1/27〜2/2のSANFRECCE Diary


<19.2.2> 昨日行われたアジアカップの決勝で、日本代表はカタールに1-3で敗れて2大会ぶりの優勝を逃しました。日本代表のメンバーはイラン戦の先発から怪我の遠藤のみを入れ替えて、GK:権田、DF:酒井宏、冨安、吉田、長友、MF:柴崎、塩谷(→伊東84分)、堂安、南野(→乾89分)、原口(→武藤62分)、FW:大迫。対するカタールは、GK:アルシーブ、DF:コレイア、ハサン、サルマン、アルラウィ、マディボ、MF:ハティム、フーヒ(→アルハジリ61分)、FW:アルハイドス(→ブディアフ74分)、アクラム・アフィフ、アルモエズ・アリ(→アフメド90+5分)、と言うメンバーでした。立ち上がりから積極的に攻め込む日本は、前半4分に大迫がファーストシュートを放ちます。しかしその後はカタールの堅い守備になかなかシュートまでいけなかった、前半12分。左からのアクラム・アフィフがクロスを送ると、吉田を背負いながらパスを受けたアルモエズ・アリがボールを浮かせるとバイシクルシュートを打つとこれがゴール右隅に決まって、先制点を許してしまいました。
 これで勢いの出たカタールは、丁寧なパス回しで日本を振り回します。それに対して日本はなかなかチャンスを作れず落ち着かない時間が続きます。そして前半27分、アクラム・アフィフが出したパスをハティムが受けると、吉田をかわして遠目からのシュート。これが見事にゴール左隅に突き刺さって、リードが2点に広がります。その後は日本がボールを回すものの決定的なシーンは作れず、カタールの2点リードで前半を折り返すことになりました。
 後半に入ると日本が攻勢に出たのに対して、カタールは自陣に引いてブロックを作って守りを固めます。4分にはCKから吉田がヘッドで狙いましたが枠外。8分には塩谷がミドルを放ったもののDFに引っかかり、21分には柴崎のCKに武藤が合わせましたが惜しくも枠を外れます。そして後半24分、塩谷の縦パスを大迫がワンタッチで裏に出すと、抜け出した南野が冷静にボールを浮かしてGKの頭の上を抜いて1点差に迫るゴールを決めました。
 この後も日本はほぼ一方的に攻め込み、28分には長友のクロスに武藤が合わせましたが決め切れず。33分には堂安がシュートしたもののDFにブロックされてしまいます。逆に後半34分にはカタールがカウンターからシュート。そしてその直後のCKのシーンで相手のボールが吉田の手に当たった、とVARによって判定されてPKを与えることになってしまいます。そしてそのPKをアクラム・アフィフに決められると、その後は乾を投入して前への圧力を強めるものの日本に女神は微笑まずそのままタイムアップ。「森保ジャパン」の初めての敗戦は、苦い味のものとなってしまいました。
 この試合のポイントの一つは、カタールの前半の2得点にあった、と言えます。アルモエズ・アリの1点目もハティムの2点目も吉田が対応して止められなかった、と言う問題はあるものの、それでも止められなかったほどのスーパーなシュートだったと思います。また3点目も競り合いの中でたまたま吉田の手に当たってしまったというもので、不運なシーンだったと言わざるを得ません。ここまでどちらかと言うと運に恵まれていた日本代表でしたが、この試合は逆の目に出てしまった。それが敗戦の原因になったと言わざるを得ないように思います。
 ただ、そうは言ってもカタールを素晴らしいチームだと認めないわけにはいきません。前半はキープレーヤーの一人であるアクラム・アフィフがあらゆるところに顔を出してゲームを作り、日本に的を絞らせませんでした。また守備では大迫に仕事をさせず、また流動的に動くシャドウもきっちりと対応してほとんど決定機を作らせませんでした。カタールはスペインのコーチ陣の指導により若い世代から強化してここまで代表を強くしてきましたが、まさにその効果が現われたと言えます。少なくともこの試合については、カタールが勝者だったことは妥当な結果だったと言うしかない、と思います。
 ただ、だからと言って森保監督とその代表が決勝までたどりついた、と言う結果は高く評価すべきだと思います。ロシアW杯でベスト16に進出した日本代表でしたが、しかしその中核メンバーは長く代表の主力を担ってきた選手たち。主力メンバーの選手としての晩年が近づきつつある中で、新たに日本代表を率いることになった森保監督に与えられたミッションの一つが「世代交代」でした。そして森保監督は南野、中島、堂安、冨安ら新戦力の登用によって、そのミッションに一つの答えを出しました。もちろんその選択が100%正しかったとは言えないかも知れない。しかし怪我人が続出する中でも様々な戦い方に対応しながら決勝まで来た、と言うことは高く評価されるべきだと思います。
 今回のアジアカップは韓国、オーストラリア、サウジアラビア等の常連国がラウンド16で敗退した一方で、カタールだけでなくベトナム等の新興勢力が伸びてきたことを示す大会でもありました。これが今後のトレンドになっていくのか。あるいはこれまでの強豪国の巻き返しがあるのか。いずれにせよそのような切磋琢磨が行われることによって、アジア全体のレベルアップにつながって行くのではないでしょうか?
<19.2.1> タイキャンプ12日目の昨日はU-23韓国代表と35分×4の練習試合を行い、トータルスコア4-0で勝ちました。モバイルサイトによると1本目と2本目のメンバーは次の通り。
      廣永

