12/3〜12/9のSANFRECCE Diary


<17.12.9> サンフレッチェは昨日、今月末で退任する織田社長の後任候補にナイキジャパンの山本拓也氏が決まった、と発表しました。川崎市出身で青山学院大学を卒業した山本氏は、1993年にアサヒビールに入社してマーケティング本部などに勤務。1996年にナイキジャパンに移って2011年からサンフレッチェを担当していました。これまで会社経営の経験は無いものの、スポーツビジネスに関わってきた経験を買われての抜擢なのではないかと思われます。サンフレッチェの今季の入場者数は238,720人(1試合平均14,042人)と2年連続で減少していて、2009年のJ1復帰以来2番目に少ない数字に留まっています。これはチーム成績が振るわなかったことも要因ではあるものの、やはりクラブ全体として新しい手が打てていないのも原因ではないか、と思われます。ぜひ新社長には新たなアイディアを出して、クラブの価値が高まるような手を打って欲しいものです。
<17.12.8> サンフレッチェは昨日、城福浩氏が来季の監督に就任する、と発表しました。徳島県出身の城福氏は川崎Fの前身である富士通のサッカー部でプレー。28歳で引退すると、その後は一般職の社員として勤務していました。(富士通川崎の監督も社員としての仕事だったらしい。)その後チームのJリーグ参入とともに再び社業に復帰していましたが、FC東京の設立に合わせて富士通を退社。FC東京の育成部門の統括としてアカデミーの整備と強化に力を注ぐとともに、年代別代表の監督として若手の指導に当たってきました。そして2008年にはFC東京の監督に就任すると「ムービング・フットボール」を掲げて魅力的なチームを作り、リーグ戦5位まで引き上げるとともにナビスコカップのタイトルを獲得。成績低迷により2010年シーズン途中に解任されましたが、2012年シーズンから甲府の監督に就任してJ2優勝とJ1昇格を達成し、昇格後もあの手この手でチームを整備しつつ2014年にはクラブ史上最高の13位に導きました。その後2016年にはFC東京の監督に復帰したものの、成績が伸びなかったことから半年ちょっとで解任されると、今季はサッカー協会の関東地域統括ユースダイレクターを務めてきました。
 これまでの経歴を改めて眺めて見ると城福氏はサッカーに関する知識と指導力に長けていて、若手育成とチーム再構築が課題のサンフレッチェとしては最適な監督だと言えます。中国新聞によると足立強化部長は「FC東京ではボールをつなぎ、甲府では堅守速攻とどちらもできる。育成部門の経験が長く、ユースやジュニアユースの指導者養成にもつながる。クラブが一枚岩になれる」と語っているとのこと。来季はJ1の一番下からの再出発となるサンフレッチェですが、ぜひとも来季は「目の前の結果に徹底的にこだわること、サッカーを楽しむこと」(城福監督)を追い求めて欲しいと思います。
<17.12.7> 中国新聞に今季を総括する記事が3回連続で出ています。その1回目のタイトルは「『一丸』監督交代を乗り越え残留」で、ヨンソン監督の元で結束して、「厳しいとみられていた残留を勝ち取った」ことを書いています。また2回目は「補強 新戦力不発、得点力欠く」で、リーグ3位の58得点から15位の32得点に激減した攻撃力について総括。切り札として期待して獲得した工藤とフェリペ・シウバがなかなか噛みあわず、「あうんの呼吸が求められる広島のサッカー」ができなくなった、と書いています。また当初はウタカとの契約を延長する考えだったそうですが、「守備への意識の低さと運動量の少なさを不安視する森保監督の意向や、高騰する年俸との兼ね合いで放出。工藤、フェリペ・シウバが不振だった時の保険がなかった」と言うことで、補強の失敗は「私の反省点」と足立強化部長が述べています。
 そして3回目の今日のタイトルは「育成 世代交代、足踏み続く」。レギュラー奪取のチャンスが例年になく多かったにも関わらず、目立って成長したと言えるのは高橋だけ。期限付き移籍を容認してきたことも災いして、ベテラン勢の故障などの事態に対応できませんでした。これに関して足立強化部長は「もう一度ゼロからスタートしたい」と話しているとのことで、「川辺のほか宮原や吉野ら期限付き移籍している若手を復帰させる方針」だとのこと。来季は新監督の下、世代交代に成功するかどうかが、チームの死命を制することになりそうです。
<17.12.7> FC東京は一昨日、期限付き移籍中のウタカとの契約を延長しない、と発表しました。一昨年は33試合に出場して19ゴールを挙げて得点王に輝いたウタカでしたが、今季の出場は25試合。またその半分以上が途中出場で、出場時間は前年の半分以下の1,276分にとどまっていました。ただその中でもチーム最多タイの8得点を挙げたのはさすが、と言うべきかも。ゴールを奪う技術はまだまだ錆びついていないことを考えると、新監督の意向次第では広島に戻ってくることになるかも知れません。
