今週のSANFRECCE Diary


<12.12.8> 明日はクラブワールドカップの準々決勝。サンフレッチェは豊田スタジアムでアフリカチャンピオンのアル・アハリと戦います。
 アル・アハリは105年前に創設されて以降、国内のリーグ戦で36回、カップ戦で35回の優勝を誇る名門クラブで、2000年にはアフリカサッカー連盟からClub of the Century(20世紀を代表するクラブ、と言う意味か?)に選ばれています。また国際大会でもCAFチャンピオンズリーグ7回、アフリカンカップウイナーズカップ4回など数々の大会を制し、クラブワールドカップにもこれまで3回の出場経験があります。今シーズンは2/1に発生したサッカー暴動の影響で国内リーグは中止になりましたが、そのような難しい状況下で戦ったCAFチャンピオンズリーグではラウンド16を1勝1分け、ラウンド8を1勝1敗(得失点差)、準々決勝リーグでは3勝2分け1敗、準決勝は1勝1分け、そして決勝は1勝1分けと粘り強く戦って優勝を勝ち取りました。クラブ会員数はカイロだけで45,000人を越え、「アフリカのレアル・マドリード」と呼ばれる強豪クラブですが、しかしクラブワールドカップではこれまで6試合戦って1勝しかしていないだけに次は何としてでも上位進出したいところでしょう。明日はエジプトらしい個人技と組織力を生かしたサッカーで、勝利のみを目指して戦って来るに違いありません。
 対するサンフレッチェですが、中2日と言うことを考えて一部を入れ替えるかも知れないのですが、どちらかと言えば同じメンバーで戦う可能性が高いと思います。と言うことで、私の予想は次の通り。
       西川

   森脇  千葉  水本

     青山  森崎和

ミキッチ          清水

   森崎浩    高萩

       佐藤

SUB:増田、原、横竹、ファン、辻尾、塩谷、山岸、石川、中島、平繁、大崎、石原
 初戦では堅い守りに苦しみましたが、次の相手はおそらくは「ガチンコ勝負」を挑んでくるはず。これまで培ってきた「サンフレッチェのサッカー」を全てぶつけて、楽しいサッカーで勝利して欲しいと思います。
<12.12.7> 昨日「FIFAクラブワールドカップジャパン2012」の開幕戦が横浜国際総合競技場で行われ、サンフレッチェが青山のゴールで初勝利を挙げました。
 サンフレッチェのメンバーは神戸戦から右サイドを入れ替えて次の布陣でした。
       西川

