9/26〜10/2のSANFRECCE Diary


<10.10.2> 携帯サイトによると、今日の試合には森崎兄弟が揃ってベンチ入りすることになりそう。また中国新聞によるとストヤノフが先発予想に入っています。ただ、怪我人の状況は当日になってみないと分からないところもあるので、他の元気な選手(特に西川や李、高萩、高柳ら)がどれだけ頑張るか、が今日の試合の趨勢を決めることになるのではないでしょうか?
 今日の試合会場は西京極総合運動公園陸上競技場で、午後1時キックオフ。テレビはスカパー!ch182(SD画質)とch192(HD画質)、スカパー!e2のch802(SD画質)、及びKBSラジオで生放送が、またKBS京都で午後7時から録画放送が予定されています。今日はブログでの速報はありませんので、スタジアムに行けない&テレビを見れない方は携帯サイトの速報をどうぞ。
<10.10.1> 明日はアウェイで第25節京都戦を戦います。
 低迷を打破するために秋田監督が就任した京都ですが、徐々に内容は良くなってはいるものの最下位との勝点差なしの17位で、残留争いから抜け出す目処は立っていません。前回の対戦以降の戦績は次の通り。
16A ●0-3 広島  【広】槙野、佐藤寿2
17H ●0-2 新潟  【新】チョウ、OG
18H △0-1 C大阪 【C】家長
19A △2-2 湘南  【京】金、柳沢、【湘】田原、エメルソン
20H ●1-2 横浜FM 【京】中村、【横】OG
21A ●0-1 名古屋 【名】金崎
天2 ○3-2 佐川印刷【京】水本、ディエゴ、角田、【佐】塩沢、葛島
22H ○3-0 神戸  【京】ドゥトラ、ディエゴ、渡邉
23A △1-1 新潟  【京】郭、【新】ミシェウ
24H ●0-1 磐田  【磐】前田
 前節は開始早々に失点し、その後何とか追いつこうとボールを支配して攻めたものの決定機まで持ち込めず、磐田にうまくコントロールされたままゲームを終えて勝点を積み上げることができませんでした。このところ失点は減っているので、後の課題は得点を奪うことと言う感じなのですが、何かきっかけや事故があれば点は入るもの。神戸戦のように先に点を取れば守備を固めてカウンターと言う戦いをしてくるのは間違いないだけに、明日はどちらが先制点を取るか、がポイントになると思います。
 対するサンフレッチェですが、清水戦から中2日と言うことで誰を起用し誰を休ませるか、が問題です。森崎浩や山崎、山岸の状態が分からないのでメンバー予想は難しいのですが、例えば次のような布陣で戦う可能性があるのではないでしょうか。
 
        西川
 
   森脇  ストヤノフ  槙野

     青山    中島

山岸              服部

    高萩      高柳

         李
 
 
SUB:中林、横竹、森崎浩、丸谷、山岸、桑田、大崎
 リーグ戦は3試合連続引き分けで順位もじりじりと下がってきていますが、離脱者が続出する中でも内容は良くなっており勝利までもう一歩、と言う感じになっています。明日も1時キックオフと言ういささか厳しい条件での試合となりますが、ぜひ勝点3を取って上位進出の足がかりをつくって欲しい、と思います。
<10.10.1> 日本サッカー協会は昨日、アルゼンチン戦と韓国戦に臨む日本代表を発表し、広島からは西川と槙野が選出されました。今回選ばれたのは次の25人。
【GK】川島(リールス)、西川(広島)、権田(FC東京)
【DF】闘莉王(名古屋)、駒野(磐田)、栗原(横浜FM)、伊野波(鹿島)、
    長友(チェゼーナ)、槙野(広島)、内田(シャルケ)
【MF】遠藤(G大阪)、中村(川崎F)、阿部(レスターC)、今野(FC東京)、
    長谷部(ヴォルフスブルグ)、本田拓(清水)、細貝(浦和)
【FW】松井(トム)、前田(磐田)、関口(仙台)、岡崎(清水)、
    本田圭(CSKAモスクワ)、森本(カターニャ)、金崎(名古屋)、
    香川(ドルトムント)
 原監督代行が選んだ前回の日本代表から楢崎(名古屋)、中澤(横浜FM)、岩政(鹿島)、橋本(G大阪)、藤本(清水)、乾(C大阪)が外れ、西川、権田、内田、阿部、前田、金崎が復帰。また伊野波、本田拓、関口が初めて選出されました。今回の代表は10/8と10/12に試合があるので、選ばれたメンバーは10/9, 11, 13に行われる天皇杯3回戦と10/10のナビスコ杯準決勝2nd legには出場できない事になります。ザッケローニ監督の元での初めての代表と言うことで、西川と槙野にはしっかりと頑張ってきて欲しいと思います。
<10.9.30>  昨日ホームでナビスコカップ準決勝1st legの清水戦を戦い、2-1で勝ちました。
 サンフレッチェのメンバーは鹿島戦と同じで、以下の布陣でスタートしました。
 
