12/16〜12/22のSANFRECCE Diary


<12.12.22> サンフレッチェは昨日、来季のシーズン前スケジュールを発表しました。それによるとトレーニングの開始は今季より若干早い1/16(水)。1週間吉田で身体を動かして、1/24から霧島市の国分運動公園で1次キャンプを行います。2/4にいったん帰広して、2/6(水)に「サンフレッチェ広島を励ます会」、2/9(土)に清神社での「必勝祈願」と広島駅南口での「開幕前イベント」を行います。そして2/11〜2/22は、いつものようにフェニックス・シーガイア・リゾートでの2次キャンプで調整して、2/23(土)のゼロックス・スーパーカップと2/27(水)のACL第1節ブニョドコル戦に備えることになります。2010年に初めてACLを戦った時には例年よりも1週間以上早い1/11から練習をスタートしましたが、来季は今年よりも数日早いだけ。宮崎キャンプの開始も昨年とほぼ同じで、早めに切り上げてスーパーカップに臨むことになります。従って来季は例年と比べて急ピッチで仕上げることになりますが戦い方は決まっているので、コンディションを整えることと新戦力を馴染ませること、そして若手を成長させることが課題となるものと思われます。
<12.12.21> 中国新聞によると、サンフレッチェは昨日の契約更改交渉で高萩、清水、西川と合意しました。高萩は2年契約で500万円増の推定年俸3,300万円。清水は3年契約で270万円増の700万円。また西川は単年契約で500万円増の5,000万円で契約を更改したとのことです。清水は今季の活躍の割には安いように見えますが、A契約1年目の上限の金額らしいので、おそらく来年は活躍に応じて見直すことになるのではないでしょうか。
<12.12.20> 中国新聞によると、広島市の松井市長は昨日、サッカー専用スタジアム建設に向けて具体的な検討に入るよう関係者に呼びかける考えを示した、とのことです。県サッカー協会やサンフレッチェなどが進めている署名は年明けにも広島県と広島市に提出されますが、松井市長は署名を受け取った上で協議を呼びかける、とのこと。広島県や広島商工会議所、サンフレッチェなど官民を合わせた会を開いて、「どんな形で協議するかと言う段階から議論する」そうです。
 一方走行会議所の深山会頭は一昨日の定例会見で、サッカー専用スタジアムは「市中心部のアクセスのいい所に必要だ」と語ったそうです。サンフレッチェの優勝もあって「機運が最高に盛り上がってきたところ」と発言し、建設への協力を表明したとのこと。マツダスタジアムの建設の時と同様に、経済界からも寄付金を集めることになるのではないでしょうか。
<12.12.20> サンフレッチェは昨日、浦和への移籍が決まった森脇選手の記者会見を行いました。それによると浦和からのオファーがあったのは9月だったものの、最終的に決断したのはクラブワールドカップが終わってからだったとのこと。「自分を成長させてくれた」広島でこのまま続けるのが良いのか、それとも「環境を変えてプレーするのがいいのか。自分の将来のこと、キャリアを終えた時のことも全て考えて、いろいろ悩んだ」結果の決断だった、とのことです。会見では広島への感謝と「大好きなサンフレッチェ」と言う言葉を何度も語ってはいるのですが、ただその一方で会見後の囲み取材(携帯サイトによる)では、浦和との契約が「広島よりもいい条件」だと正直に語っています。昨年の大宮からのオファーの時にはサッカースタイルが合わないことを考えて断ったものの、今度は「Jリーグの中で、見て楽しい美しいサッカーをやっていた」浦和からのオファーだったことから決断したのだそうです。浦和は他クラブとは言え自らを良く知る監督もチームメイトもいるわけで、「厳しい環境でプレーしたい」と言う言葉との整合性があるとは思えないのですが、しかし広島サポーターからのブーイングも覚悟の上での決断だとのことなので、それも含めての「厳しい環境」と言う意味なのかも知れません。
 広島のDF陣にはファン・ソッコも塩谷もいて、今季のプレーでその高い能力の一端を見せています。特にクラブワールドカップの蔚山戦では、この2人が森脇に代わって出場してきっちりと勝利を収めています。従って彼らとポジション争いをして敗れてから移籍するのか、それともレギュラーとして活躍している間に良い条件で引き抜かれるのが良いのかを考えて、後者を選択したとも考えられます。浦和の右サイドはいずれも33歳の平川と坪井なので、彼らとのポジション争いになら勝てるだろう。そんなドライな判断をしたとしても、責めることはできません。サポーターとしてはアカデミー出身の選手が引き抜かれるのは悲しいし、相手がまた浦和だと言うことにも腹が立つのですが、しかし森脇の人生は森脇個人のもの。自分で決断して道を選んだのであればそれを尊重するしかないわけで、後は本人の望み通り来季以降盛大なブーイングで迎えてやれば良いのだ、と思います。そもそもこんな会見を開いたこと自体、森脇自身の「後ろめたさ」が透けて見えるような気がするし、またそれが森脇らしいところだ、とも言えるのですが、しかし本当に成長するためには「金のために移籍して何が悪い」と胸を張って、堂々とプレーすることが必要なのかも知れません。
