12/2〜12/8のSANFRECCE Diary


<18.12.8> Jリーグは昨日、12/18に行われるJリーグアウォーズで表彰される各賞を発表し、優秀選手賞にサンフレッチェから佐々木、青山、パトリックの3人が選ばれました。選出された30名のうち、優勝した川崎Fからはチョン・ソンリョン、エウシーニョ、車屋、谷口、奈良、家長、大島、中村、守田、小林の10人。3位の鹿島からはクォン・スンテ、西、三竿健、レオ・シルバ、鈴木の5人が選ばれています。また9位のG大阪からも東口、三浦、ファン・ウィジョの3人が選ばれていて、リーグ終盤に調子の良かったチームに偏っているような印象です。優秀選手賞の選考はリーグ戦終了後に行われるため終盤戦の印象が強いのは止むを得ないこととは言え、広島の第25節までの快進撃を支えた林、野上、和田、稲垣、柏らが選ばれなかったのは残念だった、と言わざるをえません。
 なおその他の賞ですが、広島が2012年以来6年連続で受賞してきた「フェアプレー賞高円宮杯」は、今年はC大阪に与えられることになりました。今季の広島は決してフェアプレーでなくなったわけではなく、反則ポイントは昨年より3少ない-11。2014年の-19と2015年の-13に次いで少ない数字だったのですが、C大阪の反則ポイントが-14だったと言うことで、惜しくも7年連続受賞を逃すことになりました。今年はフェアプレー賞を取ったクラブが過去最高の9に達し、C大阪が広島以外では初めてマイナスポイントになったと言うことで、これはリーグ全体にフェアプレーが浸透してきたと言うことを意味しています。従って今季「フェアプレー賞高円宮杯」を広島が取れなかったことは、残念と言うよりもむしろそれを主導してきたチームとして誇るべきことだ、と言って良いでしょう。来季は今年以上に苦しいシーズンになるかも知れませんが、それでもこのフェアプレーの精神だけは守って、戦い抜いて欲しいと思います。
<18.12.8> 韓国遠征中のサンフレッチェは昨日蔚山現代との練習試合を行い、3-1で勝ちました。メンバーは不明で、得点は前半21分に川辺、45分に松本大、後半36分に東。失点は後半30分でした。
<18.12.7> 城福監督の総括会見は一昨日紹介したようにオフィシャルサイトに出ていますが、実はそこにかかれているのは前半だけ。後半はモバイルサイトに掲載されているので、簡単に紹介します。まず来季に向けての補強についての質問に対しては、「今はまだ言いづらい」と言いながらも、「今年の経験...を全て受け止めて戦った選手たちがチームのベースになる」と述べています。来季に向けての課題は、前半戦で機能した「高いレベルのベーシック」と10年以上にわたって積み上げてきたスタイルの融合を果たすこと。そのためには「今年の経験をした選手がベースになることは間違いない」と語っています。西日本豪雨の被災地に対する思いやベストゴールについての話に続いて、今季の攻撃についての質問に対しては、パトリックがゴールを量産したこと、選手たちがそれに向けて割り切って戦ったことを評価しつつも、それがうまくいかなかったときに別のパターンを作れなかったことについて「課題が明確になった」と指摘。来季から外国人枠が拡大されることに対しては「広島はこのレベルをあげながらチームとして戦うと言う意識を強固にしないといけない」と語りました。そして若手育成については川辺や馬渡が「最後の最後まで歯を食いしばって出場を勝ち取ったと言う事実」を挙げて、若手選手への期待を述べました。この他にも池田誠剛コーチの役割や練習の非公開について、そして単身で広島にやってきたことによる苦労や広島に対する思いなどについても語っています。詳しくはぜひモバイルサイトTSSサンフレッチェ広島をご覧下さい。
<18.12.6> 韓国遠征中のサンフレッチェのメンバーは昨日蔚山現代との練習試合を行い、1-1で引き分けました。失点は前半29分、得点は後半39分に松本大でした。
<18.12.6> 週末に行われた高円宮杯プレミアリーグウェストの第17節で、サンフレッチェ広島ユースは福岡U-18を下しました。広島のメンバーは、GK:佐藤海、DF:鈴、山崎、MF:松本大、中谷、桂(→大越87分)、東、土肥、大堀(→棚田76分)、FW:渡部、鮎川(→福崎90+1分)。先制点は前半45分で、山崎のパスを受けた桂がドリブルからシュートを決めました。続いて後半10分には渡部のパスを鮎川がワンタッチで決めて追加点を奪い、後半19分に再び渡部のパスから鮎川が決めました。今節は首位を走っていた京都U-18が敗れたため広島ユースが首位に立ち、次節の京都戦に優勝を賭けることになりました。第17節の全結果と順位表は次の通り。
【第17節】
阪南大高  3-1 C大阪U-18
神戸U-18  2-3 G大阪ユース
京都U-18  0-4 名古屋U-18
東福岡高  3-0 米子北高
広島ユース 3-0 福岡U-18