        西川
 
   横竹   中島   槙野

     青山   森崎和(→ストヤノフ71分)
     (→丸谷84分)
森脇              服部

    高萩      高柳(→大崎80分)
    (→大崎75分)
         李
 
 
SUB:中林、岡本、山岸、桑田
 対する清水はリーグ戦を考えて主力数名を温存して、GK:西部、DF:辻尾、平岡、ボスナー、太田、MF:山本真、兵働(→本田60分)、伊東、FW:大前(→岡崎64分)、原(→長沢81分)、枝村、と言うメンバーでした。立ち上がりは慎重だった広島でしたが、7分に森脇のクロスを李がヘディングで狙ったのをきっかけに徐々にペースをつかみます。11分には高柳が狙ったもののGK正面。15分には高柳のシュートがDFに当たり、こぼれを拾って李がシュートしましたがこれもGKに抑えられます。22分には槙野の強烈なシュート、23分にもCKから森脇が狙いましたがこれもGKにセーブされます。更に26分の高柳のシュートや30分に高萩がCKを直接狙ったシーン、37分に服部が高い位置でボールを奪いがら空きのゴールに向かった李にパスを出したシーン、直後に森脇が左足で狙ったシーンなどサンフが多彩な攻撃で攻め続けますが、西部の好セーブ連発でなかなか点が取れません。逆に清水は前半ロスタイムにFKに大前が頭で合わましたが枠を外れます。攻める広島、守る清水と言う流れは後半も続き、サンフはあの手この手で守備を崩そうとします。そして後半9分、中島の攻め上がりからショートパスを繋いで高萩が抜け出してゴール前にパス。ここにDFと競り合いながら李が飛び込んで押し込み、ついに広島が先制点を奪いました。
 守ってばかりいられなくなった清水は、本田と岡崎を投入して流れを変えようとします。18分には中島が惜しいシュートを放ちますが、逆に21分には岡崎にヘディングで狙われます。しかし後半23分、カウンターから李が持ち込んでDFを引きつけて出した優しいパスを高萩が浮かして決めて、広島がリードを2点に広げました。
 ペトロヴィッチ監督は森崎和に代えてストヤノフを投入し、守備を固めて逃げ切ろうとします。逆に清水は何とか点を取ろうとロングボールを放り込んできます。そして後半30分、山本真の右からのクロスをストヤノフが頭でクリアしようとします。しかしうまくヒットできずに流れたボールに西川が反応したもののこぼれを枝村に押し込まれ、痛い1点を奪われてしまいました。
 その後は両チームともに「もう1点」を狙って激しく攻め合います。34分には槙野がボレーで狙ったものの西部がスーパーセーブ。37分には太田のクロスに岡崎が合わせましたが枠外に外れます。41分には大崎がドリブル突破してシュートまで行ったものの李の背中に当たってしまい、44分にもドリブル突破からシュート体勢に入ったところで軸足を払われましたがPKをもらうことができません。ロスタイムの4分もお互い攻め続けたものの決めきれず、2-1で広島での「前半」を終えることになりました。
 ヨンセン、小野ら主力を欠いた清水は迫力と言う点ではやや欠けていたのは確かですが、大前のドリブルや原、枝村らの運動量は脅威でしたし守備の集中力も素晴らしく、さすが長谷川監督が5年間かけて作ってきたチームだと思いました。しかし、サンフレッチェはサッカーの質で清水を上回っていたと思います。特に良かったのは、前線の3人のプレー。特に李は2得点に絡んだだけでなく、前線でDFに取り囲まれながらも高い確率でボールを収め、味方の攻撃に繋げました。またチャンスがあればどんどんシュートを打って、相手守備陣を脅かしました。「まだまだ寿人さんの足下にも及ばない」と語ってはいますが、佐藤寿とは違うワントップ像を確立してサンフレッチェのサッカーに新しい形を作りつつある、と言えるのではないでしょうか。また高萩も高柳もそれぞれ自分の形での推進力を発揮していましたし、槙野、森脇は両サイドから何度も形を作っていました。そして彼らのパワーを引き出したのは、森崎和、青山、中島の長短のパス。守備もストヤノフのクリアミス以外は安定していて、本来であれば3-0か4-0で勝つべき試合だったように思います。相変わらず離脱者続出でメンバー構成は苦しいのですが、その状況を逆手にとるように若手がどんどん伸びてきて、サンフレッチェの新しい形を作りつつあることを示した試合だった、と言えるでしょう。次の準決勝2nd legは横竹が出場停止。また日本代表に選出されればその選手も出ることはできませんが、代わりに出る選手がまた新しい形を見せて、きっと決勝への切符を勝ち取ってくれるのではないでしょうか?

