11/27〜12/3のSANFRECCE Diary


<22.12.3> サンフレッチェは昨日、野上結貴選手と浅野雄也選手がそれぞれ名古屋と札幌に完全移籍する、と発表しました。
 東京生まれの野上は桐蔭横浜大在学中に横浜FCの特別指定選手となり、2013年からプロとしてのキャリアをスタートさせました。そして2016年に広島に移籍。その年はリーグ戦4試合の出場だったものの、2017年の第5節柏戦で先発起用されるとその後は23試合連続で先発するなどレギュラーを獲得しました。そこからの5年間は「鉄壁の3バック」の一角としてレギュラーポジションを確保していたものの、今季は控えに回ることが多くなりリーグ戦の先発は20試合にとどまっていました。高い身体能力と技術の高さ、そしてDFラインだけでなくWBもボランチもこなせるユーティリティー性を持つ野上は広島にとっては貴重な戦力だったわけですが、だからこそ名古屋で新しいチャレンジをして更に成長したい、と思ったのかも。サンフレッチェとしては非常に痛い流出ですが、頑張って欲しい、と送り出すしかありません。
 一方、浅野拓磨選手の2歳下の弟の浅野は、大阪体育大学から2019年に水戸に加入し開幕戦でプロデビュー。その年の8月に広島への完全移籍が発表されたものの期限付き移籍と言う形でそのまま水戸でプレーして、34試合に出場して4ゴールを挙げました。そして期限付き移籍満了で広島入りした2020年には開幕戦に途中出場してJ1デビューすると、中断後の第2節神戸戦で川辺のスルーパスに走り込んで広島での初ゴールを決めました。その年は32試合で5ゴール、翌年は37試合で6ゴールと着々と実績を積み重ね、今季も開幕から6試合は先発で起用されていた浅野でしたが、しかしその後はベンチから外れることも多くなり、結局12試合に出場してノーゴールに終わってしまいました。第32節神戸戦ではフル出場するなど元気な姿を見せていたものの、やはりスキッベ監督の戦術に対応できなかったのかも。彼を失うのは残念ですが、札幌では心機一転でより大きく成長して欲しい、と思います。
 藤井、野上、浅野と準レギュラー級が立て続けに流出した広島ですが、中国新聞によると他の主力は残留が濃厚だとのこと。大学トップクラスの実力を持つ山崎、中野の加入と越道のトップ昇格が決まっていることもあって、クラブとしては「補強より底上げ」の方針で行くとのことです。スキッベ監督は「(プレシーズンは)厳しいトレーニングになる。ベテランは高いレベルを維持し、若い選手はベテランを追い越すよう頑張って欲しい」と語っていたとのことなので、来季は個人の成長とチームとしての熟成を進めることによって、より高い目標を目指すことになりそうです。
<22.12.2> 昨日(日本時間で今朝早朝)行われたFIFAワールドカップカタール2022のグループステージ第3戦で、日本代表は逆転でスペインを下してグループ首位でノックアウトラウンド進出を決めました。日本代表はコスタリカ戦から5人入れ替えて、GK:権田、DF:板倉、吉田、谷口、MF:伊東、田中(→遠藤87分)、守田、長友(→三苫HT)、久保(→堂安HT)、鎌田(→冨安68分)、前田(→浅野62分)、と言うメンバーでした。立ち上がりからパスを回して攻撃を構築するスペインに対して、日本は前半7分、高い位置からのプレスでボールを奪うと右からペナルティエリアに侵入した伊東が決定的なシュートを放ちましたがサイドネットに行ってしまいます。前半9分にショートコーナーからのモラタのシュートは権田がセーブしたものの、前半11分、左サイドのコンビネーションからアスピリクエタがクロスを上げるとモラタに高い打点から叩き込まれて、先制点を許してしまいました。
 これで勢いのついたスペインは、自在なパス回しで日本じんないに攻め込みます。日本は5人がDFラインに並び、その前に中盤4人がブロックを作って押し返そうとしますが蹴ってもすぐに回収される展開が続きます。23分のモラタのシュートは権田がセーブ。前半の終盤は日本も攻撃に出る場面はあったものの崩すことができず、スペインの1点リードでハーフタイムを迎えました。
