7/9〜7/15のSANFRECCE Diary


<17.7.15> サンフレッチェは昨日、ヨンソン新監督の就任記者会見を行いました。冒頭で織田社長はヨンソン監督とのつながりについて「旧地の仲」「共通の知人を通じて彼の動向、活躍には注目していた」と説明。「スウェーデンと日本の距離、今日までの時間は関係なく、私にとって彼は近い存在だった」と語りました。また招聘の経緯については、森保監督退任決定後から足立強化部長とともに人選に入りヨンソン氏を最優先の候補として位置づけ、7/4に仲介人を通してオファーしたそうです。ヨンソン氏はクラブの要職に就いていたものの本人の強い意欲とハルスタッズ関係者の理解により、7/9に合意に至ったとのことです。そして織田社長はヨンソン氏招聘の理由として、1)指導者としてのキャリア、2) キャラクター、3) 日本での経験値、の3つを挙げ、今のサンフレッチェにとって最適な人材であると説明しました。
 続いてマイクを持ったヨンソン監督はまず「はじめまして。ヤン・ヨンソンです。よろしくお願いします」と日本語で挨拶したあと、日本語を交えながらの英語で質問に答えました。まずJリーグに来たことについてですが、これまでも何度かオファーがあったもののタイミングが合わずに来ることができなかったとのこと。今回は「とてもいいタイミングでのオファーであり、しかもそれが広島ということもあって、考える暇もなく決断した」のだそうです。そして今後のチーム作りについては「守備のベースを作る」ことをスタートとしながらも「強力な攻撃を作りたい」と考えているとのこと。「コーチングスタッフと一緒により深く考えて行くつもり」と言いながらもシステムやバランスについても語っていて、いろいろとアイディアを持っている様子が見て取れます。リーグ戦の半分を終えて17位に沈むチームを蘇らせるのは容易なことではないと思いますが、ぜひその経験値とキャラクターを生かして、勝てるチームを作って欲しいと思います。
<17.7.14> サンフレッチェは昨日、元オーストラリア代表FWのネイサン・バーンズを完全移籍で獲得した、と発表しました。中国新聞によると契約は半年間で年俸10万ドル。サンフレッチェはとしては5人目の外国人選手となりますが、「アジア枠」になるため4人目の外国人として出場することができます。
 2006年にアデレード・ユナイテッドでプロとしてのキャリアをスタートさせたバーンズは、ギリシアのクラブで4年間プレーしたあと2012年に仁川ユナイテッドに移籍。その後オーストラリアに戻って2014-1015シーズンにはAリーグのMVPに輝きました。またオーストラリア代表としては国際Aマッチ24試合に出場して3得点を挙げて、アジアカップの2011年の準優勝と2015年の優勝に貢献しています。2015年にはその実績を引っさげてFC東京と契約したものの、途中加入の難しさもあって主力になりきれないままに終わります。翌年の城福監督の下ではコンスタントに出場機会を得たものの、篠田監督に就任するとベンチ入りもままならなくなってしまいました。そして今季もFC東京の契約を全うすることを選んだものの篠田監督の信頼は得られず、ルヴァンカップ4試合(しかも先発は2試合だけ)とJ3の3試合の出場にとどまり6月末で契約が切れていました。フットボールチャンネルの記事によるとバーンズは「たとえ厳しい立場でもクラブへの忠誠を貫き徹す」選手だったとのことなので、「クラブのために全力を尽くし、勝利に貢献できるよう、頑張ります」(オフィシャルサイトによる)と言う言葉に偽りはないはず。どんな苦しい状況でも戦い続けるメンタリティは、きっとチームにとってプラスになるに違いありません。
<17.7.13> 昨日岐阜で行われた天皇杯3回戦で、サンフレッチェは逆転でFC岐阜に勝ち4回戦進出を決めました。
 サンフレッチェは横浜FM戦から先発7人を入れ替えて、次の布陣で戦いました。
        林

    清水 野上 稲垣

     茶島 森崎和(→A・ロペス80分)