<17.12.6> 昨日行われたJリーグアウォーズで、サンフレッチェ広島にフェアプレー賞高円宮杯が授与されました。このフェアプレー賞高円宮杯は年間の反則ポイントが1試合平均1ポイントを下回ったクラブのうち、最も反則ポイントが少なかったクラブに与えられるもので、サンフレッチェの受賞は5年連続6回目となっています。今シーズン序盤は守備の不安定さから警告が多く、第7節までにイエローカード15枚、レッドカード1枚をもらうなど、とてもフェアプレー賞に値するとは思えない戦いを続けていたサンフレッチェでしたが、第8節でイエローカードを1枚受けた後は劇的に改善し、第20節までの13試合でもらったのは6枚だけ。また第21節のG大阪戦こそ多かったものの、その後は13試合で9枚と守備の安定とともに警告も少なくなって今回の受賞に至りました。結局警告数は34で仙台の32、C大阪とFC東京の33より多かったものの、無警告だった試合が17試合でマイナスポイントが最多だったことがこの結果に繋がった、と言うことになります。残留争いに巻き込まれ、苦しいことの多かったシーズンでしたが、それでも広島の伝統となっているフェアプレーを貫いたと言うことは、称賛されてしかるべきなのではないか、と思います。
 一方年間で無警告・無退場だった選手の中から選ばれるフェアプレー個人賞に、中澤選手(横浜FM)、柿谷選手(C大阪)とともに水本裕貴選手が選ばれました。
<17.12.6> サンフレッチェは昨日、横内ヘッドコーチ、下田GKコーチ、松本フィジカルコーチの3人がU-20日本代表のコーチングスタッフに就任する、と発表しました。横内コーチはマツダSCからサンフレッチェ広島で1995年までプレー。その後スカウトやアカデミーのコーチ等を経て2003年からトップチームコーチを務め、特に森保監督就任以降はヘッドコーチとして監督を支えてきました。また下田コーチは2011年から、松本コーチは2012年からトップチームコーチとして森保監督とともに戦ってきました。つまり3人とも「チーム森保」のスタッフとして監督の全てを知っている立場だったわけで、東京五輪を目指すチームを率いる森保監督としても是非ともスタッフとして支えて欲しい、と思ったに違いありません。この3人は早速今日から活動を開始するU-20代表に合流して、タイで行われるM-150カップ2017に臨みます。
<17.12.5> サンフレッチェは昨日、ヨンソン監督が今シーズン限りで退任する、と発表しました。前半の17試合で勝点わずか10、とJ2降格の危機の中にいたチームの再建を託されて就任したヨンソン監督は、夏の中断期間中の2週間で4バックを導入。リーグ再開初戦となった鳥栖戦こそ相手のスーパーゴールで敗れたものの、続く磐田戦に逆転で勝利すると10試合で4勝4分け2敗と立て直しました。そして続く鹿島戦、川崎F戦、浦和戦に3連敗して再び降格圏に落ちたものの、「内容は良い」とチームに自信を持たせるとともにアンデルソン・ロペスの1トップに変更して2連勝。1試合を残して見事に「J1残留」と言うミッションを果たしました。中国新聞によると昨日の「感謝の夕べ」に出席したヨンソン監督は「必死にJ1に残したいと思って戦った。(来季も指揮できれば)面白いと思っていた。個々の選手を伸ばすことも可能だった」と語っていてこのまま続ける意欲はあったようなので、クラブ側が再契約をオファーしなかったと言うことのように思います。16試合で勝点22と言う結果に対する評価や、あるいは選手育成の手腕など総合的に判断した結果なのだろうとは思いますが、少なくともサポーターとしては残念な思いが残りますし、また彼が成し遂げたことについては感謝しかありません。
 ところで日刊スポーツ等の報道によると、後任候補としてかつて年代別代表や甲府、FC東京を率いた城福浩氏の名前が挙がっているとのこと。中国新聞には「就任することが分かった」と断定的な書き方がされているので、近いうちに正式発表されることになるのではないでしょうか。
<17.12.4> 昨日行われた高円宮杯プレミアリーグウェスト第17節で、サンフレッチェユースはC大阪U-18に1-0で競り勝ちました。広島のメンバーは、GK:大迫、DF:里岡、川井、MF:松本、根角、川村、満田(→三原89分)、仙波、東(→村山86分)、鈴、FW:明比(→桂90+2分)。得点は後半24分で、明比の浮き球のパスを川村が右足で決めました。なお、第17節は首位の神戸U-18がG大阪ユースと引き分けて同じく勝ち点39。広島は得失点差で1少ないため2位となっていますが、最終節を前に並んだと言って良いでしょう。第17節の全結果と順位表は次の通り。
【第17節】
大津高   1-0 米子北高
神戸U-18  1-1 G大阪ユース
神戸弘陵高 2-0 阪南大高
東福岡高  2-3 福岡U-18
C大阪U-18 0-1 広島ユース

