5/13〜5/19のSANFRECCE Diary


<18.5.20> 明日はいよいよ「地獄の15連戦」の最後の試合。サンフレッチェはJ1リーグ戦第15節をC大阪と戦います。
 昨年はルヴァンカップで念願の初タイトルを獲得したC大阪は、その勢いのままにリーグ戦は3位でフィニッシュ。更に天皇杯も制して2冠を獲得して、クラブの歴史に残る1年となりました。そして今季は主力の流出を阻止するとともにヤン・ドンヒョン、高木ら新戦力を加えて「リーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯、ACLと4つのタイトルに真摯にチャレンジャーとして取り組むこと」(玉田社長)を目標に臨んだものの、ACLはグループリーグ最終戦に控えメンバーを送って完敗を喫し、ノックアウトラウンド進出を逃しています。今季のこれまでの公式戦の戦績は次の通り。
FXSC ○3-2 川崎F 【C】山口、清武、高木、【川】小林、大久保
ACL1 ○1-0 済州  【C】水沼
ACL2 △0-0 広州恒大
1H △1-1 横浜FM 【C】柿谷、【横】山中
2H △3-3 札幌  【C】杉本、高木、柿谷、【札】チャナティップ、深井、進藤
ACL3 ●0-2 ブリーラム【ブ】アンドレス・ホセ、ダ・シルバ
3A △1-1 柏   【C】ソウザ、【柏】クリスティアーノ
ACL4 △2-2 ブリーラム【C】ヤン・ドンヒョン、杉本、【ブ】OG、ジオゴ
4A ●0-2 神戸  【神】藤田、ポドルスキ
5H ○2-1 湘南  【C】ヤン・ドンヒョン、杉本、【湘】岡本
ACL5 ○2-1 済州  【C】片山、柿谷
6H ○2-1 鳥栖  【C】柿谷、丸橋、【鳥】趙東建
7A ○2-1 川崎F 【C】丸橋、福満、【川】知念
8H ○1-0 FC東京 【C】高木
ACL6 ●1-3 広州恒大【C】福満、【広】ファン・ボーウェン、ドウグラス
9A ●0-1 G大阪 【G】ファン・ウィジョ
10H ○2-1 仙台  【C】清武2、【仙】蜂須賀
11A △1-1 磐田  【C】杉本、【磐】川又
12A △0-0 名古屋
13H ○3-1 長崎  【C】柿谷、丸橋、水沼、【長】中村
 前節は攻勢をかけながらなかなか点が取れなかったものの、柿谷の個人技で先制点を奪うとすぐに丸橋のFKで追加点。後半に入って長崎の反撃を受けたものの終了間際にダメ押し点を奪って3試合ぶりに白星を挙げています。先週は鹿島がACLのプレーオフを戦っていたためリーグ戦はお休みで十分な休養を取っていたのに加えて、負傷離脱していた杉本、清武、ソウザが次々と練習に復帰しているとのこと。明日は十分な準備期間の間に広島対策を立てて、必勝体制でアウェイに乗り込んでくるに違いありません。
 対するサンフレッチェですが、浦和戦で林と稲垣を90分間、パトリックを45分間使ってしまったのが不安材料ですが、城福監督もコンディションを見て起用しているはずなので、仙台戦のメンバーで戦うのは間違いないと思われます。と言うことで、メンバー予想は次の通り。
       林

