7/4〜7/10のSANFRECCE Diary


<10.7.10> 日本サッカー協会は今週「第14回国際ユースサッカーIN新潟」に出場するU-17代表を発表し、サンフレッチェユースからは野津田が選ばれました。今回選ばれたのは次の22人。
【GK】田尻(G大阪ユース)、山田(京都U-18)
【DF】西野(G大阪ユース)、鈴木隆(鹿島ユース)、岩波(神戸ユース)、秋山(C大阪U-18)、
    秋野(柏U-18)、菊池(大宮ユース)、植田(大津高)、田口(JFAアカデミー福島)、
    高木(東京VJrユース)
【MF】相馬(柏U-18)、早川(新潟ユース)、野津田(広島ユース)、楠美(東京Vユース)、
    野沢(FC東京U-18)、喜田(横浜FMユース)
【FW】鈴木武(桐生一高)、新城(那覇高)、平(佐賀東高)、南野(C大阪U-18)、
    松本(JFAアカデミー福島)
 1月のメキシコ遠征のメンバーのうち残っているのは田尻、西野、相馬の3人だけとなっています。この年代は所属チームでレギュラーを取れない選手も多いので、成長にばらつきがあってチーム作りが難しいところがあるのではないか、と思います。これから目標とするU-20W杯に向けて、徐々にチーム作りを進めて行くのではないでしょうか。
<10.7.9> 一昨日行われたW杯準決勝のドイツ×スペインは、スペインがプジョルのゴールで1-0でドイツを下しました。
 試合は立ち上がりからスペインペース。特にドイツはミュラーを出場停止で欠いていることもあってか、自陣に押し込まれてなかなか攻撃に出ることができません。それに対してスペインはいつも通りのパスサッカーを展開。特に後半は次々と攻撃を仕掛けてドイツを圧倒します。ドイツのチャンスらしいチャンスは後半24分のクロースのボレーシュートぐらいで、それ以外の時間帯はスペインの一方的な展開となります。そして後半28分、左からのCKをプジョルが味方と競りあいながら頭で決めて先制。その後は前に出てきたドイツの攻撃を耐えつつ時折鋭いカウンターで脅かし、最後はさすがの「ゲルマン魂」も力尽きたと言う感じでスペインが初の決勝進出を果たしました。
 この試合、私はスペインの小都市グラナダで見たのですが、街中の熱狂は凄いものでした。まず、大画面を置いたパブリックビューイングの会場はまるでスタジアムのゴール裏のような感じ。スペイン人たちが密集して大歓声を上げていて、とても外国人が入り込むような隙間は無かったと言う感じでした。また勝った後の街の中はお祭り騒ぎで、スペインの旗を掲げた車がクラクションを鳴らしながら走り回り、ユニフォームや国旗を身に付けたファン・サポーターが夜通しチャントや歓声を上げ続けていました。ただ勝つだけではなく、パスを繋いで攻撃を構築すると言う自分たちのスタイルを貫いて来たスペイン代表。これまでW杯では期待されながら常にその期待を裏切って来ましたが、EURO2008を制したチームが熟成して迎えた今回が優勝の最大にして(少なくとも当面は)最後のチャンスかも知れません。
<10.7.8> 昨日、ファジアーノ岡山とトレーニングマッチを2試合行い、サテライトは2-1、トップは6-2で勝ちました。
 まず「中四国サテライトリーグ」の一環として吉田サッカー公園で行われた試合のメンバーは、GK:下田(→原HT)、DF:宗近、岡本(→越智61分)、練習生(→柳川70分)、MF:石川(→砂川HT)、横竹(→早瀬HT)、丸谷(→野口HT)、清水(→浅香HT)、大崎(→野津田61分)、桑田(→甲元HT)、FW:李(→井波HT)。後半4分に岡山に先制点を許しましたが、ユースだけのメンバーとなった後の後半31分に野口、35分に砂川が決めて逆転勝ちしています。
 続いて広島ビッグアーチで行われたゲームのメンバーは、GK:西川(→中林HT)、森脇(→横竹58分)、ストヤノフ(→青山HT)、槙野(→森脇74分)、MF:ミキッチ(→石川HT)、森崎浩(→丸谷58分)、中島(→岡本58分)、服部(→清水58分)、山崎(→大崎58分)、高柳(→桑田58分)、FW:佐藤寿(→李58分)で、離脱中の森崎和、盛田の他に高萩は腰痛、山岸はふくらはぎの違和感で大事を取っています。
 携帯サイトによると連日の2部練習の疲れのためか、立ち上がりは岡山にパスを回されゴール前に迫られるシーンもあったそうです。しかし11分に横パスをカットした山崎が決定的なシュートを放ったあたりからペースを奪うと、前半21分に高柳のパスを受けた服部がクロス。最後はフリーになっていた高柳が押し込んで先制点を奪いました。続いて41分にはストヤノフの縦パスを受けた山崎が反転してフリーになると、最後は落ち着いて決めて2-0で前半を折り返しました。数人を入れ替えた後半も広島がペースを握ったものの、後半12分にCKに飛び出した中林が触れず失点してしまったとのこと。その直後に一気に選手を入れ替えたため、トップチームにとっては余り良いイメージで終わることができなかったそうです。