   野上 吉野 水本

    松本泰 和田

エミル           柏

   野津田   森島

     ベリーシャ
     (→皆川13分)
 立ち上がりは韓国のアグレッシブなプレーに押されていたそうですが、球際で粘って無失点で凌ぐと徐々にペースをつかんだとのこと。そして2本目の25分、サロモンソンのクロスを柏が突き刺して先制点を奪いました。続いて3, 4本目のメンバーは次の通り。
      大迫

  練習生 野上 井林
      (→吉野22分)
    川辺  稲垣

清水          高橋

   皆川    渡
   (→森島22分→松本泰46分)
      ドグ

 前半11分に皆川が粘って獲得したPKを自ら決めると、その後は攻め込まれたものの大迫のセーブなどで得点を許しません。そして後半14分に川辺のスルーパスでフリーになったドウグラス・ヴィエイラが追加点を奪い、後半33分には渡がゲットしたFKを川辺が壁に当てながらも決めてダメを押しました。オフィシャルサイトによると城福監督は「入りは反省すべきところがあるが、(相手が試合開始から圧力をかけてくる)公式戦に近い経験をすることができた。後ろで辛抱しながら自分たちのペースに持っていく。その成功体験ができた。今日は攻守において自分たちの良さを全員が出してくれた」とコメントしたとのこと。全員が70分以上プレーできたことも含めて、収穫の多い練習試合だったようです。
<19.1.31> タイキャンプ11日目の昨日は午前中のみの練習で終了して、今日のU-23韓国代表との試合に備えて調整しました。オフィシャルサイトによるとフルコートの紅白戦で攻撃の連係を確認すると、今季初めて本格的なセットプレーの練習を行ったとのこと。城福監督によると「基本的なプレーを確認した」そうですが、今日は35分×4本で行われるため「全員70分は試合に出したいと思う中で、結果を含めて大事にしたい」とのことです。
<19.1.30> オフィシャルサイトによると、タイキャンプも10日目になってコンディションが揃ってきたようで、城福監督によると「これでやっと厳しい競争と言えるようになった」のだそうです。昨日の午後はフルコートで紅白戦を行ったそうですが、その中では特にコンビネーションを高めるところに注力していたとのこと。「随所で好連係が見られるなど日に日にコンビネーションは高まってきて」いるそうです。紅白戦のメンバーはまだシャッフルされた横一線の状態だそうですが、ここから調子を上げていった選手がレギュラーを勝ち取って行くことになりそうです。
<19.1.29> 昨日行われたアジアカップ準決勝で日本代表は3-0でイランに快勝し、2大会ぶり5回目の決勝進出を決めました。日本代表はベトナム戦からFWのみを入れ替えて、GK:権田、DF:酒井宏(→室屋73分)、冨安、吉田、長友、MF:遠藤(→塩谷60分)、柴崎、堂安(→伊東89分)、南野、原口、FW:大迫、と言うメンバー。対するイランは、GK:ベイランバンド、DF:ハジサフィ、モハマディ、ブーラリガンジ、カナーニ、レザイーアン、MF:イブラヒミ、アミリ(→アンサリファルド58分)、ジャハンバフシュ(→ゴッドス71分)、デヤガ(→トラビ71分)、FW:アズムン、と言うメンバーでした。低い位置にブロックを作ってロングボールでDFラインの裏を狙ってくるイランに対して、日本はパス交換から相手を動かしてできたスペースを付きます。前半1分には原口が左からシュートしましたがDFがブロック。13分にはスルーパスで抜け出した長友のクロスに南野が飛び込みましたがDFが寄せて打てません。また17分にはCKから吉田がヘッドで狙いましたが枠外。19分には堂安がシュートしましたがヒットせず枠を外れます。逆に前半22分には権田からのパスを奪われてショートカウンターを受けて、アズムンにシュートを打たれましたが権田が左足一本でセーブします。イランは何度かDFラインの突破を試みたものの冨安がスピードを生かしてクリアして、両チームとも得点の無いままハーフタイムを迎えました。
 後半に入るとイランが攻勢をかけてきて、セットプレーから日本ゴールに迫ります。これに対して日本はDFラインからパスを繋いだ速攻でチャンスを作ります。そして後半11分、大迫のパスで抜け出した南野がペナルティエリアの外で倒れましたが、すぐに起き上がってボールを拾うと中央へクロス。これをゴール前でポジションを取っていた大迫が頭で合わせて、日本が先制点を奪いました。