       勝点 試合 勝 分 負 得失差
1広島ユース  34   17   10   4   3   +23
2京都U-18   33   17   10   3   4    +5
3G大阪ユース 32   17    9   5   3   +16
4名古屋U-18  31   17    9   4   4   +18
5東福岡高   28   17    8   4   5    +8
6C大阪U-18  26   17    8   2   7    +2
7神戸U-18   21   17    7   0  10   -12
8福岡U-18   20   17    6   2   9    -9
9阪南大高   14   17    4   2  11   -13
10米子北高    3   17    1   0  16   -38

<18.12.5> 城福監督は一昨日広島市内のホテルで、今シーズンを締めくくる総括会見を行いました。オフィシャルサイトによると城福監督はまず最初に「悔しいという気持ちが一番強い」と言ったものの、「最終的に2位で終われたというのは、選手が頑張ってきた証を得られた気がする。その部分に関しては、本当に嬉しく思う」と語りました。続いて就任から開幕に向けての流れについての質問に対して、「高いレベルのベーシックな部分」を一番大事にして「目の前の試合で自分たちの全てをぶつけることに集中していた」そうで、序盤戦の好調は「予想外だった」と振り返りました。そして中断期間を経て後半は「ハードワークに加えてクオリティーを上げて行くか」に注力してトレーニングしていたものの、「何か一つのことに徹底させることができなかった」ことが9月以降の不調の原因だった、と述べています。また最終節で引き分けて2位になったことについては「悔しいとしか言いようがない」と言いながらも「戦い方で言えば第33節、システムで言えば第34節になるが...自分で考え抜いた中で戦い方を変化させる決断をした。それに答えてくれた選手たちがいた。それは光を見る思いだった」と今後に向けての手応えを感じたそうです。来季は今年の経験をどう生かすか、そしてその結果どうチームとして伸びるかが課題になる、と意気込みを述べて、会見を締めくくりました。
<18.12.4> 中国新聞によると、サンフレッチェはパトリックとの契約更改交渉を進めていることが分かったとのことです。パトリックは広島でのプレーを希望しているそうで、「話し合いの最中だが、良い方向に行くと思う。ACLはJリーグよりマークが激しい。これから膝の治療などやるべきことをやっていきたい」と語っているとのことです。
<18.12.3> サンフレッチェは一昨日、城福浩監督との契約を更新する、と発表しました。城福監督とは2年契約を結んでおり契約更新は既定路線ですが、クラブ新記録となる開幕からの9戦無敗の記録を作るなど前半戦に勝点を積み重ね、前年度15位だったチームを2位に引き上げた手腕を評価されたものと思われます。中国新聞によると山本社長は「ファン・サポーターに優勝を届けられず申し訳ない」と言う一方で「前半戦に勝点を稼ぎ、チームを立て直してくれて満足している」と評価。「勝てなかった後半戦の経験を来季に生かして欲しい」と期待を語っています。今季はベテランの力を最大限に引き出して夏場まで首位を独走したものの、それだけでは不十分だったことが明らかになったのも確か。むしろ来季は優勝に向けて足りなかったところをどう作り上げていくか、特に若手をどう戦力にしていくかが問われることになります。もともと年代別監督を務めるなど育成年代の指導者として定評のあった城福監督ですから、きっと来年は「新しいサンフレッチェ」を見せてくれるのではないでしょうか。
<18.12.2>  昨日アウェイで行われた第34節札幌戦は、前半早々に2点のリードを許したものの追いついて引き分けに持ち込み、激動の2018年シーズンを2位でフィニッシュしました。
 森崎和が今季初先発するとともに今シーズン初めて3バックを採用して、以下の布陣で戦いました。
       林