高橋             柏
(→千葉83分)
   フェリペ    柴崎

       工藤

SUB:廣永、水本、森島、青山、皆川
 対する岐阜はリーグ戦とほぼ同じメンバーで、GK:ビクトル、DF:阿部、野澤(→風間86分)、田森、福村、MF:シシーニョ(→クリスチャン78分)、庄司、永島、FW:古橋、大本、難波(→小野61分)、と言うメンバーでした。Jリーグ公式サイトなどによると立ち上がりからゲームを支配したのは岐阜で、前半3分にはCKからクロスと見せかけてシシーニョが阿部にパスを送って決定機を演出。その後も厳しい圧力から広島を押し込み、13分には庄司のFKが危うく外れ、14分には柏のバックパスを奪われ難波にシュートに持ち込まれます。そして前半21分、左SBの福村が古橋とのパス交換で抜け出してシュートを放つとこれが決まって先制点を許してしまいました。
 その後は一進一退の展開となり、37分には柴崎の折り返しがDFに当たってクロスバーに当たる、と言うシーンを作ったものの得点は奪えず、リードされたままで後半に突入することになりました。後半も2分に林の縦パスをカットされて難波にシュートを許し、8分にも清水のパスをカットされて決定機を作られましたが徐々にペースを奪うと、後半11分に柴崎のスルーパスに反応した工藤が冷静に決めて同点。直後のフェリペ・シウバのシュートはGKのファインセーブに阻まれたものの、16分にはFKからの混戦で相手のハンドを誘うと、PKをフェリペ・シウバが決めて逆転に成功します。そしてその後は岐阜の反撃を受けたものの球際の強さと運動量で上回って、1点差のまま逃げ切りました。
 試合後に横内監督は「前半はちょっと臆病になってしまった...そう言う感じでチームを持って行ったことで、岐阜の良さを発揮させてしまった」とまずは反省の弁を述べています。また選手たちも口々に「難しいゲームだった」と語っています。ただそのような流れの中でも後半からボールホルダーに積極的に行くことで立て直したことは評価できると思いますし、何と言っても勝たなければ次に行けないカップ戦で逆転勝ちと言う結果を残したことは、ポジティブに考えて良いでしょう。森崎和幸選手は試合後に「引いて守って裏を取るサッカーは今のメンバーには合っていない」と語っていますが、ヨンソン新監督がどのように判断してどのようなチームを作るか。中国新聞に書かれているように、「チームには危機をチャンスに変えるような風が吹いてきた」と言うことであって欲しい、と思います。

広島公式サイト
Jリーグ公式サイト試合データ
<17.7.12> 中国新聞によると、新監督を迎える前の最後の公式戦と言うことで控え組や若手が意欲を見せているとのこと。横内監督は「明日以降は試合間隔が空く...選手も大丈夫だと思う」と語っているので横浜FM戦の先発メンバーも何人か出場する可能性はありますが、基本的にはカップ戦用の「ターンオーバー」で戦うことになりそうです。
 今日の試合会場は岐阜メモリアルセンター長良川競技場で、午後7時キックオフ。今日はテレビ放送は録画もありませんので、スタジアムに行けない方はモバイルサイトの速報をどうぞ。
<17.7.11> 明日は天皇杯3回戦。サンフレッチェは岐阜メモリアルセンター長良川競技場でJ2のFC岐阜と対戦します。
 今季は開幕から5試合勝ちなしと苦しいスタートだった岐阜ですが、第6節の町田戦で初勝利を挙げるとその後の6試合を5勝1分けと負けなしで行って一時は8位まで挙がりました。しかしそこから再び勝てなくなって第12節からの8試合は4分け4敗。浮き沈みの激しい戦いで、現在18位となっています。ここまでのリーグ戦の戦績は次の通り。
1H △2-2 山口  【岐】青木、永島、【口】岸田2
2A △1-1 名古屋 【岐】田中、【名】内田
3H ●0-1 松本  【松】飯田
4H ●1-2 横浜FC 【岐】庄司、【横】佐藤、野崎
5A ●0-1 東京V 【V】ピニェイロ
6A ○1-0 町田  【岐】難波
7H ○2-1 水戸  【岐】古橋、永島、【水】OG
8A △3-3 湘南  【岐】福村、OG、庄司、【湘】菊地、岡本、ジネイ
9A ○3-1 讃岐  【岐】古橋、田中、山田、【讃】我那覇
10H ○1-0 金沢  【岐】ヘニキ
11A ○2-0 群馬  【岐】田中、難波
12H ●1-2 大分  【岐】OG、【分】後藤2
13A △1-1 徳島  【岐】永島、【徳】岩尾
14H ●1-2 熊本  【岐】永島、【熊】安柄俊、巻
15H △4-4 長崎  【岐】難波、古橋、クリスチャン、田森、【長】木村2、飯尾、翁長
16A △1-1 京都  【岐】小野、【京】伊東
17H △1-1 山形  【岐】大本、【形】中村
18A ●0-2 愛媛  【愛】丹羽、有田
19A △1-1 岡山  【岐】難波、【岡】豊川
20H ●4-6 千葉  【岐】大本、古橋2、永島、【千】戌亥、指宿、清武、キム・ボムヨン、アランダ、ラリベイ
21A ●0-1 福岡  【福】ウェリントン
22H ○3-2 京都  【岐】難波、大本、OG、【京】闘莉王、小屋松
 前節は先制しながら前半のうちに逆転を食らいましたが、後半早々に2点を奪って逆転するとその後は京都にボールを支配しながらも粘り強く守って2ヶ月ぶりの勝利を挙げています。J2は今週末にもリーグ戦があるためどれだけレギュラーを起用してくるかは不透明ですが、チームとしてはやはり連敗を脱出した勢いをそのまま続けたいと思っているはず。明日はホームの利も生かしながら、「ジャイアントキリング」を狙ってくるに違いありません。
 対するサンフレッチェですが、この試合が終われば2週間お休みになることを考えると、リーグ戦のメンバーを起用する可能性もありそう。特に怪我人続出でサイドとDFラインに起用できる選手が少ないので、以下のような布陣になると予想します。
        林

