12/4〜12/10のSANFRECCE Diary


<11.12.10> サンフレッチェは昨日、U-22韓国代表のDFファン・ソクホ(黄錫鎬)と、U-18韓国代表のMFイ・デフォン(李大憲)の獲得を発表しました。ファンは速さと強さを併せ持ち、パスセンスもあるDFだとのこと。欧州移籍を目指していたものの「つなぐサッカーに魅力を感じた。自分に合う」と言うことで広島入りを決断したそうです。一方のイは技術が高くFWからDFまでこなす万能型の選手。U-13,14,15,17,18と各年代で代表に選ばており、将来性を買われての獲得だ、と言えそうです。
<11.12.9> サンフレッチェは昨日、元日本代表で現新潟コーチの森保一氏の新監督就任を発表しました。
 森保監督は長崎日大高出身で、1987年にサンフレッチェの前身であるマツダ入り。当初はサテライトチームだったマツダ東洋(現マツダSC)でプレーしていたところでオフト監督に見いだされ、1991年にマツダとプロ契約を結びました。そして翌年、オフト監督の日本代表監督就任とともに日本代表に初招集。オフト・ジャパンの初試合となったアルゼンチン戦で先発メンバーに抜擢され、その後国際Aマッチ35試合に出場しました。またサンフレッチェではJリーグの草創期から活躍し、1994年のステージ優勝にも貢献しました。1997年に経営悪化で京都に放出されたもののサポーターの反対署名のおかげでレンタルとなり、翌年サンフレッチェに復帰。2001年には森崎和の台頭もあって出場機会が減りスカウトへの転身を打診されたものの、現役にこだわって仙台に移籍し2003年までプレーしました。Jリーグ(J1)で実働12年のうち、広島でのプレーは9年間。引退は仙台だったものの、まさにサンフレッチェを代表する選手の1人だった、と言えるでしょう。
 引退後はまず広島の強化部コーチに就任し、2004年にS級ライセンスを取得。その後U-19代表コーチや広島のトップチームコーチを務め、2010年には新潟のヘッドコーチに就任し2年間黒崎監督を支えてきました。これまで監督経験がない、と言うのは若干の不安材料ではありますが、指導者としての経験は十分過ぎるほど積んでいるわけで満を持しての監督就任と言えます。長谷川健太氏や木村和司氏らのように古巣から監督としてのキャリアをスタートし、成功を収めた例も多いので、きっとやってくれるのではないでしょうか。
 森保監督は会見で「とにかくクラブ、そして広島から受けた御恩を、お返したい。そういう想いで、一杯です」と緊張した面持ちで語っていたそうです。そしてペトロヴィッチ監督の後を継ぐと言うことで、正式な返事をする前に本人に会ってオファーを受けた事の報告と、オファーを受けたいと言う意志を話したのだとのこと。これに対してペトロヴィッチ氏は「このオファーについては、突然決まったことではないはずだ。今まで(君が)やってきたことの積み重ねに対しての結果なんだ。自信を持ってやればいい」と励ましてくれたのだそうです。「今の段階では、これまでの広島がやってきたシステムをベースにスタートしていく」「攻撃的なサッカーに自分が今まで培ってきた守備の要素を取り入れたいとは思う」と言う方向性は言うほど簡単ではないと思いますが、徐々に森保監督の「色」を出して行って、選手とともに成長して行けば良いのではないでしょうか?