速報前半 後半
日刊スポーツスコア速報
中国新聞戦評 コーナーフラッグ 中国新聞記事 
J's GOALゲームサマリー
Jリーグプレビュー&レポート

<10.9.29> 携帯サイトによると、ストヤノフはベンチに入れるものの森崎浩は休ませるとのこと。「鹿島戦はいい試合だったし、特に変える理由はない。できれば同じメンバーで臨みたい」と言うことなので、今日は鹿島戦と同じ先発で戦うことになりそうです。一方の清水ですが、J's GOALによると週末の鹿島戦を見据えてメンバーを入れ替え、前線に原や大前を使いボランチにはベテラン・伊東輝悦を起用することになりそうだ、とのこと。負けないことを優先した戦いを選択されると、やりにくい試合になるかも知れません。
 今日の試合会場は広島ビッグアーチで、午後7時キックオフ。試合前イベントとしては、スタジアム限定音楽番組「GO〜L@ビッグアーチ」を5時から、ファンクラブサロン前では「ナビスコキッズイレブン〜クラブとともにファイナルを目指そう!」を4時半から、メイン総合案内前では「フェイスペイント」を4時から、メイン側おまつり広場では「選手へ届けよう!激励メッセージ記入コーナー」を4時から、そして場内のスクリーンでは「寿人と共に行くぞ国立」を6時から放映します。来場プレゼントとしては、槙野選手の「ヤマザキナビスコカップ1,000試合達成記念カード」をご来場者全員に。サンフレッチェクラブ会員限定の「プレミアム選手カード」は、サンチェ・フレッチェのデザインで先着3,000名様となっています。
 テレビはCSのフジテレビONEで生放送。またテレビ新広島で録画放送が予定されています。今日はブログでの速報をしますので、スタジアムに行けない&テレビを見れないかたはそちらをご覧下さい。
<10.9.28> 明日はナビスコ杯の準決勝1st legを清水エスパルスと戦います。
 予選グループB組を6勝3分け2敗で突破した清水は、準々決勝では2試合とも引き分けたもののアウェイでの1ゴールがアドバンテージとなって、3年連続でのベスト4進出を勝ち取りました。リーグ戦再開後の公式戦の戦績は次の通り。
13H △0-0 磐田
14A △3-3 名古屋 【清】ヨンセン、岡崎、ボスナー、【名】玉田2、金崎
15H ○3-2 C大阪 【清】兵働、藤本、岡崎、【C】OG、マルチネス
16A ○6-3 湘南  【清】ヨンセン3、兵働、岡崎、藤本、【湘】エメルソン2、中村
17H ○2-1 鹿島  【清】藤本、枝村、【鹿】興梠
18H ●1-2 横浜FM 【清】岡崎、【横】兵藤、中村
19A ●1-4 新潟  【清】原、【新】マルシオ・リシャルデス、チョウ2、矢野
20A ●1-2 磐田  【清】太田、【磐】ジウシーニョ、山本康
21H ○2-0 川崎F 【清】藤本、岡崎
NQFA △1-1 FC東京 【清】岡崎、【東】森重
天2 ○2-0 ホンダ 【清】原、長沢
NQFH △0-0 FC東京
22A ●0-3 大宮  【宮】ラファエル、マト、李天秀
23A △1-1 浦和  【清】岡崎、【浦】エジミウソン
24H ●1-5 名古屋 【清】枝村、【名】玉田3、ケネディ2
 リーグ戦は第3節で1位に上がるとその後はずっと1〜2位をキープしてきましたが、第18節で敗れるとその後は急ブレーキがかかったように勝てなくなり、その後は1勝1分け5敗で5位まで落ちてきています。前節は首位・名古屋相手に前半から優位に試合を進め、後半2分に先制点を奪ったもののその後名古屋の逆襲を受け、あっという間に逆転を食らいました。そしてその後は焦る気持ちを逆手に取られて次々と失点し、岩下の退場もあって大敗に終わっています。首位との勝点差が11に開いて優勝の望みが遠のいた今、いかに気持ちを立て直して来るかが明日に向けてのポイントになるのではないでしょうか?
 対するサンフレッチェですが、携帯サイトによるとストヤノフも森崎浩も練習に戻ってきている様子。「回復基調にはあるものの、水曜日の試合に出場できるかどうかはまだ分からない」ようですが、しかしだからと言って森崎和に無理をさせるわけにはいかないでしょう。と言うことで、たぶん2人のうちどちらかは起用すると考えて、明日のメンバーを次のように予想します。
 