和田  野上  水本 佐々木

   青山    稲垣

 柴崎         柏

    パト   渡
    
SUB:廣永、馬渡、吉野、川辺、フェリペ・シウバ、工藤、ティーラシン
 浦和戦で悔しい敗戦を喫したサンフレッチェですが、これまでと同じように敗戦から学んで次の試合に活かして欲しいもの。明日が終わればしばらくはサッカーができないので、これまで以上にチーム一丸となって、全力プレーを貫いて勝利して欲しいと思います。
<18.5.19> 日本サッカー協会は5/30に行われるキリンチャレンジカップの日本代表を発表し、広島から青山敏弘選手が選ばれました。今回選出されたのは次の27人。
【GK】川島(FCメス)、東口(G大阪)、中村(柏)
【DF】長友(ガラタサライ)、槙野(浦和)、吉田(サウサンプトン)、
    酒井宏(マルセイユ)、酒井高(ハンブルガー)、遠藤(浦和)、
    昌子、植田(鹿島)
【MF】長谷部(フランクフルト)、青山(広島)、本田(パチューカ)、
    乾(エイバル)、香川(ドルトムント)、柴崎(ヘタフェ)、
    山口(C大阪)、原口、宇佐美(デュッセルドルフ)、大島(川崎F)、
    三竿健(鹿島)、井手口(レオネサ)
【FW】岡崎(レスター)、大迫(ブレーメン)、武藤(マインツ)、
    浅野(シュツットガルト)
 3月のベルギー遠征のメンバーから森重(FC東京)、宇賀神(浦和)、車屋、小林(川崎F)、森岡(アンデルレヒト)、杉本(C大阪)、久保(ヘント)、中島(ボルティモネンセ)が外れ、吉田、青山、乾、香川、宇佐美、井手口、岡崎、武藤、浅野が復帰しています。監督交代直後、しかもW杯本大会まで残り1ヶ月と言うことで、無難な選考だと言う印象。特に吉田や香川、岡崎が選ばれるなど、経験の豊富な選手を中心に戦おう、と言う意図が見て取れます。ハリルホジッチ氏が監督を務めていたとしても選んだかも知れないメンバーなのですが、果たしてハリルホジッチ氏が意図していたであろう本大会向けの戦術なしにどこまでやれるのか。西野監督の、と言うよりも、ここまで代表を引っ張ってきた選手たちのプレーと振る舞いが問われることになりそうな気がします。
 ところで今回の選考で唯一の「サプライズ」と言えるのは、青山選手の久々の代表選出でしょう。前回選ばれたのは2015年3月31日のウズベキスタン戦ですから、実に3年2ヶ月ぶり。代表ではほぼ忘れ去られていた、とも言える彼が選ばれたのは、サンフレッチェがJ1首位を独走している原動力の一つであるからに違いありません。昨年は「自分自身のプレーをほとんど覚えていない」と語るほど悩み、苦しみながら戦ってきた青山。城福監督と池田コーチの就任によって自らの身体とプレーを見つめ直し、キャプテンとしての役割を果たしてきた経験は、きっと危機にある日本代表を救うことができるでしょう。今回の27人に選ばれたからと言ってW杯に行けるとは限らないのですが、どのような立場になったとしても、きっと全力でミッションを全うしてくれるに違いありません。
<18.5.18> 日本サッカー協会は火曜日にトゥーロン国際大会に参加するU-21日本代表を発表し、広島から森島司選手が選ばれました。今回選ばれたのは次の20人。
【GK】オビ(流通経済大)、山口(エストレマドゥーラ)
【DF】板倉、椎橋(仙台)、中山(柏)、杉岡(湘南)、
    冨安(シントトロイデン)、橋岡(浦和)
【MF】三好、菅(札幌)、神谷(愛媛)、森島(広島)、
    三苫(筑波大)、伊藤(ハンブルガー)、初瀬(G大阪)、
    井上(東京V)、藤谷(神戸)
【FW】小川(磐田)、上田(法政大)、田川(鳥栖)
 パラグアイ遠征に参加したメンバーから小島(早稲田大)、波多野(FC東京)、立田(清水)、アピアタウィア(流通経済大)、坂井(新潟)、松本(広島)、市丸(G大阪)、遠藤(横浜FM)、針谷(磐田)、前田(松本)が外れ、オビ、冨安、橋岡、神谷、井上、小川、田川が選ばれています。森保監督は「国内外で試合に出ている選手、ケガから復帰して状態が良くなってきた選手を中心に、可能性やチームにどうフィットするかの見極めなどを考慮して編成した」と語っています。大会は横内コーチが代行監督として指揮を執って、トルコ、ポルトガル、カナダとグループリーグを戦います。
<18.5.17> 昨日アウェイで行われたYBCルヴァンカップグループステージ第6節は浦和に0-1で敗れ、プレーオフ進出を逃しました。
 G大阪戦の先発から4人、仙台戦からは8人入れ替えて、次のメンバーで戦いました。
       林