森保監督就任会見(J's GOAL)
中国新聞記事
<11.12.9> サンフレッチェは昨日、ユース出身で愛媛に期限付き移籍中の内田健太選手と来季の契約を更新しない、と発表しました。内田は2008年にトップに昇格しましたが、広島での試合出場はなく2009年シーズン途中で愛媛に期限付き移籍しました。そして当初は左SBでプレーしていたものの途中からFWとして起用されるようになり、昨年は20試合出場4得点。今季は怪我もあって出遅れたものの、途中からレギュラーを確保して26試合出場2得点の成績でした。愛媛ではパワフルな左足を武器に貴重な戦力として働きましたが、J1レベルで考えるとやや物足りない成績だったのも確か。ここで契約更新をしないことによって、愛媛が取りやすいような配慮をした、ということなのではないでしょうか?
<11.12.8> 中国新聞によると、昨日契約更改交渉を行った佐藤寿人はダウン提示を受けたものの「広島に愛着があるし、ここでタイトルを取りたい。離れる要素はない」と残留の意思を示し、今月下旬に契約を更新すると語りました。また複数年契約を残す高萩、山岸、水本、石川、横竹も交渉したそうですが、いずれも複数年契約を更新するかどうかが焦点となりそうです。一方、2年契約の1年目の李と2年契約が終了する森脇は、それぞれ2年契約の提示を受けたそうですがいずれも保留。今後は代理人を通じて交渉を続ける、とのことです。
<11.12.7> 報知新聞によると、サンフレッチェはU-22韓国代表DFで大邱大のファン・ソクホの獲得に乗り出していることが分かった、とのことです。
<11.12.7> 広島と岡山は昨日、中林洋次選手の岡山への完全移籍を発表しました。
 中林は市立船橋高からサガン鳥栖を経て2008年シーズンの途中に広島入り。下田、木寺の負傷によって手薄になったポジションを穴埋めする、と役割で、ベンチ入りはしていたものの出場機会はありませんでした。ところが、突然出番が訪れたのが2009年4月18日の新潟戦。先発した佐藤昭が前半途中で負傷退場し、急きょゴールマウスを守ることになりました。鳥栖で4試合に出場していた、とは言うもののJ1での出場は初めてと言うことで緊張感ありありで、CKのボールをキャッチミスしたことが失点に繋がるなど前半は散々な出来でした。ところが後半から立て直して好セーブを連発。またチームも一致団結して立ち向かい、2点リードを追いついて引き分けに持ち込んでいます。そしてその後は反応の鋭さと思い切った飛び出しを武器にポジションを確保し、下田がリハビリから戻ってきた後も正GKとしてプレーして、その年の4位フィニッシュに貢献しました。昨年以降は西川の加入によりナビスコ杯と天皇杯に出るだけになってしまいましたが、経験のあるGKが控えていると言うことはチームにとっては大きなことだった、と思います。ただ「ここ2年間は、ほとんどチャンスがなかったこともあり、皆さんの前でプレーできず、チームにも貢献できなかったことを悔しく思っています」とコメントしているように、中林にとっては辛い2年間だったはず。来季はU-22代表の増田が加入する事も決まっていることもあって移籍を選んだものと思われます。岡山ではぜひポジションを取って、また華麗なセービングを見せて欲しいと思います。
<11.12.7> 中国新聞によると、昨日から契約更改交渉が始まった、とのことです。昨日は1年契約の中島と複数年契約中の青山、西川、大崎が条件提示を受けた、とのこと。交渉では来季の方針についての説明に多くの時間を割いたそうで、「織田強化部長は『ペトロビッチ監督のサッカーをベースに、新監督の色を出していく。必要な補強もし、これまでと見劣りしないチームにする』と話した」とのことです。