       勝点 試合 勝 分 負 得失差
1神戸U-18   39    17  12   3   2   +26
2広島ユース  39    17  12   3   2   +25
3G大阪ユース 29    17   8   5   4   +21
4東福岡高   26    17   8   2   7    +8
5C大阪U-18  22    17   6   4   7    -2
6阪南大高   19   17   4   7   6    -3
7米子北高   17   17   4   5   8    -5
8神戸弘陵高  16   17   4   4   9   -12
9大津高    15   17   4   3  10   -25
10福岡U-18   14   17   4   2  11   -33
 最終節の相手は広島が神戸弘陵高なのに対して神戸U-18は阪南大高。順位は神戸弘陵高の方が下ですが、負ければプレミアリーグからの降格の可能性があるため難しい戦いとなりそうです。
<17.12.3> 昨日アウェイで行われたJ1リーグ最終節の柏戦は、セットプレーからの失点を取り返せず0-1で敗れ、15位で全日程を終了しました。
 先発メンバーは前節と同じ。また森島をベンチに入れて、以下の布陣で戦いました。
        林

椋原   千葉  水本   高橋

     青山  稲垣

       柴崎(→森島33分)

柏           フェリペ(→茶島63分)

     A・ロペス(→パトリック79分)

SUB:中林、野上、森崎和、皆川
 対する柏は、GK:中村、DF:小池、鎌田、中山、輪湖、MF:大谷、武富(→中川58分)、キム・ボギョン、FW:伊東、クリスティアーノ、ハモン・ロペス(→ディエゴ・オリヴェイラ87分)、と言うメンバーでした。ファーストシュートは柏で、右からドリブルで上がってきた伊東がワンツーを使ってシュートしましたが枠外。その直後にはこぼれ球をハモン・ロペスが遠目から狙いましたが林がキャッチします。広島はパスは繋ぐもののなかなかシュートまで行けない時間が続いたのですが、初シュートは前半12分。クサビのパスを受けたアンデルソン・ロペスがDFを背負いながら反転してシュートしましたが枠外に外れます。また18分にはフェリペ・シウバがカットインしてシュートしましたが枠外。23分には稲垣がゴール正面から狙いましたがDFがブロックされます。また24分には速攻からフェリペ・シウバがフリーになり、逆サイドのゴールネットを揺らしましたが触らなかったアンデルソン・ロペスがオフサイドを取られてしまいます。前半の後半は柏にボールを握られる時間が長かったのですが、広島は組織的な守備で凌ぎます。広島はアンデルソン・ロペスとフェリペ・シウバが何度かシュートに持ち込んだものの枠を捉えることができません。前半はお互いに持ち味を出したものの無得点に終わり、両者スコアレスでハーフタイムを迎えました。
 後半最初にチャンスを作ったのは柏で、クリスティアーノが千葉に競り勝って抜け出しシュートしましたが林がセーブします。逆に4分には森島のパスを受けたアンデルソン・ロペスが股抜きシュートを打ちましたが中村がぎりぎりで足を出して弾き、その直後にもアンデルソン・ロペスがミドルを狙いましたが枠外に外れます。後半もお互いに持ち味を出した一進一退の攻防が続きましたが、12分に柏の右からのCKをフェリペ・シウバがクリアミス。林は何とか手に当てたものの大谷に押し込まれて、先制点を許してしまいました。