 その後遠藤が倒されて担架で運び出され、その直後にジャハンバフシュがFKから狙いましたが権田が反応して弾きます。逆に日本は後半18分、高い位置で相手のパスをカットすると大迫が左サイドのスペースへ。これを拾った南野がグラウンダーのパスを送ると、倒れ込んでブロックしようとしたブーラリガンジの左手に当たってPKをゲット。これを大迫がGKの逆を突いてゴールに突き刺しリードを広げました。
 2枚替えで攻撃のピッチを上げようとするイラン。しかし日本はしっかりとゴール前を固めて、カウンターからチャンスを狙います。後半28分には堂安がカットインしてシュートしたもののGKが反応。35分には堂安も突破を狙い、38分にも柴崎のパスに堂安が飛び込みます。そして後半アディショナルタイム、原口が相手パスをカットすると柴崎と南野を使って前を向き、DFを振り切ってシュート。このボールは見事にGKの頭の上を抜いて、決定的な3点目を奪って、「アジア最強」の声の高かったイランを堂々と寄り切りました。
 この試合で大きかったのは何と言っても先制点だったわけですが、これは南野が倒されたところでイランのDF全員が足を止めてシミュレーションをアピールしていたのに対して、南野がすぐに立ち上がってボールを追ったことがポイントでした。また大迫も一瞬アピールしかかったものの、南野がボールを追っているのを見てすぐにゴール前にポジションを取りました。フェアプレーを貫き、そして審判の笛が鳴るまでは足を止めずに戦い続ける。まさにサンフレッチェで見せていたサッカーを日本代表で具現化したことが、この結果につながったと言えるのではないでしょうか。
 サウジアラビア相手に支配率30%以下の試合をしたり、ベトナムに主導権を握られたり、とアジア相手に苦戦していたような日本代表でしたが、このイラン戦は違いました。立ち上がりから高い位置からのプレッシャーとパス回しで押し込み、DFラインの裏を狙ってくるロングボールにはDFが素早く身体を寄せて対応してほとんどチャンスを作らせませんでした。また後半は相手にパスを回されたもののDFラインがしっかりと踏ん張り、時折鋭いカウンターでチャンスを作りました。まさに、アジアチャンピオンを狙うに相応しい堂々とした戦いだったと思います。
 相手に合わせてサッカースタイルを変えているように見える日本代表ですが、この試合はイランに対して真っ向から勝負を挑み、そして堂々と勝利しました。森保監督は「これまでの試合との違いがはっきり見えた。監督として、一番のポイントは何だったと思うか」と言う問いに対して「何が変わったのか、逆に教えていただきたいです」と答えていますが、相手に応じて戦い方を変えているのは明白。それはおそらくは綿密なスカウティングとその結果を選手たちに落とし込む、と言う作業の結果なのではないでしょうか。また、メンバーをほぼ固定して戦っていることによって主力の疲れが心配されていましたが、このイラン戦を見る限りでは先に足が止まったのは相手の方。コンディショニングの点でもうまくいっている様子が見てとれる試合だったと思います。まさに「チーム森保」の勝利だったと言えるのではないでしょうか。
<19.1.29> 中国新聞によると、代表を離脱してタイで治療していた青山が再検査のために帰国することになった、とのことです。クラブによると状態は日に日に良くなっているらしく、一昨日は軽いジョギングをするようになったとのこと。検査の結果を踏まえて、指宿での2次キャンプ以降にチームに再合流する予定だ、とのことです。
<19.1.28> 2/4から指宿で行われる2次キャンプの日程が出ていますが、それによるとトレーニングマッチの予定は次の通り。
2/5 (火)13:00 ブラウブリッツ秋田(45分×2)
2/8 (金)11:00 ジュビロ磐田(45分×4)
 一昨日のチョンブリ戦、2/11のPSMの山口戦を加えてシーズン前の試合は4試合だけとなっています。今季は紅白戦を中心にチーム作りを進める、と宣言している城福監督ですが、対外試合でないと見えてこないものはあるもの。磐田戦と山口戦をどのようなメンバーで戦うのか、注目されます。
<19.1.27> 昨日「Jリーグアジアチャレンジinタイ」でチョンブリFCと戦ったサンフレッチェは、一度は同点に追いついたものの突き放されて1-2で敗れました。この試合が今季初の対外試合となる広島の前半のメンバーは次の通り。
       林