 なお新監督ですが、中国新聞などの報道によると森保一氏の就任が決定的。広島にとっての「切り札」とも言える新監督を支えるためには、まずは現有戦力の維持が最重要ミッションになる、と言えそうです。
<11.12.7> 日本プロサッカー選手会(JPFA)は、12/23にユアテックスタジアム仙台で「クリスマスチャリティサッカー2011」を開催する、と発表しました。震災のため東北で苦難に立ち向かっている子供たちの夢を応援するのが目的で、前日に被災地で触れあい活動を行いチャリティマッチには約19,000人を無料招待する、とのこと。また全国から集めた義援金から、サッカーに取り組む子供たちの環境を支援するプログラムに寄付します。(寄付する方はこちらへどうぞ。)またチャリティマッチは東北にゆかりのある選手で構成した「東北選抜」とその他の選手たちで構成する「JPFA選抜」の対戦で、どちらも天皇杯に勝ち残ったチーム以外から選ばれています。サンフレッチェ関係では「東北選抜」に高萩洋次郎、中島浩司、佐藤寿人の3選手が、またJPFA選抜には槙野智章選手が参加します。観戦希望の方はこちらからどうぞ。
<11.12.6> 報知新聞の報道によると、G大阪が槙野の獲得を目指していることが分かった、とのことです。西野監督との契約を更新せず、橋本や高木らも放出するなど世代交代を進めるガンバですが、攻撃的なDFと言うことで槙野に目をつけた、とのこと。「すでに槙野サイドに非公式ながら打診済み。近日中にも正式オファーへ発展する見込み」なのだそうです。
 昨年末に1FCケルンに移籍した槙野は5試合出場にとどまり新シーズンにポジション獲りを賭けていました。しかし開幕から全く出番がなく、ここまでの出場は2試合37分間だけ。先月半ばにはKicker誌に「チームにDF陣が不足しているのに、何の役割も果たしていない」と酷評され「契約が残っていても、移籍も視野に入れないといけない。自分のためにもクラブのためにも、いい決断ができれば」と語るほどとなっています。契約が1年半残っているため獲得のためには違約金が必要ですし、槙野自身もできれば欧州でプレーを続けたいところでしょうが、しかし24歳と脂が乗ってきた時期に試合に出れない、と言うのは大きな痛手。近いうちに大きな決断をする可能性はありそうです。
<11.12.5> 昨日Jリーグは今季の優秀選手賞を発表し、広島からは李忠成選手が選ばれました。
<11.12.5> 昨日吉田サッカー公園で行われた高円宮杯プレミアリーグウエストの第17節で、サンフレッチェユースは名古屋U18に2-0で勝ってウエスト優勝を決めるとともに、チャンピオンシップ出場を決めました。携帯サイトによると、メンバーはGK:有賀、DF:柳川、脇本、藤井、MF:森保、末廣、川辺、平田、野口、野津田、FW:越智。前半からボールを支配した広島は何度もチャンスを作りながらも決められない、と言う時間帯が続きましたが、後半13分に野津田のパスを受けた野口が切り返しで相手を振りきりシュートを叩き込んで先制。続いて後半22分、森保の強烈なシュートをGKがファインセーブしたものの、そのこぼれを宮原が身体で押し込みリードを広げそのまま逃げ切りました。この結果、広島の勝ち点は41。前節勝ち点3差まで迫っていたC大阪U-18が敗れたため2位京都サンガU-18との勝ち点差が5となって、1試合を残しての優勝が決まりました。プレミアリーグイーストの覇者とU-18世代日本一の座を争う「高円宮杯U-18サッカーリーグチャンピオンシップ」は12/17(土)。埼玉スタジアム2002で午後3時キックオフです。
【第17節】
広島観音高 1-0 富山第一高
広島ユース 2-0 名古屋U18
立正大淞南 1-4 福岡U-18
東福岡高  5-1 愛媛ユース
C大阪U-18 0-3 京都U-18

