にスイス×ホンジュラスは、2点差での勝ちが必要なスイスと初勝利に燃えるホンジュラスがぎりぎりの戦いで、なかなか面白い試合だった様子。見る試合の選択を間違えたかも、と言う思いが残りました。
 ところでベスト16ですが、南米勢はブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、チリと出場した全チームが勝ち残りました。これはグループリーグ制が初めて採用された1986年メキシコ大会と1990年イタリア大会に次いで3度目のことですが、どちらの場合も3位での勝ち抜きがあったため南米の全チームがグループ2位以内になったのは史上初と言うことになります。またアジアから2チームが勝ち抜いたのは2002年の日韓大会に次いで2度目。北中米カリブ海からの2チーム勝ち抜きも1994年アメリカ大会と2002年に続いて3度目と言うことになります。逆にヨーロッパ勢が6チームしか勝ち抜けませんでしたが、これまで最少だったのは日韓大会の9チームを大幅に下回るワースト記録。前回のファイナリストだったイタリア、フランスが揃って討ち死にするなど、ヨーロッパ勢にとっては受難の大会になりました。更にアフリカ勢ですが、「地元」だったにも関わらずベスト16に進んだのはガーナだけ。開催国・南アフリカがグループリーグで敗退し、出場6チーム中3チームがグループ最下位に沈むなど期待に応えることができませんでした。
 ここまで見ての感想ですが、大陸ごと、国ごとの力の差は小さくなり、チームとしてのまとまりが結果を大きく左右する、と言う結果になっていると思います。その象徴といえるのがフランスで、アネルカが暴言で強制送還されたり、選手がチーム練習を拒否するなどまさにバラバラ。試合内容もぱっとせず、勝点1で最下位に沈んだのも当然のことと言えるでしょう。逆にニュージーランドは圧倒的な劣勢が予想されたにも関わらず、チーム一丸となって戦い勝点3をゲットしました。そういう意味では日本も同様で、大会前の不調は何だったのかと思うほどの変身ぶりは、ひとえにチームの団結のおかげだと言えます。今後の「負けたら終わり」のノックアウトラウンドは、これまで以上にチーム全体でのまとまりが結果に大きく影響することになるのではないでしょうか?
<10.6.25> W杯南アフリカ大会のグループリーグ第3戦となるデンマーク戦が昨日(日本時間今朝早朝)行われ、日本代表は3-1で勝ってラウンド16進出を決めました。
 日本代表の先発は不動のメンバーで、GK:川島、DF:駒野、闘莉王、中澤、長友、MF:阿部、遠藤(→稲本90+1分)、松井(→岡崎74分)、長谷部、本田、FW:大久保(→今野88分)。対するデンマークは、GK:セーレンセン、DF:アッガー、ヤコブセン、クロルドルップ(→ラーセン56分)、Sポウルセン、MF:Cポウルセン、ヨルゲンセン、(→Jポウルセン34分)、カーレンベルク(→エリクセン63分)、FW:トマソン、ベントナー、ロンメダール、と言うメンバーでした。立ち上がりはデンマークがワンタッチパスを繋いで攻め込んできて、日本は何度か危ない場面を迎えます。しかしポジションを修正して対応して、すぐに逆襲を開始します。前半13分には大久保のクロスに松井が走り込み、右足アウトで狙ったものの惜しくもGK。その直後にも松井のスルーパスに長谷部が抜け出してシュートしたものの枠外。逆に14分にはトマソンに危ないシュートを打たれましたが枠外に外れます。そして17分、右サイド35メートルの距離から本田が放った無回転シュートは、壁を越えて急激に落下しGKの手をかすめてゴールネットを揺らしました。更に30分、今度はゴール正面のFKを遠藤が直接決めて、リードを2点に広げました。その後選手を入れ替えて流れを変えようとするデンマーク。高さを生かそうと、ロングボールを放り込んできます。それに対して日本は中央にブロックを作ってはね返し、また何度かパス交換からチャンスを作ります。後半36分にはPKを与え、川島が止めたもののこぼれを押し込まれて1点差に迫られますが、42分に本田が個人技で抜け出し、横パスを岡崎が押し込んで3点目。この得点がデンマークの反撃の意欲を奪ったようで、最後は余裕を持って逃げ切りピッチ上には青の歓喜の輪ができました。
