7/15〜7/21のSANFRECCE Diary


<12.7.21> 川崎Fは昨日、田坂祐介選手がドイツ2部のボーフムへ移籍する、と発表しました。
 田坂は広島高陽FCからサンフレッチェJrユース、サンフレッチェユースに加入。ユースでは高萩、森脇らの「最強世代」の1年先輩で、3年生時の2003年には主力としてクラセン優勝、高円宮杯3位、Jユース杯優勝等に貢献しました。当時からドリブルのキレと左足のキックの精度に定評がありましたが、前田俊介や高柳一誠らキラ星のごとく輝いていた後輩たちに比べるとやや地味な印象で、年代別代表の経験はなし。また同学年のトップ昇格は田村祐基選手(因みに田村は現在パラグアイ2部のクラブに所属しているらしい)だけで、新人選手として青山敏弘、吉弘充志両選手が加入しています。ユース卒業後は推薦入学が決まっていた青山学院大に進学し、主将を務めるとともに4年時に川崎Fの特別指定選手として1試合に出場。翌年川崎Fでプロとしてのキャリアをスタートさせました。そしてプロ入り後しばらくはベンチスタートが多かったのですが、一昨年ぐらいからレギュラーを獲得。今季は18試合中14試合に先発出場するなど、最も信頼の厚いフィールドプレーヤーの一人となっていました。ボーフムはこれまで小野伸二や鄭大世、乾貴士と毎年のようにJリーグから選手を獲得してきていますが、それでもこれまで代表経験のない27歳の選手を獲得するとは驚きです。田坂がボーフムで活躍すれば、日本人選手獲得の流れが更に加速するのは間違いなさそうです。
<12.7.20> 世界のサッカーを網羅するニュースサイトGoal.comで、佐藤寿人選手がWorld Player of the Weekに選ばれました。記事によるとサンフレッチェを首位に導いたのが主な理由で、2009年の前田遼一の20ゴールを上回るペースでゴールを重ねている、と紹介されています。昨日は受賞を受けた寿人選手本人の言葉が、また元記事の日本語訳が日本語版に掲載されましたので、ぜひご覧下さい。
<12.7.19> 先週発売の紫熊倶楽部8月号(Vol. 174)を紹介します。
 カラーページの最初の記事は、「首位決戦」となった仙台戦。今季好調な両チームの力と力が激突した「今季最高」の試合を振り返っています。
 今月号の特集は、広島を特徴づける「攻撃サッカー」の源流となった2001年、ヴァレリー監督の時代について。まずは編集長のコラムで、前年まで1試合平均1.33点しか取れなかった守備的チームがどのように超攻撃的なチームになったのか、当時の様子を振り返っています。これに続くのは森崎兄弟の対談記事。2001年は新人だった彼らがヴァレリー監督のもとで何を思っていたのか。またどのようにプレーしていたのか語り合っています。
 連載記事「サンフレッチェの指導者たち」で取り上げられているのは下田コーチ。望月コーチのもとで学んだ1年を経て一人でGKコーチを担当するようになって、どのような考えで指導しているのか、その思いを語っています。「READERS AREA」とジュニアユースの記事、高円宮杯PLの公式記録集を挟んで、「緊急掲載 若者たちの肖像」では、ミキッチと山岸の離脱でチャンスが巡ってきた石川、清水両選手が登場しています。「マッチレポート」はナビスコカップの仙台戦、鳥栖戦、浦和戦と、リーグのC大阪戦、大宮戦、磐田戦、仙台戦。「THE SCEAN OF SANFRECCE」では、ナビスコカップ浦和戦の平繁選手と磐田戦の森崎浩司選手を取り上げています。そして最終ページでは66歳のB6常連サポの安井春彦さんが紹介されています。
 サンフレッチェオフィシャルマガジン「紫熊倶楽部」は定価350円。ホームゲーム会場とV-POINTの他、広島県内主要書店と東京・池袋のジュンク堂と書泉ブックマートでも販売中です。また通信販売はe-VPOINTでどうぞ。
<12.7.18> サンフレッチェと清水エスパルスは昨日、辻尾真二選手の期限付き移籍を発表しました。