順位      勝 分 負 勝点 得失差
1 広島ユース 13   2   2    41   +35
2 京都U-18  10   6   1    36   +21
3 C大阪U-18 11   2   4    35   +15
4 名古屋U18   7   4   6    25    +8
5 福岡U-18   6   6   5    24    +3
6 愛媛ユース  6   3   8    21   -12
7 東福岡高   5   4   7    19    -3
8 富山第一高  4   3  10    15   -15
9 広島観音高  4   2  11    14   -21
10 立正大淞南  1   2  14     5   -35
 なお、立正大淞南高は来季のプリンスリーグ中国への降格が決まっていますが、もう1枠は広島観音高と富山第一高との争いとなっています。広島観音高の最終節の相手は京都サンガU-18。強敵ですが何とか勝って、残留して欲しいと思います。
<11.12.4> 昨日の最終節モンテディオ山形戦は前半先制を許したものの後半に逆転し、連勝で有終の美を飾りました。
 出場停止だったミキッチは戻ってきたもののグロインペイン症候群の森崎和はベンチにも入らず、以下の布陣で戦いました。
       西川

   森脇  中島  水本

     青山 トミッチ

ミキッチ          山岸(→服部90+1分)

   李忠成    高萩(→森崎浩90+1分)
    (→ムジリ69分)
       佐藤寿

SUB:中林、横竹、盛田、高柳
 対する山形は、GK:植草、DF:宮本、西河、前田、山田、MF:宮崎(→太田66分)、秋葉、山崎、佐藤健、宮沢(→川島70分)、FW:長谷川(→古橋85分)、と言うメンバーでした。試合はボールを支配する広島に対して山形がしっかり守りを固めて逆襲を狙う、と言う展開。6分にはトミッチが惜しいミドルを放ったもののGKがクリアし、9分の寿人のミドルは枠を外します。ところが、そんな中で点を奪ったのは山形。10分に秋葉の縦パスで突破を図った山崎に対して森脇がカバーに入りますが、足に当たったボールが転がって飛び出していた西川の後ろへ。これを詰めていた宮崎が難なく押し込んで、山形が先制点を奪いました。
 これでますます守備重視になった山形。広島は13分のトミッチがミドルを放ったものの枠外。16分には森脇のクロスに寿人が合わせたもののGKの正面に行ってしまいます。広島はミキッチが再三突破を図り、鋭いクロスをニアに、ファーに入れ続けます。27分にはミキッチのクロスに寿人がニアで合わせたもののサイドネット。29分には李が山岸のクロスをアクロバティックなバイシクルシュートで狙いますが、シュートは惜しくもバーに弾かれます。結局、前半の広島のシュートは7本だったのに対して山形はゴールを含めて2本。広島がその数字以上に圧倒的に攻めたにも関わらず得点は山形の1点だけで、ハーフタイムを迎えました。
 後半に入っても攻め続ける広島に対して守る山形、と言う構図は変わらず。広島はサイドから、あるいは中央から何とか崩そうとします。そしてその努力が実ったのは前半9分。ミキッチのCKから何度か相手ゴールに迫ると、最後はこぼれ球を森脇が強烈なミドル。ボールはポストに当たって内側に跳ね、広島がようやく同点に追いつくことができました。
 サンフはその後も一気に突き放そうと攻撃を続けます。11分には左からのパスを高萩がワンタッチで右のスペースへ。ここに走り込んだミキッチが鋭いシュートを放ちましたが、ボールはポストに弾かれます。山形も勝ち越しを狙って前に来るようになって、15分にはCKを長谷川が流して西河が狙いましたが枠外。その後もロングボールを駆使してゴール前に運ぶものの西川がしっかりキャッチして波状攻撃を許しません。そして後半30分、青山のスルーパスで抜け出した寿人が立ちはだかるGKをものともせずに追加点をゲットします。更に後半43分には高萩の縦パスを受けた寿人が前を向いて裏へのパス。ここに走り込んでいた山岸がしっかりと決めて、貴重な追加点を奪います。そしてその後の山形の最後の攻撃をしっかりと抑え、時折カウンターで脅かしながら落ち着いて勝ち名乗りを上げました。
 「This is SANFRECCE」とも言えるホーム最終戦の大宮戦に続いて、この試合もサンフレッチェらしい試合でした。山形はこのところ不調のどん底にいる、とは言えホームではそれなりにボールを支配していた(例えば0-5で負けたG大阪戦も支配率は50:50)のですが、この日は何と広島:山形=65:35。ペトロヴィッチ監督は試合後に「アウェイでああいった一方的なゲームをするというチームも日本を探してもなかなか見つからない」と自画自賛していましたが、まさにその通りだったと言えるでしょう。今季は逆転勝ちが少なく先制されるとそのまま負けてしまうことが多かったのですが、攻撃サッカーを旗印にしているからには多少リードされても点を取りに行って勝たなければならないはず。この日のサンフレッチェは本来やりたかったサッカーをその通りに実行したと言う感じで、ペトロヴィッチ監督が胸を張るのも分かる、というものです。
 この5年半、ペトロヴィッチ監督は攻撃的で楽しいサッカーを実現しようと心血を注いできました。その間にはJ2降格と言う辛いことがあったもののそれを逆に成長の糧としてチームを熟成させ、復帰後の最初のシーズンは4位に躍進。2年目となる昨年はACLを戦いナビスコ杯準優勝と言う結果を残しました。そして「奪取」を目標に戦った今季はタイトルこそ近づくことすらできませんでしたが、しかし「どこが優勝しても・どこが降格してもおかしくない」と言われるJリーグで常に上位に居続けて、最終的には3年連続賞金圏の7位でフィニッシュすることができました。結果よりも内容を重視したサッカーを貫きながら上位に入り続けるのが難しいことは、内容重視のサッカーに転換した途端に成績が低迷した某チームを見ても明らかでしょう。ペトロヴィッチ監督がここで退任することになるのは本当に残念なのですが、ただ組織と言うものは長く続けば歪みがたまってくるもの。サンフレッチェはペトロヴィッチ監督と言う「父親」の元から巣立って、新しい道を歩む時が来たのだと思います。来季はどんな監督がどんなサッカーを作ろうとするのかは分かりませんが、この日のような攻撃的で楽しいサッカーができていたと言う事実は変わらないわけで、ぜひともその礎の上に新しいサンフレッチェを築いて欲しい。それがここで別れるペトロヴィッチ監督への餞にもなるのではないでしょうか。

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