 引き分け以上でグループリーグ勝ち抜きが決まる日本に対して、勝つしかないデンマーク。立ち上がりはその差が出たのか、デンマークにパスを回されて危ないシーン続出でした。しかしそれで日本代表は腰が引けることなく押し返し、しっかりとした「勝つサッカー」を見せてくれました。最初の2点こそスーパーなFKでゲットしたものでしたが、それ以外にも松井や大久保の抜け出しから良いシーンを作っていて、守り重視だったカメルーン戦やオランダ戦から成長した姿を見せてくれた、と思います。とりわけ、前線でターゲットとなった本田の働きは絶品で、特に後半の苦しい時間帯に高い位置でボールを収めたこと、そして止めとなる岡崎のゴールを導いたことは、味方をおおいに助けました。チーム一丸となって戦うことでここまでまずまずの結果を挙げてきた日本代表が、そのパワーを遺憾なく発揮したベストゲームだった、と言えるのではないでしょうか。次のラウンド16は、今大会好調な南米勢の一角・パラグアイ。勝つにしろ負けるにしろ、次もまた良い試合を見せてくれるのではないかと思います。
<10.6.24> オーストリアキャンプ6日目の昨日は、スロベニアリーグ4位で7/1にUEFAヨーロッパリーグの予選1次ラウンドを控えるNKオリンピア・リュブリャナと対戦し、2-0で勝ちました。この日はコンディション調整や怪我のためレギュラーの半分が欠場して、GK:西川、DF:森脇(→岡本61分)、中島、槙野、MF:石川(→井波76分)、丸谷(→宗近73分)、横竹(→清水26分)、服部(→大崎61分)、桑田、高柳(→青山67分)、FW:佐藤寿(→李46分)、と言うメンバーでした。携帯サイトによると、試合が動いたのは前半2分。高柳がボールを持って前を向くと、スペースに走った石川へスルーパスを送ります。石川はそのまま内側に切れ込んで低いクロスを送ると佐藤寿が押し込んで、広島が先制点を奪いました。そしてその後も広島がワンタッチ、ツータッチでボールを繋ぐ素晴らしいサッカーを展開したとのこと。特に丸谷の運動量が秀逸で、「チーム全体を勇気づけた」のだそうです。26分に「1人試合に入りきっていなかった」横竹に代わって清水が投入されると、彼のドリブルがアクセントになって攻撃が加速します。逆に相手にはほとんど隙を与えず、1-0と言う点差以上の差で前半を折り返しました。後半、これまで頭痛に悩まされていた李が佐藤寿に代わって登場してチャンスに絡みますが、森脇、服部を下げたことによりややチームが停滞したそうです。しかし後半22分に2ヶ月ぶりに青山が実戦のピッチに立つと、「雰囲気がガラリと変わった」とのこと。彼の存在によって丸谷も清水も大崎も活性化し、ほぼワンサイドゲームになったそうです。そして後半37分、広島の波状攻撃から清水がスルーパス。これで抜け出した井波がGKとの1対1を制して追加点を挙げます。試合後には集まった100人ほどの観衆から「ブラボー」の声と暖かい拍手が贈られるほどの完勝で、若手の成長を見ることのできた試合だったとのことです。
<10.6.23> プレスリリースとスカパー!のサイトによると、スカパー!でサンフレッチェのオフィシャル番組「サンフレッチェTV」が開始されることになりました。初回放送日は7/2(金)の午後9時から30分間で、それ以降毎月第一金曜日に初回が放送されます。スカパー!かスカパー!e2の契約をしていれば、サッカー系セットだけでなくいずれのチャンネルを契約していても無料で見ることができる、とのこと。サンフレッチェ専門番組が地上波から消えて久しいだけに、サポーターにとっては待望の番組だと言えるでしょう。なお、スカパー!でクラブ専門番組が放送されるのは5月から始まった浦和の「URAWAチャンネル」に続いてのもの。新潟の「アルビレックスタイムス」とともに2番手となったのは、もしかすると「応援クラブアンケート」の結果が影響しているのかも知れません。