 なお他の選手の契約についてですが、様々な報道を総合すると今季で契約の切れる西川、高萩、水本らは残留することになりそう。また鳥栖にレンタル中の岡本も復帰が濃厚だとのことです。一方大分にレンタル中の丸谷にも復帰の要請をしているそうですが、大分も引き留めを行っているらしくこちらは微妙な状況です。更に福岡の城後を獲得か、と言う報道も出ていますが正式オファーはまだらしく、福岡サポーターの引き留めもあってこちらも微妙だとのこと。今後のサプライズはあるかも知れませんが、基本的には今季とほぼ同等の戦力で来季を迎えることになりそうです。
<12.12.20> 携帯サイトに1月1日付で新社長となる小谷野氏のインタビューが掲載されています。これによると、まず優勝とクラブワールドカップに伴う賞金は選手たちに分配したそうですが、利益の底上げにも繋がっているとのこと。これにより、昨年99%減資を実施した時に立てた「経営五カ年計画」の中で累計利益のうち半分以上が達成できそうで、早ければ今年度中にも経営再建計画そのものを達成できる可能性が出てきたそうです。そして「財務的な危機はかなり脱しつつある」と言うことから、「強化費を削減することはありません」と断言しています。また今年1年を通じて分かったことは、「目標を何位に設定する」とか「優勝する」とか決めることではなく、1試合1試合をきちんと戦うこと。それがしっかりできれば結果は自ずから付いてきます。従って「強化部やスタッフに過大なノルマを与えず、まずはサンフレッチェとしてのサッカーをやり切ることを求めて」行く。それによって観客も増えて良い選手も来てくれるので、長い目で見て経営にプラスになると考えているそうです。従って来季の目標としては、まずは「J1残留の目安である勝ち点40をできるだけ早く取ること」だとしています。来季はACLを平行して戦うことになりますが、そこで今まで以上に若手を育てることが、来季の重要な目標となりそうです。
 そして今後の戦略としては、「年間パス・指定席をきっちりと打って行くことに尽きる」と言っています。今季はクラブ史上初めて30億円を越える売り上げがあったそうですが、しかしこれはあくまで一時的な数字。チームを安定的に強くするためには、成績に関係なく多くの入場者が来ることが必要です。小谷野氏は「サッカーが好きでずっと見てきた」そうですが、フロントが目立ってしまうといいことがない、と思っているとのこと。今後ともサポーターとの交流やインターネットの活用などをよりいっそう進めて、地域に根ざしたクラブとして確立させて行く、と決意を語っています。
 このインタビュー全体を読んだ印象ですが、やはりクラブの安定した経営が安定した成績に繋がる、と言う考えが見てとれます。今季は初めてJ1で年間優勝を果たし「世界5位」と言う実績も作ったわけですが、しかしだからと言って一気にトップを目指すと言うわけではない。一夜で人が育つことはないように、チームが育つにも時間がかかるものです。本谷社長は在任期間中にJ1昇格からACL出場、そしてJ1優勝と右肩上がりで成績を上げると同時に経営再建を進めてきたわけですが、今後はそれを確固としたものにして行くことが必要です。そのために、まずは魅力的なサンフレッチェのサッカーを続けて行くこと。それによって観客動員も増えて経営も安定する。フロントがアイディアを出し汗もかきながら、よりいっそう良いチーム、良いクラブを作り上げて行く、と言う決意が見てとれました。携帯サイトには小谷野氏のインタビューだけでなく本谷社長のインタビューも掲載されていて、そちらも非常に示唆に富む話となっています。未見の方は、ぜひそちらをご覧下さい。
<12.12.19> スポニチによるとポルトガルリーグのベンフィカ・リスボンが水本獲得に向けて調査を開始している、とのことです。今季で契約が切れる水本には既に複数年契約を提示済みですが、本人は「海外で挑戦してみたい」と話しているとのことです。またオランダのヘラクレスも興味を示しているとのことですが、何れにせよ正式オファーがあるわけではないので、しばらくは様子を見るしかなさそうです。