 辻尾は堺市出身の26歳で、中央大学から2008年に清水入り。その年はリーグ戦3試合の出場にとどまったものの徐々に出場機会を増やし、昨年はレギュラーを確保して27試合に出場しました。しかし今季は甲府から移籍加入した吉田にポジションを奪われ出場はわずかに1試合。ナビスコカップでも1試合の出場にとどまり、ほとんど戦力外の扱いとなっていました。広島としては山岸に復帰の目処が立たずミキッチも無理ができないと言うことで、サイドの補強は必須。従って運動量とスピードに定評のある辻尾の獲得に動いたものと思われます。辻尾は右を得意とするものの左サイドでのプレーもできるようなので、当面は清水や石川とポジション争いをすることになりそうです。
<12.7.17> 7/26に開幕の「adidas CUP 2012日本クラブユースサッカー選手権(U-18)」(通称クラセン)の組み合わせとスケジュールが発表されています。それによるとサンフレッチェユースはグループAで、G大阪、横浜FC、カターレ富山と戦うことになります。試合の日程は以下の通り。
7/27(金)10:30 広島×G大阪(前橋総合)
7/28(土)13:30 広島×富山(前橋総合)
7/29(日)10:30 広島×横浜FC(宮城総合)
7/31(火)ラウンド16(群馬県内)
8/1 (水)準々決勝(群馬県内)
8/3 (金)準決勝(三ツ沢公園陸上競技場)
8/4 (土)決勝(ニッパツ三ツ沢球技場)
 同組のG大阪ユースはプリンスリーグ関西1部で現在8勝2敗で得失点差で2位。またクラセンの予選では京都U-18、神戸U-18、C大阪U-18とのリーグ戦を首位で通過して本大会出場権を決めています。一方、横浜FCユースは現在関東2部の首位。クラセンの予選は三菱養和SC、横浜FMユースに続いてグループ3位となり、4チームで戦った9位決定戦で川崎Fユース、千葉ユースを下して出場権を獲得しています。昨年までのクラセンはグループリーグ首位と2位の中の2チームしかトーナメント進出はできない、と言う厳しいレギュレーションでしたが、今年は2位までの全チームと3位の4チームが上がれることになりました。従ってまずは取りこぼさないことが重要なのではないかと思われます。
<12.7.16> 「AFC U22アジアカップ2013予選」を戦っていた-19日本代表は、グループEの残り2試合も勝って5戦全勝で全日程を終えました。
日本 5-1 インドネシア  【日】久保4、鈴木
 GK:中村、DF:松原、櫛引一、岩波、山中、MF:廣田(→橋本64分)、
 松本(→鈴木90分)、秋野、野津田、FW:久保、渡(→荒野78分)
日本 5-0 オーストラリア 【日】野津田2、岩波、渡、廣田
 GK:中村、DF:松原(→川口85分)、櫛引一、岩波、山中、
 MF:松本(→廣田46分)、橋本、秋野、野津田、FW:久保、渡(→荒野74分)
 今回の大会はアジアカップ2013の予選ではありますが、位置づけはむしろ11月にUAEで行われる「AFC U19 Championship 2012 Final」のための準備、と言う感じ。今回はいろいろとメンバーを入れ替えながら、ベストの布陣を探っていて、最終的な「答え」がこの2試合のメンバーだったのではないでしょうか。引いて守る相手に苦戦したこともあった今大会でしたが、最後の2試合で大勝したということで手応えを得ることができたのではないか、と思われます。
 因みに野津田はこの大会で5試合中4試合に先発していますが、最後の2試合では先発フル出場して快勝の立役者にもなっているため信頼を勝ち得たのではないかと思われます。今年は今後ユースとU-19代表を中心に戦うため、なかなかトップには絡んで来れないかも知れません。
<12.7.15> J1リーグ後半戦の初戦となる昨日の第18節川崎F戦は、清水のリーグ戦初ゴールと寿人の2ゴールで快勝し、第3節以降としては18年ぶりに首位に立ちました。
 青山は先発から出場したものの内転筋を痛めたミキッチはベンチにも入らず、石川がリーグ戦では初めて先発して以下の布陣で戦いました。
       西川