 その後15分には伊東の突破を許して輪湖にフリーでシュートされ、22分には伊東、クリスティアーノに続けざまに決定的なシュートを許すなど柏にペースを握られます。しかし広島は全員で集中を切らさず追加点を許さず、徐々に押し返します。そして26分には椋原のクロスをペナルティエリア内で受けたアンデルソン・ロペスがシュートしましたが当たり損い。34分には高橋のクロスを茶島がダイレクトで決定的なシュートを放ちましたが、中村のスーパーセーブに阻まれます。また38分には高橋がペナルティエリア内まで入ってシュートしましたがしっかり打てずに枠外。39分にはCKのボールをパトリックが狙いましたがGKにキャッチされます。またアディショナルタイムにはパトリックのヘッドが相手の手に当たったようにも見えたもののホイッスルはなく、そのまま2017年シーズン終了のホイッスルを聞くことになりました。
 残留争いのプレッシャーから解放された効果なのか、この日のサンフレッチェは全体的に伸び伸びとプレーできていたと思います。運動量もパスの回りも良く、広島らしいサッカーが表現できていて、テレビの解説が「これが前節まで残留争いをしていたチームか」と言うのも分かるような好内容のゲームでした。ただ、それでも勝てなかったのも確か。中村のファインセーブ連発があったとは言え得点を取れなかったのは事実ですし、またほんのわずかのミスと不運で得点されてしまったわけで、要するに今年1年を通して苦しめられてきた「もうちょっとのところで勝てない」と言うことが、再び繰り返されたと言う結果でした。最終節の結果サンフレッチェは勝ち点1差の15位でJ1残留となったわけですが、結局のところその結果こそが実力だと言うことでしょう。2年前にはチャンピオンになったことを考えると信じがたいことではありますが、我々自身がその事実に正面から向き合わなければならないのだと思います。来季はまさに一番下からのスタートとなるわけですが、ぜひとも今年の経験を生かして、強いサンフレッチェを再建して欲しいものです。

広島公式サイト  柏公式サイト
Jリーグ公式サイト試合データ
ゲキサカ  戦評
日刊スポーツ  スコア速報  戦評  下平監督  
サッカーダイジェストWeb  採点&寸評  柏が天皇杯に向け勢いのつく勝利
<17.12.3> 中国新聞によると、五輪代表監督の森保監督の「片腕」として、サンフレッチェの横内、下田、松本の3コーチに日本サッカー協会から就任要請が来ているそうです。
<17.12.3> 報道によると磐田に期限付き移籍して3年目の川辺が、来季は広島に復帰することが決定的になったそうです。名波監督は試合後に「借りたものは返さなければ。また磐田でやりたくなったら、いつでも戻ってきて欲しい」と語っているそうですが、同じポジションの上原が育ってきているのも理由としてあるようです。
<17.12.3> サンフレッチェは昨日、織田秀和社長が今月末で退任する、と発表しました。マツダでプレー経験のある織田氏は引退後にマツダからサンフレッチェに出向し、今西総監督の元で主に強化部の一員としてチーム作りを行ってきました。そして2001年以降は強化部長に就任。ヴァレリー監督から森保監督に至るまでチームとしてのスタイルを模索する中、2度のJ2降格も経験しながらチームの礎を築いてきました。そして2015年には小谷野社長の広島市長選出馬を受けて社長に就任。その年は3度目の優勝を果たしたものの、昨年、今年とチーム成績が下降線を辿っていることから、責任を取ったものと思われます。今季も森保監督を半年で見限ってヨンソン監督を連れてきて、そしてJ1残留を勝ち取ったわけですから「責任を取って辞任する」必要があるかどうかは微妙ですが、もともと緊急事態で社長を引き継いだ、と言う事情があったわけですからちょうど潮時だと思ったのかも知れません。
 プレスリリースによると新社長は12月下旬の取締役会で選任するそうですが、誰が社長になるにしろ転換期にある今のサンフレッチェを率いて行くのは並大抵のことではなさそうです。
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