馬渡  丹羽  吉野  稲垣

   松本    森島
   (→野上73分)
 川辺     F・シウバ
        (→柏63分)
    ムイ  渡
        (→パトリックHT)
    
SUB:廣永、佐々木、和田、水本
 対する浦和は鳥栖戦から6人入れ替えて、GK:西川、DF:橋岡(→荻原62分)、岩波、槙野、菊池、MF:遠藤(→青木72分)、阿部、マルティノス、長澤(→武藤57分)、武富、FW:李、と言うメンバーでした。マルティノス対策のために左SBに稲垣を入れた広島に対して、引き分けでOKの浦和も守備から入る、と言う感じ。両チームとも立ち上がりから早い潰しでなかなかゴール前まで運べません。前半8分には森島のロングパスをティーラシンが落としたボールを渡がボレーで狙いましたが大きく枠外。その後は浦和にボールを繋がれて押し込まれるシーンが多かったものの、広島の守備は堅くシュートを打たせません。31分には長澤にシュートを打たれましたがDFがブロック。32分にもサイドチェンジを受けた橋岡がフリーになりましたが、シュート性のクロスは林が抑えます。逆に36分、高い位置で奪って速攻からティーラシンが抜け出しましたが、ゴール前で足を引っかけられたにも関わらずホイッスルは鳴りません。また43分には渡の折り返しを森島がフリーでシュートしたものの、力んでしまったか大きく上に外します。前半はお互いのシュート数は3本ずつと膠着したままでハーフタイムを迎えました。
 城福監督は後半頭から「切り札」パトリックを投入して点を取りに行きます。そして7分には高い位置の守備からの速攻からティーラシンがシュートしましたが枠外に外れます。逆に8分には橋岡のクロスに武富がヘッド。10分にも武富にシュートを打たれましたが枠外に外れて助かります。後半13分には競り合いから抜け出した川辺が絶妙なスルーパス。これで抜け出したパトリックがループ気味に打ちましたが惜しくも外れます。そして後半20分、シュートブロックに行った森島の手にボールが当たってPKを与えてしまいます。しかし李が蹴ったボールに林が完璧に読んでストップして、失点を防ぎました。
 その後も浦和の攻勢は続き、集中した守備で防ぐ時間が続きます。そして26分にはカウンターからパトリックが抜け出しましたが、シュートは惜しくも外れます。逆に後半30分、中盤で柏が迷いを見せた瞬間にボールを奪われ、持ち出した李がシュート。これがゴール左隅に決まって、浦和に先制点を奪われてしまいました。
 2点が必要になった広島は、吉野を中盤に上げて前掛かりに行きます。35分にはパトリックが強引にシュートまで行ったものの枠外。43分と48分には馬渡がFKを蹴りましたがはね返されます。そして最後は吉野のパスが合わずにタッチラインを割ったところで終了のホイッスル。今季初めての零封負けで、今季のルヴァンカップは終了となりました。
 これまでのような「完全ターンオーバー」ではなく林、稲垣、渡を先発起用。またパトリックをハーフタイムから投入するなど勝ちに行った城福監督でしたが、しかし先に失点しては難しくなると言う気持ちが強かったか攻められる時間が長く、厳しい試合となりました。それでも高い位置でのインテンシティの高い守備はできていて、ショートカウンターからチャンスも作れていたのですが、残念ながらパトリックもティーラシンも渡も不発。また槙野と岩波の高さと強さもなかなか手強く、セットプレーやクロスがチャンスに繋がりませんでした。今年はここまでここぞと言うところで点を取って勝ってきたサンフレッチェでしたが、やはり思い通りにはいかないことはあるもの。まだまだやるべきことがある、と言うことが分かった試合だったと言えるでしょう。
 ただ、ルヴァンカップ敗退の原因はこの試合だけにあるわけではありません。やはり名古屋戦とG大阪戦でリードを奪いながら逆転負けしたのが最後に響いた、と言わざるを得ません。特にG大阪戦は前半で2点リードしながら後半に3点取られて逆転負けしたのは「油断」の結果であり、またチームとしての「未熟さ」の故でしょう。1試合1試合、その中の一瞬一瞬の結果の積み重ねが、最後の結果に結びつくと言うことを、ここで改めて学んだということでしょう。これはルヴァンカップに出ていた若手選手だけではなく、「リーグ戦組」の選手たちも含めてチーム全体で再確認してほしい。そして今季これまで敗戦の後に勝つことで悔しさを晴らしてきたように、まずは次のC大阪戦に全力で勝利するしかありません。