    野上 丸谷 稲垣

     松本 森崎和

長沼            清水

   フェリペ    茶島

       工藤

SUB:廣永、イヨハ、水本、柏、青山、柴崎、アンデルソン・ロペス、
 暑い中の連戦でどちらにとっても厳しい戦いになることが予想されますが、どんな展開になってもチームが心を一つにして戦い抜くことが何よりも重要です。明日も誰が出場したとして球際の戦いと運動量で負けないように戦い抜いて、チームに勝利をもたらして欲しいと思います。
<17.7.11> サンフレッチェは昨日、ヤン・ヨンソン氏の新監督就任を発表しました。
 スウェーデン出身のヨンソン氏は、1993年にバクスター監督とともに来日してコーチに就任。選手不足を補うためにシーズン途中から選手にも登録して、6試合に出場して1得点を挙げました。またコーチに専念した1994年にはクラブのステージ優勝に貢献しました。その後スウェーデン三部のクラブでプレイングコーチを務めた後、1995年に再びバクスター監督の元で旧JFLの神戸でコーチに就任。ここでも選手登録して2年間で30試合に出場して、7得点を挙げてJリーグ昇格に貢献しています。そしてその後はノルウェーやスウェーデンで監督を務めてきて、クラブを一部昇格や優勝に導いています。
 中国新聞によると新監督の人選に当たってクラブが重視したのは「広島の戦うスタイル、方針を理解してくれる人材」だったとのこと。サンフレッチェのOBであり、横内監督とのプレー経験もあるヨンソン氏は「フロントにとっては最適な人材だったと思われる」のだそうです。選手とのコミュニケーション能力を持ち、何より今いる選手をフラットな目で見てメンタル面と戦術面を整備すればJ1残留は可能だと思いますが、その人材としてヨンソン氏が最適かどうか、正直言って良く分からないところがありますが、ただサンフレッチェのフロントがこれが正しいと判断したのであれば信じるしかありません。ヨンソン監督は18日にチームに合流して26日のルヴァンカッププレーオフ2nd legから指揮を執ることになるとのことなので、選手たちは天皇杯後はしばらくは休養を取りつつ新監督就任に向けて心の準備をすることになりそうです。
<17.7.10> 報道によると、サンフレッチェの新監督候補にスウェーデン人のヤン・ヨンソン氏が挙がっていることが分かったそうです。ヨンソン氏はバクスター監督時代の1993年にサンフレッチェのコーチに就任しましたが、選手不足を補うために現役に復帰してMFとして6試合に出場して1得点。また1995〜97年にはバクスター監督の元で神戸のコーチも務め、その後スウェーデンやノルウェーのクラブで監督を経験してきました。そして2015年からはスウェーデン一部のハルムスタッズで監督を務めてきたものの現在解任状態らしく、合意すれば監督就任には問題ないとのこと。スポーツ紙各紙で「決定的」と報じられているほか中国新聞にも載っているため情報の確度は高そうですが、どのようなサッカーを指向しているのか見えないだけにいささか不安が募ります。
<17.7.9> 昨日アウェイで行われたJ1リーグ戦第18節横浜FM戦は、終盤に先制点を許したもののアンデルソン・ロペスのゴールで追いつき、連敗を4で止めました。
 怪我のミキッチに代わって右WBに起用されたのは高橋。また柴崎をボランチで起用して、以下の布陣で戦いました。
       中林

    野上 千葉 水本

     青山  柴崎(→茶島80分)

高橋             柏

   A・ロペス   森島(→フェリペ85分)

       皆川(→工藤85分)