   森脇  千葉  水本

     青山  森崎和

ミキッチ          清水(→山岸61分)
(→ファン81分)
   森崎浩    高萩
   (→石原90+3分)
       佐藤

SUB:増田、原、横竹、辻尾、塩谷、石川、中島、平繁、大崎
 対するオークランド・シティは、GK:ウィリアムズ、DF:岩田、ベルランガ、ビチェリッチ、ミルン、MF:ベイル、フェネリディス、リエラ、FW:エスポジト(→タデ77分)、コプリブチッチ(→コラレス67分)、ディキンソン、と言うメンバーでした。「FCWC仕様」の特製ユニフォーム(胸のスポンサー名はEDION、背中は選手名のみ)に身を包んだサンフレッチェの選手たちでしたが、しかしピッチ上ではいつも通りのサッカーを展開します。2分にはセットプレーの流れからミキッチがファーストシュートを放ち、8分には青山のシュートをGKが好セーブ。その後もミキッチが何度も右から仕掛けてクロスを入れ、寿人があわやと言うシーンを作ります。前半は両サイドを起点に何度も攻め込んだもののゴール前の白い壁を崩すには至らず、スコアレスで折り返しました。
 ボールを支配しあの手この手で崩そうとする広島に対して、しっかり守ってカウンターを狙うオークランド、と言う展開は後半も続き、6分には高萩のミドルはポストに阻まれ、森崎浩のヘッドはGKがセーブ。12分には森崎浩のスルーパスで寿人が抜け出したもののDFがぎりぎりで防ぎます。清水に代えて山岸を投入し、テンポアップを図る森保監督。そして20分には右サイドを抜け出したミキッチのクロスを森崎浩が頭で狙いますがGKに防がれます。しかしその直後に左から右へ展開されたボールを青山が思い切って打つと、無回転のボールは揺れるように落ちてゴールネットに突き刺さります。クラブW杯初得点の喜びに湧きながら、選手たちは「魚釣り」のパフォーマンスを披露しました。
 この後選手を入れ替えながら反撃を試みるオークランド。しかし広島も追加点を狙い、39分には森脇のミドルがクロスバーを直撃します。終盤にはオークランドもパスを繋いで攻め込んできましたが、シュートミスにも助けられ得点を許さずそのまま逃げ切りました。
 この試合、私はロケフリ越しのテレビ観戦で、しかも映像が頻繁に切れるのであまりちゃんとは見れなかったのですが、しかし試合は全体的に広島のペースだったように思います。前半はオークランドの堅い守りを崩せず両サイドからのクロスを入れてははね返される、と言うパターンが多かったようですが、しかしそれはたぶん想定内。後半疲れが出てくるに従ってスペースが空くようになり、またボールホルダーへの寄せも甘くなって良い形でシュートを打てるようになりました。青山の得点シーンはシュート自体が素晴らしかったのですが、もっと良かったのはその前の崩し方。DFの意識を中央に寄せておいて右サイドのスペースにミキッチが走り込んでクロスを入れると2列目の森崎浩がヘディングシュートを打ち、逆サイドから上がっていた山岸が詰め、更にこぼれを拾った寿人が繋ぎ森崎和、森脇が繋いで青山が決めた、と言うものでした。右から左、左から右へと揺さぶりながらフリーの選手を作ってゴールを陥れる、と言う広島ならではの攻撃で、オークランドはフィールドプレーヤー9人が戻って守っていたにも関わらず成す術なし、と言う感じだったのではないでしょうか。相手が守りを固めても粘り強く攻めを構築しながら相手の疲れを待ち、マークのズレを見つけて得点を奪う。そしてリードすれば追加点を狙いつつもゴール前にがっちりとカギをかけて逃げ切ると言う、今季の広島を象徴するような戦い方で勝利した、と言えるように思います。

ゲキサカ 記事1 記事2 記事3 記事4 記事5 記事6
スポーツナビ
J's GOAL 森保監督コメント トゥリブリエッチ監督コメント 選手コメント 試合レポート
野々村芳和のクラブW杯コラム
webスポルティーバ
<12.12.7> アジアサッカー連盟は昨日「AFCチャンピオンズリーグ2013」の組み合わせ抽選会を行い、サンフレッチェはグループGで北京国安(中国)、浦項スティーラーズ(韓国)、ブニョドコル(ウズベキスタン)と同組になりました。北京は今季の中国スーパーリーグ2位でACLは3回目の出場。浦項はKリーグ3位ですが、2009年にACLで優勝しクラブW杯でも3位に入るなど多くの実績を残しています。またブニョドコルは国内リーグ戦は2位でしたが、今年のACLでは準々決勝まで進んでいます。と言うことでいずれ劣らぬ強豪揃いですが、しかし今シーズンに限って言えばサンフレッチェだけが国内チャンピオン。従ってグループリーグ突破はもちろんのこと、優勝に向かって1つでも多く勝ち上がることが期待されます。
<12.12.6> 今日はいよいよFIFAクラブワールドカップの開幕戦。サンフレッチェはオセアニア代表のオークランド・シティと対戦します。
 8チームからなるアマチュアリーグの「ニュージーランド・フットボール・チャンピオンシップ」の1つとして2004年に設立されたオークランド・シティは、これまでリーグ優勝4回のニュージーランド屈指の強豪クラブです。クラブW杯には2006年に初出場してエジプトのアル・アハリと全北現代に敗れましたが、2009年の出場時にはUAEのアル・アハリとアフリカ王者のTPマゼンベを下して5位に入っています。昨年のクラブW杯でも来日して柏に敗れていますが、途中までは良い戦いをしていただけに惜敗の悔しさをぜひ晴らしたい、と思っているのではないでしょうか。スペイン人のトゥリブリエッチ監督はエスポジトを攻撃の中心に据えてパスサッカーを基本とした戦術で戦ってきましたが、フィジカルに優れた選手が多いためゴール前を固めてカウンターを狙う、と言う戦い方を選択する可能性もあります。明日は2009年大会の再現を目指して、勝負に徹する戦いを挑んでくるものと思われます。
 対するサンフレッチェですが、怪我人の情報は無いのでベストメンバーで臨むことができそうです。先発は神戸戦のメンバーが基本になると思われますが、相手のフィジカルの強さを考えてミキッチを起用するような気がします。と言うことで、私のメンバー予想は次の通り。
       西川