        西川
 
   横竹  ストヤノフ  槙野

     青山    中島

森脇              服部

    高萩      高柳

         李
 
 
SUB:中林、丸谷、森崎浩、山岸、桑田、清水、大崎
 清水も市川が離脱中で藤本が怪我、岩下が出場停止と台所事情は苦しいはず。また大宮戦では連戦が原因で大敗を喫する等、チーム全体に疲れもたまっている様子です。ここまで来れば、勝敗は「勝ちたい」と言う気持ちの強さにかかっています。明日はチーム全体で心を一つにして、難敵を打ち破って欲しいと思います。
<10.9.27> サンフレッチェは昨日、ユースの井波靖奈選手のトップ昇格が内定した、と発表しました。井波は石川県の出身で、フィジカルが強く前線で起点になることができ、更にDFラインの裏への飛び出しもできる選手。今季は春のキャンプと夏のキャンプでトップチームに合流し、オリンピア・リュブリャナ戦ではゴールを決めるなど存在感を見せていました。このところ怪我のためユースの試合にも出ていませんが、それでも佐藤寿が離脱した時にペトロヴィッチ監督が代役候補として名前を挙げたほど。トップでの公式戦デビューの機会も早いうちに来るかも知れません。
<10.9.26>  昨日のJリーグ第24節鹿島アントラーズ戦は、後半ロスタイムの失点で引き分けに終わりました。
 発熱のためストヤノフが、疲労のため森崎浩が欠場したものの中島が復帰。また森崎和が4ヶ月ぶりに公式戦に登場して、次の布陣で戦いました。
 
        西川
 
   横竹   中島   槙野

     青山   森崎和(→丸谷63分)

森脇              服部(→山岸70分)

    高萩      高柳(→大崎80分)