ブログ速報  前半  後半
広島公式サイト  浦和公式サイト
Jリーグ公式サイト
ゲキサカ  戦評  広島  李忠成
日刊スポーツ  スコア速報  城福監督  李忠成  オリヴェイラ監督
サッカーダイジェストWeb  Cグループ第6節まとめ
<18.5.16> 中国新聞によると、勝利が必須の試合ということで林と稲垣の先発が濃厚だとのこと。またパトリックら主力がベンチ入りする一方で、工藤や中林が遠征メンバーから外れているそうです。相手がどのような布陣で来るのか、あるいは試合がどのような展開になるかは分かりませんが、重要なのは城福監督が常々強調する「高いレベルのベーシック」が貫けるかどうか。それがチーム全体でできるなら、勝利と言う結果は自ずから付いてくるのではないでしょうか。
 今日の試合会場は埼玉スタジアム2002で午後7時キックオフ。当日券は3時から南門、北門それぞれで販売します。また池袋サンシャインシティと東京駅発の直行シャトルバスが運行されます。予約は今日の12時までとなっていますので、乗りたい方はこちらからお申し込みください。その他は浦和駅、東浦和駅、北越谷駅、岩槻駅など各駅からのシャトルバスをご利用下さい。
 テレビ放送はスカパー!のch585とch615及びCS308で生中継が予定されています。今日はブログで速報しますので、スタジアムに行けない&テレビを見れない方はそちらをどうぞ。
<18.5.16> プレスリリースによると、ティーラシン選手が6/2にバンコクで行われる中国との親善試合のタイ代表に選ばれました。
<18.5.15> 明日はルヴァンカップグループリーグ第6節。サンフレッチェはアウェイで浦和レッズと戦います。
 解任された堀前監督を引き継いで暫定でチームを率いた大槻監督は、リーグ戦を3勝1分け、ルファンカップを1勝1分けと6戦無敗と結果を出してチームを立て直しました。そして新監督に就任したオリヴェイラ監督は準備不足も合って連敗でスタートしたものの、徐々にチームを掌握して来ています。前回の対戦以降の戦績は次の通り。
L3A △0-0 広島
6H ○1-0 仙台  【浦】興梠
7A ○3-2 神戸  【浦】武藤、岩波、マウリシオ、【神】ウェリントン、佐々木
8H ○2-1 清水  【浦】興梠2、【清】金子
L4A ○1-0 G大阪 【浦】武富
9H △0-0 札幌
10A ●0-1 柏   【柏】中川
11H ●0-1 湘南  【湘】石川
12A ○2-0 川崎F 【浦】興梠2
13A ●0-2 鹿島  【鹿】金崎
L5H ○2-0 名古屋 【浦】マルティノス、李
14H △0-0 鳥栖
 広島同様にカップ戦は「ルヴァン組」で戦っている浦和は「リーグ戦とは違った必死さ」(岩波)で戦っているそうで、ここ3試合は無失点。そして前節名古屋戦は相手に攻め込まれるシーンもあったものの、相手の隙を突いて得点してペースをつかむと、その後は無難に試合を進めて首位をキープしています。明日は引き分け以上でプレーオフ進出が決まることを考えると、これまで以上に守備の集中を高めてくるのではないでしょうか。
 対するサンフレッチェですが、こちらはプレーオフ進出のためには勝利が必須、と言う状況です。仙台戦から中3日と言うことを考えるとリーグ戦メンバーで戦う可能性もありますが、丹羽や高橋が戻ってきているので以下のメンバーで戦う、と予想します。
      廣永