 後半から堂安と三苫を投入する森保監督。そしてそれが実ったのは前半3分のことでした。前線の連動したプレスで相手にロングパスを蹴らせると、右サイドで伊東が競って奪い返したボールを堂安が巧みなトラップで相手をかわすと左足で強烈なシュート。これがGKの手を弾いてゴールに突き刺さって、日本が同点に追いつきました。更に後半6分にはペナルティエリア右からの堂安のパスは逆サイドに抜けましたが、三苫がゴールラインぎりぎりで折り返すと飛び込んできた田中が押し込みます。VARの介入により三苫の折り返しがゴールラインを割ったかどうかのチェックされたもののゴールが認められ、日本は逆転に成功しました。
 その後しばらくは日本が高い位置からのプレスに行ったもののスペインが落ち着きを取り戻すと、ゴール前にブロックを作って耐える展開が続きます。後半25分には速攻から三苫のクロスに浅野が飛び込んだもののチャンスを生かせずに終わり、38分の堂安のFKに板倉が合わせたシュートはGK正面に行ってしまうと、その後はスペインの猛攻にさらされます。しかし日本は粘り強くクリーンな守備ではね返し、7分間のアディショナルタイムも耐えて勝利のホイッスルを聞くことができました。
 前半は相手のパス回しに対してプレスが嵌まらず先制点を許し、後半からギアを上げてプレッシングから得点を奪い取る、と言う戦い方はドイツ戦とほぼ同様。ヨーロッパの強豪に対して日本の良さを出しつつ真っ向から戦いを仕掛けて、勝利と言う結果を残しました。代表に選ばれたほとんどの選手が欧州のリーグで活躍していることが大きな要因ではあるものの、やはり森保監督のチーム作り、戦術、そして選手起用が当たった結果だった、と言って良いでしょう。ドイツ、スペインと言うW杯優勝経験を持つチームが2つ含まれる「死の組」を首位で突破した日本代表。次のクロアチア戦に、史上初のベスト8進出を賭けることになります。
<22.12.2> サンフレッチェは昨日、荒木隼人選手と森島司選手が来季の契約を更新した、と発表しました。中国新聞によると荒木は1,000万円増の年俸3,500万円、森島は1,000万円増の年俸3,400万円で合意したとのことです。両者とも今季で契約満了となるため関東のクラブから好条件のオファーが来ていたそうですが、荒木は「今の気持ちとして、広島に必要とされるなら出て行くつもりはない。そのくらい広島には恩があるし、期待に応えたい」、森島は「来季もタイトルを取れるように頑張りたい」と決意を語っているとのこと。それぞれ守備と攻撃の中心選手として、来季のチームを引っ張って欲しいと思います。
<22.12.1> 中国新聞によると、野上結貴選手の名古屋への移籍が明らかになったそうです。今季のリーグ戦25試合に出場した野上は広島残留も考えていたそうですが、名古屋の山口素弘GMは横浜FC在籍時に監督だったこともあって移籍を決断した模様です。一方浅野の札幌移籍も濃厚になったとのこと。二人とも広島との契約を残しているため、移籍金が発生するそうです。
<22.11.29> 日曜日にアウェイで行われた高円宮杯プレミアリーグウェスト第21節で、サンフレッチェ広島ユースはC大阪U-18を逆転で下し、7位に浮上するとともにプレミアリーグ残留を決めました。広島のメンバーは、GK:中原、DF:渡邉、畑野、滝口、石原、MF:井野、笠木、高下、竹山(→89分)、FW:妹尾(→90+3分)、中川。前半3分に先制点を許した広島は、後半早々のピンチも凌いだ後に反撃を開始し、後半20分に相手のミスから高下が同点ゴール。後半43分には畑野のクロスを井野がヘッドで押し込んで勝ち越して、そのまま逃げ切りました。この結果、サンフレッチェ広島ユースは21試合を消化して勝点28。10位清水ユースとの勝点差が8に開いたため残留が決まりました。第21節の全結果と順位表は次の通り。
【第21節】
履正社高   2-3 静岡学園高
神戸U-18   1-2 名古屋U-18
磐田U-18   0-1 鳥栖U-18
C大阪U-18  1-2 広島ユース
G大阪ユース 3-3 清水ユース