  野上  千葉 佐々木

   青山   森崎和(→稲垣82分)

 馬渡         柏

    川辺  柴崎(→渡90+5分)

    ティーラシン
    (→パトリック78分)

SUB:中林、和田、水本、東
 対する札幌は、GK:ク・ソンユン、DF:進藤、宮沢、福森、MF:早坂(→白井78分)、荒野、深井(→キム・ミンテ63分)、菅、三好(→都倉58分)、チャナティップ、FW:ジェイ、と言うメンバーでした。今季初めての3バック、しかも練習したのは4日間だけと言うことで、立ち上がりは守備が混乱します。そして前半2分、札幌のカウンターから左からのクロスを受けた三好がシュート。これはブロックしたもののこぼれを拾われ、ジェイが胸で落としたボールをチャナティップに決められ先制点を許してしまいました。
 この後は主に右サイドの馬渡の突破から攻撃を構築する広島。13分にはクロスのこぼれをティーラシンが打ちましたがヒットせず、14分にはCKからのクロスに佐々木が頭を合わせましたが枠外に外れます。札幌は速攻とロングパスから広島を脅かし、16分にはGKからのパスで早坂が抜け出そうとしましたが林がキャッチします。そして20分、またもやロングパスを受けたチャナティップが抜け出そうとしたところに林が飛び出してカットします。しかし大きく蹴り出せなかったボールを拾ったジェイが思い切ってゴールを狙うと、これが正確にゴール右上隅へ。佐々木が必死で戻ったものの届かず、ゴールネットを揺らされてしまいました。
 早い段階での2失点サンフレッチェの選手たちは肩を落としましたが、森崎和が手を叩いて鼓舞します。そして26分と27分には森崎和の厳しい守備でボールを奪い、速攻から相手ゴールに迫ります。逆に札幌もチャナティップが、ジェイがカウンターから追加点を狙います。しかし徐々に広島の守備が嵌まってくると札幌のミスが目立つようになり、31分にはティーラシンが相手のパスミスを奪ってチャンスを作り、36分には柏のクロスにティーラシンが飛ぶなどチャンスを作ります。そして前半38分、柏のクロスをティーラシンが落とすと、こぼれ球を拾った馬渡が冷静にシュートを決めて、良い時間帯に1点を返して前半を折り返すことになりました。
 後半も前半同様に広島の守備が機能して、3分には森崎和のパスカットからティーラシンがミドルを打ったもののGKに弾かれます。また4分にはCKのこぼれに走り込んだティーラシンが足を蹴られましたが、審判は見逃したかファウルを取ってもらえません。そしてその直後の馬渡のロングスローはクリアされたものの、こぼれを拾った柏のクロスを柴崎が頭で叩き込んで、広島が同点に追いつきました。
 これで完全に勢いが出た広島は自在なパス回しから何度も札幌陣内に迫ります。これに対して札幌は都倉を前線に投入し、ロングボールを多用して勝ち越しを狙ってきます。後半15分にはDFラインからのロングパスを受けた都倉が胸トラップで前を向いたものの、林が好判断で飛び出してシュートを身体に当てて弾きます。17分には柏のクロスのこぼれからティーラシンと青山が決定的なシュートを打ち、21分には川辺が右サイドに抜け出してGKとDFの間に鋭いクロスに飛び込んだ青山は空振り。また24分には柴崎が中央突破からシュートしましたがGKが反応します。ACL出場権獲得のためには勝つしかない札幌は、高い選手を前線に並べてハイボールを放り込んできます。しかし広島は高い守備意識で跳ね返し、ボールを奪うとパスを繋いで、あるいはパトリックを走らせて追加点を狙いに行きます。そして最後は柴崎と川辺が相手陣内でパスを回しつつ時間を使って、危なげなく引き分けに持ち込みました。