   森脇  千葉  水本

     青山  森崎和

ミキッチ          清水

   森崎浩    高萩

       佐藤

SUB:増田、塩谷、ファン、中島、石川、山岸、石原
 優勝を祝うイベントが続く中で先週は集中したトレーニングができなかったそうで、神戸戦は勝ちはしたものの広島らしいサッカーを見せることはできませんでした。今週も月曜日の「Jリーグアウォーズ」の後に2日しか練習日がなく、しかもホテル暮らしでいつもと違う環境で戦いの準備を進めなければならず厳しい状況にあります。ただ、これまで積み上げてきた「サンフレッチェのサッカー」はそう簡単に崩れるものではないはず。今日はJリーグ王者の誇りを持って、ACL以来2年ぶりの国際試合を戦って欲しいものです。
 今日の試合会場は横浜国際総合競技場で、午後7時45分キックオフ。テレビ放送は日本テレビで7時から生放送の予定です。今日はブログでの速報はできませんが、スポーツナビで速報がありそうですので、スタジアムに行けない&TVを見れない人はそちらをどうぞ。
<12.12.5> Jリーグアウォーズから一夜明けた昨日は、横浜市内で練習を行うとともにFIFAクラブワールドカップのプレスカンファレンスに出席しました。そして記者会見で森保監督は、「Jリーグのチャンピオンとして世界に挑戦すると言うことで、日本の代表として恥じないような戦いをしたい」と抱負を述べました。また初戦の相手となるオークランド・シティについては「丁寧なサッカーをすると言う印象がある。ここのハードワークもしっかりしていて、局面での戦いのところでフィジカルの強さも持っている」と語りました。また佐藤寿人選手は「フィジカルの強い選手が何人もいる、素晴らしいチーム」だと語る一方で、「相手どうこうよりも、自分たちのサッカーで戦いたい」と決意を述べています。またクラブワールドカップへの準備をどこから始めたか、と言う質問に対して森保監督は「はっきりと覚えていません」と答えをはぐらかせましたが、ニュージーランドへスカウトを送っていたと言う情報もあるので分析はしっかりしているはず。相手は4回目の出場と経験豊富ではありますがセミプロなので、厳しいJリーグを戦い抜いてチャンピオンになった力を見せて欲しいものです。
 一方のオークランド・シティですが、先週末に来日したものの練習と観光に精を出しているとのこと。ブログに書いている岩田選手自身も「試合が近づいてるのに観光なんてしていていいのかと思う」と書いていますが、ただ「普段はリラックスしすぎと思うが、いざ試合になると力を発揮する」とのことなので、明日は十分に警戒して臨む必要がありそうです。
<12.12.4> 昨日横浜アリーナで行われた「2012 Jリーグアウォーズ」で、佐藤寿人選手が最優秀選手賞を受賞したのを筆頭にサンフレッチェの受賞が続きました。
 まず選手入場では2位以下のクラブの選手たちが紹介された後で、サンフレッチェの今季の戦いと優勝シーンの映像が流れて選手全員が入場。選手たちは壇上で弓を引くポーズを披露し、佐藤寿人選手が優勝カップを受け取りました。これに続いて最優秀監督賞の発表があり、森保監督が受賞しました。
 フェアプレー賞は反則ポイントが試合数以下のチームに与えられますが、その中で最も少ないチームに与えられるのが高円宮杯。今季はサンフレッチェが史上最少の反則ポイント10で受賞しましたが、優勝とフェアプレー賞を同時に受賞したのは史上初めてのことです。また全試合に出場して警告と退場の無かった選手を対象に与えられるフェアプレー個人賞は、佐藤寿人選手が2007年以来2度目の受賞をしました。佐藤選手が最後にイエローカードを受けたのは2009年の第30節仙台戦。それ以降3年間にわたってフェアプレーを続けていますが、一昨年は怪我で7試合、昨年はインフルエンザで1試合欠場したため受賞を逃しています。今季は「シーズン前から意識していた賞」だったそうで、得点王と同様に価値の高いものだと言えそうです。
 優秀選手の中から監督・選手の投票で選ばれるベストイレブンには、サンフレッチェから5名が選出されました。
【GK】西川(広島)
【DF】駒野(磐田)、闘莉王(名古屋)、水本(広島)
【MF】レアンドロ・ドミンゲス(柏)、遠藤(G大阪)
    青山、高萩(広島)
【FW】ウイルソン(仙台)、佐藤(広島)、豊田(鳥栖)
 そして最後に発表された最優秀選手賞(MVP)を受賞したのは佐藤寿人選手。得点王とMVPのダブル受賞は中山(磐田1998年)、高原(磐田2002年)、アラウージョ(G大阪2005年)、マルキーニョス(鹿島2008年)に続いて史上5人目で、ベストイレブンとフェアプレー個人賞も含めた「4冠」は史上初めてのこととなりました。この日は何度もスピーチを求められた佐藤寿人選手ですが、最後は「一番感謝しなければいけないのは妻の奈央と、2人の息子である玲央人、里吏人」と家族への感謝の言葉で締めました。
 そしてセレモニーの最後には再びサンフレッチェの全選手が壇上に上がってMVPのトロフィーと優勝シャーレを掲げ、その後場内を1周してサポーターと共に祝福しました。(なおアウォーズの写真ですが、整理後にブログにアップする予定です。)
<12.12.3> 昨日高円宮杯プレミアリーグウエストの第17節が行われ、サンフレッチェユースは愛媛ユースに6-1で勝ちました。得点経過を見ると、前半12分に愛媛に先制点を許しましたが、20分に野津田のゴールで追いついて1-1で前半を折り返しました。そして後半は9分に野口のゴールで勝ち越すと、その後19分に大谷真、33分に柄脇、41分に藤村、そしてロスタイムに越智と次々と加点して勝利しました。第17節の全結果と順位表は以下の通り。
【第17節】
広島ユース 6-1 愛媛ユース
東福岡高  2-1 C大阪U-18
名古屋U18  4-1 富山第一高
福岡U-18  2-2 岡山作陽高
京都U-18  2-1 神戸U-18