<10.6.22> 携帯サイトとオフィシャルサイトによると、昨日から青山が実戦練習に復帰し、控え組のボランチとして感覚を確かめながらプレーしていたそうです。また盛田が別メニューながらボールを使った練習を開始し、篠原もランニングのスピードが上がってきたそうですが、李が前日に引き続いて体調不良で練習できなかったとのこと。またミキッチが一昨日の試合中に傷めた左大腿部の、中林が左手首の違和感のため別メニューになっているそうです。森脇、ストヤノフも本調子では無いらしく、オーストリアキャンプの間にどこまで選手の状態が上がってくるか、が注目点だと言えそうです。
<10.6.22> 昨日のW杯は、3試合行われたうちポルトガル×北朝鮮をテレビ観戦しました。結果は7-0とポルトガルが実力差を見せたわけですが、しかし試合途中まではとてもそんな結果になるとは思えない展開でした。北朝鮮は試合当初から非常に積極的で、タイトな守備で相手の攻撃を封じていただけでなく時折危険なカウンターで相手を脅かしていました。特に前半11分のチャ・ジョンヒョクの強烈なシュートや18分のホン・ヨンジョのシュート等のシーンは、入っていても不思議ではない質のもの。前半29分にチアゴの素晴らしいスルーパスからメイレレスのゴールが決まってポルトガルが先制したものの、前半のポルトガルの選手の顔には緊張感が一杯でどちらに転ぶか分からない、と言う雰囲気でした。しかし後半、立ち上がりの時間を凌ぐとポルトガルが一気に加速します。8分にはシモンのシュートが決まってリードを広げると、その3分後には完全にDFラインの裏を取ってアウメイダが追加点。これですっかり余裕の出たポルトガルは北朝鮮の必死の反撃を受け流すと次々とゴールを陥れ、終わってみれば今大会最多得点でポルトガルが圧勝しました。
 FIFAランキングで3位のポルトガルに対して北朝鮮は103位。そういう意味で言えばこの結果は妥当なのですが、ただ試合内容的にそこまで差があったか、と言うとそんなことはなかったと思います。この試合で負けると敗退が決まる北朝鮮は勝ちを狙ってチャレンジしたわけで、途中まではその意図は当たりかけていました。少なくともボールに向かって行く執念やゴールを狙う意思は素晴らしく、パスの精度がもう少し高ければもっとチャンスは多かったはず。少なくとも負けたくない両チームがゴール前を固めて守りあう試合に比べると、遥かに面白い試合だったと思います。
<10.6.21> オーストリアキャンプ3日目の昨日はホテルから車で1時間ぐらいのライプニッツを訪れ、オーストリアブンデスリーガ1部のカプフェンベルグと対戦し、4-6で敗れました。オフィシャルサイトによると前半のメンバーは、GK:西川、DF:森脇、ストヤノフ、槙野、MF:山岸、中島、森崎浩、服部、山崎、高萩、FW:佐藤寿。13分に高萩が自らのシュートのこぼれを押し込んで幸先よく先制点を奪いましたが、22分にはFKから同点に追いつかれ、その後運動量が落ちて35分にカウンターから失点しハーフタイムとなりました。後半からはメンバーを全員入れ替えて、GK:下田、DF:石川、岡本、横竹、清水、MF:ミキッチ(→宗近76分)、丸谷、大崎、高柳、桑田、FW:井波。メンバーの関係か珍しく4バックの布陣で戦いましたが、「立ち上がりは少し恐れてしまっていた」(ペトロヴィッチ監督)こともあって、後半10分、11分に続けて失点。13分に桑田がPKを決めて1点を返したものの、18分と20分にも失点して4点差となりました。その後盛り返して27分に清水、34分に丸谷のゴールで追いすがったものの時既に遅し、と言う感じでした。
 なお携帯サイトによると、この日のライプニッツはとても練習試合とは思えないような雰囲気だったとのこと。市民たちの寄付によってできたクラブハウスのこけら落しのゲームだったと言うこともあって、ブラスバンドの演奏やエスコートキッズと一緒の入場などまるで国際試合のようだったそうです。そして「日本の代表」として紹介された広島は立ち上がりから軽快なパス回しでゲームを支配し、高萩のゴールで先制点を奪いました。しかし相手の高さを生かした攻撃で失点するとその後はリズムを崩し、引いた守備と悪い奪われ方からのカウンターに苦しめられた前半だったそうです。続いて後半は「最初はびびってしまった」(ペトロヴィッチ監督)ようで、わずか10分間で4点を献上。ミドルシュート2発と長距離FK、そして微妙なPKと守備を崩されたわけではないものの、腰の引けた戦いで大量リードを許しました。しかしその後はアグレッシブさを取り戻して反撃し、最後に2点を奪って意地を見せた試合だったとのこと。ペトロヴィッチ監督は若手の中では丸谷と井波を評価していたそうですが、逆にトップでの経験の豊富な桑田、高柳、横竹には厳しい言葉を残しています。オーストリアキャンプの初戦は、収穫とともに課題を多く発見した試合だった、と言えそうです。