 しかし、そんな雰囲気を一変させたのが途中出場の選手たちで、青山に引っ張られるように素晴らしいプレーを連発して見せたそうです。後半18分には清水の仕掛けに槙野が絡み、パスを受けた大崎がミドルを叩き込んで3点目。その3分後には右サイドに飛び出した李のマイナスのクロスを桑田、大崎が繋ぎ、最後は丸谷が押し込んで4点目を奪い、更に28分には李のポストから青山が美しいループを決めます。その後PKで1点を返されたものの、その1分後に青山が李のシュートのこぼれを押し込んで6点目を奪って試合を締めました。試合後のペトロヴィッチ監督は「できたこともできなかったこともあった」と慎重な姿勢を見せていますが、青山やミキッチ、ストヤノフが戻ってきて調子を上げてきていること、清水や大崎がオーストリアからの好調を維持している事など、ポジティブな面が多く見られた試合だったと言えそうです。
<10.7.7> 昨日行われたW杯準決勝の第1試合は、オランダが3-2でウルグアイを下して3度目の決勝進出を果たしました。
 ロッベンが復帰してほぼフルメンバーのオランダに対して、スアレスとフシレを出場停止で欠くウルグアイ。オランダ優勢が予想された試合は、前半18分にファン・ブロンクホルストがロングシュートを決めて早い時間帯にリードを奪いました。これに対してウルグアイも負けずに前半41分にフォルランが強烈なミドルシュート。一進一退の攻防は後半勝負に持ち込まれました。後半開始と同時に積極的な選手交代を行ったオランダが、主にボールを支配しましたが、ウルグアイもしっかりとボールを繋いで相手ゴールまで攻め込み目の話せない展開が続きます。そして後半25分、オランダがショートパスを繋いでウルグアイの守備網に穴を開けると、オフサイドぎりぎりのタイミングでフリーになったスナイデルがシュートを決めて勝ち越し。更に3分後には左サイドからのカイトのクロスをロッベンが戻りながら身体をひねって頭で流し込み、ウルグアイを突き放します。2点リードになって逃げ切り体勢に入ったオランダ。これに対してウルグアイは最後まで諦めずに追いすがり、ロスタイムにはFKを横に流すとM・ペレイラがDFを回り込むような軌道のシュートを決めて1点差に詰め寄ります。そしてその後もロングボールを放り込んでオランダゴールに迫りましたが、オランダ守備陣も必死で守りきって粘るウルグアイを振り切りました。
 ここまで結果に内容が伴わないと言う感もあったオランダ。逆にウルグアイは守備の堅さと勝負強さで勝ち上がってきましたが、この準決勝はどちらも持ち味を最大限に発揮した試合だったと思います。オランダはショートパスの繋ぎにロッベンのドリブルがアクセントになって、グループリーグとは別のチームになっていましたし、ウルグアイもスアレスを欠きながらも堂々と対抗しました。試合を決めたのは個の力、それもちょっとした差が決定的な違いを生んだと言う感じでしたが、そのベースにはチーム全体で勝利に執着する、と言う点でのまとまりがあったからだと思います。その点でわずかにウルグアイを上回ったオランダが、ドイツとスペインの勝者を迎え撃つことのなります。
<10.7.6> 日本クラブユースサッカー連盟は昨日、adidas CUP 2010 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会(通称クラセン)の組み合わせを発表し、サンフレッチェユースはFC東京U-18、三菱養和SCユース、京都サンガU-18と一緒のDグループになりました。FC東京U-18は関東地域2位、三菱養和SCユースは関東地域6位で、いずれもここ数年はトップレベルの力を維持しています。また京都サンガは関西地域3位ですが侮るわけには行きません。確実にグループリーグを突破できるのは1位だけで、2位6チームのうち上位2チームだけがトーナメントに勝ち残れると言う厳しいレギュレーションのクラセン。「死の組」となったDグループを勝ち抜くためには、実力だけでなく運も必要かも知れません。
<10.7.5> 一昨日、プリンスリーグのセカンドラウンドが始まり、サンフレッチェユースは立正大淞南と3-3で引き分けました。携帯サイトによると脇本を右足首捻挫で、早瀬を発熱で欠いたため帰国したばかりの宗近を先発起用せざるを得なかったとのこと。その上朝から降り続く雨のため、ピッチ上には水たまりが浮かんでいる状態で、なかなか広島らしいサッカーができなかったそうです。そして7分、相手FW加藤のドリブル突破から先制点を許してしまいます。その後猛攻を仕掛けてようやく41分に砂川のシュートで追いついたものの、後半26分にセットプレーから、31分にはカウンターから失点して2点のリードを許してしまいました。そこで森山監督は宗近をトップに上げ、その後はストッパーの亀島や柳川まで上がるスクランブル体制をとって攻め、37分にFKから川森が押し込んで1点差。更にロングボールのこぼれを宗近が叩き込み、広島ユースの意地を見せて同点に追いついた試合だった、とのことです。プリンスリーグセカンドラウンド上位リーグのもう一つの試合は広島観音が3-0で米子北を下したため、広島ユースが勝点17で首位を守ったものの2位広島観音が勝点16、3位米子北と4位立正大淞南が勝点14となりました。