       勝点 勝 分 負 得失差
1広島ユース   45  15   0   2   +38
2神戸U-18    33  10   3   4   +38
3名古屋U18    32  10   2   5   +11
4C大阪U-18   28   9   1   7   +10
6京都U-18    27   9   0   8    +7
5富山第一高   25   8   1   8    -7
7東福岡高    22   6   4   7   -11
8福岡U-18    19   5   4   8    -9
9岡山作陽高    9   2   3  12   -28
10愛媛ユース    5   1   2  14   -49

<12.12.2> Jリーグは昨日「2012Jリーグ優秀選手」を発表し、広島からは仙台と並んで最多の8人が選出されました。今回選ばれたのは次の32人。
【GK】林(仙台)、楢崎(名古屋)、西川(広島)
【DF】上本、角田、鎌田(仙台)、駒野(磐田)、闘莉王(名古屋)
    千葉、水本、森脇(広島)、槙野(浦和)、栗原、中澤(横浜FM)
【MF】菅井、梁(仙台)、山田(磐田)、遠藤(G大阪)、
    柿谷(C大阪)、阿部(浦和)、レアンドロ・ドミンゲス(柏)、
    中村憲(川崎F)、中村俊(横浜FM)、青山、高萩、森崎和(広島)
【FW】赤嶺、ウイルソン(仙台)、前田(磐田)、佐藤(広島)、
    大前(清水)、豊田(鳥栖)
 「Jリーグベストイレブン」はこの中から明日の選考委員会で選ばれます。
<12.12.2> 昨日アウェイで行われた最終節の神戸戦は1-0で勝ち、有終を飾るとともに佐藤寿人選手が得点王となりました。
 出場停止明けの千葉が先発に復帰。一方のミキッチはベンチからのスタートで、以下の布陣で戦いました。
       西川