馬渡  丹羽  吉野  高橋

   松本    川辺

 森島     F・シウバ

    工藤   渡
    
SUB:中林、野上、川井、稲垣、柏、ティーラシン、パトリック
 ルヴァンカップはこのところ2試合逆転負けのサンフレッチェ。勝利のためには、やはりリーグ戦のように集中して守ることが重要でしょう。城福監督就任以来、チーム全体で取り組んできた「高いレベルのベーシック」をやり切ることが、勝利のための条件なのではないでしょうか。
<18.5.14> 昨日各地で天皇杯の都道府県代表決定戦が行われ、本大会に出場する全チームが決まりました。その結果、2回戦でサンフレッチェと対戦することになるのはガイナーレ鳥取(鳥取県代表)とヴェルスパ大分(大分県代表)の勝者。また3回戦は、奈良クラブ(奈良県代表)×金沢星稜大(石川県代表)の勝者と名古屋の対戦から勝ち上がったチームとの対戦となります。一方広島県代表となったSRC広島の対戦相手は島根県代表の松江シティFCで、勝てば長崎と戦うことになります。
<18.5.13>  昨日アウェイで行われたJ1リーグ第14節仙台戦は、先制されたもののその後3点を奪って逆転で勝ち、勝ち点を37に伸ばしました。
 先発は前節と同じ。ベンチ入りメンバーのみ入れ替えて、以下の布陣で戦いました。
       林

和田  野上  水本 佐々木

   青山    稲垣
   (→川辺85分)
 柴崎         柏
 (→吉野77分)
    パト   渡
         (→ムイ62分)
    