<10.6.20> W杯南アフリカ大会のグループリーグ第2戦。日本は優勝候補の一角オランダに善戦しましたが及ばず、0-1で敗れました。
 日本代表の先発はカメルーン戦と同じで、GK:川島、DF:駒野、闘莉王、中澤、長友、MF:阿部、遠藤、松井(→中村俊64分)、長谷部(→岡崎77分)、本田、FW:大久保(→玉田77分)。対するオランダは、GK:ステケレンブルフ、DF:ファンデルビール、ヘイティンガ、マタイセン、ファンブロンクホルスト、MF:ファンボメル、デヨング、スナイデル(→アフェライ83分)、ファンデルファールト(→エリア72分)、FW:カイト、ファンペルシー(→フンテラール88分)、と言うメンバーでした。予想どおり、立ち上がりからボールを支配するオランダ。しかし日本は引きぎみの布陣ながらもボールホルダーにプレスをかけ続け、オランダに自由なゲームメイクを許しません。逆に前半11分には松井のパスを長友がシュート。36分にはFKを闘莉王がヘディングシュートするなどチャンスの多さはむしろ日本。オランダの前半唯一のチャンスは右サイドからのファンデルファールトのロングシュートでしたがこれも川島ががっちりと押さえ、プラン通りの戦いで前半はスコアレスで折り返しました。
 後半に入るとオランダがいちだんシフトを上げた、と言う感じでどんどん日本の陣内に攻め込んできて、2分のスナイデルのシュート、3分のファンペルシーのヘッドなどで日本のゴールを脅かします。そして後半8分、クリアのこぼれを拾ったスナイデルが強烈なミドルシュート。川島は反応したものの飛びすぎて前に弾けず、ついに先制点を許してしまいました。守ってばかりはいられなくなった日本は反撃を開始し、11分と12分の大久保のシュート等チャンスを作ります。また15分にも遠藤のクロスに闘莉王が飛び込み、20分にも大久保がシュートを放ちます。エリア、アフェライと速い選手を投入し、カウンターからの追加点を狙うオランダ。40分と43分には抜け出したアフェライが決定的なシーンを作りますが、川島が見事なセーブを見せて得点を許しません。逆に日本は45分、ロングフィードを闘莉王が落とし、岡崎がシュートしましたが枠を捉えることができません。日本は最後まで攻め続けたもののオランダの守備陣を崩すことはできず、残念ながら勝点を取るには至りませんでした。
 この試合もカメルーン戦と同様に、日本は「相手の良さを潰す」戦いを仕掛けました。そしてそれは半ばまでは成功し、オランダも焦りが出る一歩手前までは行ったのではないかと思います。そこで勝負を分けたのは、オランダには「飛び道具」があったこと。スナイデルのミドルシュートはさすがワールドクラス、と言うべきもので、手に当てながら弾き出せなかった川島を責めるわけには行かないでしょう。逆にこちらにも岡崎のシュート等チャンスはあったのですが、それを決めきれなかったことが敗戦の要因だった、と言えます。見るからに出来が悪かったカメルーンに比べてオランダはいつも通りだったことを考えると、ここまでぎりぎりの試合が出来たことは「善戦だった」と評価して良いと思います。悔しい気持ちとちょっとだけの自信を得て、グループリーグ最後のデンマーク戦に臨むことができるのではないでしょうか。
 E組のもう一つの試合はデンマークが逆転でカメルーンを下して、勝点で日本に並びました。日本が得失点差で上回っているため、次の試合で日本が勝つか引き分ければグループリーグ突破と言うことになります。デンマークは高くて強い守備陣を持ち、ベントナーとロンメダールを中心とした速攻で点を取れるチームですが、日本がこれまで通り規律を持って戦えば勝つのも難しくはないはず。木曜日の「決戦」に期待したいと思います。
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