<12.12.19> サンフレッチェは昨日第5回取締役会を開催し、本谷社長の12/31付での退任と常務取締役の小谷野薫氏の社長就任が決まりました。本谷社長は退任の要因として「昨年の12月に決めた減資」を挙げ、株主に迷惑をかけた責任を取ることが必要であると述べました。この決断は1年前に下していたそうですが、新監督が就任したチームに動揺を与えないためにシーズン終了を待っていたとのこと。ただ減資が直接の要因だとは言え優勝を花道に退任することになったわけで、サンフレッチェの歴史に残る名声を残した、と言えるのではないでしょうか。
 後を引き継ぐ小谷野氏は野村総研の出身で、証券会社のマネージング・ディレクタやエディオンの顧問を経て今年から取締役に就任し、9月に常務取締役に就任したばかりだそうです。ネットでの記事によるとクレディ・スイス証券に勤務していた時にはM&A取引の責任者として活躍していたそうで、言わば企業財務のプロフェショナル。従ってサンフレッチェの経営を良くするためには大鉈を振るうことも厭わない、と言う感じの社長になるのではないかと思われます。サンフレッチェはJ1優勝とクラブワールドカップで3億円以上の臨時収入があり、観客増で収入も増えているはずですが、ここで大盤振る舞いしてしまうと後で困ったことになる、と言う判断も働くのではないかと思われます。来季はこのまま一気に上を目指すよりも、足元を固めて堅実に前に進む、と言う感じになるのではないでしょうか?
<12.12.19> Jリーグは昨日、来季の日程を発表しました。それによるとJ1リーグの開幕戦は3/2で、5/25まで週1試合のペース(ゴールデンウィークを除く)で第13節まで消化します。その後コンフェデレーションズカップのための中断を挟んで7/6に再開し、水曜日開催も挟みながら12/7の最終節まで戦うことになります。この中でACL出場クラブはいくつかの試合で日曜開催になる可能性がある、となっていますが、サンフレッチェが関係しそうなのは第6節。4/10にアウェイの浦項戦が予定されているので、4/14(日)開催になりそうです。ACLのグループリーグは2/27に第1節のブニョドコル戦を戦って4月末までに終了しますが、特に過密になるのは3月末約1ヶ月の日程。3/30のJ1第4節から5/6の第10節までJ1が7試合、ACLが4試合組まれているので、ほぼ毎週2試合ずつ消化しなければなりません。今シーズンはナビスコカップで若手を起用して成長を促しましたが、来季はACLとJ1リーグ戦である程度のターンオーバーを行いながら「勝つこと」と「成長させること」を両立させなければならないと思います。
 なおその他の日程は、ゼロックススーパーカップが2/23(日)。予選リーグを免除されるナビスコカップは、6/23(日)と6/30(日)に準々決勝、9/7(土)と10/12(土)に準決勝、そして11/2か11/4に決勝が予定されています。更に来年はモロッコで開催されるFIFAクラブワールドカップは、12/11(水)〜12/21(土)。これに参加するためには通年で過密日程を戦ってACLで優勝しなければなりませんが、今年と同じようにチーム全体が一致団結して勝ち抜いて欲しいと思います。
<12.12.18> 写真家でジャーナリストの宇都宮徹壱さんのメールマガジン「徹マガ」は、2010年5月に創刊されてからマスメディアでは読めないような記事を配信していますが、今週と来週のの通巻126号と127号は「サンフレッチェ広島、モロッコへのスタートライン サンフレッチェ広島サポーター特集号」となっています。オフィシャルではないため「選手・監督・クラブスタッフを登場させることのできない」メディアならではの視点から「サポーター」にスポットを当てた特集で、今回登場しているのはテレビ新広島の気象予報士の波田健一さんとサポーターグループURSUSの白川久記さん、そして2001年から3年間選手として在籍していた須田剛史さん。波田さんは「サンフレッチェ広島を天気から支える男」と言う記事で、白川さんは「シャーレの感触、一生忘れません」と言う記事で、須田さんは「森崎和幸は、遠藤保仁の代わりになれる」と言う記事で取り上げられています。また今回の徹マガは、いつもは黒子役の澤山大輔さん(因みに彼自身も2001年からのサンフレッチェのサポーター)が企画・取材・執筆を行っています。いつもサッカー界の「裏道」を描くようなスタンスの「徹マガ」(これは良い意味で言ってます)が、サンフレッチェとそのサポーターをどう描いたか。興味のある方は、ぜひ徹マガをご購読下さい。