SUB:林、稲垣、清水、森崎和
 対する横浜FMは、GK:飯倉、DF:金井(→松原78分)、中澤、パク・ジョンス、山中、MF:中町、扇原、齋藤、天野、バブンスキー(→前田71分)、FW:ウーゴ・ヴィエイラ(→富樫90分)、と言うメンバーでした。最初にシュートを放ったのは横浜FMで、2分に左サイドで反転した齋藤が打ちましたが中林が横っ飛びで抑えます。4分にはCKのボールを水本が逸らしてアンデルソン・ロペスが飛びましたが惜しくも届かず。23分には森島のパスミスから齋藤にペナの中で前を向かれましたが、柴崎が戻ってシュートを打たせません。対する広島も、26分にはアンデルソン・ロペスがミドルを放ちましたが枠外。27分には高橋の左足のクロスに皆川が飛び込みましたがわずかに合いません。また33分には野上のクロスに森島が頭を合わせましたが惜しくも枠を捉えることができず、前半アディショナルタイムにはFKのこぼれに皆川が詰めましたが微妙なオフサイドを取られます。前半はボール支配率は横浜FMが高かったもののチャンスはむしろ広島の方が多かったと言う感じでしたがお互いに守備が堅く、スコアレスで折り返すことになりました。
 両チームともメンバー交代なしで臨んだ後半も序盤は前半同様でしたが徐々に横浜がペースを握ります。そして後半3分には右から仕掛けた齋藤がミドルを放ちましたがGK正面。12分にはワンツーで抜けた齋藤のシュートを中林が弾きこぼれにウーゴ・ヴィエイラが詰めましたが枠外に外れ、13分にも齋藤が左からカットインして中に入れましたがウーゴ・ヴィエイラが触れず助かります。更に14分にも齋藤の遠目からのシュートは中林がフィスティングで弾くなど得点を許しません。
 その後は横浜が攻め疲れしたか運動量が落ちると、広島がボールを支配する時間が長くなります。そして後半18分には青山が強烈なミドルを放ちましたがGKが横っ飛びで反応。19分には青山のクサビを皆川が落とし、森島が強烈な左足シュートを放ちましたがGKが弾きます。そんな中の後半36分、齋藤のカットインからのパスに飛び出した前田(後でリプレーを見ると限りなくオフサイド臭い)がトラップから頭で押し込んで、先制点を許してしまいました。
 何とか追いつきたい広島は、工藤とフェリペ・シウバを投入して攻勢を強めます。中澤を中心に中央をがっちりと固める横浜。これに対して広島は焦らず丁寧に繋いでチャンスを狙うと後半44分、攻め上がろうとしたアンデルソン・ロペスが倒されたもののこぼれをフェリペ・シウバが拾って柏へ。ペナルティエリア内からの左足のクロスは中澤に引っかけられたもののこぼれをアンデルソン・ロペスが叩き込んで、貴重な同点ゴールを決めました。
 この後は連勝を伸ばしたい横浜が、最後の攻勢をかけてきます。しかし広島も守り一辺倒ではなく攻めの姿勢を保ち、46分には柏のクロスに工藤が飛び込みますがわずかに合いません。そして最後は齋藤のクロスに富樫が飛び込みましたが枠外に外れ、最後のセットプレーも集中して跳ね返して久々に勝ち点1を積み上げました。
 リーグ戦は5/20の甲府戦以降勝ち星がなく4連敗。ついに3回のリーグ優勝をもたらした森保監督も退任して、後がない状況で迎えたこの試合。横内監督は特に大きく変えることなく臨みましたが、それに応えたのが選手たちでした。前半は横浜にボールを持たれる時間が長かったもののウーゴ・ヴィエイラのマークを厳しくしてボールを触らせず、また齋藤にも自由にさせずにチャンスを作らせませんでした。逆に高橋のクロスに皆川が飛び込んだシーンや野上のクロスに森島が頭を当てたシーンなどチャンスは広島の方が多かったと思います。また後半は齋藤が左に回ってからピンチになるシーンが多かったのですが、それでも最後まで身体を張って戦いました。先制点を許したシーンは確かに齋藤を止められなかったこと、前田のマークが遅れてしまったことが原因でしたが、ビデオを見る限りでは明らかなオフサイド。今年のいろいろな意味での運の無さが出てしまったようなもので、むしろそこから崩れなかったこと、そしてきっちりを人数をかけて逆襲して同点に追いついたことは評価して良いでしょう。勝ち点3を取れなかったのは残念ですが、しかし内容的に見れば五分と五分。勝ち点1ずつを分け合うと言う結果は正当な結果で、ようやく90分を通して「普通の試合」ができた、と言って良いかも知れません。
 今節は勝ち点1の積み上げに終わりましたが、残留争いの直接対決の大宮×札幌も勝ち点1ずつを分け合い、甲府も敗れて「残留圏」との勝点差は5のままとなっています。この試合を見る限り広島のサッカーのベースは崩れていないし、ちゃんとやれば勝ち点は付いてくるはず。誰が監督になっても選手たちが心を一つにして球際で負けないよう、また相手に走り負けないように戦い続ければ、きっとこの厳しい争いを勝ち抜くことができるに違いありません。

広島公式サイト  横浜FM公式サイト
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ゲキサカ  戦評  横内監督    齋藤
日刊スポーツ  スコア速報  戦評
サッカーダイジェストWeb  採点&寸評  "鉄人"中澤
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