   野上 吉野 清水

    松本大 和田

エミル          高橋

     東  渡

     ベリーシャ
 対するチョンブリは、GK:チャニン、DF:ゾー・ミン、ナッタポン(→アロンコーン64分)、クリトサダ、タナセット、MF:クルクリット(→チャナロン85分)、ウォラチット、エッカチャイ(→コルテース55分)、サハラット、パク、FW:ルキアン、と言うメンバーでした。最初にビッグチャンスをつかんだのは広島で、1分に東のFKに吉野が飛び込みましたがシュートはわずかに右に外れます。その後も広島がボールを支配してチャンスを作ったものの前半9分、野上のバックパスを受けた林が蹴り出そうとしたところにルキアンが飛び込むと、林の蹴ったボールが当たってそのままゴールへ。広島は軽率なプレーで先制点を許してしまいました。
 それに対して広島も前半14分、ペナルティエリアのやや外から和田が逆サイドにボールを振ると、サロモンソンが胸で落として東へ。これを東は冷静に相手選手の間を抜くシュートを決めて、同点に追いつきました。これで勢いのついた広島は、主に両サイドの突破とクロスからチャンスを作ります。そして25分には和田が遠目から狙いましたがGKがセーブ。27分には東が狙いましたが枠外に外れます。チョンブリも29分には右から突破してゴール前で混戦になったものの林が抑え、33分にはルキアンのパスをクルクリットがシュートしましたが枠外に外れます。また43分にはFKにクリトサダが頭を合わせると、ファーサイドに飛んだボールはポストが弾きます。前半はそのまま同点でハーフタイムを迎えました。
 後半も同じメンバーでスタートしたチョンブリに対して、広島はGK以外の全員を代えて以下の布陣になりました。
       林

   荒木 井林 水本

    稲垣 松本泰

川井           柏
(→皆川81分)
    野津田 森島

  ドウグラス・ヴィエイラ
 立ち上がりから主導権を握ったのは広島で、2分には野津田が角度の無いところからシュートしたもののGKがキャッチ。7分には野津田がFKを直接狙いましたが上に外れます。広島の追加点は時間の問題か、と思われるような流れでしたが、しかし2点目を取ったのはチョンブリ。後半15分、チョンブリの右サイドからロングクロスが送られると、逆サイドに走り込んだクルクリットがシュート。これはジャストミートしなかったものの林の前で大きくバウンドしたボールはそのままネットに吸い込まれてしまいました。
 その後広島は柏を右、川井を左にチェンジして攻勢を強めようとします。しかしむしろコンビネーションが合わずに決定的な形を作れず、むしろ押し込まれる時間帯が増えます。後半31分には皆川を投入してツートップにして、森島をボランチ、稲垣を右WBに代えて前への推進力を強めます。そして42分には野津田のクロスを柏が押し込んだもののオフサイド。後半アディショナルタイムには猛攻をしかけましたがなかなかゴールを割れません。4分間のアディショナルタイムもチョンブリの集中した守備は崩れず、リードされたまま試合終了のホイッスルとなりました。
 試合後に城福監督は「うまくいったことも課題もありますし、個人のコンディションに差があることも理解できた」と総括。今後に向けて「非常にいい参考となる試合でした」と語りました。今季初めての対外試合で、しかもメンバーを固定していたわけでもなかったと言うことで結果そのものの重要性は低いと思いますが、今年の広島が目指すものとそれに向けてやらなければならないことがはっきりした試合だった、と言って良いのではないでしょうか?
 ところで新加入の選手たちですが、レンタル等から復帰した清水や野津田、高橋は全く問題の無いプレーだった、と思います。特に清水は本来のポジションではないストッパーながら、安定した守備と果敢なオーバーラップを見せました。4バックで戦った昨年の経験を経て今季は3バックにチェンジして戦う「城福広島」にとって、貴重な戦力が戻ってきた、と言う印象を受けました。また新戦力の中ではエミル・サロモンソンが見せ場を作りました。サイドからの突破力だけでなくポジショニングの良さも見せて、さすがにA代表の経験を持つ選手だ、と言う感じ。今後周りとのコンビネーションが合ってくればもっと決定的なプレーができるのではないか、と思います。その一方で井林とドウグラス・ヴィエイラはまだまだこれからと言う印象で、実際にドウグラス・ヴィエイラは「非常に難しい試合だった。味方の動きとの連係がまだできていない」と語っています。その点では、現時点では広島入りして半年になるベリーシャの方が上だと言って良いでしょう。いずれにせよ今年のチーム作りは始まったばかり。今後のキャンプでどのようにチームが仕上がって行くのか、期待が盛り上がる試合だった、と言えるのではないでしょうか?

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