<12.12.18> プレスリリースによると、昨日サンフレッチェは広島市内のホテルで「J1リーグ優勝祝賀会・株主スポンサー様感謝の夕べ」を開きました。中国新聞によると出席者は例年の倍の620人で、会場から溢れるほどの盛況ぶりだったとのことです。
<12.12.17> 昨日高円宮プレミアリーグのチャンピオンシップが行われ、サンフレッチェユースが東京Vユースを4-1で下して3連覇を果たしました。携帯サイトによると広島のメンバーは、GK:有賀、DF:宮原、大谷尚、浅野間、MF:越智、川辺、平田、野口、野津田、末廣、FW:大谷真。先制点は開始早々の前半1分で、CKのクリアボールを拾った野口が入れたクロスを野津田がボレーで叩き込みました。その後東京Vの反撃を受けましたが、前半41分に末廣が決めて2点リードで折り返しました。後半は3分に東京Vのサイド攻撃からチャンスを作られ、いったんは決定機を逃れたもののCKから決められて1点差に迫られました。しかし後半12分、野津田がシュート回転の強烈なミドルを叩き込んで突き放すと、18分にも平田が強烈なミドルシュートを決めてダメを押しました。なお、この試合の録画が今日の深夜2時35分からテレビ朝日(関東ローカル)や広島ホームテレビで放送されますので、見ていない人はぜひどうぞ。
<12.12.17> 昨日広島市内で行われた優勝パレードは6万2千人、優勝報告会は2万人が集まり、改めて優勝の喜びに浸りました。中国新聞によると、パレードは平和大通りの840mを約40分かけて走行。優勝報告会では平和記念公園で原爆慰霊碑に献花し、元スタジアムMCの石橋市会議員の司会で優勝を報告しました。その中で最初に挨拶に立った森保監督は、「これまで広島に関わった全ての方の気持ちが一つになったからこそ、優勝できた」とスピーチを始め、「正直、どれだけの人が来てくれるのか心配でした...喜びを分かちあえる事を幸せに思います」と感謝の言葉を述べました。そして「平和都市・広島を...もっともっとアピールしたい」と今後の抱負を述べました。続いて佐藤寿人選手が「広島を愛してますか!僕は広島が大好きです!」とサポーターと声をかけあいました。次に壇上に立った湯崎県知事は挨拶の後に「みんなスタジアム欲しい?」と問いかけ大きな声援を受けるとともに、来年ももっと多くのサポーターが詰めかける事でスタジアム建設に前進できる、と語りました。4番目にマイクを持った松井市長は「答弁にブレが無いようにしたい」と言う事で型通りの祝辞を述べましたが、最後に「知事のメッセージも私も大賛成」と締めて大きな喝采を受けました。その後広島商工会議所の深山会頭、広島県議会の林議長、木山副議長、中国新聞社の岡谷社長、後援会の加藤会長、広島県サッカー協会の片山副会長、マツダの金井副社長、広島電鉄の越智社長、そして最後にサンフレッチェの久保会長が挨拶し、最後に全員でサンフレッチェコールをして締めたとのことです。
 なお、携帯サイトには優勝報告会の全挨拶がテープ起こしされて掲載されていますので、ぜひそちらをご覧下さい。
<12.12.16> 中国新聞によると一昨日、本谷社長と森保監督が優勝報告のため広島市を訪れた際にサッカー専用スタジアムが話題に上ったそうです。松井市長が優勝シャーレを持ち上げながら「これを持ったらやっぱりスタジアムに一歩近づいたんですかね」と切り出したそうで、これに対して本谷社長が「後は市長次第」と答えたとのこと。また森保監督も市民球場跡地での建設を訴えていたそうです。サンフレッチェなどが取り組んでいる署名活動も目標を大きく超えて33万筆以上に達しているそうなので、「エディオンスタジアム」の命名権契約が満了する頃までにはサッカー専用スタジアムができていて欲しいものです。
<12.12.16> プレスリリースによると、西川選手が一昨日「左示指PIP関節脱臼骨折」と診断され広島市内の病院で手術を行いました。これは先週の蔚山現代戦で負傷していたものだったそうで、たぶんラフィーニャと絡んだ時に怪我をしていたのではないかと思われます。全治2ヶ月とのことなので来季のキャンプ中のプレーは難しく、2/6に予定されているラトビア戦の日本代表に選ばれたとしても辞退せざるをえないと思われます。クラブワールドカップでは顔を8針縫うなど散々な目にあった西川ですが、シーズンオフになるため時間をかけて治す事ができるのは不幸中の幸い。手を使わないトレーニングはしっかりと積んで、ACLとゼロックススーパーカップには間に合って欲しいと思います。
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