SUB:廣永、馬渡、フェリペ・シウバ、森島
 対する仙台は、GK:関、DF:椎橋、大岩、金正也、MF:富田(→板倉72分)、奥埜(→梁76分)、蜂須賀、関口(→永戸63分)、FW:西村、中野、と言うメンバーでした。序盤は仙台のペース。流れるようなパス回しとサイドチェンジを駆使してフリーの選手を作って、広島陣内に攻め入ります。前半7分には蜂須賀のクロスのこぼれが中野に渡りましたがキープしきれずシュートは打てず。11分には蜂須賀のクロスに西村が合わせましたが枠外に外れて助かります。そして前半12分、速攻から蜂須賀がアーリークロスを入れると西村が競り合ったボールを奥埜が拾い、反転シュートを許して先制点を奪われました。
 この後も仙台ペースが続き、左の関口と右の蜂須賀が何度も突破を試みます。広島は全体的にラインが低く苦しい対応が続いたのですが、しかし前半の半ば頃からDFラインの押し上げができるようになって敵陣でプレーする時間帯が増えます。前半35分には水本が惜しいシュートを放ったもののDFがブロック。37分には青山のパスに反応した渡が反転シュートしましたがDFに止められます。そして前半41分、FKから柴崎が柔らかなボールを入れると、左から走り込んだパトリックがDFとの競り合いを制してヘディングシュート。これがファーサイドに見事に決まって、広島が同点に追いつきます。その後44分には石原の横パスが林の股を抜けてゴール前を横切るシーン、アディショナルタイムには奥埜のダイビングヘッドがクロスバーに当たる、と言うシーンを作られたものの失点は許さず、同点でハーフタイムを迎えました。
 後半は最初にチャンスを作ったのは広島で、1分に渡が左足で狙いましたがDFがブロック。16分には高い位置で奪った柏がシュートしましたがGKに抑えられます。厳しい守備からチャンスを作りつつも得点を奪えなかった広島ですが、後半26分、青山の難しい体勢からのパスで抜け出した柏がカットインして右足でシュート。これが見事にファーサイドのネットに突き刺さって、広島が勝ち越しに成功しました。
 その後は追いつこうと前掛かりに攻めてくる仙台。広島は守備が高い集中ではね返し、カウンターからチャンスメイクします。後半35分には右からのFKにティーラシンが右足で合わせましたが枠外。その直後にはゴール前で中野を一瞬フリーにしてしまいましたが、和田の必死のブロックで弾き出します。仙台は何度も広島ゴールに迫るもののラストパスが合わず、あるいは広島の守備陣が厳しく寄せて決定的なシーンを作らせません。そして後半44分、DFのギャップでパスを受けたパトリックが反転して持ち上がると、寄せてきた3人をはね飛ばしてGKとの1対1を作ってシュート。これが見事にゴールネットに突き刺さって、広島が決定的な3点目を奪います。そしてその後は仙台の攻めを柳のように受け流して、ゴール裏を埋めた800人の広島サポーターとともに勝利のホイッスルを聞くことになりました。
 この試合で最も印象的だったシーンは、仙台に先制された直後のことでした。選手たちがピッチの中央に円陣を作って話し合っていたのですが、モバイルサイトによると林が「ちょっと集まれ」と声をかけて緊急ミーティングを開いたとのこと。「このまま崩れてはいけない」と声をかけて、崩れない、慌てない、と言うことを確認したのだそうです。そしてその後は仙台にパスを回されても最後の部分でやらせない守備で失点を防ぐとともに、しっかりとチャンスを生かして逆転まで持って行きました。その中で特に圧巻だったのは後半の前半。今季の広島を象徴する「刈り取る守備」が随所で見れて、何度も相手の攻撃を寸断して自分たちの攻撃に繋げていました。追加点こそ柏とパトリックの個人的技でしたが、そこに至ったのは厳しい守備と鋭い攻撃があったから。それらの「広島のサッカー」がボディブローのように効いて、ゲームの流れを決めたのではないかと思います。すなわち早い時間帯に失点したこと、それを受けてのミーティングで自分たちのやるべきことを確認してやり続けたことが、逆転勝利という結果に結びついたと言って良いでしょう。
 この結果勝ち点が37となり、J1残留の目安となる勝点40まであと1勝、となりました。ただ、城福監督と選手たちの言葉を見る限りでは目標はそこではなく、チームと自分たちがより成長して行くことなのだと思います。明日は今日の自分たちよりも上手くなって、良いサッカーができるようになること。そして今日は出場しなかったチームメイトとのポジション争いに勝つこと。試合の勝ち負けはあくまでそれらの積み重ねによる結果であって、それ自体について拘るようなものではない、と思っているように見えます。先制点を許したのはリーグ戦ではFC東京戦以来のことだったわけですが、そのまま崩れずに立て直したのがその時との違い。すぐに集まって何をやるべきかを確認して、逆転まで持って行ったことがチームとしての成長の証なのだと思います。今のような連勝がいつまでも続くとは思えないのですが、苦しい状況に陥ったときに自ら立て直すことができるなら、シーズン終了後にはきっと最良の結果が待っているに違いありません。

広島公式サイト  仙台公式サイト
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ゲキサカ  戦評
日刊スポーツ  スコア速報  戦評  奥埜
サッカーダイジェストWeb  採点&寸評  戦評  ブレないスタンスの城福監督  首位独走の広島に漂う自信  野上の原点
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