   森脇  千葉  水本

     青山 森崎和

石川            清水(→井波79分)

    石原    高萩(→大崎90+2分)

       佐藤(→森崎浩58分)

SUB:増田、横竹、中島、平繁
 対する川崎Fは、GK:西部、DF:田中裕、實藤、井川、田中淳、MF:稲本、中村、楠神(→小松85分)、FW:田坂(→山越46分)、レナト(→矢島51分)、小林、と言うメンバーでした。後ろにブロックを作って守る、と言う戦い方で臨んだ川崎Fでしたが、その裏をかいて先制点を奪ったのは開始早々の2分。高萩のCKは川崎の守備ブロックを外してペナルティエリアの外に飛ぶと、待ち構えていた清水が見事なボレーシュートを突き刺して広島があっという間に先制点を奪いました。
 その後川崎は前に出てくるようになって、8分にはスルーパスで抜け出した小林のシュートを西川がぎりぎりで反応して抑える、と言うシーンを作られます。その後もパスを繋いで攻めようする川崎でしたが、かつての広島のようなミスが出ます。前半14分、高萩のプレスを受けた井川が西部にバックパスをするとそのトラップがやや大きすぎ、そこに詰めていた寿人が身体に当てて押し込んでラッキーな1点を奪います。更に18分には中央でボールを受けた寿人が右サイドのスペースへボールを出して石川を走らせると、その石川のクロスにDFの間を割って飛び込んであっという間に点差を3点に広げました。
 その後も広島が質の高いパス交換から何度も攻め込みます。20分には高い位置でボールを奪って石原がチャンスを作り、34分にはカウンターから清水がシュートしましたが枠外。38分には高萩のパスをDFラインの間で受けた寿人が反転してシュートしたものの惜しくも枠を捉えず、43分には高萩がループで狙いましたがこれも枠を捉えることができません。逆に川崎はボールキープはするものの決定的な崩しの形は作れず、何度かレナトが個人技でシュートまで持ち込んだだけ。前半は広島ペースを保って折り返しました。
 後半から特別指定の山越を投入してきた川崎は、その山越のシュートや矢島のシュートで広島ゴールに迫ります。そして13分にはCKのこぼれを繋がれて田中裕にシュートを許しましたが水本がブロックし、15分には中村が狙いましたが枠外に外れます。逆に広島は18分、清水が仕掛けつつDFを引きつけて出した横パスを森崎浩が左足で狙ったもののGKがキャッチ。27分には水本がペナルティエリア内でフリーになったものの打ち切れず、32分には石川のクロスのこぼれを森崎浩が打ちましたがわずかに右に外れます。更に38分には高萩のスーパーなサイドチェンジに追いついた石川がクロスを入れましたが森崎浩のパスは相手に引っかかり、45分には石原がボレーで狙ったものの枠を捉えることができません。結局後半は両チームともゴールネットを揺らすことはできず、前半のスコアのまま動かず試合終了のホイッスルを聞きました。
 試合後の風間監督は「正直、面白くない試合でした...最後のところの質が非常に低い」と憮然とした表情だったのに対して、森保監督は「最終的には、34試合が終わってどこにいるか。それが大切。喜びと共に、次をどう闘っていくか。そこを忘れずにやっていきたい」と慎重な態度は崩さないまでも喜びは隠しきれない、と言う感じでした。実際試合全体を見ると、早い時間帯で3点のリードを奪ったということもあって終始一貫して広島ペース。川崎がボールを持っても簡単に中に入れさせずほとんど決定機を作らせなかったのに対して、広島は得点シーン以外にも何度もビッグチャンスを作りました。前回の対戦から約3ヶ月が過ぎて川崎もそれなりに戦術が浸透してきたと言う話でしたが、広島がペトロヴィッチ監督以来6年間かけて積み上げてきたものと比べればまだまだ差が大きい、と言うことを示した試合だったと言えるでしょう。
 広島にとってこの試合に向けての大きなポイントは、ミキッチと山岸のいない両サイドでどう守り、攻めるかということでした。そして左は清水が先発して井波が途中出場し、右は石川がフル出場したわけですが、それぞれ持ち味を十分に発揮してくれたと思います。リーグ戦は5試合連続先発となった清水は「練習でも決まったことが無かった」と言うスーパーボレーシュートを決めて試合を有利に進めるきっかけを作りましたし、その他の時間帯でも粘り強い守備で貢献しました。試合後のコメントでは「攻撃する時間が少なかったので、そのあたりは反省すべきところ」と語っていますが、リードしている試合で無理に攻め上がる必要もないわけで「しっかりと守れた」(清水)ことが重要でしょう。一方の石川は「今日は満足よりも疲労の方が大きいです」と語っていますが、とにかく試合の序盤から終了間際までしっかり走れたことが大切で、その上でアシストと言う結果を残せたことが良かったと思います。更にプロ入り後初めてリーグ戦のピッチに立った井波は、派手なプレーこそなかったものの守備面で落ち着いたプレーを見せました。それぞれ課題はあると思いますが、それ以上の可能性を見せて勝利に貢献したと言う意味で、彼らにとってはそれぞれ忘れられない試合になったのではないでしょうか。この試合の勝利によりサンフレッチェは仙台と勝ち点と得失点差で並ぶとともに総得点で上回って久々(2002年の第1節以来で、リーグ中盤以降と言うことであればステージ優勝した94年以来)の首位に立ったわけですが、その事実よりも若手が活躍して勝利に貢献したことが大きな収穫だったと言えるのでは?彼らがこのまま成長して戦力になっていけば今後の夏場の戦いを乗り切ることもできるし、上位に食らいついて終盤の優勝争いに参加することもできるわけで、森保サンフレッチェにとってはいろいろな意味で大きな勝利だった、と言えそうです。

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