         李
 
 
SUB:中林、岡本、桑田、清水
 対する鹿島は、GK:曽ヶ端、DF:新井場、岩政、伊野波、ジウトン(→佐々木83分)、MF:中田、小笠原(→本山71分)、野沢、フェリペ・ガブリエル、FW:興梠(→大迫76分)、マルキーニョス、と言う布陣でした。ベストメンバーの鹿島に対して広島は久々の組み合わせの中盤と言うことで、立ち上がりはどちらかと言うと鹿島のペース。6分にはゴール前で左右に振られ、中央でマルキーニョスにフリーで打たれましたがシュートミスに助けられます。ところが先制点を奪ったのは広島で、前半19分に左サイドを持ち上がった槙野が切り返して右足でクロス。ニアに飛び込んだ李がDFと競り合いながら一瞬先に触ってコースを変えると、ボールは見事に逆サイドのネットに収まりました。
 これで勢いがついた広島は、その後は素晴らしいサッカーを展開します。22分には高萩のスルーパスで抜け出した李がフリーでシュートしたものの曽ヶ端が反応。26分には青山からのボールを高柳がシュートし、高柳は28分にもドリブル突破から左足で狙います。更に32分には槙野のクロスを李が倒れ込みながらもボールを繋ぎ、高萩がDFとGKを良く見てコントロールシュートを打ったもののわずかに枠を捉えることができません。鹿島のチャンスは主にセットプレーからで、CKやロングスローでゴール前に攻め込みます。前半ロスタイムにはCKからフェリペ・ガブリエル、岩政、小笠原に次々とシュートを打たれますがいずれも枠を外れて、1点リードで前半を折り返しました。
 後半も立ち上がりは広島のペース。0分に高柳がドリブルで攻め上がってシュートを狙ったのを手始めに、何度も決定機を作ります。2分の森脇のシュートは曽ヶ端が横っ飛びでセーブし、6分には高柳がループで狙ったものの惜しくもバーの上。7分には李が思い切ってミドルを狙い、15分にはカウンターから森脇がシュートしましたが曽ヶ端の正面。そして21分にも森脇が左足で強烈なシュートを放ちますがボールはバーに弾かれます。しかし後半17分に森崎和が大きな拍手を背にベンチに下がり、その後服部も山岸に交代すると、徐々に流れは鹿島に移って行きます。31分にはセットプレーから大迫がフリーでシュートしたものの西川が弾き、32分にも大迫が頭でそらしたボールに西川が反応します。その後もボールを支配する鹿島。広島はカウンターからチャンスを作ろうとしますがなかなかシュートまで行けません。そしてそのまま逃げ切れるかと思えた後半ロスタイム。大迫の強烈なミドルに西川が反応したものの、手に当たって下に落ちたボールは身体に当たって後ろに転がってそのままゴールラインを割ってしまいます。そしてその後も両チームとも死力を尽くして攻め合ったものの決着はつかず、ホイッスルとともにがっくりとピッチの上に倒れ込みました。
 この試合のポイントは、何と言っても森崎和の4ヶ月ぶりの復帰でしょう。昨年よりもより重かった、と言う「慢性疲労症候群」との戦い。家族と監督、そしてチームメイトの助けも得ながら、一歩一歩階段を上がるように復帰の道を歩んできました。そして自分自身は「自分がイメージした通りのプレーはまだできなかった...自分で『戻った』と言う実感が一番薄い試合でした」と語るように、本当はまだ試合出場は難しい状態だったのかも知れません。ところがピッチ上でプレーする姿は、とてもそんなことを感じさせないような素晴らしいものでした。キープする相手から身体を入れてボールを奪い、正確な予測から相手のパスをカットし、そして針の穴を通すような長短のパスでリズムを作る。まさに「ドクトル・カズ」の名にふさわしい、見事なプレーを見せてくれました。チームが前半20分に先制し、そこから少なくとも後半途中までは相手よりも優位に立てたのは、間違いなく彼の存在があったからだと思います。
 また、これまで出場機会が少なかった選手たちの頑張りも目に付きました。2試合連続で先発した李は、90分を通して前線で身体を張り、また何度もチャレンジして相手の守備陣を脅かしました。先制ゴールはペトロヴィッチ監督の教えを受けてのものだったそうですが、伊野波との競り合いを制してわずかに先にボールに触れてコースを変えて流し込むと言う、高い技術に裏打ちされたゴールでした。広島に来てから1年余り。決意の移籍だったにも関わらずなかなか結果が出せずに苦労してきましたが、エース欠場と言うチームにとっての最大の危機を自分のチャンスに変えたメンタルの強さは、本当に素晴らしいと思います。またリーグ戦は14試合ぶりの先発出場となった高柳。なかなか調子が上がらず一時はベンチにも入れず、天皇杯では監督から「52歳の運動量」と酷評されていましたが、この日は前線からDFラインの前まで走り回ってボールを奪い、またチャンスに絡みました。もともと高いポテンシャルを持ちながらなかなかチームの中で生かせなかった彼らがフィットして来たことは、チームにとって大きな戦力アップになると言えるでしょう。
 試合後にオリヴェイラ監督は「内容からしてみると、勝点3が完璧にとれる試合だった」と語っていましたが、しかし決してそんなことはなかった、と思います。むしろ試合全体を通して見れば広島がゲームを支配していた時間帯も長く、チャンスも量産していました。終盤は確かに相手に攻め込まれて西川のスーパーセーブに助けられていましたが、疲れが出る前に追加点を奪えていれば広島が問題なく勝っていた試合だった、と思います。メンバー構成に苦しむ中で王者相手にこれだけの内容の試合ができたことは、誇って良いことだ言えるでしょう。今週から来週にかけてまた過密日程となりますが、チーム全体で困難を乗り越えて欲しい、と思います。

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