         勝点 試合 勝 分 負 得失差
1 鳥栖U-18     40    21   12   4   5   +22
2 神戸U-18     37    20   11   4   5   +16
3 磐田U-18     36    21   11   3   7    +8
4 静岡学園高    34    21    9   7   5   +10
5 名古屋U-18    33    21   10   3   8    +1
6 大津高      31    21    9   4   8    -6
7 広島ユース    28    21    7   7   7    -3
8 履正社高     27    21    8   3  10    +1
9 東福岡高     24    20    7   3  10   -15
10 清水ユース    20    21    4   8   9    -9
11 C大阪U-18    19    21    5   4  12    -1
12 G大阪ユース   18    21    5   4  12   -24

<22.11.28> 昨日行われたFIFAワールドカップカタール2022のグループステージ第2戦で、日本代表は守りを固めるコスタリカから得点を奪えず、逆に不用意なプレーで失点して痛恨の敗戦を喫しました。
 森保監督はドイツ戦から5人を入れ替えて、GK:権田、DF:山根(→三苫62分)、板倉、吉田、長友(→伊藤HT)、MF:遠藤、守田、堂安(→伊東67分)、鎌田、相馬(→南野82分)、FW:上田(→浅野HT)。引いて守りを固めるコスタリカに対して、日本はサイドからの仕掛けや中央のコンビネーションで崩そうとします。しかしアイディアに乏しく5バックで守るコスタリカの守備を崩せないままに時間が過ぎて、前半はほとんどシュートも打てないままに終わりました。2人を入れ替えて臨んだ後半は、1分に守田が浅野とのワンツーから強烈なシュートを放つとその後も積極的に攻め込みます。後半12分には相馬がドリブルからシュートしたものの枠外。18分の相馬のFKは上に外れ、27分の鎌田のFKは壁に弾かれます。逆に後半36分、吉田の不用意なパスから相手に奪われ、DFラインの裏に抜け出したフレールにシュートを決められて先制点を奪われます。その後日本は三苫の突破から決定機を作ったものの浅野のシュートは身体を張った守備に防がれ、アディショナルタイムの三苫の突破からのクロスも味方に繋がらず、得点の無いままに無情のホイッスルとなりました。
 勝てばグループステージ突破に大きく前進する試合。しかも相手はスペインに0-7で敗れていると言うことで勝利が期待された試合でしたが、逆にコスタリカは「強豪相手のサッカー」を徹底してきました。ABEMA TVの解説の本田圭佑さんはコスタリカについて「ゼロに抑えてあわよくば1点取って逃げ切ることを狙っている」と言っていましたが、まさにその目論見通りの勝利を挙げた、と言って良いでしょう。それに対する日本代表ですが、もしかしするとW杯本大会でこのような戦いを仕掛けられることはあまり想定していなかったのかも。アジアでは常に向き合っている「守りを固める相手から勝点を取る」と言う戦い方の準備をしっかりとしておけば、少なくとも勝点1は取れたような気がしてなりません。
 昨日のグループステージのもう1試合は、ドイツが先制点を奪われながらも同点に追いついて勝点1ずつを分け合いました。これで1位スペイン、2位日本、3位コスタリカ、4位ドイツとなったものの、全てのチームに突破の可能性が残る、と言う形になりました。スペインに勝てば自力で勝ち抜きが決まり、引き分けでも可能性があると言う形になった日本代表。次はこれまで積み上げてきた全てを賭けて、勝ちを狙って戦わなければなりません。
<22.11.27> 昨日ホームで行われたWEリーグカップ第4節INAC神戸戦で、サンフレッチェ広島レジーナは上野のPKで先制したものの終了間際に追いつかれ、勝点1ずつを分け合いました。
 昨日のレジーナは2トップを採用して、以下の布陣で戦いました。
       木稲

塩田   左山  中村   木崎

     近賀  小川

立花            中嶋
(→瀧澤90+3分)
     上野  谷口
     (→齋原90+1分)

SUB:福元、呉屋、川島、増矢、島袋
 対する神戸は、GK:山下、DF:井手、三宅、竹重、MF:守屋、成宮(→愛川88分)、脇阪(→阪口68分)、伊藤、水野、FW:田中、高瀬(→浜野78分)、と言うメンバーでした。立ち上がりはなかなかプレスがかからず神戸に攻め込まれ、3分には田中に強烈なシュートを打たれましたが木稲がナイスセーブ。7分には高瀬がクロスにヘッドで合わせて来たものの枠外で助かります。その後は広島は粘り強い守備から押し返して、19分の中嶋の突破を皮切りに攻撃に転じ、24分には左山のロングフィードで抜け出した上野がシュートしたもののGKの正面。32分には谷口のクロスのこぼれを小川がシュートしましたが惜しくも枠外に外れ、41分と45分には中嶋がシュートまで行きましたがGKに抑えられます。その後も神戸に何度かシュートまで持ち込まれたものの守備陣が集中を切らさず、スコアレスでハーフタイムを迎えました。
 後半の立ち上がりは神戸にボールを支配されて攻め込まれ、13分には速攻から田中にシュートを打たれましたがサイドネットで助かります。それに対して広島は後半17分、ドリブルで持ち上がった上野のパスで抜け出した立花がペナルティエリア内で倒されてPKのホイッスル。これを上野が冷静に決めて先制点を奪いました。
 その後はオープンな展開となって両チームともに攻め合います。後半24分には相手ボールを奪った谷口が上野のクロスに飛び込みましたがGKがセーブ。29分には中嶋のドリブルから谷口がループ気味に狙いましたが枠外に外れます。終盤には神戸の攻撃にさらされましたが38分の阪口のFKと40分の田中のシュートは枠外に外れます。後半43分、左からの田中を狙った水野のクロスがそのままゴールネットに収まって同点に追いつかれましたが、後半アディショナルタイムの田中のシュートは木稲が抑えてそのまま引き分けに終わりました。
 WEリーグの初代女王で代表クラスを多く揃える神戸は、技術の高さと球際の強さを見せて広島を押し込みました。しかしレジーナの選手たちは臆することなく戦いを挑み、PKをゲットしたシーン以外にも何度もチャンスを作りました。その中で特に光っていたのは谷口。立ち上がりから押し込まれていたレジーナを前に向かせたのは前半18分にDFにプレスをかけてボールを奪ったところからでしたし、その後も何度も前からの守備でチームを引っ張りました。終盤に押し込まれた時間帯に失点してしまったのは残念でしたが、しかしそれでも2点目は許さず勝点1を確保したのはチームがしっかりと集中していたからでしょう。昨シーズンに引き続いてのホームでの神戸戦勝利とはいかなかったものの、上位チーム相手に対等な戦いができたことは自信にして良いでしょう。今節の結果レジーナは8位に後退してしまいましたが、自分たちの力を信じて積極的な戦いで更に上を目指して欲しいと思います。

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