<10.7.4> 昨日はW杯の準々決勝2試合が行われ、ドイツが大差でアルゼンチンを破ったのに対してスペインはパラグアイ相手に苦しんだものの1-0で勝ち抜き、Euro2008のファイナルのカードが準決勝で実現することになりました。
 このうちスペイン×パラグアイは、立ち上がりこそパラグアイが積極的に前に出たものの、その後は予想通り「攻めるスペイン×守るパラグアイ」と言う展開。そしてこれも予想通り、スペインは何とか守備をこじ開けようとするもののパラグアイの堅い守備は崩れない、と言う流れが続きます。逆にパラグアイは、35分の左からのクロスにサンタナが頭から飛び込んだり、41分にオフサイドながらスペインゴールを揺らしたり、と良い形を作ります。そして後半12分、カルドソがペナの中でピケに倒されてパラグアイがPKを獲得します。しかしカルドソが蹴ったボールはカシージャスが完璧に読み切ってストップ。逆にその1分後、今度はビジャが倒されてスペインにPKをゲットします。ここでシャビ・アロンソが蹴ったボールは一度はネットを揺らしたものの、ボールに触れる前に味方がエリア内に侵入したということで蹴り直し。そして2度目はビジャールが素晴らしい反応で弾き、詰めていたセルヒオ・ラモスのシュートもDFがブロックして得点ならず。両チームとも最大のチャンスを生かす事ができずに終盤勝負にもつれ込みました。
 その後はどちらも運動量が落ちてオープンな戦いとなりましたが、いずれもゴール前での守備の集中が高くじりじりした展開が続きます。そして後半38分、イニエスタがドリブルで持ち込んでDFを引きつけ右サイドのペドロへのパス。完全にフリーになったペドロのシュートは惜しくも左ポストに弾かれましたが、これを拾ったビジャがシュート。このボールも右のポストに弾かれたものの、跳ね返ったボールは逆サイドのポストに当たってゴール内へ。スペインがやっとのことで先制点を挙げました。この後、パラグアイも最後の力を振り絞って攻撃に転じたものの、後半44分のバリオスのシュートもGKに弾かれてジ・エンド。スペインが苦しみながら初めて「ベスト8の壁」を突破しました。
 私は昨日はたまたまマドリードに滞在していたので、宿泊しているホテルのレストランでスペイン人たちと一緒にテレビを見ていました。そして試合展開を反映して、途中まで盛り上がるシーンはほとんど無し。たまに素晴らしいパス回しや単独突破で沸くシーンはあるものの、みんなビールを飲みながら緊張して見ていると言う感じでした。その中で最も静かになったのはパラグアイにPKを与えたシーンだったのですが、しかしこれをカシージャスが止めたときに最初の大爆発。続けてシャビ・アロンソのPKがゴールネットを揺らしたときには、勝ったような大騒ぎが沸き起こりました。しかし冷静になって画面に目を移すとPKの蹴り直しになっていて、この時点で既にPK失敗は約束されていたような雰囲気となってしまいます。期待されながらW杯では結果を出すことができない「いつものスペイン」の思い出が蘇ったのか、がっくりと席にもたれて半分諦めたような人の姿も見えました。そしてペドロのシュートがバーを叩いたときにも「またか」と言う空気が流れたのですが、しかしそれを全てひっくり返したビジャの素晴らしいゴール。この試合はスペインは選手もサポーターも一体となって、W杯の「ベスト8の壁」を乗り越えたように思います。
 ベスト8まではほぼ順調に強豪国が勝ち上がってきた今回の南アフリカW杯でしたが、一昨日はブラジルがまさかの敗退。また昨日はアルゼンチンがドイツに大敗して、4強はドイツ、オランダ、スペインの欧州3国にウルグアイと言うことになりました。ここまでの流れを見ると、若手の力で一試合ごとに成長してきたドイツが一番手で、これをオランダ、スペイン、ウルグアイが追いかけると言う感じに見えますが、しかしどう転ぶか分からないのが今回のW杯。優勝経験の無い国が優勝するのは地元開催以外ありえない、と言うのがこれまでのW杯の常識でしたが、もしかすると「開催国はグループリーグ敗退しない」と言うジンクスが破れたのと同じように、W杯の新たなページが開かれようとしているのかも知れません。
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