 8試合勝ち無しで6連敗中、と言う苦しい状況に、城福監督が選んだ戦術は「3バック」でした。そしてそのキープレーヤーとして起用されたのは森崎和。マークの受け渡し等で混乱して札幌にいいように回され、思わぬ2失点を食らってしまったチームを立て直し、落ち着いて戦うことができるようになりました。そして逆襲のきっかけを作ったのも森崎和。相手の嫌なところにポジションを取って厳しい守備でボールを奪い、そこからの鋭いパスで相手の混乱を誘いました。城福監督は試合後に「勝点3を取れたゲームだと思っていた」と語っていますが、確かに全体的な流れとしては広島が勝ってもおかしくない内容で、それを演出したのは森崎和幸選手だった、と言って間違いないでしょう。この試合が現役最後の試合となってしまいましたが、体調さえよければまだまだやれたはず、と言うことを改めて思わせるプレーぶりでした。
 この試合のもう一つのポジティブな要因は、川辺と馬渡がチームの牽引役になっていた、と言うことでしょう。磐田での3年間の実績を引っさげて広島に戻ってきた川辺に対する期待は大きかったのですが、第29節までのリーグ戦の先発はわずかに7試合。ほとんどの試合で途中交代で出ていたものの、違いを見せることができずになかなかレギュラーを取れずにいました。また第30節以降は先発したものの、チームの全体の不調に埋没している感じでなかなか輝きをみせることはできませんでした。ところがこの日は90分間を通して躍動感溢れるプレーで前線から積極的に仕掛けました。一方の馬渡はこの日がリーグ戦4試合目の出場でしたが、序盤から右サイドを何度も切り裂いて攻撃のリズムを作りました。そして何と言っても前半38分のゴールシーンはチームに勇気を与えるものとなりました。城福監督の1年目は佐々木や野上、稲垣、和田がポジションを取ったもののいずれも20代後半。シーズンを通して活躍が目立っていたのは柴崎や柏、青山ら30代の選手ばかりで、それが終盤に失速した原因だった、とも言えます。チームとしての世代交代が待ったなし、と言える中で川辺と馬渡が良いプレーで2位確保に貢献したことは、来季に繋がる結果だった、と言えるでしょう。
 今節は3位だった鹿島も引き分けたため、上位陣の順位は変わらず広島は2位でフィニッシュすることになりました。この結果ACLは日本の第3代表としてプレーオフに出場できるのと同時に、賞金1.2億円と「理念強化配分金」を3年間で7億円(2019年は4億円、2020年は2億円、2021年は1億円)をゲットしました。もし札幌に負けて4位に終われば賞金は無く、「理念強化配分金」を2019年に限り1.8億円もらえるだけだったので、非常に大きな勝点1だったと言って良いでしょう。因みにこの理念強化配分金は、「日本サッカーの水準向上およびサッカーの普及促進」「若年層からの一貫した選手育成」「フットボール環境整備」「選手や指導者の地域交流及び国際交流の推進ならびにスポーツ文化の振興」に使うことができるとのこと。もともとサンフレッチェは育成型クラブとしてこれらの費目にも投資してきた(例えば久保や藤本の移籍金で施設整備をした話は有名)ので、これによって育成環境をより充実させられるだけでなく、そのために立てていた予算の一部を選手強化に回す、等の使い方もできるかも知れません。来季はより世代交代を進めてもう一度優勝争いをするためにも、またACLを平行して戦うためにも戦力の充実は必須。今後の強化部の動きに期待したい、と思います。

ブログ速報  前半  後半
広島公式サイト  札幌公式サイト
Jリーグ公式サイト試合データ
ゲキサカ  戦評
日刊スポーツ  スコア速報  戦評  森崎和  城福監督
サッカーダイジェストWeb 採点&寸評  戦評  広島が最終戦での"3バック変更"でACL出場権を獲得
SANFRECCE Diaryトップページに戻る