   森脇  千葉  水本
   (→ファン88分)
     青山  森崎和

石川            清水(→山岸63分)
(→ミキッチ76分)
   森崎浩    高萩

       佐藤

SUB:増田、塩谷、中島、石原
 対する神戸は、GK:徳重、DF:奥井、北本、伊野波(→岩波53分)、相馬、MF:三原(→田代64分)、橋本、野沢、大久保、FW:都倉、小川(→森岡56分)、と言うメンバーでした。J1残留のためには勝利が欲しい神戸は、コンパクトな陣形で広島の攻撃を抑えると、遠い距離からでもどんどんシュートを狙ってきます。ファーストシュートは森崎浩のFKでしたが前半の広島のシュートはその1本だけ。神戸は三原が、大久保が打ってきましたが枠外に外れます。広島は39分には青山のスルーパスで高萩が抜け出しかけたシーンぐらいしかチャンス無し。神戸は40分には都倉が強烈なミドルシュートを打ちましたが枠を外れます。結局前半は両チームとも決定的なシーンは作ることはできず、他会場に比べて静かにハーフタイムを迎えました。
 後半立ち上がりは広島がボールを支配し、0分にはいきなり高萩が惜しいロングシュートを放ちます。そして5分、高萩のキープから石川が抜け出すと、マイナスのパスを受けた寿人を北本が思わず倒してしまいます。これでゲットしたPKを森崎浩がしっかりと蹴って決めて、西川も加わっての「ゆりかごパフォーマンス」で水本の次女誕生を祝いました。
 これで2点取らなければ残留できなくなった神戸は積極的に前から出てきます。そして8分にはセットプレーのこぼれを橋本が狙い、その直後にも左からのクロスに都倉が頭で合わせます。また12分には大久保がミドルを打たれましたが西川が倒れ込みながら抑えます。田代と森岡を投入し、ハイボールで、あるいはパスを繋いで攻めてくる神戸。後半23分には森岡に危ないシュートを打たれましたが西川が素晴らしい反応で弾きます。しかし神戸の運動量低下に乗じて広島も押し返して、28分には青山が強烈なミドルシュート。32分にはミキッチのクロスに寿人が飛び込み、35分にはカウンターから寿人が惜しいクロスを入れたもののGKに弾かれます。38分には青山のパスで寿人が抜け出しましたがシュートを打てず、39分には森崎和がミドルシュート。41分には森崎浩が決定的なチャンスを迎えますが徳重の好セーブに阻まれます。更に42分にはクロスボールを寿人がバイシクルで狙うなど神戸ゴールを脅かしつつ逃げ切って、今季の勝ち点を64に伸ばして優勝に花を添えました。
 残留のためには絶対勝利が欲しかった神戸と、前節優勝が決まっていた広島と言うことで試合に賭ける気持ちと言う点では神戸の方が上だったのだろう、と思います。実際、広島のシュートは7本だったのに対して神戸は12本。神戸は良く走り、良く頑張っていたように思いました。しかしゴール前まではボールを運んでもそこから崩しのアイディアはなく、遠目から打つかクロスを放り込むだけ。監督交代を繰り返した今シーズンの迷走を象徴するような戦い方だったと思います。それに対して広島は落ち着いて相手の攻撃を受け止めて、取るべき時にしっかりと点を取って順当な勝利。アウェイゴール裏を紫に染めたサポーターに、「王者」にふさわしい戦いを見せることができたのではないかと思います。試合終了後は悲しみに沈むホームのサポーターに対して喜びの広島、と言う残酷なコントラストを描くことになりましたがそれもサッカー。今年1シーズンを通じて、あるいはこれまでの年月をかけて積み上げてきたものの差が、このような形になったのではないかと思います。神戸は来季J2から出直すことになりますが、同様に広島にとっても来季はディフェンディングチャンピオンとしての新たな戦いが待っています。クラブワールドカップはありますが同時に現有戦力との契約を進めて、来季に向けて準備して欲しいと思います。

日刊スポーツの記事
日刊スポーツスコア速報
J's GOALゲームサマリー
Jリーグプレビュー&レポート

SANFRECCE Diaryトップページに戻る